調剤薬局の受付・電話対応・調剤報酬請求などのスキルを証明できる、調剤薬局事務の資格。一部では不要といわれていることもあり、本当に必要かどうかを知りたい人も多いのではないでしょうか。
今回は調剤薬局事務資格がいらないといわれる理由を解説するとともに、必要になるケースや資格はどれがいいのかを、資格の概要・受験資格・申込み方法などと一緒に紹介します。調剤薬局事務の資格は必要なのか、活かすにはどうすれいいのか知りたい人はぜひ参考にしてみてください。
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調剤薬局事務の仕事は資格がなくても行うことができるため、資格自体が不要といわれることがあります。調剤薬局事務は薬局の業務のうち、薬剤師資格がなくても実施できる受付・電話対応・レセコンへの入力業務・会計業務などを担当するからです。
調剤薬局事務の仕事に資格はいらないといわれている理由には、上記のほかにも就職・転職に有利になりにくかったり、資格取得のハードルが低かったりすることが挙げられます。以下で各理由の詳細や本当に必要ないのかを解説しているので、参考にしてみてください。
調剤薬局事務資格は合格率が高く、取得までのハードルが低い資格が多いことも不要といわれている理由のひとつ。簡単に取得できる資格をもっていても、書類選考や面接の際に評価されるケースは多くないと考えられるからです。
例えば日本医療事務協会の「医療事務検定情報サイト」では、調剤薬局事務検定試験の合格率は89.5%(2022年)とのこと。合格率は9割以上のため、かなりハードルが低いといえるでしょう。
ただし取得しやすい資格でも調剤事務に関する基礎知識や技能は取得できるので、まったく必要ないわけではありません。とくに調剤薬局事務の経験がない人は、取得を検討してみてもよいでしょう。
実践的なスキルや現場での対応力が身につくわけではないことからも、資格は必要ないといわれています。調剤薬局事務資格は、基本的にテキストや映像を使った講義が多いことが理由です。
例えば資格のうちのひとつ、調剤薬局事務検定は通信講座を受講したり、通学講座で授業を受けたりしたあとで受験します。受講・勉強の過程で実務経験が積めるわけではないので、実務のイメージはつかみにくいといえるでしょう。
しかし未経験では書類選考の時点で落とされてしまう可能性があるため、調剤薬局事務の未経験者の人が資格を取得して対策するのは悪くない選択肢だといえます。
調剤薬局事務の資格は必ずしも必要ではありませんが、もっていると就職・転職に役立つケースも。資格を取得することで即戦力になりやすいため、資格をもっていない人よりも選考の過程で有利になる可能性があるからです。
調剤薬局事務の資格を取得する過程で必要な知識が身につくことから、採用側が教育の負担が減ると判断される可能性があります。資格をもっていることを履歴書に書いて、経験はないものの業務について理解しているなど自己PRに使えるのもメリットです。
有利になる可能性がある一方で、資格の有無を重視しない職場があることも事実。その資格をもっていることで、どの程度転職に影響するか理解しておくことが大切です。
以下の記事では、おすすめの医療事務資格講座をランキング形式で紹介しています。資格をとる意味や取得難易度についても解説しているので、医療機関の事務職に興味のある人はチェックしてみてください。
調剤薬局事務の資格には、調剤薬局事務検定試験や調剤事務管理士などがあります。それぞれ学べる内容や難易度が異なるため、自分のレベルやキャリアにあったものを選ぶことが重要です。ここからは、調剤薬局事務資格の概要・受験資格・申込方法などを解説します。
調剤薬局事務検定試験は、調剤薬局での請求事務業務の基礎的な知識と技能が身につけられます。未経験者や知識がないまま調剤薬局事務の仕事をすることが不安な人でも、合格率が高くて取得しやすいことが特徴です。
受付業務・会計業務・請求業務などの、調剤薬局事務の業務を行う際の基本的な知識を一通り習得できます。未経験の人でも基礎知識があれば、自信をもって業務を行いやすくなるでしょう。
調剤薬局事務検定試験は、日本医療事務協会が認定する資格です。受験資格はないものの日本医療事務協会が通学・通信講座を開講しており、またユーキャンなどの通信講座でも学習が可能。
試験は会場またはオンライン受験があり、日本医療事務協会を通学で受講していた場合は奇数月の第3日曜日に会場受験を、通信講座・独学受験の人は毎月第4日曜日の毎月第4日曜日にオンライン受験を行います。
申込み方法は、講座でもらえる申請書を郵送・提出するか日本医療事務協会の公式サイトから手続き可能です。「調剤薬局事務検定」を選択して一番下にある「お申込みはこちら」から手続きを進めましょう。
調剤事務管理士は、処方せんの受付・会計・保険請求分のレセプト作成などのスキルを身につけられる資格です。
合格率は60%程度で上述した調剤薬局事務検定試験よりもハードルが高く、就職・転職時にアピールできる可能性があります。調剤薬局事務の資格のなかでもポピュラーな資格で、知識が浅い人や未経験者も取得する価値がある資格です。
資格を取得すれば保険調剤薬局の受付・会計・レセプト業務など、調剤薬局事務の業務を行ううえでの知識や技術を習得できます。処方せんの内容を十分に理解して調剤費用を計算できる力も身につくので、薬剤師をしっかりとサポートできるようになるでしょう。
調剤事務管理士は、JSMA(技能認定振興協会)が認定する資格です。受験資格はなく、試験日は毎月第4土曜日翌日の日曜日に開催されます。受験方法は2023年7月現在は新型コロナウィルス感染症の影響で、在宅受験のみです。申し込みは技能認定振興協会の公式サイトから手続きをしましょう。
調剤報酬請求事務技能認定は、調剤報酬請求事務の知識と技能をもっていることを証明できる資格です。最初に紹介した調剤薬局事務検定試験などと比べてやや専門性が高く、就職や転職に有利になる可能性があります。
資格取得には特定の団体の受講が必要なものの、専門スタッフのサポートが受けられるため独学よりもしっかりと知識を学べる点はメリットです。調剤報酬請求だけでなく、医療保険の仕組みや受付対応時の接遇マナーなども身につけられます。
調剤報酬請求事務技能認定は、一般財団法人日本医療教育財団が認定する資格です。受験資格は同じく日本医療教育財団が承認した教育機関で、所定の教育訓練ガイドラインに沿ったカリキュラムを学んでいること。
代表的な承認機関には、株式会社ニチイ学館の「調剤薬局事務講座」があります。講座を終了したのちに教育を受けた機関で試験を受け、合格ののち認定手続を済ませると資格の取得が可能です。
調剤情報実務能力認定試験は、調剤報酬請求事務に従事するうえで一定の能力を有していることを証明できる資格です。指定校の講座の受講が必要なものの、講師に不明な点を聞けるので独学よりも効率的かつ深く学ぶことができるでしょう。
講座では、薬調剤報酬請求に必要な保険や調剤報酬の専門的な知識が身につけられます。薬剤師のサポート業務はもちろん、一般薬の薬剤情報提供まで行える知識を学ぶことが可能。
調剤情報実務能力認定試験は、医療福祉情報実務能力協会が認定する資格です。受験資格はありませんが、教育指定校および団体受験のみのため講座を受講していないと受験できません。指定校は医療福祉情報実務能力協会の公式サイトを参照してみてください。
受験方法が限られているので、ほかの資格と比較してやや手間がかかることはデメリットだといえるでしょう。
医療保険調剤報酬事務士は、調剤薬局事務に関する基礎的なスキルを学べます。合格率が80〜90%と高く、未経験や知識がない人でも取得しやすい資格です。調剤薬局事務に従事する前に基礎を習得できる利点があります。
調剤薬局事務検定と同じく、受付・会計・請求報酬などの業務を行う際の知識を習得可能です。調剤事務の全般的な基礎知識があれば、未経験の場合は就職・転職の際の自信になって、実際の業務もスムーズに行えるでしょう。
医療保険調剤報酬事務士は、医療保険学院が認定する資格です。受験資格は、同じく医療保険学院のWeb講座を受講していること。全課程を修了したのち、認定試験に合格すれば資格を取得できます。申し込みは医療保険学院の公式サイトから可能です。
調剤報酬請求事務専門士は、調剤報酬のエキスパートを認定する資格です。調剤薬局事務は複雑化する調剤報酬改定に対応して、調剤報酬の算定と内容を的確に説明する能力も求められます。調剤薬局事務の一段上のスキルを身につけたい人はチャレンジする価値がある資格だといえるでしょう。
ほかの資格と比べて1〜3級のレベル別に試験が用意されていたり、2年に1度の更新制度があったりするなど専門的な資格です。3級は調剤報酬の基礎レベルが問われ、1・2級ではより専門性の高い問題が追加されます。
とくに1・2級は評価されやすく、手当や昇給の対象にもなる薬局やドラッグストアもあることからおすすめの資格です。
調剤報酬請求事務専門士は、一般社団法人調剤報酬請求事務専門士検定協会が認定。受験資格はなく、試験は7月・12月の年2回行われています。申し込みは調剤報酬請求事務専門士検定協会の公式サイトから可能です。
調剤薬局事務の資格を取得して実際に転職するなら、転職サイトを利用しましょう。転職先になる薬局は全国的に数が多く、希望に沿った良質な求人を見つけるのに手間がかかりやすいためです。
医療系職種の転職に強い転職サイトを活用すると、自分1人で転職活動するよりもスムーズに入職できる可能性が高まります。以下の記事では人気の転職サイトをランキング形式で徹底比較し、転職事情やサイトを使うコツも解説しているため、仕事を探す際に役立ててみてください。
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