クレジットカードを作るときに候補に挙がることが多い、アメックスとJCB。どちらもさまざまなメリットがあるカードだけに、どちらを作ればいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、アメックスとJCBにはどのような違いがあるのかについて徹底的に解説します。さらに、それぞれがどのような人におすすめかも紹介するので、クレジットカード選びの参考にしてみてください。
金融機関勤務を経て1級ファイナンシャルプランニング技能士の資格を取得。ファイナンシャルプランニングオフィスParadise Wave(パラダイスウエーブ)の代表。現在は独立系ファイナンシャル・プランナーとして各種ローンに関する相談業務・セミナー講師・執筆活動を行っている。さらに、海外生活ジャーナリストとして移住支援も行っており、得意ジャンルは金融にとどまらず多岐に渡る。 【主な著書】 『貯める!儲ける!お金が集まる94の方法』(ローカス) 『あなたのファンを増やす魔法の質問 テラー必携!!』(近代セールス社) 『介護経験FPが語る介護のマネー&アドバイスの本』(近代セールス社) 『宅建資格を取るまえに読む本』(総合資格)
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
アメックスおすすめ5選
アメックスとJCBの違いを知るために、基本スペックを比較してみましょう。比較したカードは、アメックス「アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カード」とJCB「ゴールドカード」です。
クレジットカードの国際ブランドは、いろいろな会社と提携したカードがラインナップされています。そして、発行会社が違うと、年会費や特典も変わってきます。
カードを選ぶときには、受けられる特典などにも注目して、自分にとってメリットのある1枚を選ぶようにしたいものです。
金額だけを見ると、両者の年会費にそこまで大きな差はありません。アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードの年会費は税込13,200円、JCBゴールドカードの年会費は税込11,000円ですが、JCBゴールドカードはオンライン入会をすると初年度の年会費が無料になるので少しお得です。
どちらのカードも特典が豊富であり、持っているだけでステータスの高さを感じられます。年会費の金額だけでなく、自分にとってどちらの付帯サービスや特典を利用する機会が多いかを考えて、アメックスかJCBかを決めるとよいでしょう。
家族カードの年会費で比較すると、JCBのお得感が際立ちます。家族カードが複数枚必要な人は、JCBを選ぶことでコスパよくカードを保有できるでしょう。
家族会員の年会費は、アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードは税込6,600円、JCBゴールドカードは1名無料で、2人目からは1名につき税込1,100円と決められています。本会員がオンライン入会して初年度の年会費が無料になった場合は、家族会員も年会費無料です。
ただし、年会費の安さだけで選んでしまうと、カードの良さを活かしきれない可能性があります。家族のカード利用シーンを想定して、アメックスとJCBのどちらが適しているかを考えてみてください。
ETCカードの使い勝手はどちらでも変わらないので、カード発行手数料に注目して選ぶとよいでしょう。アメックスもJCBも年会費は無料ですが、アメックスではカード発行手数料が税込935円かかるという違いがあります。
アメックスもJCBも、ETCの利用代金はカードと合わせて請求されます。利用するごとにポイントが貯まるのも両者に共通しており、大きな違いはありません。
ポイント還元率でみると、JCBよりもアメックスのほうが高くお得だといえます。アメックスのポイント付与レートは100円=1ポイント、JCBのポイント付与レートは1,000円=1ポイントです。ただし、アメックスは200円につき1ポイントの加盟店や、ポイント加算対象外の加盟店があるので注意してください。
JCBゴールドカードで注目したいのは、「JCB ORIGINAL SERIESパートナー」と呼ばれるポイント優待店があること。スターバックスで10倍、amazonやセブンイレブンで3倍になるなど、優待店によく使う店舗があればお得にポイントを貯められるでしょう。JCBは海外で支払いをした場合にも、通常の2倍以上ポイントが貯まります。
ポイントの有効期限はアメックスもJCBも最大3年間で、基本条件は同じです。ただし、アメックスではポイントを一度交換すると、最大3年間の有効期限が無期限になります。有料の「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録している場合は、ポイント交換をしなくても有効期限が無期限になるのもメリットです。
どちらのカードにも、国内旅行保険が付帯しています。アメックスもJCBも補償の上限金額は同じですが、補償条件や適用範囲などの詳細はそれぞれ異なるので、事前に確認しておきましょう。
国内旅行の場合、アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードは傷害死亡・傷害後遺障害保険金の補償額が5,000万円、基本カード会員・家族カード会員の家族に対する補償額が1,000万円です。JCBゴールドカードは死亡・後遺障害の補償額が最高5,000万円となっています。
なお、JCBゴールドカード・アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードともに旅行代金の支払いをカードで行うことが適用条件となります。その際、旅行代金に含まれるのは、国内旅行の交通費や滞在する施設の宿泊料などです。
海外旅行保険の補償額でみると、JCBの補償の手厚さが際立ちます。アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードの傷害死亡・傷害後遺障害保険金の補償額は5,000万円、会員の家族に対する補償額は1,000万円ですが、JCBゴールドカードの死亡・後遺障害の補償額は最高1億円です。
なお、補償の条件や適用範囲といった詳細はカードによって異なるので、利用前に確認しておきましょう。
たとえばJCBの補償額1億円というのは、日本出国前に「搭乗する公共交通乗用具」または「参加する募集型企画旅行」の料金をゴールドカードで支払った場合に適用されます。
一方、アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードの海外旅行保険は利用付帯となっており、旅行代金の支払いにカードを利用した場合のみ補償が適用されます。
アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードもJCBゴールドカードも指定された空港ラウンジを無料利用でき、それほど大きな差はありません。ただし、アメリカン・エキスプレス®・グリーン・カードの場合は同伴者も1名ですが、JCBゴールドカードでは同伴者は有料になるという違いがあります。同伴者の料金は、ラウンジによって異なります。
JCBでは、「ラウンジ・キー」サービスを利用すれば有料で世界1,100か所以上のラウンジを利用可能。この場合は、1回ごとに利用料32ドルをカード払いする必要があり、同伴者も同様の料金がかかります。
アメックスにも「プライオリティ・パス」と呼ばれるサービスがあり、国内外1,200か所以上の空港VIPラウンジを会員も同伴者も1回32ドルで利用可能です。プライオリティ・パス・メンバーシップに登録するためには通常99ドルかかりますが、アメックスのカードを持っていれば年会費が無料になります。
アメックスとJCBには、ほかにもさまざまな特典があります。それぞれの特典を確認しましょう。
アメックスは、海外旅行時に利用しやすい特典を豊富に用意しています。
たとえば、カード会員専用旅行サイト「アメリカン・エキスプレス・トラベルオンラインでは、国内外のホテルや航空券・レンタカーなどのオンライン予約が可能。優待料金の適用やポイントの特典なども受けられます。
「HIS アメリカン・エキスプレス・トラベル・デスク」で、電話1本で国内外の旅行の手配をしてもらえるのも特典のひとつです。パッケージ・ツアー以外の手配には手数料がかかりますが、忙しくてもスムーズに旅行の予約ができます。
海外旅行の際には「手荷物無料宅配サービス」を利用して、自宅・空港間の移動で会員1名につきスーツケース1個の無料配送が可能です。
レストランの予約や緊急時の支援を日本語で依頼できる「グローバル・ホットライン」では、24時間電話サポートを受けられます。世界中のほとんどの国から連絡できるため、万が一の場合も安心です。
ほかにも、海外用レンタル携帯電話を半額で利用できたり、通話料が通常の10%割引になったりする優待もあります。
JCBでは日常的な買い物で利用できるサービスや国内旅行関連のサービスが充実しており、ライフスタイルを豊かにする特典が豊富にあります。
購入した商品の破損や盗難などの損害を補償してもらえる「ショッピングガード保険」は、国内外で年間最高500万円まで補償されるのが特徴。商品の購入代金や修理代金を負担してもらえるので、日常的な買い物にも安心してカードを利用できます。
独自のアラート機能が充実しているのもうれしいポイントです。リアルタイムの利用状況が通知されるだけでなく、自分で設定した金額を超えたときにもアプリやメールでお知らせしてもらえるため、使いすぎを防止できます。
年間で一定金額以上カードを利用した人に登録不要で提供される「JCB STARS MEMBERS」サービスでは、適用されると最大60%のポイントアップを受けられます。
「航空機遅延保険」が利用付帯されるのもうれしい特典のひとつです。遅延した航空便の代替便を一定時間内に利用できなかったり、到着後一定時間内に手荷物が届かなかったりした場合に保険金を受け取れます。
これまで紹介してきたカードの特徴を踏まえ、アメックスとJCBがそれぞれどのような人におすすめなのか確認しましょう。
旅行やビジネスで海外渡航する機会が多い人は、アメックスを選んだほうがいいでしょう。海外旅行をサポートする付帯サービスが豊富に用意されているほか、手厚い海外旅行保険も提供しているので、万が一の際も安心です。
自分が利用したい特典があるかどうか、訪れることが多い国や地域の空港ラウンジを利用できるかどうかなど、自分の渡航スタイルに適しているかあらかじめ調べてからカードの申し込みをしましょう。
日常的なカード利用を充実させながら不安なく使いたい人は、JCBを選ぶのがおすすめです。JCBは、クレジットカードを安心して使うためのきめ細やかなサービスを豊富に用意しています。
JCBが向いているのは、日常的な利用を重視したい人だけではありません。国内旅行に関する付帯サービスや、日本各地のホテルや旅館に宿泊できる特別宿泊プラン「JCBプレミアムステイプラン」も完備しているため、国内旅行を楽しみたい人にもJCBカードが向いているでしょう。
JCBの加盟店数は、世界で約3,700万店となっています。日本初で唯一の国際カードブランドならではの使い勝手のよさも魅力。JCBカードの種類ごとの特徴は以下の記事で紹介しているので、参考にしてみてください。
アメックスおすすめ5選
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