世界史を扱う歴史小説おすすめ人気ランキング30選【山崎豊子・吉川英治・塩野七生の名作も！】

こちらは1930年代のドイツを舞台に、ヒトラーの時代を懸命に生きた少年たちが主人公の小説。純粋にナチズムを信じ、希望や夢を抱く少年たちを軸に物語は進行していきます。ヒトラー・ユーゲントという難しい題材を取り上げており、忌まわしい戦争を考えるきっかけとなる本です。

インドにおいて300年の歴史を誇ったムガル帝国。そのムガル帝国がイギリスのインド進出を受けて少しずつ衰退し、滅亡に至る序章を描いた小説となっています。どちらかというとエンタテインメント小説としての趣が強いものの、日本では珍しくインドの歴史を扱った小説という点でおすすめです。

本作では日本人としてはじめて司祭となった、ペトロ岐部が主人公です。船を乗り継ぎ、砂漠をよぎってエルサレムの地を訪ねたペトロ岐部が、どのように司祭となったかが鮮明に描かれています。キリストを題材にした作品に興味があるなら、存分に楽しめる作品です。

中国の国家、唐の基礎を築いた太宗。彼の後宮として奉仕していた3000人の女性の中でも異彩な美しさをもっていた則天武后は、やがて太后の地位にまでつき、唐の女帝にまで登り詰めます。中国の歴史上の中で、女皇帝や政治家として活躍した則天武后の活躍を描いた名作です。

東ローマ帝国の首都・コンスタンティノープルが陥落した後、オスマン帝国の侵攻の脅威にさらされることになった島・ロードス島。島を守ろうとする騎士らの決死の戦いを描いた作品です。塩野七生らしい客観的な文章ですが、それでもなお激戦を繰り広げる騎士たちに胸が熱くなります。

三国志の中でも有名な英雄、曹操の活躍を描いた小説です。多面的なイメージのある曹操ですが、本シリーズではそんな曹操の壮大な人生を、少年時代から天下統一を目指すまでを描き切っています。全3巻の長編の中には、曹嵩・夏侯惇などおなじみの人物も登場するので、最後まで楽しんで読めるでしょう。

こちらの小説では紀元前70年頃、共和政のローマで剣闘士として戦ったスパルタクスの活躍を描いています。反乱軍を率いて戦ったスパルタクスの苦悩や活躍を知るにはふさわしい作品です。物語のほとんどがスパルタクスの視点で進むので、主観的なストーリーが好きな方にはおすすめですよ。

12世紀、モンゴルの草原に暮らすキャト氏に生まれたチンギス・ハンを主人公にした作品です。敵対するモンゴル族との戦いなどを通し、一代で世界帝国を築いたチンギス・ハンの軌跡を描いています。

チンギス・ハン本人の生涯だけでなく、彼に関わった人物たちについても知れますよ。2020年3月で7巻まで刊行されている長編ストーリーなので、じっくりとモンゴル帝国の歴史を読みたい人におすすめです。

長く統一国家が生まれなかったイタリアの中でも、独立国家として1000年の繁栄を保ったヴェネツィア共和国について描かれた作品です。全6巻に渡って、事細かにその歴史と特色について描写しています。

交易により国を運営していたヴェネツィア共和国の歴史そのものが学べるので、ヴェネツィアに関して興味のある人にはぜひ手に取ってもらいたい1冊です。

コルシカ島でボナパルト家の次男として生まれたナポレオンが、どのようにして一代でフランス皇帝まで登り詰めたのか？その素顔と生涯にせまる小説。

ナポレオンの幼少期の生い立ちからパリの陸軍士官学校、そして徐々に砲兵指揮官として頭角を現す様子なども描かれています。全3巻のシリーズを通して、じっくりナポレオンの生涯を読めますよ。

地中海世界の覇権をかけ、壮絶な戦いを繰り広げた古代ローマとカルタゴ。カルタゴの英雄として見事勝利したハンニバルの戦略や、生涯を通しての人物像を描いた作品です。

ハンニバルを扱う小説だとローマ視点のものが多い中、本作では客観的視点からハンニバルの思考・諸説などを知れます。初心者には少し難しい描写もありますが、ハンニバル好きにはおすすめの小説です。

ローマ帝国を舞台に、政治さえも芸術のように見えるルネサンスの時代に生きた、4人の女たちの物語です。ルネサンス期の勉強や、ヨーロッパの歴史を知るにはおすすめの1冊。

塩野七生さんはローマを舞台にした小説を多く書いていますが、その中でもこちらは塩野七生さんのデビュー作です。ローマ人の物語や海の都の物語など、他の有名作と読み比べてもいいかもしれませんね。

6世紀のオスマントルコ帝国において、数多くのモスクを建設し、石の巨人とまで呼ばれた建築家がいます。その建築家・ミマール・シナンを主人公とした小説です。

日本の小説としては珍しくトルコやイスラムを舞台にしており、アラビア世界の人々の生き方を巧みかつ精緻に描いています。オスマントルコ帝国の知見を深めるには有用な1冊ですよ。

イギリスとフランスの間で100年もの間戦争が行われた、泥沼のような百年戦争。その英雄であるジャンヌ・ダルクと、彼女に恋をした傭兵の男との悲恋を描いた作品です。

人間としての弱さや未熟なところもあるピエールが、ジャンヌ・ダルクとの恋でどう変わっていくのかも見どころ。佐藤賢一らしいユーモアのある作風で、最後まで楽しめますよ。

中国戦国時代といえば戦国七雄が有名ですが、そんな七雄にも数えられないほどの小さな国に生まれた楽毅という武将が、燕に士官し、将としての才能を開花させていきます。

乱世は人の運命をも翻弄し、思いもよらぬような生涯を生きることになった楽毅。戦国時代が彼に与えた宿命とは、そしてそんな時代を生ききった楽毅はどんな人物だったのでしょうか。

1665年、ロンドンの人々を恐怖の底に陥れた悪病・ペスト。本作はそんなペストに襲われながら、死の恐怖と隣り合わせになった人々の様子を描いています。

同じくペストを扱った小説で、カミュという著者の作品も有名です。カミュのペストを読んでいる人は、それぞれを読み比べてみても面白いかもしれませんね。

日本ではあまり知名度がないのですが、中国の歴史小説で楊家将演義というものがあります。この作品は、その楊家将演義を翻案した小説で、北宋の時代に戦った楊家の武将たちの戦いが描かれています。

特に騎馬戦の臨場感は目を見張るものがあり、それだけでも読む価値があるほどです。あくまで翻案小説なので本物の楊家将演義とは相違点もありますが、楊家の男たちの熱い戦いが楽しめますよ。

フランス王アンリ二世の正室として仕えた、国王妃とも呼ばれるカトリーヌ・ドゥ・メディシス。そんな彼女の生涯を、一人称の独白と共に描いた小説です。

カトリーヌ・ドゥ・メディシスについての書物はたくさんありますが、その中でも本書は、本人の心情や言葉が鮮明に分かるのが特徴。悪女とも名高い国王妃の深い心理描写を楽しみたい人におすすめの作品です。

中世時代のローマ帝国で、政教分離国家の樹立やローマ法王との抗戦など、数々の所業を成し遂げたフリードリッヒ二世の生涯を描いた作品です。

早くから帝位にまで登り詰めたフリードリッヒ二世ですが、やがて法王との関係性が悪化し破門になります。苦境の中でも信念を曲げず、戦い続けた男の生き様を見事に描き切っていますよ。

中国・漢王朝を再興し、武勇と徳で知られた光武帝という皇帝がいます。その光武帝、本名劉秀が皇帝になるまでの冒険と戦いを描いた長編小説です。

やや物語が平坦ではあるものの、劉秀が光武帝となるまでの戦いを知りたい方にはとてもおすすめ。全体的に読みやすい文章なので、光武帝についてあまり知らない人でも理解しやすい作品ですよ。

20世紀のドイツにて、邪悪な独裁者として知られるアドルフ・ヒトラー。本作ではそんなヒトラーの生涯として、少年期からミュンヘン一揆をもくろむまでを全3巻の小説で描いています。

ユダヤ人が虐殺された理由や、世界大戦が起きた経緯の詳細なども語られており、ヒトラーの名前をなんとなく知っている人も、本作を読めばより理解が深まるでしょう。

本物の1000年王国を実現した、東ローマ帝国の首都・コンスタンティノープル。その栄光の都市がオスマン帝国によって陥落するさまを描いた作品です。

立場の違ういろいろな登場人物の心情を交えながら物語が進行するので、最後まで飽きずに楽しめますよ。滅びと征服の中でどんなドラマが起こるのか、歴史の背景の裏をスリリングな描写と共に知れます。

フランス革命の最中、パリで死刑執行人として勤めていたサンソン家の4代目当主として生まれたサンソン。彼もまた死刑執行人となり、のちにフランス国王と王妃を処刑したことで名をはせます。

自分の運命や差別と闘いながら、サンソンが処刑人としての務めとどう向き合い、激動のフランス革命の中をどう生きたかを描いた小説です。フランス革命についてだけでなく、ギロチンの開発秘話なども知れますよ。

紀元前三世紀頃、中国では楚の覇王・項羽と、漢の劉邦の間で熾烈な闘いが行われました。そんな楚漢戦争を、司馬遼太郎の独特な視点から描いた小説です。

何もかも正反対の項羽と劉邦という二人の英傑はどのように戦い、人を使い、そしてそれぞれの道を歩んでいくことになったのでしょうか。現在の処世術にも通じますので、ビジネス書としても参考になる1冊です。

山崎豊子は多くの社会派小説を遺し、しかもそれらのほとんどすべてが絶賛されているという大変な作家です。その中で日系二世たちを軸に在米邦人、あるいは日系人たちの悲劇を描いた作品として知られているのが、この「二つの祖国」。

自分の血と育ち、そして戦争によって自分が誰なのかを定義できなくなってしまった悲しみ。そんな悲劇を山崎豊子が巧妙に描写していきます。

1000年もの長きにわたる年月のもと、大帝国を築き上げたローマ帝国。古代のローマ帝国において、ローマの人々はなにを見て、なにを感じたのか。その真髄にせまる塩野七生の名作小説です。

ローマが誕生し、王政から共和政へ移る様子を歴史的背景と共に描いています。文庫本であれば43巻もの超大作ですが、読み物としてはもちろん、ローマ帝国の歴史を知る入門書としても楽しめますよ。ローマが好きなら、ぜひ一度読んでみるべき1冊です。

浅田次郎による大ヒット小説がこちら。19世紀清朝の中国を舞台に、宮廷の中で生きていくことになったある兄弟の宿命を壮大に描いた作品です。

シリーズを通し、2人の壮絶な覇道に胸を打たれます。中国の歴史や機構に詳しくなくても読めるようになっているため、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。続編として珍姫の井戸・中原の虹などもあります。

中国の歴史ものというと、三国志をまず思い浮かべる方が多いでしょう。その三国志の現代における定番本であり、日本人の三国志観に絶大な影響を与えた作品がこちらです。もちろんマンガやゲームの三国志でもおなじみ、劉備・関羽・張飛なども登場します。

曹操をヒーローとして描く、貂蝉を悲劇のヒロインとするなど、吉川英治がアレンジした部分も多いのですが、それでもなおきちんと面白い作品として成立しています。中国の歴史を楽しく読みながら、私達日本人の考えの底流について考えられる作品です。

中国の歴史書の一つに、十八史略というものがあります。長い中国の歴史を凝縮し、わかりやすく駆け足でまとめたものです。その十八史略を小説とし、よりわかりやすく劇的にしたものがこちらの作品。楽しみながら中国の歴史を学ぶことができますよ。

全6巻あるので、じっくり小説を読んで中国の歴史を知りたい人におすすめです。なお「読んでみたいけど全6巻は長い」という方のために、厳選した小説十八史略 傑作短編集というものもありますので、入門編としてその作品から入ってみるのもいいでしょう。

フランスの歴史的な大きな曲がり角、フランス革命。その経緯を小説として描いたのが、こちらの「小説フランス革命シリーズ」です。第1部9巻、第2部9巻というとてつもない長編ですが、中身もきわめて情報が濃いすばらしい作品で、読み応え抜群。

フランス革命を題材にした創作物というと、日本ではマンガ・ベルサイユのばらがとても有名ですが、こちらの小説の主役はロベスピエールを中心とした革命家たち。彼らの熱い息遣い、まなざしを知ることができるでしょう。