退職を言い出せないときは？対処法を解説

退職を決意後は直属の上司に退職の旨を伝えることが一般的ですが、日頃から上司を怖いと感じている人は、なかなか退職を言い出せないでしょう。特に上司が部下に対して威圧的な性格であるとさらに言い出せません。

事情があり上司に言い出せないときは、人事やコンプライス関連部署に退職の旨を伝えましょう。

上司と話すのが気まずいがために、上司にメールで退職する旨を伝えたり、上司の机の上に退職届けを置いたりすることはおすすめできません。後日受理していないと言われるリスクがあるうえ、社会人としてのマナー違反と捉えられます。

周りの目が気になるあまり、退職を言い出せない人もいます。同僚らからどんな反応が返ってくるかわからず不安になるためです。

特に、関係が良くない同僚の場合は、なおさら不安が増大するでしょう。また、どれだけ関係が良好であっても、辞めると伝えた瞬間から手の平を返され、退職日まで気まずい状態が続く可能性もあります。

退職が決まったあとでも、誠意を持って行動すれば周囲からの反発はある程度防げます。人事異動を検討する時期や異動後の転職はできる限り避けたり、後任者に対する引継ぎを丁寧に行ったりするよう意識しましょう。

人事異動後すぐに退職すると、会社全体の人員配置そのものを検討し直す必要があり、会社に迷惑をかけてしまいます。退職するときは異動の時期を避けましょう。

後任者の引継ぎには、業務マニュアルを作成するのがおすすめです。後任者に直接引き継ぎができない場合でも、分かりやすいマニュアルがあれば後任者が安心して仕事ができます。お世話になったことに感謝の気持ちを持って、丁寧に退職手続きや引継ぎを行えば、必要以上に周りから反発を受けることはないでしょう。

職場が常に人手不足であることから退職する旨を言い出せない人もいます。残った人への負担を考えて、自分の気持ちを後回しにする人によく見られるケースです。

しかし、人員の補充は会社が考えることであるため、自身の退職したい意思を貫きましょう。その際は、就業規則をしっかり確認し、日にちに余裕をもって伝えることが重要です。会社は社員が退職するまでの期間で、新たな人員の採用や異動などを行います。

また、退職を切り出したとしても、情に訴えかけられたりうまく丸め込まれたりして、辞める時期を先に伸ばされることもあります。なかには「辞めてもらっては困る」と言えば社員がとどまってくれると考え、わざと採用を行わない会社が存在することも事実です。

しかし、人員の補充は会社の仕事であるため、気にせずに自分の意思を貫きましょう。

次の転職先が決まっていない状態では、なかなか退職の意思を伝えられないでしょう。職場の上司や同僚などに一度退職する旨を伝えると、よほどのことがない限り後戻りができません。

退路が断たれることを考えると、転職先が決まっていない状態で退職の意思を伝えることはリスクが高いといえます。退職後、上手く転職活動ができずに路頭に迷うことは誰しもが避けたいケースであるため、思うように行動に移せないの人が多いようです。

退職後の不安は在職中に転職活動を進めておくことで最小限に抑えることができます。転職先が決まってから退職することで、収入が途絶える期間を最小限に抑えられるでしょう。

また、受給資格を満たせば、退職後に失業手当を受け取れます。失業手当の基本的な受給資格は、「離職前２年間に雇用保険の被保険者期間が12か月以上あること」です。被保険者期間によって、90～150日間ほど受給できます。

退職する旨を伝えるときは、本音と建て前を使い分けましょう。自分の思っている本音をすべて伝えてしまうと、円満退社ができなくなる可能性があるためです。

今の会社の給料が安すぎて転職する場合でも、「ほかの会社のほうが条件がよいため転職します」と正直に伝える必要はありません。「家庭の事情で」、「一身上の都合で」など、建て前の理由を伝えたほうが円満に退職できます。

ただし、建て前を伝える際は、あからさまに嘘であるような内容で伝えてはいけません。円満な退社ができなくなるリスクがあります。

退職する旨を伝えるときは、「相談」という言葉を使ってはいけません。退職を伝える際、曖昧な言い方をすると上司に引き止められる可能性が高いためです。

上司から引き止められると、最終的にはどうすれば会社に所属し続けられるかという話に発展し、退職しづらい空気になってしまうでしょう。退職する旨を伝える際は、「辞めます」とはっきり言い切るくらいの意思表示が必要です。

退職する旨を伝える際に「職場への不満」を口にするのはやめましょう。「残業が多い」、「人事評価制度が良くない」、「人間関係が悪い」など、会社に直接不満を伝えてしまうと、思わぬトラブルに発展してしまうおそれがあります。

また、上司にも悪い印象を与えてしまい、退職まで気まずい雰囲気のまま過ごすことになるでしょう。円満退職をしたい人は、最後まで「職場への不満」は口にしないことを強くおすすめします。

仕事を辞めたいのにも関わらず、退職をいい出せないままでいると、体調やメンタルに支障をきたす可能性があります。特に、常に長時間の残業をしていたり、上司にパワハラをされていたりする状態では、そのまま仕事続けることで心身ともに疲れ切ってしまうでしょう。

体調やメンタルに支障をきたしてから仕事を辞めると、次の転職活動が進められず、復帰に時間がかかる可能性があります。退職理由が職場環境の悪さである場合は、言いづらい状況でもすぐに退職の意志を伝えてください。長い目で見たときに後悔しないで済むでしょう。

会社を辞めたいまま仕事を続けてもスキルアップすることは難しいでしょう。会社を辞めたいと思いながら会社に居続けることで、仕事に対するモチベーションが下がっていくためです。

また、モチベーションが低いことが周囲に伝われば、上司から重要な仕事も任されません。当然スキルも磨かれないため、将来的に会社からリストラされる可能性もあるでしょう。

会社を辞めたいと考えているのであれば、転職活動を始めるなど、すぐに行動に移すことをおすすめします。

「会社を辞めたい」と思いながら会社に何年も居続けることで、年々転職が不利になります。今の日本社会は、若い人材を欲しがる企業が多い傾向です。会社側からすると若い人材のほうが人件費もおさえられて、伸びしろも期待できます。

退職が言い出せず悩む時間が長いほど、自分の市場価値が下がっていくことを理解しましょう。自分の市場価値を下げないだけでなく、次のキャリアで自分の価値を上げていくためにも、早く行動に移すことをおすすめします。

まずは直属の上司に退職の旨を伝えましょう。最初に退職を伝える人は「直属の上司」が一般的です。

忙しい時間帯を避けて声をかけるか、あらかじめメールで都合を確認しておき、2人きりで話せる時間を作ってもらいましょう。

また、伝えるタイミングは就業規則を参考にし、少なくとも退職の1か月以上前には伝えるようにしてください。

仕事を辞める旨を伝えて承認されたら、次は退職に関する交渉を行いましょう。退職する際の条件をすり合わせる必要があります。

具体的には、退職日・有休消化・引継ぎについて交渉を行います。退職交渉が終わったタイミングで、退職届を上司に提出してください。書き方は就業規則を読んだり上司に相談したりし、事前に確認しましょう。

退職交渉で引き止められそうになった場合は、「嬉しいお言葉ありがとうございます。しかし、退職の意思に変わりはございません」と、丁寧にかつはっきりと伝えます。転職先が決まっていれば、その旨も同時に伝えましょう。

退職届を提出したあとは、業務の引き継ぎや有休消化を行います。「どうせ辞めるのだから」と引継ぎをおろそかにしてはいけません。後任者がすでにいるのであれば、口頭で説明しながら丁寧に引継ぎを行います。

また、あとから後任者が確認できるよう、口頭だけではなくデータにも残しておくと親切です。有休消化は引継ぎに影響がない範囲で申請しましょう。