働いている多くの人が気になるのが、年収と手取り額です。たとえば年収300万円の場合、手取り額はどれくらいになり、どの程度の生活ができるのでしょうか。
そこで今回は、年収300万円の手取り額や生活費の内訳を解説します。年収300万円でできることや、収入をアップさせるための方法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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まずは、年収300万円の手取り額を確認しましょう。
年収300万円の手取り額は、多めに見積もって約240万円です。
年収300万円であっても、額面金額から所得税や住民税、社会保険料などが天引きされるため、300万円がそのまま手元に残るわけではありません。一般的な目安として年収300万円の人は、所得税約5万円、住民税約12万円、社会保険料約46万円が年収から引かれます。その結果手取り年収は240万円ほどになり、1か月の手取り額は20万円前後に。
ちなみに、上記は賞与なしで考えた場合です。賞与ありで年収300万円の場合は、手取り年収が約245万円になる一方、手取り月収は約17万円に下がります。
手取り額は、世帯人数によって変わります。所得税や住民税の金額は、家族構成や扶養者の年齢などによって変動するからです。
たとえば年収300万円で独身の場合は手取り年収が240万円ほどになりますが、収入がない配偶者がいる場合は約244万円、さらに子ども1人が加わる場合は約249万円です。配偶者がいる場合は配偶者控除、扶養親族がいる場合は扶養控除を適用可能。家族が増えると課税対象となる所得が減って税金が少なくなり、手取り額が増えます。
年収300万円台の人の割合は、全世帯の13%程度です。
厚生労働省が行った「2021年 国民生活基礎調査」の所得分布状況を見ると、300〜400万円未満の世帯数が最も多い13.4%を占めています。200〜300万円未満が13.3%、100〜200万円未満が13.1%と続き、100万円未満は5.4%となっているため、全世帯のうち45%ほどの人が年収400万円未満であることがわかります。
また、国税庁が行った「令和3年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者1人あたりの平均給与は賞与なし全体で377万円、男性が460万円、女性が262万円となっています。平均賞与は全体が67万円、男性が86万円、女性が41万円です。
以上の数字から、年収300万円は全体および女性の平均年収よりは高いものの、男性の平均年収よりは低いといえます。
年収300万円でできる生活レベルはどのようなものでしょうか?独身と夫婦2人の場合の、生活費の内訳を紹介します。
一人暮らしの場合、無駄遣いをしすぎなければ年収300万円で問題なく生活できるでしょう。
総務省が行っている家計調査の2021年家計収支編を見ると、一人暮らしの1か月の一般的な支出は民間の住居を借りた場合の家賃が約5.1万円、食費が約3.8万円、水道光熱費が約1.1万円、保健医療費が約0.7万円、交通通信費が約1.8万円、教育娯楽費が約1.7万円、交際費が約1.2万円です。
1か月の支出は約15万円となるので、手取り月収が20万円前後となる年収300万円の人はやや余裕を持って生活できます。ただし、将来に備える貯蓄や投資も必要なうえ、支出がかさむと赤字に転じることもあるので、適宜節約が必要です。自炊によって食費を抑える、節水や節電を心がけて水道光熱費を下げるなど、工夫してみましょう。
夫婦世帯の場合は、年収300万円では生活が回らない可能性が高いといえます。
総務省の家計調査の結果を見ると、2人以上世帯の1か月の一般的な収支は食費が約7.5万円、水道光熱費が約2.2万円、保健医療費が約1.4万円、交通通信費が約4万円、教育娯楽費が約2.4万円、交際費が約1.5万円です。
1か月の支出は約19万円となりますが、ここには住宅費が含まれていません。2人で暮らすために十分な広さの住まいを賃貸で借りるのであれば、最低でも月5万円は必要でしょう。そうなると1か月の支出は約24万円となり、手取り月収が20万円程度となる年収300万円では赤字になります。
2人世帯の場合は節約による出費の抑制だけでなく、共働きによる収入の増加も検討したほうがいいでしょう。将来的に出産や育児を考えている場合はより生活費が上がるので、収入アップの対策を検討する必要があります。
年収300万円で人生の大きなライフイベントを実現できるかどうか、それぞれチェックしてみましょう。
年収300万円で結婚は可能ですが、節約や収入アップを考える必要があります。
結婚は年収に関係なくでき、一人暮らしよりも二人暮らしのほうが家計に余裕が出ます。たとえば家賃は二人暮らしのほうが上がりますが、単純に一人暮らしの2倍になるわけではありません。1人あたりの出費を抑えられ、暮らしやすくなるでしょう。
ただし年収300万円の場合、生活レベルによっては2人分の生活費を賄うのが大変になります。節約だけでなく収入アップを考え、2人で余裕を持って暮らせるよう対策するのがいいでしょう。
年収300万円で子育ては可能ですが、共働きで年収を上げたり支援制度を活用したりしないと生活は厳しくなるでしょう。
子育てが始まると、生活費に加えて子どもの教育費がかかります。出産時にもお金がかかるため、月収20万円前後では足りません。出産一時金や育児休業給付金、児童手当など支援制度をフル活用することが大切です。
支援制度を活用したとしても節約だけではやりくりが難しいレベルなので、根本的な収入アップを目指す必要があります。ゆとりを持って子育てができるように、転職や共働きなどで年収を増やすことを考えましょう。
クレジットカードやローンの審査は通過可能ですが、無理のない希望額で申請する必要があります。
クレジットカードを作ったりローンに申し込んだりする場合は、年収200万円が目安のラインといわれています。年収300万円の人であれば、問題なくできることが多いでしょう。ただし、希望額が高いほど審査に通りにくくなるので、無理なく返済できる額を設定するようにしてください。
なお、消費者金融やクレジットカードのキャッシングを利用する場合は注意が必要です。これら貸金業者からの借入れは、年収の3分の1を超える貸付けを禁止する総量規制の対象となります。年収300万円であれば、すべて合わせて100万円を超える借入れはできないので、注意してください。
車の購入は車種によっては可能ですが、慎重に検討する必要があります。
車は購入費用だけでなく、維持費もかかります。車を持っている限り、燃料費・駐車場代・メンテナンス費用・車検費用などが発生することも考慮してください。
一般社団法人 日本自動車工業会が行った「2021年度 乗用車市場動向調査」によると、年間維持費を10万円未満に抑えられている人は自動車を持つ全世帯の12%です。20万円未満が28%、30万円未満が24%なので、目安としては月平均1〜2.5万円程度の維持費がかかると考えておくとよいでしょう。
年収300万円の場合、一人暮らしでも生活レベルによっては赤字になってしまい、2人以上世帯では暮らしに余裕がありません。そのような状況で本当に車が必要かどうかを考え、車種も慎重に選ぶ必要があります。
家の購入は住宅ローンを組めば可能ですが、よく考える必要があります。
年収300万円で住宅ローンをシミュレーションすると、借入期間35年の元利均等返済を利用する場合、借入可能額は約2,200〜2,300万円になります。諸費用や利息を含めると返済総額は3,000万円を超えるので、35年間で返済する場合は単純計算で月々約7万円の返済が必要です。
さらに、借入可能額の範囲で希望に合う家が見つかるとも限りません。築年数・立地・広さなどの条件を妥協しなければ、購入できる家が見つからないケースもあるでしょう。多少妥協してでも家を購入すべきか、長年無理なく返済していけるかなど、じっくりと考えてみましょう。
年収300万円を稼いだ場合、どれくらいの貯金が可能でしょうか。無理のない貯金額を知っておきましょう。
世帯人数にもよりますが、一人暮らしであれば3万円程度貯金することは可能です。
先ほど紹介した毎月の支出額の目安から考えると、一人暮らしの場合は支出が月15万円ほどになるため、無駄遣いを控えれば月3万円ほどは貯金できると考えられます。
ただし、2人以上の世帯になると、年収300万円で貯金をするのは難しいと思われます。このあと紹介する節約方法や収入アップ方法を実践してみましょう。
貯金額を増やすためには、家計の支出を明らかにしたうえで、削れそうな支出を探すのがおすすめです。お金の出入りを明らかにしないと、適切な節約ができません。
まずは家計簿をつけて、食費・水道光熱費・通信費などを記録し、削れる支出を見つけましょう。自炊をして外食頻度を減らす、電力会社の料金プランを見直す、スマホを格安SIMに切り替えるなどの方法は節約に効果的です。
貯金が苦手な場合は、お金が入ったらすぐに貯金する先取り貯金がいいでしょう。生活費として使う前に貯金ができていれば、うっかり使ってしまう心配がありません。
節約を検討するときには以下の記事も役立ちます。ぜひチェックしてみてくださいね。
今の職場で昇進や昇格を目指すと、収入をアップできます。
役職がつくと、管理職手当てなどで給料が上がるのが一般的。肩書きが変わらなくても、昇格によって等級が上がることでも給料は上昇します。昇進や昇格を目指すのであれば、日々の業務で実績を上げたり、資格を取得したりすることが大切です。
ただし、昇進や昇格に至るまでには時間がかかることもあります。すぐに給料アップにつながるとは限らないため、コツコツと実績を積み重ねたい人におすすめです。
本業で収入を上げるのが難しい場合は、副業を検討するのもひとつの手です。
ダブルワークやクラウドソーシングなら、今持っているスキルを活かして副業ができます。単発案件を請け負えば、平日の仕事終わりや週末などスキマ時間で無理なく稼げるでしょう。
ただし、副業が禁止されていることもあるので注意が必要です。本業の勤務先で就業規則を確認し、副業をしても問題ないことが確認できてから取り組むようにしましょう。
本業での収入アップが見込めず副業も難しい場合は、転職がおすすめです。
給料の高い会社に転職できれば、速やかに年収アップが可能。基本給に違いがなくても、ボーナスがもらえる会社に転職すると年収が上がります。さらに、福利厚生制度が整っている場合も実質的な収入アップにつながるので、チェックポイントにするとよいでしょう。
以下の記事では、おすすめの転職サイトや転職エージェントを紹介しています。サービスの選び方もあわせて紹介しているので、参考にしてくださいね。
マイベストは有料職業紹介事業の許認可を受けています。(13-ユ-315911)
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