リーズナブルな料金設定ながら、大手キャリアと同等の通信速度が魅力のUQmobileとahamo。格安SIMのなかでも人気が高い両社への乗り換えを検討しているものの、違いがよくわからず決めかねているという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、UQモバイルとahamoの特徴を比較しつつ、どんな人におすすめなのかを解説します。自分に適しているのはどちらなのか、知りたい人はぜひ最後までチェックしてください。
【株式会社携帯見直し本舗/一般社団法人携帯電話料金適正化協会代表】 携帯ショップで働いた経験はなく、自身の節約のために携帯料金プランの見直しを徹底的に調べ上げて実践して習得。2017年から中立公正な〝携帯料金見直し専門FP〝として累計3,000名超の携帯料金削減を実現している。相談による平均削減金額は年間で約50,000円。さらに、各種メディアでの解説・取材や、セミナー・研修も行っている。 【メディア出演実績】 フジテレビ「とくダネ!」「イット!」、TBSテレビ「Nスタ」「はやドキ!」、日本経済新聞社、プレジデント、マイナビ
大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また自身が行う検証の中で通信会社の公表値と異なる数値も発表、わかりにくいと言われる通信サービスだからこそ、理解しやすく信頼できるコンテンツの企画制作を心掛けている。
目次
失敗のない選択をするためには、両者の特徴をしっかり把握することが大切です。以下では、様々な観点からUQmobileとahamoを比較し、違いを解説します。
UQmobileとahamoの容量を比較すると、UQmobileは小容量を含む3プラン、ahamoは30GBプランのみという違いがあります。
UQmobileはトクトクプラン・コミコミプラン+・ミニミニプランの3種類があり、使い方に合わせて選べるのが魅力。トクトクプランは15GB/3,465円(税込)ですが、割引条件(自宅セット割・au PAY カードお支払い割)を満たすと、1GBまでの使用の月は990円(税込)、15GBまでの月は2,178円(税込)になります。
また、33GB/3,278円(税込)のコミコミプラン+は、1回10分以内の国内通話が無料になるのが特徴。4GB/2,365円(税込)のミニミニプランは基本料金は2,365円(税込)ですが、割引条件を満たすと1,078円(税込)で利用できます。
一方、ahamoは月30GB/2,970円(税込)のワンプランですが、大盛オプションを付けると110GBまでの4,950円(税込)で使えます。大容量を希望する人はahamoで大盛りオプションをつけるのがおすすめです。
基本の無料通話オプションは、ahamoとUQmobileのコミコミプラン+で比較するとよいでしょう。
ahamoはデータ容量30GBで2,970円、UQmobileのコミコミプラン+はデータ容量33GBで3,278円ですが、標準搭載の無料通話がahamoは5分以内、UQmobileのコミコミプラン+は10分以内という違いがあります。日頃の電話の利用状況にも合わせて選ぶとよいでしょう。
かけ放題オプションを見ると、ahamoのかけ放題オプションは24時間無料の1つのみとシンプルです。
一方のUQ mobileでは、24時間かけ放題1,980円(税込)、月間60分のかけ放題660円(税込)の無料通話パックも選択可能。60歳以上の人でトクトクプランかミニプランの24時間かけ放題を申し込んだ人は、かけ放題の料金が永年1,100円割引になります。
なお、UQ mobileでは有料で着信転送・割込通話・三者通話・迷惑電話撃退・留守番電話などのオプションを付けられますが、ahamoにはこれらのサービスは用意されていません。
データ通信品質を比較すると、より幅広いエリアで5Gを利用できるのはahamoです。
UQmobileはauのネットワーク、ahamoはドコモネットワークを利用しています。総務省のデータによると、5G基盤展開率はauが93.2%であるのに対し、ドコモは97.0%。ドコモの料金プランであるahamoのほうが5G利用環境が整っていることがわかります。
速度制限になった場合の通信スピードは、ahamoのほうが速い可能性があります。ahamoはいずれのプランであっても最大1Mbpsですが、UQmobileではミニミニプランなど一部では最大300kbpsに制限されます。詳しくはプラン選択時に公式サイトで確認してください。
海外ローミングを比較すると、ahamoのほうが使い勝手がよくお得です。海外ローミングとは、日本国内で契約している携帯電話を海外でも利用できる仕組みのことす。
ahamoはアメリカ本土やフランスなど海外82の国々で、月間30GBまで無料利用が可能。訪れる国や地域がahamoのサービス提供範囲内なら、追加料金がかかりません。
一方、UQmobileで海外ローミングを利用するには、auが提供する世界データ定額または海外ダブル定額オプションを付帯する必要があります。世界データ定額は日額490円(税込)~、海外ダブル定額は日額最大2,980円(税込)です。
24時間ごとに利用料が発生するため、滞在が長期間に及ぶ場合は料金がかさむので注意が必要。また、海外での通信量は、加入中のプランの月間データ容量から消費され、国内で使用した分と合算されるので気をつけましょう。
データ容量を有効活用できる機能にも違いがあるので要チェックです。
UQmobileでは余ったデータ容量の翌月への繰り越しができるので無駄がありません。来月は外出が多くデータ通信量の消費が大きくなることが予想されるため、データを節約して余った分を来月に持ち越す、といった使い方も可能です。
また、節約モードを利用すれば、通信を低速にする代わりにデータ消費をゼロに抑えられるので、用途に応じてうまく切り替えて活用すれば効率的に利用できるでしょう。
ahamoには繰り越し機能や節約モードのような機能はないため、データを有効活用したい人はUQmobileを選択するとよいでしょう。
UQmobileではキャリアメールが使えますが、ahamoでは利用できないのも大きな違いです。UQmobileでは@uqmobile.jpのメールアドレスを利用できるオプションを、月額220円で付帯できます。
なお、乗り換え後も現在利用中のキャリアメールを使い続けたい人は、メールアドレスの持ち運びサービスを利用するとよいでしょう。ドコモ・au・ソフトバンクの3社は月額330円でサービスを提供しており、通信サービス解約後もそれぞれのキャリアメールを継続利用可能です。
手続き時に発生する各種手数料を比較すると、ahamoのほうが新規契約事務手数料やSIMカードの発行手数料が安く設定されています。ahamoの事務手数料は無料で、SIMカードの再発行手数料のみ1,100円がかかります(故障による再発行は無料)。
一方のUQmobileでは、新規契約・機種変更・端末増設・SIMカードの再発行やeSIMからの切り替えなどで3,850円(税込)がかかります。手数料無料なのは、オンラインショップでeSIMを発行する場合のみです。
両社ともにMNP転出手数料・契約解除手数料・違約金は無料ですが、全体的に手数料が安いのはahamoで、乗り換え・新規契約時の費用が軽減されるためお得です。
サポート体制で比較すると、UQmobileのほうがより多くの手段で相談できて便利です。
UQmobileでは、チャット・LINE・電話・店舗などで相談可能で、料金プランや故障はもちろん、乗り換えなどの相談も無料で行えます。店舗での対面サポートのほか、電話でもオペレーターがさまざまな質問に対応してくれるので、オンラインでは不安を感じる人でも安心です。
ahamoのサポート方法はチャットがメイン。AIまたはオペレーターによる対応を行なっています。ドコモショップでahamoサイトでの手続きをサポートしてもらうこともできますが、有料(3,300円・税込)となっており、電話でのサポートは受け付けていないため注意しましょう。
UQmobileはUQmobile専門ショップだけでなく、全国のauショップにも併設されていて、大手キャリアと同等の店頭サポートを受けられます。
入会キャンペーンで比較すると、UQmobileのほうがメリットが大きいでしょう。UQmobileでは、乗り換えでポイントがもらえたり、対象機種が割引になったりするキャンペーンが豊富で、時期によっては大きな還元が受けられますす。
たとえば2023年12月現在では、オンラインショップでSIMのみの乗り換えをすると、最大でau PAY残高10,000円の還元が受けられる「UQ mobileオンラインショップ限定au PAY残高還元」キャンペーンが実施されています。
ahamoは、動画サービスの利用でdポイントがもらえるキャンペーンを常時実施しています。動画配信サービスのディズニープラスが最大6か月間無料で使えたり、雑誌が読めるdマガジン契約時に最大1,200円分のdポイントの還元が受けられたりと、コンテンツの割引が充実していますが、コンテンツに魅力を感じない人にはメリットは少ないでしょう。
購入できる端末で比較すると、ahamoのほうが幅広い機種から選択可能です。
UQmobileでは旧機種の販売がメインとなっており、たとえばiPhone11・12など数年前のモデルに限定されています。一方で、ahamoはiPhone15シリーズなどの最新機種も取り扱っており、ドコモオンラインショップからの購入も可能なため、より多くの機種のなかから選べるのが魅力です。
購入特典としては、UQmobileでは乗り換え時にオンラインショップで機種変更をすると対象機種が割引になるスペシャルセールなど、が随時実施されています。2万円以上お得になることもあるので、こまめにサイトをチェックしてタイミングを狙ってみてください。
一方、ahamoでは、返却を条件に機種代金が安くなる、いつでもカエドキプログラムに申し込み可能。機種代金を分割で支払っていき、24か月使用した状態で端末を返却すると、残りの代金が無料になります。実際の機種代金の半額程度で使えるため、常に最新機種を使いたい人や、毎回2年程度で機種変更している人には魅力的なプログラムだといえるでしょう。
auオンラインショップは、2021年5月から回線契約を伴わない端末のみの購入が可能なため、端末はauで購入し、回線契約はUQmobileで行うことも可能です。
ただし、auの回線契約をせずに端末のみを購入した場合、au独自の端末保証サービスは対象外となるため、保証が必要な人は別途スマホ保険に加入するか、UQmobileの取扱端末を選んで保証サービスに加入するといいでしょう。
UQmobileとahamo、ともに家族割はありませんが、ahamoはドコモのファミリー割引グループに1回線分としてカウントされるため、家族にドコモの利用者がいるとお得です。ファミリー割引が適用されると、ドコモ回線の月額料金が最大1,100円安くなるほか、ドコモからahamoへの発信も無料になります。
ただし、割引になるのはドコモ回線のみでahamoの月額料金は変わらず、ドコモへの発信も無料にはならないため注意しましょう。
UQmobileは過去に家族割のサービスがありましたが、2021年1月末をもって新規受付を終了しています。家族割を利用中の人は、継続して利用可能です。
ここまで、UQmobileとahamoの違いを細かく比較しましたが、総合的にどちらがおすすめなのでしょうか。以下では、UQmobileとahamoそれぞれどのような人におすすめかについて解説します。
毎月のデータ使用量が少ない人や新規で契約する人、手続きに不安を感じる人はUQmobileがおすすめです。
データ通信をあまり使わず使用料金を抑えたい人にはUQmobileのミニミニプランがぴったり。データの繰り越しや節約モードを駆使すれば、コスパよく快適にスマホを活用できるでしょう。
UQmobileはサポート手段も豊富なため、高齢の人やはじめてスマホを契約する人にもおすすめです。チャット・LINEのほか、電話や店舗での対人サポートも受けられるので安心。格安SIMのなかでもUQmobileのサポートは手厚く、心理的な安心感を得られるでしょう。
電話番号を新しく取得する人も、UQmobileのほうがお得。UQmobileには、ahamoにはない新規契約時のキャンペーンが豊富に用意されており、乗り換え時の還元もお得です。プライベートとビジネスでスマホを分けたい場合や、子どもに新しくスマホを持たせる際には、UQmobileの新規契約キャンペーンを賢く活用してください。
毎月のデータ使用量が多い人や通話料や手数料を安く抑えたい人、頻繁に海外渡航する人には、ahamoがおすすめです。
ahamoでは大盛オプションを選択できるので、自宅にWi-Fi環境がないなどで通信量が多くなってしまう人も安心して利用できます。5分以内の通話が無料であることに加えて、通話オプションが安く設定されている点も、音声通話の利用回数が多い人にはうれしいポイントでしょう。
海外旅行や出張に行く機会が多い人も、ahamoを選ぶとメリット大。追加料金なしで海外ローミングが30GBまで使えるため、海外渡航のためにWi-Fiをレンタルする手間が省けます。
スマホ本体にこだわりたい人も、ahamoのほうがおすすめ。幅広い機種から選べるうえ、高額な最新端末をお得に利用できるプログラムを利用できるのが魅力です。
契約手数料をはじめ、手数料無料でできる手続きが多いため、気軽に乗り換えることも可能です。ただし、ahamoはチャットサポートが中心となるため、手続き上でわからないことがあったときに電話や店舗で詳しく教えてもらいたい人には、難しく感じられるかもしれません。
UQmobileとahamoの特徴について詳しく分かったところで、他社の格安SIMとも比較してみたいという人には、以下のコンテンツがおすすめです。
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