事業を行う人が利用するビジネスカード。個人事業主でも作ったほうがいいのか、作らないといけないのかと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
そこで本コンテンツでは、個人事業主にビジネスカードは必要なのかを解説します。メリット・デメリットも紹介するので、自分の事業に必要かどうか検討する際の参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
法人カード・ビジネスカードおすすめTOP5
個人事業主でもビジネスカードを必ず作らなくてはいけないことはありません。事業を行ううえで役立つ特典が多くありますが、事業内容によってはあまり使わないこともあります。
そもそもビジネスカードとは、法人カードの1つ。法人カードは、中小企業・個人事業主向けのビジネスカードと、大企業向けのコーポレートカードの2つに大きくわけられます。ビジネスカードは事業者向けに作られたクレジットカードであるため、ビジネスでうれしい特典やサービスが豊富です。
<ビジネスカードの特徴>
これらの特徴が自分の事業内容にあえば、ビジネスカードの作成を検討するとよいでしょう。
個人事業主のビジネスカードは必須ではないものの、作ると事業に役立つメリットが豊富にあります。自分のニーズと照らしあわせて、作るべきかを検討してみてください。
ビジネスカードは事業に役立つ付帯サービスや特典が充実しています。具体的には以下のとおりです。
<付帯サービスや特典の一例>
国内・海外の旅行傷害保険が付帯しているビジネスカードもあり、出張中に病気やケガがあっても補償が受けられます。出張が多い人はコスト削減につながるでしょう。
個人事業主がビジネスカードを作成すると、プライベートとの区別や経費管理がしやすくなります。個人のクレジットカードを事業の支払いと兼用していると、明細を確認してもすぐに経費を見分けられません。
ビジネスカードなら、事業で利用した分だけ利用明細に載るので、人的ミスを減らせるでしょう。経費を取りこぼしにくくなるため、節税効果も高められます。
多くの経費管理ソフトと連携できる点も魅力です。利用明細を自動的に経費管理ソフトへ取り込めるため、経費の入力作業を大幅に削減できますよ。
個人カードよりも利用限度額を高めに設定できる点も、ビジネスカードの大きなメリットです。事業関連の支払いはプライベートの買い物よりも高くなりやすいですが、ビジネスカードならさまざまな支払いに対応できます。
利用限度額が低いなかで上限を超えてしまうと、振り込みなど別の方法で対応しなければなりません。手間がかかり時間も無駄にしてしまうので、仕入れや維持費などが高額になりやすい事業内容の場合は、利用限度額の高いビジネスカードを検討しましょう。
ビジネスカードは、追加カードを発行できます。追加カードを発行すると従業員に対して個別にカードを提供できるため、支払いの管理に手間をかけずに済むでしょう。
追加カードは、個別で利用限度額を設定できます。経費を使いすぎる心配はありません。
ビジネスカードの利用実績を積み重ねれば、金融機関や取引先への信用力が高まります。信用力が向上すると、ビジネスの拡大や新たな取引先との契約なども、スムーズに進みやすくなるでしょう。
いずれ法人化を目指そうと考えたとき、ビジネスカードの利用実績は大きな強みになります。
ビジネスカードを個人事業主が作ることで、デメリットになる部分もあります。年会費や支払い方法など、個人用のカードと異なる部分を確認して作るか検討してみてください。
多くのビジネスカードは年会費がかかります。個人カードは年会費無料のものが多いため、デメリットに感じる人も多くいるでしょう。
付帯サービスや特典の充実度を求めるほど年会費も高くなりやすいため、自分の事業に必要な内容かを十分に検討してください。年会費は無理なく支払える金額か、価格とサービス・特典内容のバランスはとれているかをよく考えましょう。
ビジネスカードは、リボ払いや分割払いに対応していないことが多く、支払い方法が制限されます。基本的には一括払いで、キャッシング機能も使えないことがほとんどです。
資金繰りが難しく支払いが遅れると、信用情報に傷をつけることになります。金融機関や取引先への信用力に影響する可能性もあるので、気をつけてください。
なお、すべてのビジネスカードがリボ払いや分割払いに対応していないわけではありません。なかには利用できるカードもあるので、重視したい人は契約前に確認しましょう。
ビジネスカードを利用すると、青色申告の記帳が複雑になる可能性も。青色申告は複式簿記での記帳が必要であるため、使用するカードが個人用か事業用かによって仕訳の方法が異なります。
たとえば、個人カードを事業の支払いに利用した場合は、「事業主借」に仕分けして個人のお金を事業に使ったという記帳をしなければなりません。逆に、ビジネスカードをプライベートの支払いに利用した場合は、事業のお金を個人に使っているので「事業主貸」での仕訳が必要となり、やや複雑に感じるでしょう。
複数枚ビジネスカードを保有している場合は、より利用明細の管理がしづらくなる可能性があるので慎重に行ってください。会計ソフトを活用するなど、一元管理できるような工夫も必要です。
事業の実績が浅いと、ビジネスカードの審査にとおりにくくなるので注意しましょう。ビジネスカードは事業主個人の信用情報に加えて、事業の業績や財務状況なども審査対象であるため、個人カードに比べて審査基準が厳しいといわれています。
実績が浅かったり事業規模が小さかったりすると、審査にとおりにくい傾向があるため、個人事業主対象と謳っているカードを選びましょう。
上記のメリット・デメリットからビジネスカードが必要だと判断した人は、カードを選ぶポイントも抑えておきましょう。以下では5つの選ぶポイントを紹介するので、利用するサービスや特典などを踏まえて選んでみてください。
個人事業主がビジネスカードを作る際は、法人だけでなく個人事業主も対象と謳っているカードを選ぶようにしましょう。
ビジネスカードの審査では、事業主個人の信用情報に加えて事業の業績や財務状況がチェックされます。実績が少ない個人事業主は審査に通らない可能性があるため、選ぶカードの申し込み条件が重要です。
個人事業主も対象と謳っているビジネスカードなら、実績が浅くても個人の信用情報を重視して、審査に通過できる可能性もあるでしょう。審査に通過できなければビジネスカードは持てないので、申し込み条件を重視してカードを選びましょう。
仕入れが多い事業内容の人や飛行機に乗る機会が多い人は、ポイントやマイルの還元率も重視するといいでしょう。貯まったポイントやマイルは、お金の代わりとして利用可能です。
仕入れ時はポイントで支払ったり、マイルで航空券の購入や座席のグレードアップしたりすれば、経費削減につながります。ポイントをマイルに交換できる場合もあるので、ニーズにあわせて臨機応変に対応できるカードを選ぶのがおすすめです。
ビジネスカードは、年会費と付帯サービス・特典のバランスがいいカードを選びましょう。バランスのとり方は、人それぞれ異なります。
たとえば、マイルの還元率が高いカードでも、飛行機を利用しなければ意味がありません。年会費を払うだけ無駄になってしまうでしょう。逆に飛行機によく乗る人なら、年会費以上のメリットを得られる可能性もあります。
自分にあう付帯サービスや特典内容、かつ年会費にも納得できるバランスのいいカードを選んでください。
個人事業主がビジネスカードを申し込む際は、ビジネスカードを選ぶポイントを踏まえて、自分の事業にあうビジネスカードを選ぶところから始めましょう。申し込むカードが決まったら、申し込みに必要な書類をそろえてください。個人事業主の場合、本人確認書類以外に確定申告書の提出を求められることが多くあります。
カード会社の申し込み手順に沿って手続きを行い、審査結果を待ちましょう。申し込み時には、個人用のクレジットカードの申し込みに必要な項目以外にも、営業年数・設立年月日・従業員数・資本金などの記載が必要です。審査基準は公開されていませんが、実績が少ないほど審査通過は厳しくなりやすいことを覚えておきましょう。
審査に通過できればカードが発行されます。カードを利用できるまで時間がかかる場合もあるため、早めに申し込んでくださいね。
ビジネスカードを作りたいものの、自分にあうカードが分からず悩んでいる人は、以下のコンテンツをチェックしてみてください。マイベストが、人気の法人カード・ビジネスカードを比較して、おすすめのカードをランキング形式で紹介しています。
年会費が安いうえにポイントも貯まりやすいカードや、経費管理が楽になるカードの選び方も解説しているので、ビジネスカード選びに悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
法人カード・ビジネスカードおすすめTOP5
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