30代に入ると、資産形成の話題を耳にする機会が多くなりますよね。人生100年時代といわれる今、資産形成が重要であることはわかっていても、どのように始めればいいのか、30代からでも遅くないのか不安に思っている人は多いかもしれません。
そこで今回は、30代で資産形成を始めるメリットや、30代におすすめの資産運用方法を紹介します。あわせて、資産形成の始め方を初心者にもわかりやすく解説するので、資産形成の1歩を踏み出したい人はぜひ参考にしてくださいね。

大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
30代は資産形成に適した年代といわれており、投資を始めるタイミングとして遅くはありません。以下では、30代で資産形成を始めるメリットを紹介します。
30代で資産形成を始めることによって、ライフプランの見通しを立てやすくなるのもメリットです。結婚・出産・マイホーム購入など、30代はさまざまなライフイベントが発生する年代といえます。
ライフイベントにはまとまったお金がかかるので、きちんと見通しを立てたうえで資金を用意しておかなければいけません。あわせて、老後に向けた資金準備にも目を向ける必要があるでしょう。
資産形成を始めることは、将来的にいくら必要なのか、現在保有する資産をどのように増やしていくのかをじっくりと考えるきっかけになります。今後のライフプランをきちんと把握するためにも、30代のうちに資産形成を始めるのが得策です。
複利効果は長く運用するほど効果を発揮するため、40代以降で投資を始めるよりも、なるべく早い30代のうちに始めるほうが有利といえるでしょう。
以下では、資産形成を始めるための準備について解説します。
夫婦2人世帯の老後にかかる最低日常生活費の平均は、月額23万2,000円です。日本が目標に掲げている2%のインフレ目標を考慮し、老後に必要な最低日常生活費は月額41万円と仮定しましょう。65歳で定年を迎え、90歳まで生きるとすると、老後の生活費として41万円×12か月×25年間=1億2,300万円が必要です。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の場合、年金を含む社会保障給付として約22万円を毎月受給できます。25年間の総額はおよそ6,600万円です。年金額から生活費を差し引くと、不足額はおよそ5,700万円。緊急時のための予備費も考慮すると、不足額はさらに大きくなるでしょう。
上記は最低限の生活費で計算していますが、旅行やレジャーなどにも十分にお金を使うためには、ゆとりある老後生活費として平均37万9,000円がかかります。老後の暮らし方によって必要な生活費は変わってくるため、理想のライフスタイルをイメージしながら目標金額を考えてみてくださいね。
実際に資産形成を始める前に、現在の保有資産額を確認しておきましょう。資産の範囲は幅広く、金銭的な価値があって交換可能なものはすべて対象です。現金・銀行預金はもちろん、有価証券(株や投資信託など)・不動産・車・宝石類・保険商品なども含まれます。
保有している金融資産の合計額がわかったら、マイナス資産として負債の合計額を差し引きましょう。主な項目は、奨学金や各種ローンの残高などです。
目標額から現在の保有資産額を差し引くと、目標に対して不足する金額がわかります。資産形成のスタートラインとして、現状の資産額をきちんと把握しておきましょう。
まずは緊急時の生活防衛資金として、3か月分の生活費を確保するのが賢明です。次に、生活防衛資金を差し引いて残った資産を、毎月かかる生活費、近い将来に使う予定のあるお金(住宅購入など)、しばらく使う予定のない余剰資金に分類しましょう。
余剰資金は手元になくても生活に影響しないお金であり、投資資金として使えます。万一の際に生活が圧迫されるリスクを避けるためにも、投資は余剰資金の範囲内で行うことが大切です。
投資に回せる金額がわかったら、目標額の達成に向けて具体的な資産形成方法を考えてみましょう。どのような資産形成方法が適しているか、利回りを何%に設定すべきか、リスクをどれくらいまで許容できるかなど、投資に回せる金額をもとに資産形成方法や手段を検討してみてください。
資産形成の具体的な戦略を立てる際の参考として、金融庁の「資産運用シミュレーション」を活用するのもおすすめです。
通常、株式投資を始める際はまとまったお金が必要ですが、単元未満株やミニ株であれば少額から購入が可能です。手数料が割高になりやすいものの、まずは勉強の意味も込めて、1株や10株単位の少額から株式投資を検討してみましょう。
株式投資についてもっと詳しく知りたい人は、以下の記事をチェックしてみてください。
老後資金を効率よく準備したいなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入を検討しましょう。iDeCoとは、自分で選んだ商品に対して毎月掛金を拠出し、原則60歳以降に年金として受け取る仕組みです。
月々5,000円から拠出できるため、少額から資産形成を始めたい人にもおすすめできます。iDeCoの選び方やおすすめの商品が知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
国が推進する新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠も、効率的な資産形成に役立つ制度です。決められた範囲内での投資に限り、投資で得た利益を非課税で受け取れます。通常、投資の利益には20.315%の税金がかかるため、手元に残るお金に大きな差が生まれるのがうれしいポイント。
成長投資枠とつみたて投資枠は、年間の投資可能額が異なります。成長投資枠は年間240万円まで投資ができる制度で、無期限で利益に対して税金がかかりません。
一方のつみたて投資枠は、年間120万円まで投資が可能です。非課税で運用できる期間は成長投資枠と同じく、無期限と定められています。
原則60歳まで引き出せないiDeCoに対し、成長投資枠・つみたて投資枠はいつでも自由に引き出しが可能です。老後を迎えるまでに必要なお金を準備したい場合は、自由に引き出せる成長投資枠・つみたて投資枠のほうが有利といえるでしょう。
ただし、基本的にはコツコツと投資を続けるほったらかし投資で構いませんが、完全に放置するのはよくありません。価格が著しく下がっている商品を放置し続けると、損失が大きく膨らむ可能性があります。また、気付かぬうちにリスクの配分が大きくなっていることも考えられるでしょう。
コツコツと継続的に運用するほったらかし投資をベースにしつつ、目安として最低でも年1〜2回、可能であれば月1回は資産状況を見直すことが大切です。
投資のリスクやリスクの抑え方について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。
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