作業時のBGMや通勤時の暇つぶしに、イヤホンで長時間音楽を聞く人は多いのではないでしょうか。なかには「8時間くらい聞いてる」という人もおり、今やイヤホンは生活に必要なアイテムです。一方で、「イヤホンで長時間音楽を聞くと難聴になる」という声を聞くと、不安になりますよね。
そこで今回は、イヤホンで難聴になるリスクはあるのかを解説します。鼓膜への負担を軽減できるイヤホンの使い方や種類も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
ノイズキャンセリングイヤホンおすすめTOP5
Bose
ノイキャン性能で選ぶならぜひ候補に。突発的な音にも強い
JBL
マイク性能を重視する人に。通話中のノイズを高レベルで低減
パナソニック
ジャンル問わず楽しめるクリアな音質。3台まで接続できる
イヤホンで長時間大きな音を聞く習慣があると、難聴のリスクが高くなります。音を聞くうえで重要な有毛細胞は、大きな音を浴び続けることで損傷してしまうためです。
有毛細胞は内耳の蝸牛にあり、音の振動をキャッチして脳に届けることで人は音を認識できます。しかし、地下鉄の車内の騒音レベルを超える85dB以上の音を長時間聞くと、難聴の原因となる有毛細胞が損傷してしまいます(参照:日本騒音調査 ソーチョー)。音量にはくれぐれも注意しましょう。
WHOは、12~35歳の世界人口の約半数にあたる約11億人が難聴リスクを抱えていることを報告しています(参照:WHO)。日本でも10~30代の若年層で聴力が低下傾向にある状況です。
イヤホン難聴の症状や治療についても確認しておきましょう。
イヤホン難聴になると、音が聞こえにくくなると同時に、耳が詰まった感じがしたり耳鳴りが伴ったりする場合があります。
イヤホン難聴は4000Hz付近(セミの鳴き声に近い)の高音域から聞こえにくくなることが多く、徐々に症状が進行するところが特徴です。初期段階では気づきにくいため、音が聞こえにくいと感じたときにはかなり進行しているケースも少なくありません。
少しでも耳に違和感を覚えたら、すぐに耳鼻科を受診しましょう。
イヤホン難聴は一度罹患すると、治療しても完全には治りません。音を感知する有毛細胞は、一度壊れると再生しないので、聴力を元の状態まで回復させることは難しいでしょう。
ただし、有毛細胞が損傷する前であれば、耳を休ませたり耳栓を使ったりすることで回復が期待できます。病院では、ステロイド薬や血管拡張薬といった薬物療法を行っており、初期段階であれば改善する可能性もありますよ。
イヤホン難聴にならないためには、イヤホンを使わないことが1番ですが、どうしても使わざるを得ない状況や事情もあるでしょう。イヤホンを使っていても、以下の対策をすれば難聴を避けられる可能性があります。
イヤホン難聴にならないためには、音量や使用時間に注意することが重要です。耳への負担を軽減することで、有毛細胞を守り、難聴のリスクを抑えられます。
音量は、再生機器の最大音量の60%にとどめることが理想です。再生機器によっても音量の設定は異なるため、まわりの会話が聞き取れる程度の音量にすると覚えておきましょう。安全にリスニングするための週あたりの使用時間は、下記のとおりです。
<音量レベル別使用時間の上限>
(参照:WHO #safelistening に関するメディアブリーフィング)
音圧にも注意が必要です。たとえば、90dBSPL相当の音圧である芝刈り機なら2時間半、100dBSPL相当のドライヤーなら15分と、1日あたりの許容基準が設けられています(参照:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)。
1日・週ごとの使用時間の上限も重要ですが、難聴の予防には有毛細胞を休ませることが最も大切です。イヤホンを使うときは、1時間ごとに10分程度の休憩を挟むようにしてくださいね。
ノイズキャンセリングイヤホンを使うことで、難聴予防が可能です。周囲の雑音を低減できるので、騒音が多い環境でも音量を上げずに音楽や動画を楽しめます。耳への負担を軽減し、聴力の低下を防げるでしょう。
マイベストでは、実際に各メーカーのイヤホンを比較し、ノイズキャンセリング性能をチェックしました。とくに高性能だったBOSEの「QuietComfort Ultra Earbuds」は、電車の走行音を26.3dBも低減する結果に。大勢の話し声も23.4dBもカットできたので、騒音下でも快適に使えるでしょう。ただし、サイレンや放送音もカットされていたので、電車内で使うときは乗り過ごしに注意しましょう。
周囲の音も聞きたいなら、インナーイヤー型の「AirPods 4」を選ぶのもおすすめです。カナル型のように耳穴を完全にふさがないため、雑音は抑えつつも自然と周りの音を取り込めますよ。
おすすめ商品の検証結果や、ノイズキャンセリング搭載のイヤホンをチェックしたい人は、下記コンテンツをご確認ください。
周囲の音を気にせず音楽を楽しみたいなら、遮音性の高いカナル型イヤホンを使うのもおすすめです。耳の奥までイヤーチップを挿入するタイプなので密閉性が高く、外部の音を物理的に遮断できます。しっかりと耳の穴にフィットさせられ、音漏れしにくいところもメリットです。
ただし、耳の奥まで装着するので、人によっては圧迫感が気になる場合があります。また、耳の中が高温多湿状態になり、外耳炎や外耳道真菌症などを引き起こすリスクがあることも理解しておきましょう。
現在使用しているイヤホンの遮音性が低い場合は、イヤーピースを変えることで遮音性を高められる可能性があります。以下コンテンツでくわしく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
ノイズキャンセリング性能だけでなく、音質やマイク性能にもこだわりたいなら、以下のコンテンツもチェックしてくださいね。
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