favlist
Creator Image
小説好きブロガー
小説好きブロガーがおすすめする泣ける小説14選

小説好きブロガーがおすすめする泣ける小説14選

「涙活」という言葉をご存知でしょうか。「涙活」とは“意識的に泣く”活動のことで、1ヶ月にほんの数分でも悲しみや感動の涙を流すことでストレス解消の効果があるんだとか。

そこで今回は、これまで4000冊以上の小説を読んできた小説好きブロガーの私が、実際に読書中思わず泣いてしまった感動的な小説を14冊ご紹介します。

定番の悲しい・寂しい小説だけでなく、胸が熱くなったり、心がほんわかしたり、今抱えている悩みへのささやかな勇気をもらえたり…さまざまな感動が味わえる小説を厳選しましたので、ぜひお気に入りの〈泣ける1冊〉を見つけて心のデトックスにお役立てください。
  • 新潮社
    加納朋子 カーテンコール!
    1,459円

    経営難で閉校が決まった女子大が舞台。卒業のために限界まで下げられたハードルさえクリアできなかった曲者ぞろいの9人の女子学生が、特別措置として大学の敷地の片隅で、軟禁生活同然の補習合宿を受ける半年間を描いた連作短篇集です。

    ナルコレプシーに拒食症とさまざまな事情を抱えながら、彼女たちがときに手をとりあってダメな自分を見つめなおす姿は、心あたたまると同時に前向きな気持ちにさせてくれます。

    一番の注目キャラはなんといっても萌木女学園の長である角田理事長!問題だらけの彼女たちに寄りそいつづけ、いよいよ卒業のとき、理事長が卒業生たちにむけたスピーチには泣かされっぱなしでした。

    彼女たちの卒業を見届けた読者には、卒業証書と素敵な呪文が授けられます。どんな呪文かは読んでのお楽しみ。ハタチの節目を越えた女性たちにぜひ読んでほしい、とっておきの1冊です。
  • 新潮社
    小川糸 サーカスの夜に
    605円

    両親の離婚でひとりぼっちになった少年が13歳の誕生日に、優しくて大好きな祖母の反対を押しきり、憧れだったサーカスの世界へ飛びこんでいく成長物語です。

    彼の飛びこんだレインボー・サーカス団は、一見曲者ぞろいの一団ですが、ハイヒールで綱渡りをする美女や空中ブランコを披露するペンギンなど、ユニークで心根はとっても優しい素敵な人たちばかり。

    自分のソウルフードをニックネームにしてお互いに呼びあっているのもチャーミング!外国のおはなしのように見えるのですが「ナットー」や「キムチ」と呼ばれる団員を見ると、親近感がわくと同時におなかも減ってきてしまいます。

    私のおすすめの感動ポイントは、団員の「キャビア」にジャグリングを教わってからの少年のある気づき。トイレ掃除、厨房の手伝い、切符のもぎり、赤ん坊のお守り。何気ない1日の仕事もすべて〈人生〉という見えない糸でつながっている…。

    身体的なコンプレックスと、自分のこれからに悩む少年のみずみずしい感性と成長は、優しい涙とともにあなたの人生にもきっとまばゆい光を灯してくれるはずです。
  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
    レイチェル・ウェルズ 通い猫アルフィーの奇跡
    880円

    飼い主を亡くした猫のアルフィーがとある住宅地の“通い猫”となり、問題だらけの住人たちに次々と奇跡を起こしていく、心あたたまる海外小説です。(シリーズ1作目)

    アルフィーが着々と住宅地の人々を懐柔し、仲よしになっていく様子は、猫を飼っている人ならば思わず「あるある」と笑みをこぼしてしまうでしょう。

    そんなあたたかな空気が一転、クライマックスでアルフィーがとったある勇敢な行動には息がつまり、それからは本を閉じるまでぼろぼろと涙がとまりませんでした。

    海外小説で登場人物も多いので、苦手な方もいらっしゃるかと思いますが、読めばきっとお節介でちょっぴりナルシストな賢い猫・アルフィーに夢中になってしまうはず。猫好きの方は必読です。
  • KADOKAWA
    倉狩聡 いぬの日
    704円

    飼い主一家に「犬」と呼ばれ、虐げられていた日本スピッツのヒメが、流星群の翌日、庭先で拾った石の力で人語を話せるようになります。それをきっかけに飼い主一家、そして人間たちへの復讐を企てるホラー小説です。

    読みながら何度「やめて」と声をだしてしまったかわかりません。ただ愛されることを忘れてしまっただけなのに、自分の心をも傷つけながら人を憎みつづけるヒメの姿はあまりに痛々しく、読書中はもちろん物語をふりかえるたびに涙がこぼれてしまいます。

    言葉を持たぬ動物たちと私たち人間は、どう関わりあうべきなのか。ヒメの純粋で残酷な復讐劇は、読者を震えあがらせるとともに、決して目を背けてはいけない、彼らのおかれた厳しい現状を考えさせてくれる一筋縄ではいかない1冊です。
  • 東京創元社
    紅玉いづき 現代詩人探偵
    780円

    「十年後に詩人として再会しよう」そう約束して別れたはずの詩人の卵たち。約束の日に集まったのは5人、残り半数は自殺などの不審死を遂げていた。

    なぜ死ななければならなかったのか、生きることと詩を書くことの両立に悩む青年が、彼らの死の真相を探る物語です。

    創作とはなにか。創作して生きていくとはどういうことか。作者が登場人物ひとりひとりに愛をこめ、祈りをこめて書きあげていることがひしひしと伝わってくる文章です。

    死へ行きついてしまった人、今も何かに囚われながら生きている人、どちらが正しいあり方なのか決めることは難しく、苦しく、とても寂しい気持ちになります。

    深海、あるいは冬の夜明けのように張りつめた空気と、そこをたゆたうような心地が同居する叙情的な文章。本好きをはじめ、あらゆる芸術分野を趣味にしている人、クリエイティブな仕事をしている人ならきっとクセになるはずです。
  • 早川書房
    マーク・ハッドン 夜中に犬に起こった奇妙な事件
    902円

    近所の犬を殺したのは誰なのか?15歳の少年・クリストファーは犯人を探し出すべく、得意の物理や数学の知識を駆使して調査していくのですが――。

    クリストファーはおそらくある種の発達障害を持っていて、彼の一人称で進められる物語は言葉や思考のリズムが独特で、読者は最初のうちなかなかスムーズに読むことができず、戸惑うかもしれません。

    しかし、自分にとってどんなに困難なことであってもあきらめることなく地道に考え、理論としてどうにか消化しようとする彼は健気であり、真摯であり、苦しいけれどとても愛おしいのです。苦手意識を抱きながらもあらゆる目的のために、一生懸命人と話をする姿には心が震えました。

    クリストファーだけでなく登場人物の誰もがみな優しくて、だけどその優しさが空回りしてしまっている。そんな不器用な人々の想いに触れるたび、自然と涙がこぼれています。
  • KADOKAWA
    鈴森丹子 ただいまの神様
    693円

    自分を「神様」だと名乗る、マヨネーズ好きのおかしなたぬきを筆頭に、ひょんなことから彼ら“神様”と関わることになってしまった人々の、恋愛模様を描くシリーズの2作目。

    シリーズ全体で細かなつながりがあるものの、巻ごとに物語が完結するので、先にこちらから読んでも楽しめます。

    中でも私が大好きなおはなしは「投球の神様」。妹の幸せを祝福できず、恋人のプロポーズを断ってしまい、自分自身の幸せにも踏みこめない絵麻。彼女が神様にこっそり打ち明けた本心、その不器用な想いには思わず涙がこぼれました。

    表紙がとてもかわいらしく文章も軽めで読みやすいですが、恋愛小説の枠に留まらず、家族や友人との縁も大切に描かれていて、神様の歯に衣着せぬ素直でシンプルな言葉の応酬にはっとさせられることも。

    ホロリと涙したあと、大切な人たちの顔が思いだされ、今すぐ会いたくなります。
  • 新潮社
    柚木麻子 本屋さんのダイアナ
    693円

    「大穴(ダイアナ)」という名前、キャバクラ勤めの母に染められた金髪、はしばみ色の瞳。コンプレックスだったそのすべてを褒めてくれた彩子との出会いが、大人になっていく2人の十余年を、まぶしくも影をさしながら変えていく成長物語です。

    常にどちらかが輝いて見えて、それを羨み、そして衝突して。形は違えど2人がそれぞれの苦楽を味わって歳を重ねていく姿には、何度も泣かされてしまいました。

    子どもの頃、「〇〇ちゃんの家の子どもになりたかった!」なんて思ったことはありませんか?お互いに都合のいいところだけを羨望していて、自分があたりまえのように甘受しているものが見えていない。

    あの頃、私たちがしていた“ないものねだり”を彷彿とさせる、きらきらしていて、それでいて切ない珠玉の1冊です。
  • アスキーメディアワークス
    有間カオル 魔法使いのハーブティー
    693円

    親戚中をたらいまわしにされてきた少女・勇希と、それまで一度も会ったことのなかった伯父。ハーブの香りただようかわいらしいカフェではじまった「魔女の後継者として、真摯に魔法の修行に励むこと」という、奇妙な条件付きの同居生活を描いたハートウォーミングな物語。

    個人的におすすめなのが、LESSON3の陽斗と紫乃さんのおはなし。一度忘れてしまった記憶は、本当に必要のない記憶なのか、それとも思いだすべきなのだろうか、たとえそこに悲しみが伴おうとも。

    正しさとはなんだろう。優しさとはなんだろう。この物語が迎えるべき結末とはなにかと考えると、自然と涙がこぼれてしまいます。

    おそらくは連作短編集に分類されますが、全編を通して、勇希の“魔法”の先生である伯父さんの言葉が、ねむれない夜に飲むハーブティーのように心に染みわたります。

    地の文章までやや軽やかすぎるところが気になりますが、リラックスタイムにさらりと読むにはその軽さもちょうどいいと思います。
  • 集英社
    行成薫 僕らだって扉くらい開けられる
    1,760円

    右にたった10cmしかモノを動かせない念力や、使うたびに頭皮がどんどん寂しくなってゆく金縛りなど、さまざまな制約に縛られた超能力者たち6人が、世界をささやかに変える群像劇です。

    連作短編集なのですが、私は前述した金縛りの超能力を持つ金田さんのおはなし「パラライザー金田」と、感情が昂ぶると身近な可燃物をうっかり燃やしてしまうパイロキネシスの超能力を持つ井谷田さんのおはなし「パイロキネシスはピッツァを焼けるか」がお気に入り。

    最初のうちはおもしろおかしく描かれていて笑わせてくれますが、最後はどきっとする熱い言葉や優しい言葉で紡がれていて、キャラクターが親しみやすく感情移入しやすい分、ほろほろと涙が出てしまいます。

    きっかけはたしかに超能力かもしれない。それは誰にでも備わっているものではないけれど、彼らの世界を決定的に変えたのは特殊な力ではなく、彼ら自身の中にある正義感だったり、優しさだったり、勇気だったり。

    魅力的なキャラクターが織りなす6つのおはなしからは、あたたかな涙とともに、平凡な私でもこの世界を変えることがきっとできる、と明日からの活力をもらえます。
  • ポプラ社
    中脇初枝 わたしをみつけて
    660円

    両親に捨てられた過去を持つ看護師の弥生が、師長や患者との出会いをきっかけに成長していく物語。弥生を成長させるのは、彼女自身なのか、それとも…。

    医療の現場を舞台にしながらも、読者に訴えかけてくるテーマは思いのほかシンプルで身近なもの。「名づけは親の最初の暴力みたいなものだし。」をはじめ、師長さんの言葉にははっとさせられます。

    見捨てられたくないという強い想いから自分を見失い、身動きがとれなくなっている弥生の姿は、過剰に人目を気にしながら生きている現代人を彷彿とさせ、明日からの日々を強く生きる勇気と希望を与えてくれます。
  • 双葉社
    穂高明 これからの誕生日
    28円

    不幸な交通事故でたった1人生き残った少女・千春を弟、叔母、担任教師など6人の視点から見つめる連作短編集です。

    事故の唯一の生存者である少女をあらゆる角度から見つめることで、どんな人間の命にも生きかたにも正解などない、ということを思い知らされます。震災やテロなど、世界各国で大きな事件・事故がつづいている昨今に読んでおきたい1冊です。

    読んでから数年がたちましたが、未だに心に鮮明に残っているのは弟・拓真の視点から描かれる、第1章「真夜中のブルーハワイ」。

    事故のあと、氷ばかり食べるようになってしまった千春を見て、「俺も氷食うわ」とおもむろにかき氷をつくりはじめた拓真と、その後両親も交えて描かれるささやかな団らんに、あたたかい気持ちになりながらも涙がこぼれるのをこらえきれませんでした。
  • 集英社
    相沢沙呼 雨の降る日は学校に行かない
    528円

    保健室登校の少女たち。早朝の教室でひそかに架空の遺書をしたためる少女。6人の中学生の繊細に揺れる心と、彼女たちが一筋の光を見つけるまでを丁寧に描いた短編集です。

    ときに繊細すぎて、リアリティにやや欠けると感じることもありますが、男性作家が書いたとは思えない、年頃の少女の微妙な感情の揺れが心を打ちます。

    読者自身が幸せな結末もほろ苦い結末も自由に想像できるよう、あえて彼女たちが一歩踏みだそうとしたその瞬間で物語を切るところがにくい。

    女子のスクールカーストを題材に、上位グループのエリと下位グループの真由の交流を描いた「プリーツ・カースト」や、主人公・サエが私は要らない子なの?可哀想な子なの?と問いかけつづける「雨の降る日は学校に行かない」を読んだときは、自分をそんなに苦しめないで、おねがいと何度も心の中でつぶやきながら泣きました。

    今学校に通っている子どもたちにも、かつて学校に通っていた大人たちにもぜひ読んでほしい、苦しくも優しい、涙なしには読めない1冊です。
  • 角川春樹事務所
    伊吹有喜 BAR追分
    572円

    昼は女店主が料理をふるまい、夜は白髪のバーテンダーがお酒でもてなすお店〈BAR追分〉を舞台に、ここを訪れる客の悲喜こもごもを魅力的な料理やお酒とともに味わうシリーズ1作目。

    プロローグのおはなしと「父の手土産」が私のお気に入りです。行動で示し背中で語る、不器用な〈父〉の姿に目頭が熱くなってしまいます。

    まさに老若男女、個性的なキャラクターであふれる〈BAR追分〉のにぎやかなカウンター席を思い浮かべ、「よし、今夜はバーで1杯!」という気持ちにさせてくれます。

麦のfavlist

小説好きブロガーがおすすめする青春小説10選

小説好きブロガーがおすすめする青春小説10選