小説好きブロガーがおすすめする青春小説10選
青春小説って、10代くらいのうちに読むもの、だと思っていませんか?恋、友情、夢…まっすぐがむしゃらに日々を生きる少年少女たちのまぶしい青春は、同世代だけでなく、ときに社会へ飛びだした大人たちにも忘れてはいけない大切なもの・ことを思いださせてくれます。
今回は少年少女たちの繊細な心の揺らぎを痛いほどに感じられる瑞々しい青春小説を10冊ご紹介します。王道的なものから他のジャンルや設定をかけあわせた個性的なものまで、さまざまな青春の形を集めましたので、気になるものがありましたらぜひ実際に手にとって読んでみてください。
今回は少年少女たちの繊細な心の揺らぎを痛いほどに感じられる瑞々しい青春小説を10冊ご紹介します。王道的なものから他のジャンルや設定をかけあわせた個性的なものまで、さまざまな青春の形を集めましたので、気になるものがありましたらぜひ実際に手にとって読んでみてください。
- 向井湘吾690円お任せ!数学屋さん数学が苦手な主人公・遥が、転入早々「将来の夢は、数学で世界を救うことです」と言ってのけた不思議な数学少年・宙(そら)とともに、数学の力でみんなの悩みを解決する〈数学屋〉としてさまざまな学生たちの悩みを文字通り「数学で解決する」シリーズ1作目。
数学嫌いの遥を主人公にすることで誰にでもとっつきやすく、また複雑な数式や用語も小説として読むことで、教科書や参考書とは違った視点や雰囲気を味わうことができます。
昼休みのグラウンドの争奪戦、部活動、恋…。中学生の日常の範囲内で展開される数学の応用は、数学を学ぶことが日常にどう影響するかが実感できます。現役の中高生はもちろん、数学は苦手だったという大人にもおすすめしたい1冊です。 - ポプラ社1,980円かがみの孤城ある日、部屋の鏡を通じて城のような不思議な建物へと行き来できるようになったこころ。城には彼女と似た境遇の少年少女たちが集められていて――。7人それぞれの孤独、そして最後に明かされる驚きと感動の真相に心揺さぶられる作品です。
彼女たちが共通して抱える生きづらさは、言葉にしてしまえば同じに聞こえるけれど、1つひとつがやっぱり違った色や形をしていて。どれも等しく「つらい」ことであるはずなのに、大人になるにつれ誰かと比べながらじゃないとつらいことに立ちむかえなくなってしまった、自分の心の疲弊を痛感させられました。
500ページ超と長編ですが、最後には「読んでよかった」と思えるクライマックスが待っています。まとまった時間を作ってじっくりと腰を据えて読みたい1冊です。 - 住野よる1,000円よるのばけもの夜になると得体の知れない化け物になってしまう少年が、昼間の忘れ物を取りに夜の学校へ忍びこんだことをきっかけに、ここで“夜休み”を過ごすクラスメイト・矢野さつきとひっそりささやかな交流をはじめる、というおはなし。
あらゆるシーンに伏線が散りばめられているものの、その意図はいい意味で読者の想像に委ねられているので、読んだあとも再読や考察がはかどり独特の世界観をいつまでも楽しめます。
夜になると容姿が人間でなくなってしまう少年。異質な者のように扱われるひとりぼっちの少女。2人を包みこむ静かで残酷で重たい空気に息苦しさを覚えながら、本当の「ばけもの」とは誰なのかを考えずにはいられません。
学校という小さな世界で展開される物語ですが、人と人は本当の意味でわかりあえるのだろうか、という人間の本質を問うような味わい深い作品なので、大人にもすすめたい1冊です。 - 倉知 淳559円ほうかご探偵隊“なくなっても誰も困らないもの”ばかりが狙われる謎の連続消失事件。その4番目の被害者(?)となった〈僕〉がクラスメイトの龍之介くんとともにその真相を探る青春ミステリー。
小学生を主人公に、小学校を舞台にしているからといって、侮ることなかれ。謎そのものはシンプルでありながら大人も舌を巻くほどの怒涛の謎解きと圧巻の結末!小学生だった時代はとうに過ぎたのに、こんなにワクワクしながら夢中になって本を読んだのはどれほどぶりでしょう。
今日は、今日こそは、なにか特別なことが起きるかもしれない。子どもの頃は毎日そんなワクワクを胸に過ごしていました。あの頃を思いだす、素朴ながら、きらきらとした愛らしい1冊です。 - 西澤保彦1円いつか、ふたりは二匹ねむりにつくと猫の身体に乗りうつることができる小学生の智己が。この不思議な能力と猫・ジェニィの身体を借りて、町で起こった不可解で危険な女児襲撃事件の謎に挑むおはなし。青春+ミステリー+ファンタジー、とワクワクをギュッと詰めこんだぜいたくな1冊です。
子ども向けの語り口と設定ですが、ジェニィとなって怪しい人物を尾行しているところ、運悪く相手に見つかってしまい首を絞められ絶体絶命のピンチになったり、事件の経過に伴って同級生の女の子がどんどん追いつめられていったり、と衝撃的な展開が続き、この世界には自分の思うようにならないことがたくさんあるのだということを痛感させられる、深いストーリーです。
誰かに説教されるのでは、退屈で聞いていられないような正論ですが、本書を読むととても素直な気持ちで心に留めることができます。 - 瀬那和章577円花魁さんと書道ガール書道に打ちこむ地味な女子大生の多摩子が、ひょんなことからドSな花魁幽霊・春風さんに憑かれてしまい、大学内のさまざまな恋愛相談に奔走するハメになってしまうドタバタ青春恋愛小説のシリーズ1作目。
文体は軽やかで、春風さんをはじめ、親友の林檎や彼女の双子の兄で「やさぐれた優等生」の異名を持つガクなど個性的な面々が思いきり多摩子をふりまわす勢いのある会話と、ツッコミの冴える多摩子が読んでいてとてもおもしろいです。
春風さんの足となり恋のお悩み解決に奔走する多摩子。学生たちの恋、春風さんを通して知る花魁たちにとっての恋、さまざまな恋の形を見てきた彼女がその成長を作品、さらに自身の恋へと昇華していく様子にも注目。その姿はとても誠実で、誰かを、なにかを強く想うことって素敵だなぁ、とあたたかな気持ちにさせてくれます。 - 森 晶麿572円花酔いロジック 坂月蝶子の謎と酔理〈スイ研〉――推理研究会に入るはずが「酒を飲むがために飲む」“酔”理研究会に入ってしまった主人公・蝶子。彼女が数々の酒、恋、日常の謎、そして彼女の過去を知る痩身の文学青年・神酒島(みきしま)先輩が解き明かすそれらの理に酔わされる青春恋愛ミステリー。
シンプルであっさりとした謎とじれったい恋愛。スイ研の大学生らしい軽妙なやりとりとしっとり艶のある神酒島先輩の推理。捉えどころのないギャップがなんだかクセになります。
酒は身体を酔わせるけれど、心はなにが酔わせてくれる?爽やかでまぶしい王道モノとは一味違った、ビターな青春を味わいたい方におすすめの1冊です。 - 風カオル550円ハガキ職人タカギ!学校では地味で冴えない主人公・高木がラジオネーム〈ガルウイング骨折〉――ハガキ職人として、日々ネタ作りと深夜ラジオへの投稿に精を出すおはなし。
誰にでも受け入れられる笑いなんておそらくどこにもない。だけど、だからある程度の犠牲を覚悟する、というのは、誰かを吊るしあげて笑いをとれ、という意味じゃない。全国のハガキ職人たちを通して「笑い」とはなんなのか、「おもしろさ」とはなんなのか、と不器用に悩む高木には青臭さを感じながらもとても共感できました。
「おもしろいこと」が求められる昨今において、人を笑わせるとはどういうことなのかを今一度考えさせてくれる、バカらしくてまっすぐな青春小説です。 - 高井 忍774円本能寺遊戯史実重視の正統派歴史愛好家の姫之、今どき歴史ファンの女の子・亜沙日、日本発サブカルで日本史を学ぶ交換留学生のナスチャ。――タイプの異なる3人の女子高生歴女が有名歴史小説家のサイン本と賞金を手に入れるため、歴史雑誌の新説公募企画に自説を応募しようと奮闘するおはなし。
並もしくはそれ以上の歴史の知識を求められるので人を選ぶ作品ですが、彼女たちの熱い議論によって展開される、本能寺の変を決行した明智光秀の真の動機、春日局と大奥の語られなかった真実などの“新説”は、歴史に疎い私でもワクワクしながら読むことができました。
その分野を愛するがゆえの凝り固まった視野、想いと想いのぶつかりあい、好きなものを遠慮なく好きだと叫びあえる仲間がいること。
彼女たちの白熱する歴史談義は、夢中になれるものがあればいつだって青春を過ごすことはできるのだ、と熱い気持ちにさせてくれます。
