使い方によって、お得に高速道路を利用できるETCコーポレートカード。ほかのETCカードと何が違うのか、自分に合っているのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ETCコーポレートカードの特徴や他のETCカードとの違いなどを詳しく解説します。申し込み方法も解説するので、ETCコーポレートカードを検討するときの参考にしてください。

大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
法人カード・ビジネスカードおすすめTOP5
バクラク

バクラクユーザーの法人におすすめ!経理管理しやすく還元率も高い
ETCカードは、ETCコーポレートカード以外にもいくつか種類があり、それぞれ特徴が異なります。用途に合わせて最適なETCカードを選びましょう。
ETCコーポレートカードは、毎月高速道路を頻繁に利用する事業者・個人事業主向けのカードです。東日本・中日本・西日本高速道路株式会社が発行しています。
ETCコーポレートカードは毎月5,000円を超えて利用額が大きくなればなるほど、割引率が高くなるので、タクシーや運送業など頻繁に高速道路を利用する事業者におすすめです。
ETCコーポレートカードの手数料は629円で、ETC車両1台につき1枚の発行となります。クレジット機能はついていないので、審査不要で作成可能です。
ただし、ETCコーポレートカードを利用するにはETC車載器が搭載されている車両であることや、毎月の利用額が30,000円を超えるなどの条件を満たさなければなりません。細かい条件は申し込みをする協同組合によって変わるということも覚えておきましょう。
次にETCコーポレートカードと比較できるように、法人ETCカードとクレジットカード付帯のETCカードの特徴をチェックしていきましょう。
法人ETCカードは、事業協同組合が発行する法人・個人事業主に向けたETCカードのことです。ETCコーポレートカードと同じくクレジット機能がついていないので、クレジット審査不要で発行できます。
ETCコーポレートカードと違い、ETCマイレージサービスのポイントが貯まるのが大きな特徴です。発行手数料は無料で、毎月の利用額が少なくても発行できます。
ETCコーポレートカードのように1枚につき1台といった限定はないので、複数の社用車やレンタカーでETCカードを使いたい場合におすすめです。
クレジットカード付帯のETCカードは、クレジット会社が発行するETCカードです。
法人ETCカードと同じようにマイレージサービスのポイントが貯まるだけでなく、旅行保険や提携会社の優待サービスなどお得な特典やポイント還元が受けられるのも大きなメリット。年会費はカード会社やカードの種類によって違いがあります。
ただし起業して間もない法人や個人事業主は、信用力の観点からクレジット審査に通らないことも。事業歴が浅い場合は、審査のない法人ETCカードを選ぶとよいでしょう。
ETCコーポレートカードは事故のリスクを減らせる、経費削減などといったさまざまなメリットがあります。それぞれのメリットを十分理解したうえで、利用するか検討してみてください。
ETCコーポレートカードは、事故のリスクを減らせるメリットがあります。道路会社からETCレーン通過時に、速度超過の警告を受けられる唯一のカードだからです。
ETCコーポレートカードには、車番限定利用という特性があるため、誰がいつどこで違反走行をしたのかを明確にでき、重大な事故の防止につなげられます。
ETCコーポレートカードは大口・多頻度割引や時間帯・曜日による割引が用意されているため、計画的に利用すれば経費削減につながるのがメリットです。ここでは、それぞれの割引内容を詳しく説明します。
大口・多頻度割引は、毎月の高速道路の利用額に応じて受けられる割引です。車両単位の割引と契約者単位の割引があり、両方が適用される場合には大きな割引を受けられることもあります。
たとえばNEXCOの高速道路で、ETC1.0の車載器を使用したときの車両単位の割引率は、自動車1台に対して利用料金が5,000~10,000円以下は10%、10,000~30,000円以下が20%、30,000円超えで30%です。ETC2.0の車載器を使用した場合は、それぞれ10%ずつ割引率が増えます。
契約者単位でみると、1か月の利用額合計が500万円を超え、さらに契約者の自動車1台あたりの高速道路月間利用額の平均が3万円を超えている場合に、10%の割引を受けられます。
大口・多頻度割引は法人ETCカードやクレジットカード付帯のETCカードにはない仕組みなので、ETCコーポレートカードを利用する大きなメリットといえるでしょう。
深夜割引は深夜0~4時のあいだに、高速道路を利用すると料金が30%割引になります。
平日朝夕割引は平日朝6~9時・夕方の17~20時のあいだの利用で最大50%割引です。割引率は月の利用回数によって異なり、月に5~9回の利用だと30%、10回以上の利用で50%が割引されます。
土曜日と日・祝日の休日割引は30%割引です。
なお深夜割引と平日朝夕割引は全車種が対象ですが、休日割引は軽・普通車限定なので注意しましょう。
ETCコーポレートカードは、クレジット審査不要で作成できるのもメリットです。
そもそもETCコーポレートカードにはクレジット機能がついていません。ETCコーポレートカードはクレジット審査が不要なので、開業したばかりの法人・個人事業主も申し込みやすいのが特徴です。
一般的なETCカードは、クレジットカードの付帯カードとして発行されるため、クレジット審査に通らなければETCカードも発行できない点に注意しましょう。
ただし、ETCコーポレートカードに申し込む際は、各事業協同組合によって独自の審査が行われるケースもあります。
ETCコーポレートカードの利用には、経費管理の効率化につながるメリットもあります。従業員や個人が通行料金を都度立て替える必要がなくなることによって、経費精算業務にかかる手間やコストが省けるからです。
ETCコーポレートカードの利用明細書には車両ごとの通行区間、通行料金内訳なども記載されています。それぞれの車両の利用状況を把握でき、会社の経費が明確になることで、税務署への申告もスムーズに進められるようになるでしょう。
ETCコーポレートカードには、使い方によってはさほど安くならない、保証金が必要となるなど、さまざまなデメリットがあります。利用する前にメリットだけではなく、デメリットも理解しておきましょう。
高速道路の利用額が月に5,000円以下の場合、大口・多頻度割引は受けられません。月間の利用額が少ない場合は、マイレージポイントが貯まる法人ETCカードやクレジットカード付帯のETCカードを検討してよいかもしれません。
なお、大口・多頻度割引の割引率はETC1.0と2.0でも10%変わるので、自分のETC車載器がどちらなのかも確認しておきましょう。
ETCコーポレートカードは、事前に登録した車両以外には使えないと決まっているので、レンタカーや従業員個人の車には使えません。
登録した以外の車で使用すると報告書の提出・カードの利用停止・割引停止・退会勧告・違反企業として公表といった、重いペナルティを受けることになります。
レンタカーを使うことが多い企業や、途中で車両が変更になる可能性のある企業などは、利用車両が限定されない法人ETCカードがおすすめです。
運送業やタクシー会社など複数の車がある場合は、車ごとに登録が必要。申し込みで必要な書類も多く、申込者の法人登記簿・申込者の印鑑証明・自動車検査証・事業免許証
などたくさんあります。
さらに複数の書類を何回かやりとりする必要があるので、申し込んですぐにカードを使えるとは限りません。余裕をもって事前に申し込まないと使いたいときに使えないので注意しましょう。
ETCコーポレートカードは、申し込み時に保証金が必要となるのもデメリットのひとつです。一般的なクレジットカードのような審査がない代わりに、未払いのリスクを防ぐために保証金が求められます。
申し込みの際は、4か月分の利用金額に応じた保証金を支払うか、銀行や信用金庫などの金融機関に連帯保証を引き受けてもらうことによって支払いの保証を受けなければなりません。
たとえば月の利用額が10万円であれば、4か月分で40万円の保証金を支払う必要があります。もし利用額が少ない場合でも最低10万円は必要とされているので、申し込む際の負担は少なくないでしょう。
なお事業協同組合で申し込む際は、組合が保証してくれるため、保証金は必要ありません。
ETCコーポレートカードには、NEXCOに直接申し込むか、事業協同組合で申し込むという2つの方法があります。それぞれの申し込み手順や注意点をチェックしておきましょう。
NEXCOに直接申し込むことで、ETCコーポレートカードを発行できます。
申し込む際は、利用申込書をダウンロード・記入し、添付資料と合わせて近くの窓口に送付。申込受付結果が送られてきたら、支払い保証書を提出し、ETCコーポレートカードを受け取るといった流れです。
なお直接NEXCOに申し込む際は、1か月の利用額の4倍にあたる保証金、もしくは銀行や信用金庫による機関保証が必要となります。
ETCコーポレートカードの申し込み方法には、事業協同組合経由で申し込む方法もあります。
事業協同組合で申し込むメリットは、保証金や機関保証が必要ないことです。さらに、大口・多頻度割引の適用条件が契約者単位ではなく、事業協同組合単位で判定されるので、自分の会社だけでは条件をクリアしていなくても割引を受けられる可能性があります。
事業協同組合で申し込めば組合が代理でNEXCOへの申込申請書類を作成してくれるので、NEXCOに直接申し込む方法と比較すると手続きが簡単になるでしょう。
なお組合に加入する際に、組合によっては10,000円程度の加入出資金を求められる場合があることを覚えておきましょう。出資金は退会するときに返金されます。
ETCコーポレートカードは、大口・多頻度割引を受けられることが大きなメリットです。ただし月の利用額や車両限定などの条件があるので、もし自分に合わないと感じたらほかのETCカードも検討してみましょう。
とくにクレジット付帯のETCカードは、ETCマイレージサービスのポイントが貯まる点やお得な特典を受け取れるのもうれしいポイントですよね。
以下の記事では、おすすめの法人向け・個人事業主向けのクレジットカードを紹介しています。ポイント還元率やカードの選び方も詳しく解説しているので、ETCカードを選ぶときの参考にしてください。
法人カード・ビジネスカードおすすめTOP5
バクラク

バクラクユーザーの法人におすすめ!経理管理しやすく還元率も高い
本サイトは情報提供が目的であり、個別の金融商品に関する契約締結の代理や媒介、斡旋、推奨、勧誘を行うものではありません。本サイト掲載の情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社及び情報提供者は一切の責任を負いません。
オンラインショッピングや店舗での決済時に使用するクレジットカード。現金を持っていなくても決済をおこなえる魅力がありますが、切符の購入時にも使用できるか気になる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、クレジットカードで切符は購入できるのかを解説します。具体的な購入する方法や、クレジットカード...
クレジットカード
さまざまなやり方がある夫婦のお金の管理方法。どんなやり方を導入すれば、できるだけ円満に続けられるのか悩む人も多いでしょう。今回は、貯蓄のコツも含めて夫婦のお金をうまくやりくりする方法を紹介します。まだ上手にお金を管理できていない夫婦はぜひ最後まで読んで、自分たちに合ったやり方を見つけてみてください。
クレジットカード
18歳以上なら誰でも申し込めるクレジットカード。学生・未成年が作るときの注意点は?無職でも作れる?と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。今回はこれから初めてのクレジットカードを作ろうとしている人に向けて、作れる場所や申し込み方法について詳しく解説していいます。ぜひ最後まで読んで、カー...
クレジットカード
申し込んでから1週間~10日ほどで配達される楽天カード。ちょうど届いたタイミングで不在にしていて受け取れなかった場合は、どう対処すればいいのかや、放置したらどうなるのかなど気になりますよね。そこで今回は、楽天カードを受け取れなかったときの具体的な対処方法についてわかりやすく解説します。実際に受...
クレジットカード
ECサイトでのお買い物や公共料金の支払いなど、さまざまなシーンで便利なクレジットカード。発行できる年齢は?キャッシングって何?と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。今回は、初心者に向けてクレジットカードのメリット・デメリットや、仕組みについて解説していきます。ぜひ最後まで読んで、自分...
クレジットカード
ドコモの利用料金の支払いでdポイントを貯められる、dカード。せっかく申し込むなら、お得な入会特典を利用したいですよね。そこで今回は、2025年10月時点のdカードのキャンペーンをご紹介します。入会後に利用できるキャンペーンも紹介しているので、ぜひチェックしてくださいね。本コンテンツで紹介してい...
クレジットカード
メルカリだけでなく、JCBカードが使える全国のお店でも利用できるメルカード。メルカリの売上金が活用できるので、日常的に不用品を出品している人は便利に活用できます。しかし、せっかく入会するならお得なキャンペーンを利用したいですよね。本コンテンツでは、2025年10月に開催しているメルカードのキャ...
クレジットカード
Suicaとあわせて利用するとポイント還元がされるうえに便利なビューカード(viewカード)。入会するなら、キャンペーンを適用してお得に契約したいと考えている人も多いでしょう。そこで今回は、2025年10月に実施しているビューカードの最新キャンペーン情報を紹介します。特典の内容や、ルミネカード...
クレジットカード
入会する際に楽天ポイントがもらえる楽天カードの入会キャンペーン。しかし、ポイントはどうやったら受け取れるのか、もらえるポイントは何に使えるかなど、わからないことが多い人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、楽天カード入会キャンペーンでポイントを受け取る方法や使い方を解説します。よりお得に...
クレジットカード
紹介する人も紹介される人もお得にポイントをゲットできる楽天カードの紹介キャンペーン。しかし、どうやって紹介したらよいか、ポイントはいつ反映されるかなど、キャンペーンの利用方法に疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、10月最新の楽天カード紹介キャンペーンでポイントを獲得する方法...
クレジットカード
三井住友カード ゴールド(NL)への申し込みを検討している人のなかには、年会費が永年無料になる期間や条件など気になることも多いのではないでしょうか。本記事では、三井住友カード ゴールド(NL)の年会費が永年無料になる条件を詳しく解説します※。カードを利用するメリットや入会前に知っておいたほうが...
クレジットカード
ポイント還元率が高いカードとして知られている、楽天カードと三井住友カード。どちらかのカードを作りたいと考えているものの、カード選びの軸はポイント還元率だけではないため、自分にあっているカードを選ぶのが難しいと感じている人も多いはず。今回は、楽天カードと三井住友カード(NL)を徹底比較します。ポ...
クレジットカード
三井住友カードのなかでもステータス性の高い、プラチナプリファード。申し込むかどうか検討しているものの、審査難易度や自分の年収で発行できるかどうか、審査に通過するコツなどが気になっている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、プラチナプリファードの審査内容についてわかりやすく解説します。審査...
クレジットカード
三井住友カードが発行する最上級のクレジットカード、三井住友カード プラチナ。申し込みを検討しているものの、申し込みに必要な条件や年収がわからない、具体的な審査基準を知りたいなど、くわしい知識がないために一歩踏み出せずにいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、三井住友カード プラ...
クレジットカード
カード会社独自のポイントが貯まるクレジットカード。コード決済アプリやポイントカードと組み合わせればポイントが二重取り・三重取りできて、ますますお得に利用できます。しかし、二重取りする方法や組み合わせがわからない人も多いでしょう。そこで今回は、クレジットカードを利用しつつ、ポイントを二重取り・三...
クレジットカード
