与信枠が最大10億円と大きい点を魅力に掲げる法人カード・ビジネスカード、UPSIDERカード。「独自優待が充実している」と評判ですが、「ETCカードがない」など気になる口コミもあり、入会を迷っている人もいるのではないでしょうか。
今回はその実力を確かめるため、以下の5つの観点で検証した結果わかったよい点・気になる点をご紹介します。
さらに、ほかの人気がある法人カード・ビジネスカードとも比較。デメリットや、個人事業主が使えるかなどもリサーチしたので、法人カード・ビジネスカード選びで迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
すべての検証は
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気になる
UPSIDERカードは、経費管理を効率化したい法人におすすめです。人気会計ソフトに連携可能で、明細が即時反映されます。追加カードを無制限に発行可能であるうえ、追加カードの即時ロック機能もあり。会計ソフトへの即時反映・追加カードの即時ロックの機能を両方備えたカードは、比較したなかでごくわずかでした。セキュリティ・利便性に優れた1枚といえます。
電子帳簿保存法やインボイスなど、新しい制度に対応しているのもポイントです。証憑が電子帳簿保存法の要件に適合しているか、適格請求書かどうかなどを自動判定できるため、新制度に準じた経理作業をスムーズに行えますよ。
バーチャルカード・リアルカードともに発行手数料・年会費は無料です。比較したなかには年会費が3万円以上のものもありましたが、こちらはコストをかけずに利用できます。通常ポイント還元率が1.00%と高めで、さらにGoogle広告など特定のサービスを利用すると最大1.50%にアップする点もメリット。ポイント還元率0.50%のカードもあったなかで、こちらは効率よくポイントを貯められます。
一方、口コミで指摘されていたとおりETCカードは発行できません。他社のETCカードを使う必要があるため、車移動が多い企業は不便に感じるでしょう。また、一部のサービスに備わっていた空港ラウンジサービスや、ホテル優待がない点もネック。出張が多い企業は、ほかのカードを含めて検討してください。
個人事業主は申し込めない点にも注意が必要です。利用できるのは、独自ドメインのメールアドレスを持つ法人のみ。個人事業主やフリーランスの人は、マネーフォワード ビジネスカード・三井住友カード ビジネスオーナーズなどを候補に入れましょう。
とはいえ、経費管理に関する機能の充実度や、追加カードの使いやすさは魅力的です。経費管理を効率化したい・従業員数の増加に対応しやすいカードを選びたいといった場合は、ぜひUPSIDERカードの利用を検討してみてください。
【おすすめではない人】
UPSIDERカードは、2018年創業の株式会社UPSIDERが発行する法人カードです。「上場のための法人カード」を謳っており、電子帳簿保存法やインボイス制度など新しい制度にも対応しています。
年会費や発行手数料は無料で、発行できる追加カードはバーチャルカードを含め枚数無制限です。利用限度額が最大10億円と、大きな額が設定されているのも特徴といえます。
今回は、UPSIDER(アップサイダー)法人カードを含む人気の法人カード・ビジネスカードを調査して、比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
UPSIDERカードについて調査したところ、よい点は主に11個。人気会計ソフトに連携できる点や、追加カードの発行枚数が無制限な点など、魅力の多いカードといえます。
UPSIDERカードは、経費管理がしやすい法人カードです。比較した多くの法人カードと同じく、マネーフォワード・freee・弥生会計など代表的な会計ソフトとの連携が可能。今使っている会計ソフトをそのままスムーズに使えるでしょう。
明細がリアルタイムに反映されるため、スムーズに会計処理の作業ができるのもポイントです。比較したなかで、明細がリアルタイムで反映できる法人カードはわずかでした。
<連携可能な会計ソフト>
Slackと連携し、特定のカードの利用先や利用金額を通知するように設定も可能。通知する決済に対応する証憑のアップロードもできます。業務でSlackを使っている場合は、コミュニケーションツール上でリアルタイムな経費管理ができるのはメリットです。
UPSIDERカードでは、日次・月次・取引ごとの利用額上限を設定できます。
利用額上限設定機能は、予算超過や不正利用・誤用を防止するうえで役立つ機能です。
UPSIDERカードは、追加カードの発行枚数制限がありません。追加カードは、バーチャルカード・リアルカードともに即時発行が可能です。比較したなかで、バーチャルカード発行・追加カード即時発行に対応したサービスはほとんどありませんでした。
追加カードの発行に手数料はかからず、年会費は無料です。比較したなかには追加カードの年会費が1,000〜3,000円以上のものもありましたが、こちらはコストをかけずに発行できます。従業員数の増加にも柔軟に対応できるでしょう。
追加カードは即時ロックが可能。もし追加カードを不正利用されても、すぐに利用を停止できます。比較した法人カードのなかで、追加カードを即時ロックできるものはごくわずかでした。「不正利用の発生可能性をほぼゼロに」との謳い文句どおり、安全面への配慮が感じられるカードといえます。
追加カードごとの名称変更やタグ付けといった、カードの識別に役立つ機能もあり。カード別アカウント権限機能も備え、カード保有者以外でもカードの利用状況を管理・閲覧できるよう設定できます。数多くの追加カードを発行しても、効率的に管理しやすいでしょう。
UPSIDERカードは、電子帳簿保存法やインボイス制度などの新しい制度にも対応しています。証憑が電子帳簿保存法の要件に適合しているか、適格請求書かどうかを自動判定可能です。新制度に則った経理作業もスムーズに行えるでしょう。
UPSIDERカードは、バーチャルカード・リアルカードともに発行手数料・年会費は無料です。比較した法人カードのなかには、年会費が3万円以上のものもありました。こちらはコストを抑えて法人カードを作れますよ。
UPSIDERカードは、Google広告やYahoo!広告など特定のサービス運用費について、ポイント還元率が最大1.50%と高く設定されています。広告費を多く使う企業にとって、ポイントが貯まりやすい法人カードといえるでしょう。
通常ポイント還元率も1.00%と高めです。比較した法人カードのポイント還元率の全体平均は0.70%で、ポイント還元率が0.50%のものも多くありました。効率的にポイントを貯めたいなら、UPSIDERカードをぜひ候補に入れてください。
UPSIDERカードには、メモ/証憑アップロード機能・仕訳機能・請求書自動回収機能など、さまざまな機能が備わっています。
メモ/証憑アップロード機能は、利用した決済の内容をメモ書きし、証憑をアップロードする機能です。Slack連携も可能で、経理担当者にタイムリーにカードの使用状況を共有できます。
UPSIDERカードの仕訳機能では、利用明細を自動で適切な勘定科目に仕訳できます。さらに会計ソフトとの直接連携ができるため、仕訳・会計ソフトへの入力といった作業負担を大幅に削減可能です。
請求書自動回収機能は、カードを利用したWebサービスの請求メールから請求書を自動で回収し、該当する決済と紐付けます。従来、担当者が手動で請求書を回収していたのに対し、回収漏れの防止や作業負荷の軽減が可能です。
経費管理の効率化を図りたいなら、うってつけの1枚といえます。
UPSIDERカードには、事前・事後利用申請機能も備わっています。この機能を使えば、カードの利用前後に承認フローを設定でき、稟議承認と決済とを紐付けて管理可能です。
法人カードの使用に稟議承認ワークフローを組み込みたい企業はチェックしてみてください。
UPSIDERカードでは、不正利用の被害を受けた際に最大2,000万円まで補償を受けられます。補償対象になるのは、UPSIDERに紛失・盗難・不正利用の連絡をしてから60日前までの不正利用による損害です。
UPSIDERカードの利用限度額は最大10億円と大きめ。1取引あたり1億円以上の決済もできるため、一度の取引額が大きい企業も使いやすいでしょう。さらに限度額が足りないときは、支払日よりも前に支払うと一時的に限度額を復活させられます。
なお、利用限度額は、審査時に連携した銀行口座残高などの情報をもとに、独自与信モデルでの審査を経て決まります。どんな企業でも利用限度額が10億円になるわけではないので、注意してくださいね。
UPSIDERカードを利用している企業のための限定特典も要チェックです。たとえば、「Microsoft 365」を初年度10%OFFで利用可能。弁護士ドットコム株式会社の電子契約サービス「クラウドサイン」の月額料金は1か月無料になります。「独自優待が充実している」との口コミにも納得です。
UPSIDERカードは、後払いだけでなく前払いにも対応しています。前払いの場合は、与信審査に関わらず利用可能。設立したばかりで与信審査の通過が難しい企業も利用しやすいカードといえます。
UPSIDERカードの気になる点は主に3つ。ETCカードが作れない点や、空港ラウンジ・ホテル優待などのサービスがない点が惜しいポイントです。
「ETCカードがない」との口コミどおり、UPSIDERカードはETCカードを発行できません。ETCカードは他社で発行する必要があるため、業務において車移動が多い企業は不便に感じる可能性があります。比較した大半の法人カードがETCカード発行可能だったため、UPSIDERカードのデメリットといえるでしょう。
空港サービスが利用できない点もネックです。国内外空港のラウンジにおいて豪華なサービスを受けられるプライオリティ・パスは利用できず、使えるカードラウンジもありません。手荷物宅配やクローク・荷物預かりのサービスもないので、不自由に感じることもあるでしょう。
比較した法人カードの多くがプライオリティ・パス非対応でしたが、一部カードラウンジが使えるものも。手荷物宅配やクローク・荷物預かりは、多くのカードで無料または割引のサービスが受けられました。
UPSIDERカードは、ホテル・グルメ優待もありません。比較によると、ホテルを割引価格で利用できる法人カードは多くありました。空港サービス・ホテル優待などは期待できないため、出張が多い人は別のカードを検討するのも手です。接待が多いなら、グルメ優待ありのカードも検討しましょう。
個人事業主が申し込めない点も要注意です。また、メールアドレスは独自ドメインのものが必要。GメールやYahoo!メールといったフリーメールでは利用できない点にも注意してください。
比較したなかには、個人事業主やフリーランスでも利用できるビジネスカードがいくつかありました。法人化していない個人事業主やフリーランスの人は、三井住友カード ビジネスオーナーズなどほかの法人カードを検討してください。
ポイント還元率 | 1.00% |
---|---|
年会費(税込) | 無料 |
追加カード上限枚数 | 無制限 |
良い
気になる
連携できる会計ソフト | freee、弥生会計、マネーフォワードクラウドなど |
---|---|
申し込み対象 | 中小企業、大企業・官公庁 |
利用明細の即時発行可能 | |
必要書類 | 代表者本人確認書類、委任状(代表者以外が手続きをする場合のみ必要) |
追加カードの即時発行可能 | |
追加カードの即時ロック可能 | |
貯まるポイント | UPSIDERカードポイント(ポイントは自動でキャッシュバック) |
ポイント有効期限 | 半年(付与日から半年間) |
ポイントの付与単位 | |
ETCカード年会費 | |
国内旅行保険 | |
海外旅行保険 | |
海外ショッピング保険 | |
国内ショッピング保険 | |
カード会社の空港ラウンジ利用可能 | |
プライオリティ・パス | |
空港サービス | |
グルメ優待 | |
ホテル優待 | |
コンシェルジュサービスあり | |
入会資格 | 法人 |
国際ブランド | VISA |
申込から発行にかかる期間 | 即日発行 |
UPSIDERカードは、WEB上で申し込みができます。顔写真付き身分証と委任状(代表者以外が手続きをする場合)を用意したらUPSIDERのアカウント登録を済ませ、支払い口座登録と本人確認の手続きを行いましょう。その後、UPSIDER側で連携した銀行口座の情報をもとに利用限度額の審査が行われます。
無事審査を通過したら、即時カードが発行され、利用を開始できます。審査は最短10分で完了しますが、リアルカードは発行から配送までに最短で3日かかる点には注意してください。
UPSIDERカードについてのよくある質問と回答を紹介します。
UPSIDERカードの審査基準は公開されていませんが、独自の与信審査では銀行口座残高が確認されます。銀行口座残高がUPSIDERの基準に満たない場合、審査に落ちる可能性があることは覚えておきましょう。
また、一般的な法人カード・ビジネスカードで審査落ちする原因には、経営状況や代表者の信用情報の問題などがあげられます。
<法人カード・ビジネスカードで審査落ちする原因>
UPSIDERカードは、前払いで利用すれば与信審査に関わらずカードを発行できます。後払いでの審査に落ちた場合は、前払いでの利用を検討してみてください。
UPSIDERカードでは、公認会計士による利用サポートを受けられます。法人カードの利用がはじめての企業や、法人カードの利用に不安を抱える企業でも、リスクを抑えて活用しやすいでしょう。
最後に、UPSIDERカード以外におすすめの法人カード・ビジネスカードを紹介します。
経費精算サービス「バクラク」ユーザーの法人には、バクラクビジネスカードがおすすめ。バクラクとの連携がスムーズで、追加カードの即時ロックや領収書と利用明細の自動紐付けなど、円滑な経費精算に役立つ機能がそろっています。部署や用途ごとにクレジットカードを発行できるのもメリット。バクラクユーザーは要チェックです。
ETCカードがほしい企業や個人事業主には、三井住友カード ビジネスオーナーズがぴったり。年会費無料、ETCカードは年1回以上使えば年会費がかかりません。18歳以上であれば個人事業主でも申し込み可能です。明細のリアルタイム反映・追加カードの即時発行はできませんが、海外旅行保険・ホテル優待が付帯しています。
ポイント還元率 | 1.00% |
---|---|
年会費(税込) | 無料 |
追加カード上限枚数 | 無制限 |
良い
気になる
連携できる会計ソフト | freee、弥生会計、マネーフォワードクラウドなど |
---|---|
申し込み対象 | 中小企業、大企業・官公庁 |
利用明細の即時発行可能 | |
必要書類 | 代表者本人確認書類 |
追加カードの即時発行可能 | |
追加カードの即時ロック可能 | |
貯まるポイント | キャッシュバック |
ポイント有効期限 | |
ポイントの付与単位 | |
ETCカード年会費 | 無料 |
国内旅行保険 | |
海外旅行保険 | 利用付帯 |
海外ショッピング保険 | |
国内ショッピング保険 | |
カード会社の空港ラウンジ利用可能 | |
プライオリティ・パス | |
空港サービス | |
グルメ優待 | |
ホテル優待 | |
コンシェルジュサービスあり | |
入会資格 | 法人 |
国際ブランド | VISA |
申込から発行にかかる期間 | 最短3日 |
ポイント還元率 | 0.50%(*1) |
---|---|
年会費(税込) | 無料 |
追加カード上限枚数 | 18枚 |
良い
気になる
連携できる会計ソフト | freee、マネーフォワードクラウド、弥生会計など |
---|---|
申し込み対象 | 個人事業主、中小企業 |
利用明細の即時発行可能 | |
必要書類 | 代表者本人確認書類 |
追加カードの即時発行可能 | |
追加カードの即時ロック可能 | |
貯まるポイント | Vポイント |
ポイント有効期限 | 1年(ポイントの最終変動日(貯める・使う・交換する)から1年(自動延長あり)) |
ポイントの付与単位 | 200円で1ポイント |
ETCカード年会費 | 無料(前年度に一度もETC利用がない場合:年会費550円) |
国内旅行保険 | |
海外旅行保険 | 利用付帯 |
海外ショッピング保険 | |
国内ショッピング保険 | |
カード会社の空港ラウンジ利用可能 | |
プライオリティ・パス | |
空港サービス | 手荷物宅配割引、クローク割引 |
グルメ優待 | |
ホテル優待 | 割引・優待価格 |
コンシェルジュサービスあり | |
入会資格 | 18歳以上の法人代表者・個人事業主(高校生不可) |
国際ブランド | VISA、Mastercard |
申込から発行にかかる期間 | 最短3営業日 |
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