格安SIMの増加とともに浸透しつつあるSIMフリースマホ。利用を検討している人のなかには、そもそもSIMフリースマホはどのような端末なのか気になる人もいるでしょう。
本記事では、SIMフリースマホの概要やメリット・デメリットを紹介します。SIMフリースマホが自分にとって必要かどうかを判断するためにも、ぜひ役立ててみてください。
大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また自身が行う検証の中で通信会社の公表値と異なる数値も発表、わかりにくいと言われる通信サービスだからこそ、理解しやすく信頼できるコンテンツの企画制作を心掛けている。
まずはSIMフリースマホの概要と、SIMフリーの反対語であるSIMロックの意味を解説します。SIMフリーやSIMロックは、どちらも携帯電話会社の乗り換え時に関わる知識です。それぞれの意味を理解することで、通信サービスをスムーズに乗り換えられるでしょう。
SIMフリースマホとは、SIMロックがかかっていない状態の端末を指します。そもそもSIMとは、携帯電話会社との契約を証明するもの。物理的なSIMカードと、端末一体型のeSIMがあります。通信サービスの契約者情報や電話番号などが書き込まれており、SIMがあることで通話・ネット通信が可能です。
SIMロックとは、特定の通信サービスしか使えないように制限される仕組みのこと。端末代の滞納防止などを目的として、主にau・ドコモ・ソフトバンクで取り入れられていました。2021年9月30日以前に発売された端末を大手キャリアで購入した場合、SIMロックがかかっていることがあります。
携帯電話会社を変更するときは、SIMカードの交換やeSIMの書き換えが必要です。SIMフリースマホはSIMロックがかかっていないため、端末そのままで別の携帯電話会社に乗り換えられます。反対に、端末にSIMロックがかかっていると、他社のサービスを利用できません。
基本的な知識として、SIMフリーは利用できる通信サービスの制限がない状態、SIMロックは制限がある状態と理解しておきましょう。
2021年の法改正により、SIMロックは原則禁止されました。SIMロック禁止の対象は、2021年10月以降発売の機種です。撤廃後に発売された端末であれば、SIMフリースマホとして使えます。
キャリアによっては、2021年10月よりも前倒しでSIMロックが撤廃されました。より詳細な撤廃時期や条件は、各キャリアの公式サイトでチェックしてみましょう。その際、撤廃時期が機種の購入日と発売日のどちらを基準にしているかを確認してください。
たとえばソフトバンクでは、ソフトバンク取扱店での製品購入日が2021年5月12日以降の場合、SIMロックがすでに解除された状態としています。ドコモでは、発売日が2021年8月27日以降の機種を購入していれば、SIMロックの解除手続きが不要です。
手持ちのスマホによっては、端末でSIMフリーの状態かどうかを確認できます。iPhoneの場合、設定アプリ>「一般」>「情報」の順に進み、「SIMロックなし」とあればSIMフリーの状態です。手持ちの端末にSIMロックがかかっている場合は、後述するSIMロックの解除方法を参考にしてみてください。
SIMフリースマホは通信サービス・端末の選択肢が豊富なうえに、海外SIMも使えるのが魅力です。SIMフリースマホの良さを最大限に活かすためにも、3つのメリットを詳しくチェックしてみましょう。
SIMフリースマホであれば、さまざまなキャリア・格安SIMのなかから好きな携帯電話会社を選べます。SIMロック端末のように、利用できるキャリアが限定されていないためです。
携帯電話会社の選択肢が多いことは、スマホの活用方法の自由度を高めることにもつながります。たとえばSIMフリースマホは格安SIMも契約できるため、料金を抑えながら2台持ちができるでしょう。
格安SIMとは、大手キャリアの回線を借りてサービスを提供する事業者のこと。事業者によっては月額1,000円以下のプランもあります。2台目のスマホを低予算で購入し、かつ格安プランを契約すれば、スマホの2台持ちも経済的です。
携帯電話会社によって対応端末の種類が異なるため、事前に公式サイトでチェックしておく必要はあります。対応端末の制限はあるものの、携帯電話会社の選択肢が広がることで、より自分に合った通信サービスを選びやすくなるでしょう。
携帯電話会社を選ぶのが難しいと感じる人は、おすすめの格安SIM会社を紹介した以下のコンテンツもチェックしてみてください。通信速度や料金の安さ、・電波のつながりやすさなどの比較検証のほか、格安SIMの選び方も解説しています。
SIMフリー端末は、格安モデルから高性能モデルまでバリエーションが豊富です。主に3つの価格帯に分類され、一般的に価格が上がるほど高い処理性能を発揮します。
旧モデルの場合、新品であっても数千円台で販売されていることが珍しくありません。新品に限らず、旧端末を中古で安価に購入し、携帯電話会社でSIMのみ契約する方法もあります。選び方によっては、スマホ購入代と通信費の両方を抑えられるでしょう。
SIMフリースマホは種類が豊富にあり、新品だけでなく中古端末も選択肢に入れやすいため、予算や求める機能などの希望に合わせて選べるのがメリットです。
SIMフリースマホなら、海外のSIMカードも利用できます。旅行や出張などで海外へ行く際、スマホを使うためにはモバイルWi-Fiルーターなどが必要です。現地対応のSIMを利用する方法もありますが、端末にSIMロックがかかっている場合は海外SIMが使えません。
その点、SIMフリースマホであれば、SIMカードの入れ替えと設定だけで通信が可能です。海外SIM用に新しい端末を用意したり、モバイルWi-Fiルーターを契約したりする手間がありません。海外でも手軽に利用できるのは、キャリアの利用制限がないSIMフリー端末ならではの強みといえます。
注意点として、行き先によっては手持ちの機種が使えない場合もあります。渡航先の通信会社の対応機種を確認しておくと、現地でのネット利用がスムーズでしょう。
通信サービスごとの対応機種の違いやサポート体制など、SIMフリースマホには注意しておきたいデメリットもあります。SIMフリースマホを買って後悔しないためにも、3つのデメリットを詳しく確認しておきましょう。
携帯電話会社によって対応機種が異なるため、場合によってはSIMフリースマホでも利用できません。その理由には、携帯電話会社が用いるバンドが関係しています。
バンドとは、通信サービスを提供する際に用いられる周波数帯のこと。バンドにはいくつかの種類があり、各社が利用するバンドの種類は総務省によって定められています。
携帯電話会社ごとにバンドが異なるうえ、スマホ端末の対応バンドは機種によってさまざまです。契約したい携帯電話会社のバンドに機種が対応していない場合、電波が入らないなどの可能性があります。
各社の対応端末は、公式サイトの動作確認端末のページでチェックできることがほとんどです。手持ちの端末やこれから使いたい端末が、契約先で問題なく使えるかどうかを事前に確認しておきましょう。
SIMフリースマホのなかには、おサイフケータイ・防水機能などを搭載していない機種もあります。おサイフケータイ・防水機能などは、日本製のスマホで積極的に取り入れられている機能です。日本向けにカスタマイズされていない海外製スマホでは、これらの機能が使えないことも少なくありません。
とはいえ、日本ならではの機能を搭載した海外製スマホは増加傾向とされています。またおサイフケータイの場合は、バーコード決済・QRコード決済でも代用可能です。使いたい機能が搭載されているか、代用方法はあるのかを購入前に確認しておくと、デメリットを感じることなく使えるでしょう。
SIMフリー端末に問題が生じた際、相談や修理などの対面サポートを受けられない場合があります。契約先以外の事業者で端末を購入した場合は、手厚いサポートを受けられないことがほとんどです。
特にネット販売のサービスのみを取扱う事業者は、オンラインでのやり取りが中心。端末に不具合があった際は、自身で製造メーカーへの問い合わせが必要なケースもあります。対面サポートを重視する人にとって、サポート体制の薄さはデメリットといえるでしょう。
ただし、実店舗を設けているメーカーなどで購入したり、契約先の補償サービスに加入したりすると、対面での相談や修理依頼ができることもあります。手厚いサポートを受けたい人は、購入先のサポート体制や契約先の補償プランを確認しておきましょう。
SIMフリースマホを入手するためには、手持ちのスマホのSIMロックを解除する方法と、新規で購入する方法があります。スムーズにSIMフリースマホを手に入れられるように、それぞれの方法を確認しておきましょう。
手持ちのスマホをそのまま使いたい場合は、webか店頭でSIMロックを解除しましょう。基本的にweb手続きは無料ですが、店頭での手続きは手数料がかかります。費用を抑えながら自分のタイミングで手続きしたい人はwebを、サポートを受けながら手続きしたい人は店頭を選ぶとよいでしょう。
本記事では、web手続きにおけるSIMロック解除から利用設定までの流れを紹介します。携帯電話会社によってSIMロック解除の手順が異なるため、詳細は各社の公式サイトで確認してください。
事前準備として、SIMロックの解除条件に当てはまるかどうかをチェックしましょう。代表的なキャリア・格安SIMのSIMロック解除に関するページは以下のとおりです。
SIMロックの解除条件が確認できたら、端末の識別番号である15桁のIMEI番号を確認しましょう。IMEI番号の確認方法は、電話をかける画面で「*#06#」と入力する、端末の設定アプリで確認するなどです。
設定アプリの場合、iPhoneは「一般」>「情報」からIMEI番号を表示できます。Androidは機種によって異なりますが、設定アプリの「デバイス情報」「システム」「その他」といった画面から確認が可能です。
IMEI番号をメモしたら、契約中の事業者のマイページにログインしましょう。SIMロック解除の手続き画面でIMEI番号を入力し、画面に従って申込みを完了させます。
手続き時に解除コードが表示された場合はメモしてください。他社のSIMカードを入れた際に入力を求められるので、それまで保管しておきましょう。
SIMロック解除の手続き完了後は利用設定を行いましょう。iPhoneの場合は、電源を切った状態で他社のSIMカードを挿し、電源をオン。画面の案内に沿って有効化すると、操作は完了です。
Android端末も同じく、電源を切った状態で他社のSIMカードを入れ、電源をオンにします。Wi-Fiに接続し、設定アプリ>「端末情報」>「SIMカードの状態」>「SIMカードの状態を更新」へ進みましょう。ファイルをダウンロードして再起動すると、設定は完了です。
Androidの機種によっては不要な場合があります
SIMフリースマホをネット・店舗で購入する方法もあります。主な購入先は、携帯電話会社の公式サイト、家電量販店、メーカーのオンラインストア、ECモール(ネットショッピングサイト)などです。
購入前には携帯電話会社の対応バンドを確認し、各社に合った端末を選びましょう。中古端末を購入する場合は、端末保証がないケースがあります。保証を重視する人は、中古保証がある場所で購入する、新規端末を購入するといった方法を選ぶのが得策です。
どのSIMフリースマホを購入しようか迷ったときは、おすすめのSIMフリースマホを紹介した以下のコンテンツも参考にしてみてください。選び方や機種変更の方法も解説しているので、よりスムーズにSIMフリースマホを使い始められるでしょう。
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