ワイヤレスイヤホンやヘッドホンで音楽を聴くとき、「ケーブルがないのは快適だけど、もう少し音質がよければ…」と感じたことはありませんか?その悩みを解決するのが、ソニーが開発した高音質技術LDAC(エルダック)です。
今回は、LDACの基本的な仕組みや他の規格との違いを解説します。お使いのスマートフォンで最高の音質を引き出すための具体的な設定方法もまとめたので、LDACで再生して音楽体験を向上させましょう。

オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
LDACは、ソニーが開発したBluetoothオーディオ技術の1つです。ワイヤレスでもハイレゾ音源に近い高音質を実現するために開発されました。
従来のBluetooth技術(SBCコーデック)に比べ、最大で約3倍もの情報量を伝送できるのが特徴です。効率よくデータを送信できることにより、ワイヤレスでは失われがちだったアーティストの息づかいや楽器の繊細な音色まで、豊かに再現することが可能になりました。
LDACには、通信環境に応じて音質と接続の安定性を自動で調整する機能も備わっています。再生品質を切り替えるように設定すれば、自宅のような電波が安定した環境では最高の音質で、駅のホームなど混雑した場所では音途切れしにくいモードに切り替わるため、ストレスなく高音質な音楽を楽しめるでしょう。
ワイヤレスイヤホンの音質は、「コーデック」という音声の伝送規格によって大きく変わります。コーデックごと
に一度に送れる情報量の多さが異なるため、音のきめ細やかさに差が出る仕組みです。
<代表的なコーデック>
AAC:iPhoneなどApple製品の標準規格で、SBCよりも高音質
aptX:多くのAndroidスマートフォンが対応し、CD音質相当で遅延が少ないのが特徴
LDAC:SBCの約3倍の情報量を誇り、ワイヤレスでハイレゾ級の高音質を実現
コーデックの違いを写真の解像度に例えるなら、SBCやAACが「標準画質」だとすれば、LDACは「4K画質」に匹敵します。圧倒的に多くの情報量を送れることで、これまでワイヤレスでは失われがちだった音の奥行きやアーティストの息づかいまで再現可能になりました。
LDACで音楽を聴くためには、以下の2つの条件を満たす必要があります。
送信側(スマートフォンなど)がLDACに対応していること
受信側(イヤホン・ヘッドホン)がLDACに対応していること
LDACの送信側として使えるのは、Android 8.0以降を搭載した一部のスマートフォンやウォークマンです。Android 8.0からOSの標準機能になりましたが、全ての端末で対応しているわけではありません。
<送信側の対応機器>
iPhoneやiPadは、標準ではLDACに対応していません。
LDACで音楽を楽しむには、受信側もLDACに対応したワイヤレスイヤホンやヘッドホンが必要です。
ソニーの「WH-1000XM6」や「WF-1000XM5」をはじめ、Anker・finalなど、さまざまなメーカーからLDAC対応のワイヤレスイヤホンやヘッドホンが発売されています。製品のパッケージや公式サイトに「LDAC」のロゴがあるかを確認しましょう。
対応機器同士を接続すれば、基本的に自動でLDACが有効になります。もし有効にならない場合は、手動で設定を行いましょう。
(参照:Android Developers)
「音質を優先」モードは、電波が混雑する場所では音途切れの原因になることがあります。もし音が途切れる場合は、同じ設定画面から「接続を優先(330kbps)」や「バランス(660kbps)」に切り替えると安定しやすくなります。
iPhoneはLDACに非対応ですが、LDAC対応のトランスミッターを使えば高音質を楽しめます。
iPhoneとトランスミッターを有線(Lightning/USB-C)で接続し、トランスミッターからLDAC対応イヤホンへワイヤレスで音声を飛ばすという方法です。少し手間はかかりますが、iPhoneでもLDACの高音質を体験できるので、ぜひ試してみてください。
耳を塞がずに音楽が聴ける骨伝導イヤホン。ランニングやトレーニング時のながら聴きに便利と人気ですが、ネット上には「音漏れがひどい」「音質がよくない」といった声もあり、購入をためらっている人も多いのではないでしょうか。今回は、骨伝導イヤホンの購入前に知っておきたい音漏れ・音質・装着感といった6つの...
骨伝導イヤホン
周囲の音が気になる…と感じるときに選択肢として浮かぶ、ノイズキャンセリング機能と耳栓。どちらを選ぶかは人それぞれですが、実際どちらのほうがよいのかと疑問に感じる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、ノイズキャンセリングイヤホン・ヘッドホンと耳栓では、どちらが騒音対策に有効なのかを解説しま...
ワイヤレスイヤホン・Bluetoothイヤホン
お気に入りのワイヤレスイヤホン、「最近バッテリーの減りが早い…」と感じていませんか?「結構使っているからな」とは思っても、なるべく買い替えや修理の頻度は減らしたいですよね。今回は、ワイヤレスイヤホンの寿命や長持ちさせる方法を解説します。寿命を迎えた際の買い替えのポイントもまとめたので、参考にし...
ワイヤレスイヤホン・Bluetoothイヤホン
「最近、AirPodsのバッテリーの減りが早い…」と感じていませんか?そろそろ寿命かと思っても、安いものではないので買い替えをためらいますよね。片耳だけ聞こえなくなったり、接続できなかったりすると、好きな音楽に入り込めなくて不満に感じることもあるでしょう。そこで今回は、AirPodsの寿命は何...
ワイヤレスイヤホン・Bluetoothイヤホン
持ち歩きやすいイヤホンを好んで使う人は多いですが、「音楽のみを楽しみたい時はやはり没入感のあるヘッドホンで聴くのが好き」という人も多いのではないでしょうか。一方で、「長時間のヘッドホンは耳に良くない」という声を聞くと自分は大丈夫か心配になりますよね。そこで今回は、ヘッドホンで難聴になる原因や症...
ノイズキャンセリングヘッドホン
音の伝え方が特徴的な骨伝導イヤホン。ネット上では「耳塞がないから蒸れない」と不快感の少ないつけ心地が好評ですが、「音漏れすごい」という声もあり、購入を迷っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、骨伝導イヤホンは音漏れするのか、実際に商品を使用した結果を紹介します。メリットやデメリット...
骨伝導イヤホン
日常的にイヤホンを使っていると、耳が痛いと感じる人は多いのではないでしょうか。イヤホンを使うたびに痛みを感じると、仕事や趣味に集中できず困りますよね。そのまま放っておいてもよいのか、病院に行く必要があるのかも気になるところです。そこで今回は、イヤホンを装着していて耳が痛いと感じる原因を解説しま...
ワイヤレスイヤホン・Bluetoothイヤホン
作業時のBGMや通勤時の暇つぶしに、イヤホンで長時間音楽を聞く人は多いのではないでしょうか。なかには「8時間くらい聞いてる」という人もおり、今やイヤホンは生活に必要なアイテムです。一方で、「イヤホンで長時間音楽を聞くと難聴になる」という声を聞くと、不安になりますよね。そこで今回は、イヤホンで難...
ワイヤレスイヤホン・Bluetoothイヤホン
装着時の耳への圧迫感が少ないオープンイヤーイヤホン。実際に使っている人からは、「耳を塞がない装着感が快適」と好評です。一方で、「めちゃくちゃ音漏れする」という声もあり、購入に踏み切れない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、オープンイヤーイヤホンは音漏れしやすいのか、実際の検証結果をもと...
ワイヤレスイヤホン・Bluetoothイヤホン
振動で音を伝えることが特徴の骨伝導イヤホン。難聴予防によさそうと思って骨伝導イヤホンについて調べたところ、「難聴になる」という反対の意見もあり、興味がありつつも購入を迷っている人は多いのではないでしょうか。そこで今回は、骨伝導イヤホンは難聴になるリスクがあるのか、ほかのイヤホンとは何が違うのか...
骨伝導イヤホン
