独自の料金プランで注目を集めている、楽天モバイルとpovo。スマホの利用料金を抑えるために乗り換えを検討しているものの、どちらが自分に合っているのかわからず、迷っている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、楽天モバイルとpovoそれぞれの特徴を比較しつつ、どのような人におすすめか解説します。料金プラン・通信速度など項目別に説明するので、失敗のない選択のために役立ててくださいね。
大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また自身が行う検証の中で通信会社の公表値と異なる数値も発表、わかりにくいと言われる通信サービスだからこそ、理解しやすく信頼できるコンテンツの企画制作を心掛けている。
以下では、楽天モバイルとpovoの違いを項目ごとに比較しながら解説します。
料金プランを比較すると、楽天モバイルはデータ無制限で利用でき、povoは使う分だけ都度購入できるという特徴があります。
従量課金制のプランを採用。3GBまで月額1,078円、20GBまで2,178円と使ったデータ量に応じて料金が上がり、20GBを超えると3,278円でデータ無制限になるのが楽天モバイルの特徴です。ただし、楽天回線エリア外では、5GBを超えると低速通信になります。
一方のpovoは、使いたい分だけ都度購入するチャージ方式が特徴。基本料金は0円で、トッピングと呼ばれるデータ容量や通話オプションを追加購入して利用します。データトッピングの詳細は、以下のとおりです。
データ使い放題/24時間:330円(税込)
データ追加 1GB/7日間:390円(税込)
データ追加 3GB/30日間:990円(税込)
データ追加1GB/180日間:1,260円(税込)
データ追加 20GB/30日間:2,700円(税込)
データ追加 60GB/90日間:6,490円(税込)
データ追加 300GB/90日間:9,834円(税込)
データ使い放題/7日間 12回分:9,834円(税込)
データ追加 150GB/180日間:12,980円(税込)
データ追加 120GB/365日間:21,600円(税込)
データ追加 300GB/365日間:24,800円(税込)
データ追加 360GB/365日間:26,400円(税込)
トッピングを購入しない月は0円ですが、180日以上有料トッピングを購入しないと、利用停止や契約解除になる可能性があるため要注意。トッピングを買い足すほど料金が高くなるため、計画的に使いましょう。
通話オプションを比較すると、無料でかけ放題が可能な楽天モバイルがお得です。
楽天モバイルは、国内通話が無料でかけ放題になるRakuten Linkアプリを提供しています。Rakuten Linkを使用していない他キャリアにも、無料で発信できるのがうれしいポイント。Rakuten Linkを使用していないスマホや固定電話へかける場合も無料です(ナビダイヤルなど一部番号は除く)。
ただし、ネット回線を利用した通話のため、通話品質が劣る可能性があるので注意。通話品質を重視する人は、電話回線を利用したかけ放題オプションも利用可能で、月額1,100円で15分までの国内通話が無料になります。3か月間の無料キャンペーンも行なっているので、活用してください。
一方で、povoの通話かけ放題オプションは月額1,650円。月額550円で5分までの国内通話がかけ放題になるオプションもあります。
通信品質を比較すると、povoのほうがよいという意見が多く見られます。povoはau回線を利用。4G LTE 800MHzで人口カバー率99.9%を達成しており、都市部はもちろん山間部や地方などでも安定した通信環境が期待できます。
一方で、楽天モバイルで利用可能な楽天回線は、地下や遮蔽物など利用環境の影響で電波が弱くなり、通信や通話が制限される可能性があると、公式サイトにも記載されています。
楽天回線は人口カバー率98%以上とされており、povoと比較すると対応エリアがやや狭い点もデメリットです。また、楽天回線エリア外ではパートナー回線(au回線)を利用する仕組みになっており、通信量が5GBを過ぎると1Mbpsに制限されるため注意しましょう。
なお、両社の通信品質の違いには、プラチナバンドの有無が関係しています。プラチナバンドとは、700~900MHzの周波数帯域の電波のこと。遠い場所やビル内部でもよく届くため、携帯無線通信において最適な周波数とされています。
プラチナバンドを割り当てられているのはau・ドコモ・ソフトバンクの3キャリアのみで、楽天モバイルには割り当てられていないため、利用環境によっては電波が弱くなると考えられます。利用する環境やタイミングによって異なる可能性もありますが、比較検討する際のひとつの判断基準にしてください。
楽天モバイルは端末を購入できますが、povoは公式サイトで端末を販売していません。
楽天モバイルの店舗や公式サイトでは、Rakutenオリジナルの独自端末のほか、iPhoneやAndroidを販売しています。2022年9月発売の最新機種であるiPhone14シリーズも取り扱っており、幅広いラインナップから自分にあう端末を選択可能です。
一方、povoは端末販売を行っておらず、SIMカードまたはeSIMのみの契約となります。機種変更をする場合は、自分でSIMフリー端末を用意する必要があります。auオンラインショップ・家電量販店・メーカー通販などで購入し、手続きを行ってください。
サポート体制で比較すると、楽天モバイルのほうが充実しています。
楽天モバイルには、さまざまな問い合わせ手段が用意されているのが特徴。チャット・電話・問い合わせフォーム・店舗などを活用して、楽天モバイルを利用中に生じた疑問点はもちろん、乗り換え前の相談にも対応してもらえます。
一方、povoのサポートはチャットと問い合わせフォームのみ。電話窓口や店舗のサポートはなく、同じグループのauショップへの問い合わせもできないため注意しましょう。
楽天モバイルはポイント還元があるためお得。利用料金100円につき、楽天ポイント1ポイントが付与されます。
貯まった楽天ポイントでの利用料金の支払いも可能です。ポイントを自動的に利用する設定ができるうえに、期間限定ポイントから優先的に使われるため、ポイントの使い忘れや期限切れを防げます。
楽天モバイルは「楽天SPU」の対象になるため、楽天関連サービスで得られるポイントがアップするといったメリットも。楽天市場で買い物をすると楽天ポイントが+1倍貯まり、楽天モバイルキャリア決済を利用すると追加で+0.5倍のポイントを獲得可能です。
povoは携帯料金によるポイント還元はないものの、auPAYカードで毎月の利用料金を支払うと、Pontaポイントが付与されます。povoに乗り換える際は、auPAYカードを発行して支払い設定しておくとよいでしょう。
入会キャンペーンは、楽天モバイルのほうが豊富でお得です。
2023年3月現在、楽天モバイルが実施しているおもな入会キャンペーンは2つ。SIMのみ契約で最大3,000円分の楽天ポイントが付与されるものと、対象スマホとセット契約で最大19,000円分お得になるという内容です。
一方、povoで実施している入会キャンペーンは、7日間データ使い放題のみで、ポイント還元や割引はありません。データ通信をあまり利用しない人にとっては、楽天モバイルのほうが魅力的でしょう。
楽天モバイルとpovoの違いを比較しましたが、総合的にどちらがおすすめなのでしょうか。以下では、楽天モバイルとpovoそれぞれどのような人におすすめかについて解説します。
以下では、楽天モバイルを選んだほうがよい人について解説します。
データ通信量が多く、楽天回線の対応エリアに住んでいるなら、楽天モバイルがおすすめです。
楽天モバイルは、楽天回線対応エリア内ならデータ無制限で利用可能。自宅や職場などの生活圏がエリア内であれば、便利に活用できます。ただし、楽天回線エリア外ではデータ容量は5GBまでのため注意しましょう。
自宅や職場が楽天回線エリア内にあるか調べたい人は、公式サイトの通信・エリアページにてチェックしてみてください。
通話かけ放題をお得に利用したい人も、楽天モバイルがおすすめです。
楽天モバイルは、Rakuten Linkアプリを利用すれば国内通話が無料。他社キャリアへの発信も、通話料はかかりません。通話する機会が多い人は、Rakuten Linkアプリの活用を検討するとよいでしょう。
店舗や電話でサポートを受けたい人は、楽天モバイルを選択しましょう。
楽天モバイルは、チャット・電話・問い合わせフォーム・店舗など、さまざまなサポート手段を用意しています。店舗で各種手続きができるほか、操作サポートやプランの相談も可能です。
自分で手続きを進めるのが苦手な人も、楽天モバイルなら安心して手続きを進められるでしょう。
以下では、povoを選んだほうがよい人について解説します。
データ通信量が日によって大きく異なる人には、povoがおすすめです。
povoは基本契約料は0円で、使う分だけデータ容量を購入する仕組み。たとえば、週末だけ利用頻度が高くなる人は、平日は1〜3GBの小容量を購入し、週末は24時間限定のデータ使い放題を追加するといった具合に、自分にあったトッピングをカスタマイズできます。
特定の日だけ大容量のデータをお得に使いたい人は、プランの自由度が高くライフスタイルに応じてオプションを選択できるpovoを選択するとよいでしょう。
通信品質を重視する人も、povoを選ぶとよいでしょう。
povoはauの回線を使用しているため、より多くのエリアで安定した通信環境を期待できます。公式サイトにも、登山道やキャンプ場などでも快適に利用可能と明記されているため、アウトドアが趣味という人にもおすすめです。
2台持ちを検討している人にも、povoの利用がおすすめです。
0円のベースプランに必要に応じてトッピングを購入するpovoは、維持費を抑えられるためサブ回線に適しています。仕事とプライベートで電話番号を使い分けたい、メイン回線の低速時にサブ回線でデータ通信を行いたいと考えているなら、povoを含めて2台持ちするとよいでしょう。
楽天モバイルとpovoは、デュアルSIMによる併用も可能です。デュアルSIMとは、1台のスマホで2つの回線を利用できる仕組み。端末が1台のみでも、2台持ちのメリットを得られます。
たとえば、楽天モバイルで通信を行い、低速時や通信環境が悪い場所ではpovoに切り替えて都度トッピングしながら利用すると、両社の長所を活かせるでしょう。通話はRakuten Linkを利用すると、無料で発信可能です。
ただし、デュアルSIMを利用するには、対応端末が必要です。iPhone12以降や一部のAndroidは、デュアルSIMの対応が可能です。詳しく知りたい人は、デュアルSIM対応端末ページを確認してみましょう。
データ無制限の楽天モバイルと、自由にカスタマイズできるpovo。それぞれ異なる魅力があるため、どちらにしようか迷ってしまう人も多いでしょう。
mybestでは、両社の口コミや評判をまとめたうえで、実際の使用感を検証しました。リアルな意見を知りたい人は、参考にしてみてください。
楽天モバイルとpovoのほかにも、特徴的な格安SIMは多数登場中。各社を比較して自分にあう携帯キャリアを選べば、乗り換え後も快適に利用できます。
以下の記事では、格安SIMのおすすめランキングをまとめています。楽天モバイルやpovoも含め、人気の格安SIMをmybestが比較検証しているので、乗り換え前の参考にしてください。
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