30代で未経験転職は厳しい？理由や転職成功のコツを解説

リクルートの調べによると、数年の間で異業種×異職種の転職率が上昇傾向にあり、30代の直近の転職率は約30％です。異業種×同職種または同業種×異職種の転職を含めると、約85％あることもわかっています。

30代未経験での転職は決して簡単とはいえませんが、やり方次第では可能といってよいでしょう。ただし、未経験でも転職しやすいかどうかは、業界や業種によって大きく異なるので注意が必要です。

反対に同じ業界もしくは同じ職種でも、不動産業や金融業のように特別な資格が必要な仕事だと、転職が難しい可能性があるので注意しましょう。

一般的な知識やスキルのみでできる仕事には、接客業や販売職が挙げられます。接客・販売スキルは、アルバイトや短期の研修でも比較的習得しやすいスキルです。

また、必要な商品知識は企業によって異なるため、全員が一から習得しなければいけません。採用者全員がほぼ同じ環境からスタートする仕事なので、未経験でも挑戦しやすいといえるでしょう。

選考では、スキルや経験よりも人柄を重要視されることが多いのも特徴のひとつです。真面目さや明るさ、粘り強さなどを評価される傾向にあるので、選考の際に意識できるといいでしょう。

帝国データバンクのデータによると、2025年4月時点で最も人材不足に陥っているのは旅館・ホテル業界。ほかにも、情報サービスやメンテナンス・警備・検査なども人材不足が顕著なので、ひとつの参考にしてみてください。

ただし、慢性的な人手不足に陥っている職場は、労働環境が厳しい可能性があります。自分の目できちんと企業を見にいったり、労働環境をできるだけ調べたりして、自分にもできると判断した仕事に転職するようにしましょう。

例えば、外資系企業で事務をしていた人の語学力は、商社など海外事業を有する企業で役立てられるでしょう。経理処理の経験がある人の知識やスキルは、経営コンサルの仕事にも応用が利きます。

営業職のなかでもIT業界は、経験者・未経験者問わず積極的に採用しているとdodaの調べでわかっています。人材サービス業界・保険業界・不動産業界なども、次々と新規開拓が必要な業界であることから採用母数が多いため、挑戦するには狙い目です。

ただし、医療業界や法務業界など専門性が高い業界の事務職では、専門の知識を必要とする場合があります。事務職の種類は幅広く存在するので、自分のスキルに合った仕事を選ぶようにしましょう。

IT系技術の知識は、WEBからの情報収集をはじめ、企業が主催する研修などからも得られます。やる気さえあれば、未経験でも自発的にある程度の知識を身につけられることもメリットといえるでしょう。

経済産業省によると、2030年までに約40～80万人の規模でIT系技術者が不足するといわれています。特にアプリケーション・インフラ関連の開発系人材を欲している傾向があるため、未経験から挑戦したい人には狙い目です。

ただし、技術者派遣業のスタッフのような、給与水準の低い求人が多いことには要注意。IT技術職で収入を上げたい場合は、ステップアップする意志が重要とおさえておきましょう。

以下コンテンツではIT系の求人に強い転職サイトを比較し紹介しています。参考にしてみてください。

厚生労働省の調べによると、接客業の有効求人倍率は3.23倍もあることがわかっています。求人者1人に対して約3つの求人が存在する状況なので、転職のハードルは低いといえるでしょう。

サービス業には、販売・接客・介護など幅広い業種が存在します。厚生労働省の調べでは、業界全体の有効求人倍率が2.82倍もあるため、求人数が多い業界ともいえるでしょう。

帝国データバンクによると、特にホテル・旅館業界の人手不足が顕著です。人手不足と感じている企業割合が約8割と、直近で過去最高水準に達しています。ホテルや旅館の仕事に興味があれば、狙い目の業界といえるでしょう。

経済産業省もIT業界は成長業界だと発表しており、業界自体が衰退していく心配も少ないといえるでしょう。将来人材が不足することもわかっているので、独学で業界知識を習得して、未経験から挑戦するのもひとつの手段です。

転職者の約70％が異業種出身であることを示したdodaの情報を踏まえても、未経験からの転職率は高いと考えられます。

加えて、飲食業は慢性的な人手不足に陥っている業界の1つです。帝国データバンクの調べから、人手不足と感じる企業が約6割あるとがわかっているため、採用活動にも積極的だと考えられます。

ただし、小売・外食業界は、数ある業界のなかでも給与水準が低めです。誰にでも挑戦しやすいものの、小売・外食業界を選ぶ際は給与や労働条件をしっかり確認し、問題なく生活できるレベルかを判断しましょう。

厚生労働省の調べでは、介護業界の求人倍率は3.38倍にも上っているため、全業界内でもトップクラスの人材需要があるといえるでしょう。

介護業界の仕事は、老人ホームやデイサービスでの介護職や、介護保険の利用をサポートするケアマネジャーなどが存在します。学歴・職歴・年齢不問の求人が多いことも特徴です。

介護業界は、国が関連資格の取得支援に積極的なのもメリットといえます。資格がなくてもできる仕事がほとんどですが、資格を取得すると昇給に繋げられたり、仕事の可能性を広げたりすることが可能です。

介護業界に興味のある人は、資格取得も視野に入れて転職活動を行うと、自信をもって挑めます。

例えばマネジメント経験は、どんな業界・職種にでも活用できる経験といえるでしょう。仕事を問わず求められるポータブルスキルを身につける意識も重要です。

ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても活かせるスキルを指します。職種に必要な専門スキル以外の、コミュニケーション能力や問題解決能力などがポータブルスキルです。

志望先企業ではどんな経験が求められそうかや、どんなスキルが重要視されそうかを事前に把握するため、企業研究をきちんと行うことも大切です。

30代は、転職市場では即戦力として扱われる年代です。未経験の人が書類選考や面接で勝ち残るには、自己分析をきちんと行い、自分の強みや弱み、経験やスキルを整理する必要性が高まります。

なぜ未経験の業種・業界に挑戦したいのかなど、説得力のあるキャリアの軸も持っておくと、選考に有利に働くでしょう。

活動を長期化させないためには、計画的な転職スケジュールを立てておくことも重要なポイントです。可能性を広げるため、業界や求人情報の収集も幅広く行いましょう。

転職の事前準備は誰にでも必要ですが、転職ハードルの高い30代未経験の場合はとくに入念に行うことが重要です。

例えばITパスポートは、人材需要が高いIT業界の転職に役立てることが可能です。ファイナンシャルプランナーの資格は、金融業界にとって役立つ資格といえます。日商簿記やMOSは、事務職への転職に有利に働くでしょう。

前職の業界よりも給与水準が高い業界に転職しない限り、基本的には収入減になると考えておいたほうが良いでしょう。企業によっては研修期間を設ける可能性があり、研修期間の給料はさらに低いのが一般的です。収入を上げるにはいち早く業務に慣れ、戦力になる必要があります。

転職後のキャリアステップを見据えたときに、前職よりも将来的に収入を増やせる可能性があるなら、一時的な収入減を受け入れるのもひとつの手です。労働環境や労働条件など、総合的にメリットを考えたうえで判断しましょう。

選ぶ業界によって、求人数の多さや少なさは異なるのが特徴です。一般的に、販売・接客業や営業職などは、どの業界でも求人数が多い傾向があるので、職種にこだわらない場合は候補のひとつに入れてみてください。

給与面や福利厚生など、希望条件を高望みしすぎると求人が見つかりにくくなるので、最低限の希望条件を整理して自分に見合った求人に応募することをおすすめします。

未経験求人がどれくらい多いかどうか確かめたい場合は、下記コンテンツで紹介している30代におすすめの転職サイトを利用するのが最適です。ぜひ参考にしてみてください。