低金利時代の今、預貯金や退職金など1,000万円のまとまったお金があるなら、効果的に運用したいですよね。しかし、リスクを抑えながら資産を増やす方法が分からず、なかなか投資に踏み切れないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、1,000万円の元手がある場合におすすめの運用方法を徹底解説。投資経験がない人にも、わかりやすく説明していきます。具体的な6つの金融商品も紹介するので、ぜひ最後まで目を通してくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
1,000万円の資産が手元にあるなら、資産運用をはじめることをおすすめします。ここではその理由を紹介します。
銀行に1,000万円を預けていても利息はほとんどつかず、増やすことは難しいでしょう。超低金利時代と呼ばれる今、普通預金金利は0.001%ほどと非常に低く設定されています。バブル時代の普通預金金利が約5%だったことを考えると、数十年で金利が急激に低くなっていることがわかります。
金利0.001%の場合、1,000万円を銀行に預けたとしても1年でつく利息は100円程度です。これではいつまで経ってもお金を増やせません。資産を少しでも増やすためは、預貯金以外の資産運用を検討してみるとよいでしょう。
手元に置いておくと、インフレによって1,000万円の価値が目減りする可能性があり危険です。インフレとは、モノやサービスの値段が上がることを指します。
例えば1個100円のおにぎりが、数年後に200円になったとしましょう。この場合、100円の価値が半分に減ったといえますね。このようにインフレが起きると、実質的にお金の価値が減ってしまいます。
資産運用の代表例である株や投資信託といった金融商品には、元本割れのリスクがありますが、ただ手元にお金を置いていても価値が減る可能性があります。投資による資産運用には、インフレに備えるというメリットがあるということも考慮するとよいでしょう。
1,000万円をもとにどれだけお金を増やせる可能性があるのか、具体的な金額が知りたいですよね?
試算してみると、利回り1%で1,000万円を資産運用した場合、10年後には約1,104万円、20年後には1,220万円、30年後は約1,347万円まで増える計算です。利回り3%なら、10年後には約1,343万円、20年後には1,806万円、30年後には約2,427万円まで増やせる可能性があります。
さらに、利回り5%なら、10年後には約1,628万円、20年後には2,653万円、30年後には約4,321万円になり、20年弱で資産を2倍に増やせることがわかります。
1,000万円を金利0.001%の銀行に預金していた場合、10年でつく利息は1,000円程度。20年で2,000円程度、30年で3,000円程度にしかならないので、資産運用の重要性が分かるでしょう。
なお、シミュレーションには、金融庁提供の資産形成シミュレーターが便利です。自分で手軽にできるので、いろいろな条件で試算してみてくださいね。
資産運用にあたっては、目的に応じた方法を選ぶことが大切です。具体的には1,000万円を次の3つにわけて運用するとよいでしょう。
①流動性資金
流動性資金はすぐに使うためのお金で、生活費など日常使いするものが当てはまります。いつでもすぐに引き出せるように、銀行の預貯金などの利用がおすすめです。
②安定性資金
直近では使う予定はないものの減ると困るお金で、近い将来や老後資金などが当てはまります。元本保証型やリスクの低い方法で安定的に運用すると安心です。
③収益性資金
現状使う予定がない余裕資金が当てはまります。多少リスクがあっても大きなリターンが期待できる資産運用方法を選択してもよいでしょう。
1,000万円のおすすめ資産運用方法を紹介します。リスク別に紹介するため、自身の目的に合わせて適切なものを選択してください。
まずはローリスク・ローリターンの資産運用方法を紹介します。大きなリターンは期待できないぶん、資産が減る危険が低い方法です。
債券とは、国や企業が資金調達のために発行する有価証券です。満期まで債券を保有することで、元本に加えて利子を受け取れます。
債券には社債・外国債券など様々な種類がありますが、一般的に資産運用の対象となるのは国が発行する個人向け国債で、元本割れしないうえ最低金利が保証されているのがメリットです。
ただし、1年間は換金できないため注意。途中換金する場合も、元本や解約までの期間の利子は保証されますが、中途換金調整額として直前2回分の利子×0.79685分の金額が差し引かれます。
個人向け国債の最低金利は0.05%とリターンは大きくありませんが、預金に比べると有利。ただしほかの資産運用方法と比べると期待できるリターンは少ないため、大きく資産を増やしたい人には向いていないでしょう。
保険とは保険料を支払うことで、病気やけがなど万が一の事態に備える商品。そのなかでも、保障と貯蓄を兼ね備えた貯蓄性保険は資産形成にも有効です。具体的には養老保険・終身保険・個人年金保険・学資保険などが挙げられます。
一般的に貯蓄性保険を満期まで保有すると、元本以上のリターンを見込めます。また生命保険料控除による節税効果を期待できることも、保険商品のメリットです。ただし中途解約すると元本割れするケースも多いため注意しましょう。
mybestには、おすすめの養老保険・終身保険・個人年金保険・学資保険をまとめた記事もあります。それぞれについて詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
不動産投資とは、不動産を運用することで利益を得る投資方法です。不動産投資の利益は、他人に貸し出すことで家賃収入を得る運用益と、不動産を売却することで得る売却益の2種類に大別できます。
不動産投資のメリットは、家賃収入で継続的に安定したリターンを見込めること。また、不動産という実際の資産があるため、株式やFXなどとは異なり急に資産がゼロにはなりにくいという点も不動産投資の特徴です。ただし空室時は家賃収入が得られないことや、収益性の高い物件を選ぶ難易度が高い点には注意する必要があります。
不動産投資に関心がある人は、おすすめの不動産投資会社をランキング形式でまとめた以下の記事も参考にしてください。
投資信託とは、投資家から集めた資金を運用のプロが1つの大きな資金として、株式や債券などに投資・運用する仕組みの商品です。REIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)も投資信託の一種です。投資家は運用成果に応じて分配金を受け取るほか、値上がりしたタイミングで売却することで利益を受け取れます。
投資信託のメリットは、初心者でもリスクを抑えつつ運用できることです。専門家が実際の投資を行ってくれるため、投資初心者でも大きな失敗をしにくいでしょう。また投資信託自体が複数の銘柄で構成されているため、自動的に分散投資ができリスクを抑えられます。
投資信託の運用成績は市場環境など、様々な要因で変動します。元本保証されているわけではないため、運用の結果次第では資産が減ることもある点には注意しましょう。
気になる人は、投資信託の商品を徹底比較した以下の記事もぜひチェックしてください。
株式投資とは、資金調達のために企業が発行する株式に投資する資産運用方法です。投資家は株式を購入することで株主となり、企業に対する様々な権利を得られます。
株式投資の利益獲得方法は、株の売却益(キャピタルゲイン)と、事業利益の配当金(インカムゲイン)の2種類。投資する銘柄によっては株主優待が受けられるほか、大幅な値上がりで大きく資産を増やせる場合もあります。
ただし株の値動きは激しく、タイミングを見失えば大幅に資産を減らすことも十分あり得るので注意。専門的な知識や豊富な経験が必要となるため、しっかりと勉強してからはじめましょう。
株式投資をはじめるためには証券口座を開設する必要があります。興味のある人は、おすすめのネット証券をまとめた記事もご覧ください。
FXとは為替レートの変動を利用して、売買差益を得る投資方法です。たとえば米ドルと日本円など通貨と通貨を交換する取引で、Foreign Exchangeを省略してFXと呼ばれています。
FXの最大の特徴は、レバレッジを利用して少ない資金で大きな金額の取引ができることです。10倍のレバレッジを使えば10万円で100万円分の取引ができるため、大きく利益を狙えます。ただし失敗するとその分損失を被るため、レバレッジの使用には注意しなければなりません。
FXの値動きは激しく、短期間で大幅に資産が変動する可能性があります。値動きを予想することは非常に難しく、初心者には難しい資産運用方法といえるでしょう。興味がある人は、FX口座を徹底比較した以下の記事もチェックしてみてくださいね。
1,000万円の試算を運用する際のポイントを紹介します。ポイントを抑えて、効率的な運用を始めましょう。
1,000万円を運用する際は、なるべく長期にわたって運用し、複利効果を得られるようにするとよいでしょう。複利効果とは、運用で得た利益を再投資することで雪だるま式に資産が増えることです。
投資期間が長期であればあるほど、複利効果が大きくなり資産が増えやすくなります。逆に短期の売買を繰り返すと、複利効果が薄れるうえ手数料がかさみます。金融商品の値動きに一喜一憂せず、長期的な目線で投資することがポイントです。
1,000万円を資産運用する際は、分散投資で安定したリターンを目指すことが重要です。分散投資とは複数の商品で資産運用することを指し、リスクを分散し安定したリターンが期待できる効果があります。分散投資の方法はいくつかありますが、代表的なものは地域分散・銘柄分散・時間分散の3つです。
①地域分散
様々な国や地域の資産や銘柄・通貨に投資する投資方法です。1つの国や地域に資産を集中させると、投資先で起こる紛争・自然災害・景気の悪化などの要因で資産が大きく目減りしてしまうリスクがあります。しかし複数の国や地域に資産を分散しておけば、これらリスクを軽減可能です。
②銘柄分散
異なる値動きをする資産や銘柄を組み合わせる投資方法です。例えば一般的に、株式と債券では経済の動向などに応じて異なる値動きをするといわれています。そのため両方の資産を持っておけば、一方の価値が下がっても、もう一方の値上がり分でカバー可能です。
③時間分散
資産を複数回にわけて投資する方法で、代表的なものに積立投資が挙げられます。積立投資とは同じ銘柄を一定期間ごとに一定額購入する方法で、価格が低いときには多くに口数を、価格が高いときには少ない口数が手に入ります。最終的に1口あたりの投資価格を標準化できるため、損失がでた場合のリスクを軽減可能です。
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