お得な月額料金が魅力の格安スマホ(格安SIM)。価格帯に魅力を感じつつも、通信品質・サポートなどに不安があり、格安スマホにしない理由につながっている人もいるでしょう。大手キャリアから乗り換えたいと思う一方で、格安スマホはおすすめしないといった評判に不安を感じる人もいるかもしれません。
本記事では、格安スマホのデメリット・注意点を中心に紹介します。格安スマホの良い部分も解説するので、メリットとデメリットの両方を知ったうえで利用するかどうかを検討してみましょう。
大手家電量販店出身で、7,000人以上に携帯電話の販売や通信サービスの契約を担当。主要な通信会社の料金プランや販売機種をすべて把握し、その豊富な知識で店舗販売ランキングにおいて個人表彰もされている。 その後マイベストに入社、携帯電話や光ファイバー回線キャリア・インターネットプロバイダーなどの通信会社を専門に担当しており、格安SIMやホームルーターを実際に回線契約し各社の料金プランや通信速度の比較を行うとともに、モバイルだけでなく10社以上の戸建て・マンション向けの光回線の通信速度・速度制限も調査している。 また自身が行う検証の中で通信会社の公表値と異なる数値も発表、わかりにくいと言われる通信サービスだからこそ、理解しやすく信頼できるコンテンツの企画制作を心掛けている。
大手キャリアと比較すると、格安スマホには通信速度・サービス・機能・サポートなどのデメリットや注意点があります。格安スマホはやめたほうがよいといった声につながる、10個のポイントを確認してみましょう。
格安スマホは大手キャリアに比べて、通信速度の遅さ・不安定さが目立ちやすい傾向です。
格安スマホのサービスは、一般的にMVNOという事業者が提供しています。MVNOとは、大手キャリアから通信設備を借りて通信サービスを運営する事業者のことです。反対に、自社の通信設備を持つ大手キャリアはMNOと呼ばれます。
MVNOも大手キャリアと同じ通信設備を利用しているため、通信エリアは同等です。しかし通信設備の一部を借りて運営する分、回線が混雑すると通信速度が低下したり、安定しにくくなったりすることがあります。特に朝晩の通勤時や会社の昼休憩、夜などは混雑しやすい時間帯です。
ただし格安で使えるスマホ事業者には、MNOに分類されるirumo・UQ mobile・Y!mobile、大手キャリアのオンライン専用ブランドであるahamo・povo・LINEMOもあります。これらのサービスであれば、大手キャリアとの通信品質の差は小さいと考えられるでしょう。
多くの場合、格安スマホではキャリアメールが利用できません。キャリアメールとは、携帯電話会社の独自のドメイン名が付与されたメールアドレスを指します。
キャリアメールは大手キャリアによる本人確認を得て提供されるため、信頼性が高いのが利点です。金融機関のネットサービスなどでは、キャリアメールの登録を推奨するケースもあります。キャリアメール推奨のサービスを利用している人にとって、キャリアメールの有無は重要なポイントでしょう。
格安スマホに乗り換える際、大手キャリアのメールアドレスを引き続き使いたい場合は、申込みと月額料金の支払いが別途必要です。au・ドコモ・ソフトバンクでは、メールアドレスの持ち運びに月額330円がかかります。
格安スマホを検討する際は、キャリアメールを提供している事業者を探すのもひとつです。格安で使える通信事業者のなかには、キャリアメールに対応している事業者もあります。たとえばY!mobileは無料で、UQ mobileは月額220円でキャリアメールを利用可能です。
すべて税込み
そのほかの対処法として、Gmail・Yahoo!メールなどのフリーアドレスで代用する方法もあります。
格安スマホに乗り換えると、LINEのID検索ができなくなる可能性があります。LINEのID検索とは、ユーザーが個別に設定するLINE IDを用いて友だち追加ができる機能です。
ID検索を使うためには、キャリアと連携した年齢確認をする必要があります。一般的に格安スマホは年齢確認に対応していないケースが多く、その結果ID検索も使えません。
例外として、格安で使えるY!mobileや、IIJmio・BIC SIM・mineo・イオンモバイルといった一部の格安スマホは年齢確認に対応しているため、18歳以上であればID検索ができます。なお、ID検索が使えない格安スマホでも、リンク・QRコードなどを使えば友だち追加は可能です。
ID検索ができる事業者を選んだり別の方法で友だち追加をしたりすれば、格安スマホにおけるID検索のデメリットは解消できるでしょう。
格安SIM事業者で販売されている端末は、一般的に種類が少ない傾向です。事業者のプランには満足できても、ほしいモデルが見つからないことも考えられます。
以下は、格安で使えるUQ mobile・Y!mobileと、格安SIMのmineoで販売されている端末の具体例です。
【UQ mobile】
公式サイト参照(2023年6月8日時点)
予約可能製品を含む(au Certified(認定中古品)は除く)
【Y!mobile】
公式サイト参照(2023年6月8日時点)
オンラインショップで購入できる種類(ソフトバンク認定中古品は除く)
店舗によってはそのほかの機種も取扱いあり
【mineo】
公式サイト参照(2023年6月8日時点)
入荷待ちの機種は除く
同時期において、au・ドコモ・ソフトバンクでは30種類前後の端末を取扱っています。格安SIM事業者でほしい機種の販売がなければ、メーカー公式サイトや家電量販店などでの購入を検討しましょう。
ただし利用できる端末の種類は、格安SIM事業者によって異なります。乗り換え先の事業者以外で端末を購入する場合は、事業者の公式サイトなどで動作確認端末かどうかを確認しておきましょう。
実店舗を設けている格安スマホは限られており、電話・メールといった非対面のサポートが基本です。実店舗がない格安スマホで契約すると、トラブル発生時に対面で相談できないのはもちろん、初期設定なども自分で行う必要があります。
サポート体制を重視するのであれば、Y!mobile・UQ mobile・イオンモバイルといった実店舗を設けている事業者を選びましょう。
大手キャリアのau・ドコモ・ソフトバンクであれば、クレジットカードに加えて口座振替も選択できます。しかし多くの格安スマホでは、支払い方法の選択肢がクレジットカード決済のみです。
乗り換え先によっては口座振替が選べないこともあるため、クレジットカード決済を避けたい人は契約前に支払い方法を確認しましょう。なお、Y!mobile・UQ mobileなどの一部の事業者では、口座振替も選択可能です。
格安で使えるahamo・povoなど、一部の事業者は留守番電話や着信転送に対応していません。
留守番電話に非対応の場合でも、簡易留守録(伝言メモ)が本体に備わっている機種であれば代用できます。ただし簡易留守録は、電源がオフの状態や圏外では利用できません。機種本体に簡易留守録がない人、電源オフ・圏外にも対応した留守電機能がほしい人は要注意です。
仕事の都合などで着信転送を利用している人は、大手キャリアからの乗り換えによって使えなくなる可能性があります。転送がない分、着信に気づきにくいといった不便を感じることも考えられるでしょう。
とはいえ格安で使える事業者のなかには、留守番電話・着信転送に対応している事業者も多くあります。たとえばY!mobileでは、「着信転送サービス」と「留守番電話(無料)」を申込み不要で使えます。
LINEMOでは、留守番電話・着信転送・着信お知らせ機能がセットの「留守電パック」を月額220円で利用可能です。大手キャリア以外でも留守番電話・着信転送を利用したい人は、同等のサービスがあるかどうかを事前にチェックしておきましょう。
格安スマホ事業者の多くは、災害用伝言板を自社で提供していません。災害用伝言板とは、大規模な災害の発生時に安否状況を登録・確認できるサービスのことです。
大手キャリアでは、独自の災害用伝言板を無料で提供しています。その点、格安スマホ事業者では災害用伝言板の提供がないケースがほとんど。災害時に備えるためには、自身でサービスを探さなければいけません。
たとえば、NTT東日本・NTT西日本が提供する災害用伝言板(web171)の利用が推奨されます。事業者が災害用伝言板に対応していない場合でも、災害用伝言板(web171)にアクセスすれば無料で安否情報の登録・確認が可能です。
なお、LINEMOやY!mobileなどは独自の災害用伝言板に対応しているため、事業者を選ぶ際の参考にしてみてください。
緊急時に関する格安スマホのデメリットとして、音声通話SIM以外は110・118・119の緊急通報ができない点にも注意しましょう。音声通話SIMとは、音声通話・データ通信対応のSIMのこと。SIMの種類には音声通話SIMのほか、データ通信のみ対応のデータ通信専用SIMなどもあります。
データ通信専用SIMは、緊急通報を含む音声通話が利用できません。災害時に家族・友人などと連絡を取り合う場合には、LINE・Twitterといったアプリを活用するなどの対策を考える必要があるでしょう。
キャリア決済に対応した格安SIMは少数のため、これまで利用していた場合には注意が必要です。キャリア決済とは、アプリやネットショッピングなどの代金を、スマートフォンの利用料金とまとめて支払えるサービスのこと。主に大手キャリアのau・ドコモ・ソフトバンクで使えます。
キャリア決済の利点は、ログインID・パスワードや暗証番号の入力のみで決済が完了することです。シンプルな支払い方法を選びたい人のほか、セキュリティの観点からクレジットカード決済を避けたい人にも有効な手段といえます。
これらに当てはまる人がキャリア決済非対応の事業者に乗り換えた場合、不便に感じる可能性があるでしょう。
とはいえ大手キャリア以外でも、Y!mobile・UQ mobile・LINEMOといった一部の事業者ではキャリア決済が利用できます。スマホ代とまとめて支払えるキャリア決済を使いたい人は、対応している事業者を選びましょう。
格安スマホの解約時に違約金がかかるケースがあることにも注意しましょう。大手キャリアを含め、多くの携帯電話会社は解約時の違約金を撤廃しているものの、一部の事業者では違約金の支払いが必要です。
たとえば、トーンモバイルの一部プランには24か月の最低利用期間があり、24か月の間に解約すると解約金がかかります。「TONE for Androidプラン」「基本プラン(新)」の解約金は1,000円、「基本プラン・基本プラン(アルパイン)」は9,800円です。
LIBMOの音声通話機能付きSIMにも、1年間の最低利用期間があります。期間内に解約した場合、月額料金1か月分または10,450円の支払いが必要です。
上記以外にも違約金を定める格安スマホ事業者があるため、契約してから後悔しないように事前にチェックしておきましょう。
格安スマホにはデメリット・注意点がある一方で、メリットもあります。今回は特にメリットとして考えられるポイントを3つ紹介。格安SIM(格安スマホ)が自分に合っているのか、利点も含めて検討してみましょう。
格安スマホは大手キャリアから回線を借りてサービスを提供している分、月額料金を抑えやすい点が強みです。低容量プランを1,000円以下で提供する事業者もあり、コストを重視する人にはぴったりといえるでしょう。
また格安スマホの多くは、提供するプランがシンプルな傾向です。料金プランが複雑な大手キャリアに比べると、選びやすい点が魅力といえます。そのうえ低容量・大容量のデータ通信など、使う程度に応じてプランを選びやすいのもメリットです。
たとえばイオンモバイルでは、「さいてきプラン」「さいてきプラン MORIMORI」などの音声プランを提供しています。さいてきプランは0.5GBのほか、1~10GBの容量を1GB単位で選択可能。プラン料金は月額803~1,848円です。
さいてきプラン MORIMORIの月額料金は1,958~5,258円で、20・30・40・50GBのなかから容量を選べます。毎月利用するデータ容量に応じた選び方ができるため、無駄なく利用できるでしょう。
現状のスマホ料金やプラン内容に不満がある場合は、低価格かつプランが選びやすい格安スマホを検討してみてください。
格安スマホのなかには、独自のサービスやオプションを提供する事業者が多くあります。求めるサービスや利用状況に合わせて事業者が選べる点は、大きなメリットといえるでしょう。
たとえばLINEMOでは、LINEアプリに関するサービス「LINEギガフリー」を提供しています。LINEアプリのトーク・音声通話・ビデオ通話などを使っても、LINEMOユーザーであればデータ容量が消費されません。日常的にLINEを使う人にとって、魅力的なサービスといえます。
BIGLOBEモバイルでは、独自の「エンタメフリー・オプション」を提供中です。YouTube・Apple Musicといった対象のサービスを、データ容量の消費なしで利用できます。オプションは有料で、音声通話SIM契約の場合は308円/月です。
各事業者オリジナルのサービス・オプションにも注目すると、より自分の使い方に合った事業者を選択できるでしょう。
格安スマホへの乗り換え時、多くの場合は端末をそのまま引き継げます。端末を変えずに携帯料金だけ下げたい人や、データを移す作業が面倒な人にはメリットが大きいでしょう。
ただしSIMロックがかかっている場合には、事前の解除手続きが必要です。大手キャリアで購入した端末には、他社での利用が制限されるSIMロックがかかっている場合があります。基本的に、2021年9月30日以前に発売された端末はSIMロックの対象です。
また携帯電話会社によって対応機種が異なるため、乗り換えたい事業者の動作確認端末をチェックしておきましょう。格安スマホに乗り換える際の具体的な方法は、以下のコンテンツを参考にしてみてください。
格安スマホにしないといわれる理由や乗り換えのメリットをふまえて格安スマホを契約するなら、おすすめの事業者をチェックしてみましょう。
以下のコンテンツでは、格安スマホ事業者を徹底比較したうえで人気ランキングを紹介しています。大手キャリアからの乗り換えで後悔しないよう、自分にぴったりな格安スマホを探してみてください。
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