医療系の国家資格である薬剤師。薬剤師の資格を持つ人のなかには、免許の更新が必要なのかわからない人もいるのではないでしょうか。
今回は薬剤師免許の更新の有無を解説します。免許保有者の義務である届け出のやり方や、届け出を忘れたときの対処法も紹介するので、薬剤師免許を保有する人は参考にしてみてください。
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薬剤師には免許の更新義務はありません。ただし薬剤師法第9条により、2年に一度の届け出が必要です。例外として、12月31日時点で住所が国外にある場合は、届け出の必要はありません。
届け出する際は、対象年の12月31日現在における氏名・住所などの情報を届出票に記載し、翌年1月15日までに提出します。1月15日が土日祝の場合、期限は1月16日までです。届け出にあたって手数料はかかりません。
届出票の提出先は、住所地または従業地の都道府県知事です。基本的には自分で届け出る必要がありますが、病院や診療所などの医療機関に勤務している場合は、医療機関側がまとめて届け出するケースもあります。なお届出時に薬剤師の仕事をしていない人も、届出票の提出が必要です。
届出票の提出方法は2つあります。医療機関に勤めているか、勤めていないかによって提出方法が異なるため、よく確認しておきましょう。
病院や診療所などの医療機関に勤務している人は、オンライン届出を利用できます。オンライン届出とは、医療機関が医療従事者の分を取りまとめて提出する方法です。
オンライン届出では、はじめに事務担当者が申請サイトに関する設定を行います。事務担当者から利用者IDが共有されたあと、薬剤師本人が「医療従事者届出システム」にログイン。
ログイン後、入力フォームに氏名・住所・医籍登録番号などのデータを入力するか、届出内容を記載したExcel様式の届出票をアップロードします。データは事務担当者が一括で登録するため、そのほかの作業はありません。
登録した内容は保存されるので、次回以降の届出時は簡単に入力できます。なお、自分の届出内容はいつでも閲覧可能です。
病院・診療所などの医療機関に属していない場合などは、紙の届出票を提出します。届出票の入手場所は、病院・診療所などの医療機関、保健所、厚生労働省の公式サイトです。届出票の記入方法は厚生労働省の公式サイトを参考にしてください。
届出票の記入後は、住所地や従業地の保健所へ提出します。郵送の場合は届出期日までに届くようにしましょう。
なお、医療機関に勤務していない薬剤師でも、令和6年からはオンライン届出が可能になる自治体もあります。詳細は各自治体の公式サイトなどを確認してみてください。
薬剤師が2年に一度の届け出を忘れると、主に2つのデメリットがあります。罰金の支払いを命じられる可能性があるほか、今後の転職で不利になりかねないため、デメリットをきちんと把握しておきましょう。
届け出を忘れた場合、薬剤師法第5章第32条第3項により、50万円以下の罰金が科せられます。よほどのことがない限り、罰せられるケースは少ないといわれますが、悪質な場合は罰せられる可能性が高いでしょう。たとえば、意図的に何年も届け出をしないといったケースです。
医療機関などに勤務している場合は、届出票を取りまとめて提出することが多いため、期日に遅れる可能性は低いといえます。
反対に医療機関などに属していない場合は、届け出の期日を自分で把握する必要があることから、届出票の提出を忘れてしまう可能性が高いでしょう。
故意ではないとしても、届出票の提出が期日に間に合わなければ規定違反に該当します。届出票の提出は翌年1月15日(土日祝日の場合は16日)までと義務づけられているため、期限内に手続きを済ませることを意識しておきましょう。
届け出をしていないと、薬剤師資格確認検索システムから名前が抹消されてしまい、就職・転職の際に不利になる可能性があります。
薬剤師資格確認検索システムとは、厚生労働省に登録されている薬剤師の氏名を入力すると、登録年数などの情報が確認できるツールです。届出票を提出しなかった場合、薬剤師資格確認検索システムに氏名などが掲載されません。
就職・転職先の企業は、薬剤師の情報を確認するために薬剤師資格確認検索システムを使用することがあります。薬剤師の情報が出てこない場合は信頼性が欠けてしまい、就職・転職において不利になる可能性があるでしょう。
就職・転職時の不安要素をなくすためにも、2年に一度の届け出を忘れずに行うことが大切です。
届け出票の提出忘れ以外に、薬剤師の就職・転職で不利になることがあるのか知りたい場合は、転職のプロに聞くのがおすすめです。以下の記事では転職サイト・エージェントを徹底比較しているため、参考にしてみてください。
薬剤師免許の届け出を忘れた場合の対処法は、速やかに届出票を提出することです。わからないことがある場合などは、最寄りの保健所に相談しましょう。直接出向くのが難しい場合は、電話やメールなどで相談してください。
なお、前回分の届出票を提出していなかった人が今年度の届け出をする際、前回分の届出票を提出する必要はありません。
2年に一度の届け出を忘れないためには、届け出の期日は奇数年の1月15日(15日が土日祝の場合は16日)だと覚えておきましょう。定期的に厚生労働省や日本薬剤師会の公式サイトなどをチェックして、届け出の期日を確認する癖をつけておくのも予防策のひとつです。
2年に一度の届け出以外に必要な手続きとして、薬剤師名簿の訂正と書換交付が挙げられます。薬剤師名簿の内容に変更があった場合は、30日以内に訂正を行わなければいけません。訂正の手続きのあとに、免許証の書換交付を申請しましょう。
免許証の書換交付は希望者のみです。ただし薬剤師免許証を提示する際、名簿の内容と相違があれば、戸籍抄本などの公的書類の提出を求められる可能性があります。希望者のみとはいえ、訂正と一緒に書換交付をしておくのが賢明といえるでしょう。
薬剤師名簿の登録事項は、本籍地都道府県名(日本国籍がない場合は国籍)・氏名・生年月日・性別です。これらの情報に変更があった場合は、忘れずに訂正と書換交付を行ってください。
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