100円単位の少ない資金からでも始められる少額投資。初心者にとっては、まとまったお金を投資するよりも挑戦しやすいですよね。しかし、意味がないといった声もあり、投資をためらってしまう人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、少額投資のメリットやデメリットについて詳しく解説します。投資初心者に少額投資をおすすめする理由や、お得に運用できる制度についても解説するで、これから投資を始める人はぜひチェックしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
投資経験が浅い初心者にとって、少額投資から始めるのはおすすめの方法です。以下に、その理由について解説します。
まとまった資金がなくても気軽に始められる少額投資は、手軽に始めやすいので、初心者にもハードルが低いといえます。
通常の投資は100株単位で取引され、最低でも数十万円の資金が必要。資産家ならともかく、数十万円といった金額を投資に回すことに不安を感じる人は多いでしょう。
たとえ数百万円の余剰資金があったとしても、投資に回して損失を被るかもしれないと考えると、抵抗を感じるかもしれません。
少額投資なら、100〜1,000円程度からの資金で1株単位からの取引や定期的な積立が可能。コーヒー1杯やランチ1回分程度の資金で、投資に挑戦できますよ。
運用金額が少ない分、大きな損失が生じにくいことも、少額投資が初心者におすすめの理由です。万が一、運用に失敗しても、失うお金を最小限に抑えやすくなっています。
例えば、1株1,000円で購入した商品が700円に値下がりしたとしましょう。100株購入していた場合は30,000円の損失が生じますが、1株のみ購入していた場合は、300円の損失で済みます。
取引する金額が大きくなるほど、失敗したときの損失も大きくなりがち。運用に失敗する可能性が高い投資初心者だからこそ、少額投資から始めてリスクを最小限に抑えるといった安全策を取るとよいでしょう。
ここからは、少額投資のメリットについて具体的に解説します。
少額投資には、複数の商品に投資しやすいというメリットがあります。さまざまな商品を少額ずつ購入することで、多くの商品を運用する分散投資ができるでしょう。
分散投資とは、株式・投資信託・債権など、多様な商品に資金を分けて投資する方法を指します。分散投資をすれば、運用で生じる価格変動のリスクを軽減することが可能です。
1つの商品にすべての資金をつぎ込んでしまうと、価格が下落した際に大きな損失になります。複数の商品に少しずつ投資しておけば、どれか1つに損失が出ても、ほかの商品の利益でカバーできるでしょう。
多様な投資商品や手法を気軽に試せるのは、小額投資ならではのメリット。挑戦するなかで失敗はつきものですが、投資額が少額であれば、損失が生じても最小限に抑えられるでしょう。
投資には、株式・投資信託・ETFなどそれぞれ特徴が異なる商品があり、どの商品が合うかは人それぞれです。さまざまな投資商品や手法を試しながら、自分に合った投資方法を見つけるためにも、少額投資を活用するとよいでしょう。
実際に資金の運用をしながら投資スキルを学べることも、少額投資のメリットのひとつ。勉強だけでは得られない、実践的なスキルを身につけることができます。
現在ではインターネットで情報を収集したり、取引の疑似体験ができるデモトレードを使ったりして投資の勉強をすることも可能です。しかし、実際に資金を使わない座学や練習では、リスク管理は身につきにくいでしょう。
少額とはいえ実際にお金を投資し、考えながら運用すれば、取引スキルを向上させることができるはず。実際の取引では、予想以上の損失が生じることもありますが、それを経験する中で想定外の場面で冷静に対処できる判断力も鍛えられます。
実践するなかで失敗したとしても、少額投資であれば少ない損失で済むので、積極的に投資にチャレンジし、スキルを磨いていきましょう。
少額投資は意味がないといった声もあり、デメリットについて理解することも大切。以下で具体的に解説します。
投資額が少ない少額投資では、必然的に得られる利益も少なくなってしまいます。損失のリスクを抑えやすい一方で、得られるリターンも小さくなることは理解しておきましょう。
例えば、1株1,000円の商品が1,300円に値上がりした場合は、1株のみ購入していたら利益は300円のみですが、1,000株購入していたら30万円の利益になります。
得られる利益が小さい分、時間をかけてコツコツ運用する必要があるため、短期間で資産形成したいと考える人には少額投資は向かないでしょう。
取引できる商品や時間に制限があるなど、自由度が低くなる点も少額投資のデメリットです。思い通りに運用できないといった不満が生じる可能性があるでしょう。
例えば、少額投資ができる単元未満株は、一部の証券会社が独自に展開するサービスであり、取扱商品も限られています。また、基本的に証券会社は単元未満株に取引時間を設けていることが多いため、取引しようと思ったときに売買できないこともあるでしょう。
少額投資を始める前に、自分にとって運用しやすい商品であるか確認しておくことも大切です。
通常の投資よりも、手数料が割高になることが多い点も少額投資のデメリットのひとつです。
株式投資で取引をする場合は、取引金額に応じて手数料が定額制となるプランを用意している証券会社もあります。しかし1株単位の取引の際は、売買のたびに手数料がかかるのが一般的。取引回数が多くなるにつれて手数料が高くなるため、積極的に投資するほど運用コストがかかってしまいます。
少額投資は利益も小さいため、手数料が利益を上回って損をしてしまう場合もあるので注意。手数料が通常の取引と同額だったとしても、得られる利益が少ないために、割高に感じられるでしょう。
損失額が少なく済む少額投資では、無計画な取引をしてしまいがち。資金が少額であるがゆえに運用に失敗しても見直すことなく取引を続けてしまい、同じ失敗を繰り返す人も少なくありません。
1つひとつは小さな失敗であったとしても、積み重なれば大きな損失になることも。運用につまずいた際は、原因を分析して同じ失敗を防ぐように努めることで、利益を上げつつ投資スキルを磨くことができるでしょう。
少額投資の方法はいくつかあります。それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合った投資方法を選ぶことが大切。以下では、投資初心者でも挑戦しやすい方法を紹介します。
少額投資の方法のひとつは、単元未満株の運用です。単元未満株とは100株に満たない株式のことを指し、一般にミニ株とも呼ばれています。
通常の株式投資の場合は、1単元(100株)が売買の最低単位ですが、単元未満株では1株など小さな単位からでも取引が可能です。
例えば1株1,000円の場合、通常の取引であれば100株10万円程度の資金が必要ですが、単元未満株であれば1株1,000円から取引可能。1株の保有から配当金や株主優待がもらえる可能性もある点も、単元未満株の魅力です。
ただし、単元未満株は証券会社の独自のサービスであり、会社ごとに名称・手数料・サービス内容などは異なるため、運用前に内容を確認しておきましょう。
少額投資の方法として、投信積立も活用できます。投信積立とは、投資信託を定期的にコツコツ購入していく投資方法で、毎月100円程度から始めることも可能です。
株式投資や投資信託では売買のタイミングに悩みがちですが、投信積立ははじめに購入金額を指定しておけば、毎月自動的に買付を行ってくれます。タイミングを見極める必要がなく、放置しても資産運用ができるため、忙しい人にもおすすめです。
少しずつ積立を行い、長い時間をかけて資産形成をする投資方法のため、時間分散を効かせた投資ができるのも投信積立のメリットのひとつ。常に一定の投資をし、価格が高いときには多く、低いときには少なく商品を買うことで、全体的な平均購入価格を安く抑えることができます。リスクを抑えつつ利益を生むことができるでしょう。
少額投資におすすめの方法のひとつとして、ポイント投資も挙げられます。ポイント投資とは、買い物やサービスの利用で貯まったポイントを利用して投資する方法で、現金を使わずに投資することが可能です。
万が一損失が生じてもポイントが減るだけで、現金を失わずに済むのが、メリット。ポイントが余っていて使い道がないといった人にもおすすめです。
ただし、投資に使えるポイントや投資対象となっている商品は、証券会社によって異なります。投資に使える最低ポイント数を設けている証券会社もあり、ある程度のポイントを貯めていないと投資ができない場合もあるため、ポイント投資を始める前に条件をよく確認しておきましょう。
最後に、節税しながらお得に少額投資ができる制度について解説します。
将来に向けて長期的に少額投資をするなら、iDeCoの活用を検討してみましょう。iDeCoは、掛金や運用方法を自分で決めて積立をする私的年金制度。公的年金の不足を補い、豊かな老後を過ごすための資産形成を支援する目的で導入されています。
税制優遇のメリットがあることがiDeCoの大きな特徴。iDeCoでは拠出した掛金全額が所得控除の対象となり、運用によって得た利益も非課税になります。受け取りの際にも控除が適用されるので、高い節税効果が期待できるでしょう。
iDeCoの掛金は、月々5,000円から1,000円単位で自由に設定できるため、生活に影響が出ない範囲で少額から積立を行うことが可能です。
お得に少額投資をする方法のひとつとして、新NISAの活用もおすすめです。新NISAは、一定の投資金額までであれば税金がかからず利益を全額受け取ることができる投資制度であり、正式には少額投資非課税制度といいます。
通常の投資は、運用益や配当金に対して20.315%の課税がありますが、新NISAで運用した場合は利益に税金かかりません。例えば、投資で10万円の利益が出た場合は約20,000円の税金が引かれ、受け取れるのは約80,000円ですが、新NISAで運用していた場合は課税されず、10万円の利益をすべて受け取れます。
非課税であることによって効率的に資産形成を目指すことができるため、利益が少なくなりがちな少額投資にも最適です。
新NISAには好きなタイミングで投資できる成長投資枠と、毎月コツコツ積立するつみたて投資枠があり、どちらも投資上限額の範囲内で、少額からの投資が可能です。成長投資枠は無期限で年間240万円まで、つみたて投資枠は無期限で年間120万円まで非課税で運用できます。
とくにつみたて投資枠には10〜20年の長い時間をかけて投資することで、元本割れのリスクを軽減できるといったメリットもあるため、投資初心者にも挑戦しやすいでしょう。
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