派遣は今すぐ辞められる？退職するときの注意点や手順を解説

原則として派遣社員は、契約期間中に辞めることはできません。ただしやむを得ない事情がある場合のみ、直ちに雇用契約を解除できると民法第628条で定められています。

円満に退職したい人は、1か月前から派遣会社に相談しておくのがおすすめです。

1か月前から相談しておけば、新たな人材の確保・引き継ぎ作業などを完了できるためスムーズに退職できるでしょう。

派遣会社・派遣先企業の両方に迷惑をかけないように、業務が増える繁忙期・週末・月末を避けて相談するのが無難です。

なんとか我慢して働き続けられる場合や、退職後の生活費が用意できない人は基本的に契約期間満了まで働いたほうがよいでしょう。

急に収入がなくなり生活が苦しくなるのを避けられるほか、退職後も好条件の仕事を紹介してもらいやすくなります。

ただし契約更新のタイミングであっても、契約期間満了日にいきなり辞めると伝えるのは避けたほうがよいかもしれません。最低でも1か月前には担当者に退職の意思を伝えておくことをおすすめします。

職場の上司・同僚との人間関係が悪くなってしまい、辞めたいと思う人は多くいます。

どの職場でも多かれ少なかれ相性の悪い人がいることは珍しくないでしょう。しかし、派遣社員は正社員と立場に違いがあることから、元々在籍している正社員との人間関係がうまく構築できなかったり、ハラスメントを受けたりするケースもあるようです。

退職する際は人間関係の悪さをストレートに伝えるのではなく、人間関係の悪化に伴うストレス・体調不良を理由にすると円満に退職できるでしょう。

実際に働いてみたところ、自分に向いていない仕事内容だったと感じて辞めようと悩んでいる人もいます。

仕事内容が合わないとモチベーションが下がってしまい、職場で貢献できなくなってしまうこともあるので、退職をして解決するのも選択肢のひとつです。

次の仕事でも同じ理由で辞めずに済むように、合わないと思った理由を分析することも大切です。

契約外の業務を任せられてしまい、辞めたくなってしまう人もいます。

正社員から契約外の仕事を任されてしまっても、その場では断りにくいことも多いでしょう。しかし、時給に反映されない仕事をそのまま続けていくと、精神的・肉体的に大きな負担を感じてしまう可能性もあります。

正社員が派遣社員に契約外の仕事をさせるのは基本的にルール違反なので、契約内容と実際の仕事内容が異なることをストレートに伝えても円満に退職を進めることは可能です。

なお、待遇が改善されれば辞めなくてもよいと考えている場合、交渉してみるのも選択肢のひとつです。契約外の業務をしていることを根拠に時給アップを相談すれば、待遇が改善される場合もあります。

いったん派遣会社の担当者に相談してから退職を検討しても、遅くはありません。

自身の体調不良や家庭の事情により、派遣を辞めようか悩んでいる人もいます。体調不良や家族の介護、結婚・転勤による引っ越しの場合、同じ職場で働き続けるのは難しいでしょう。

やむを得ない事情と判断されることが多いので、体調不良・家庭の事情で退職したいと素直に伝えたとしても、スムーズに退職まで進める場合が多いでしょう。

なるべく円満に退職したい人は、病院の診断書を用意しておくのもひとつの手です。

ただし、体調不良を理由に退職する場合は、当面の間働けないとみなされるため、次の就職先をすぐに紹介してもらえません。家庭の事情で辞める人は、ひと区切りついてから働きたい旨を伝えておくと求人を紹介してもらえる可能性があります。

派遣を辞めたいと考えている人のなかには、正社員への転職を検討している人もいるでしょう。

給与や福利厚生が安定・充実している正社員を目指す場合、派遣先企業での正社員登用や、紹介予定派遣・無期雇用派遣への切り替えを目指すとよいでしょう。

紹介予定派遣とは、正社員としての直接雇用を前提として派遣先企業に勤務する働き方のこと。無期雇用派遣とは、派遣会社の正社員として働く方法です。正社員になりたい人はまず派遣会社の担当者に相談してみてください。

勤務中の企業で正社員になることが難しい場合は、丁寧に事情を説明して退職の旨を伝えます。

たとえば仕事だからと割り切って考えたり、慣れるまで業務を続けてみたりして解決できるか試してみましょう。自力での解決が難しい場合は、派遣会社の担当者に相談すると、穏便に解決できる可能性もあります。

契約期間中に退職すると、現在の派遣会社からは求人を紹介してもらえない可能性があります。退職前に次の仕事を見つけておいたほうが、辞めやすいでしょう。

複数の派遣会社に所属すること自体は問題ないので、別の派遣会社に登録して退職後の仕事を検討するのがおすすめです。

辞めないでほしいと引き止められることもありますが、退職の意思をハッキリと伝えて断るようにしましょう。

派遣会社としては新たな人材の確保が難しかったり派遣先企業からの信頼を失いたくなかったりする気持ちがあるので、退職希望者を引き止めることは珍しくありません。

面倒であっても、退職の旨を伝えてから手順どおりに辞めましょう。

辞めてから問題なく生活できるように、事前に退職後の収入源について考えておくことが大切です。退職後は収入が途絶えてしまうため、当面の生活費を確保する必要があります。

派遣会社に相談するときは、なるべく正直に退職理由を伝えましょう。嘘をついてしまうと、バレたときに信用を大きく失います。