転職意欲がある人のなかでは平均年収が高いほうに位置する34歳。自分の年収は34歳の平均年収と比べてどの程度なのか、今より年収を高めるためにはどのような方法があるのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
本記事では、男女・業種・学歴別などのさまざまな条件で34歳の平均年収を紹介します。生活費の目安や年収を今よりアップする方法もあわせて紹介するので、現状を理解したうえで収入を上げたいと考えている人はチェックしてみてください。
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転職dodaサービスによると34歳の平均年収は435万円で、全体の平均年収403万円より高いとわかりました(転職サービスdoda)。この金額は転職意欲の高い人たちのデータです。
34歳になるとほとんどの学歴の人の勤続年数が10年を超えるため、社内で役職に就く人が出てくることがあります。現職よりも年収の高い企業に転職し、高待遇を受けるケースも考えられるでしょう。
国税庁の「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、30~34歳の平均給与は413万円なので上記の平均年収額は実態に近い数値だといえます。60歳に向けて平均給与が上がっていくため、キャリアプランをしっかり立てて目標に沿った行動ができれば、今後年収が上がることも期待できるでしょう。
同じく転職サービスdodaによると、34歳の年収中央値は400万円です(転職サービスdoda)。平均値の434万円と比較すると差額は34万円で、大幅な差はなく少し低くなっています。
ただし、30代後半にかけて昇進・昇格したり独立したりして収入が大きく増える人も少なくありません。平均値の場合は極端に年収が高い人に引っ張られるため、30代後半の年収中央値と平均値の差は34歳のものより広がると理解しておきましょう。
34歳の手取り月収は、税金や保険料などのお金が差し引かれた後に残る30万円程度です。扶養している家族の人数などによって税金や保険料の引かれる額が変わるものの、年収の約75~85%が手取り額になります。
上述したように34歳の平均年収は435万円なので、年収の手取り額は約326~369万円程度です。この金額を月収に換算すると、約27~31万円が手取り月収の目安になります。
家族を扶養に入れているなど条件を満たすと控除額が増えるため、天引きされる額が減って手取り月収が増えると覚えておきましょう。例えば配偶者の年収は150万円以下、16歳以上の子どもなら103万円以下の場合は条件を満たすので手取り月収が増えます。
34歳の男性の平均年収は全体の平均値より高い一方で、女性は低いことがわかりました。ここからは34歳の男女それぞれの平均年収と、なぜその金額になるのかの理由もあわせて解説します。
転職サービスdodaによると34歳男性の平均年収は472万円で、労働者全体の平均403万円と比べると約70万円高いとわかりました(転職サービスdoda)。
男性は評価の対象になる成果や結果を出すと、昇進や昇格などで大幅な年収アップが期待できる時期です。今まで培ったスキルや経験を活かして転職することで、現職よりも高い年収の企業に入ることも十分狙えます。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、30~34歳の男性平均給与は約349万円と、dodaの調査とは金額に乖離がありました。dodaは転職に意欲がある人の金額を示しているので、転職するために行動しようとしている人のほうが年収が高い傾向にあるといえるでしょう。
また男性の年収は34歳以降、60歳になるまで多少下がることはあるものの、全体としては上昇していくこともわかっています。
同じく転職サービスdodaによると、34歳女性の平均年収は375万円で、労働者全体の平均年収403万円に比べると約30万円低い結果になりました(転職サービスdoda)。
女性は出産や子育てなどのライフイベントを迎えることになり、仕事を辞めたり勤務をセーブしたりする人が増える傾向にあります。非正規雇用で働いたり、時短勤務に切り替えたりする人も少なくありません。
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、30~34歳の女性平均給与は約298万円です。dodaは上述したように転職に意欲のある人のデータなので、キャリアアップを目指して転職を考えている人はより年収が高くなる傾向にあるといえます。
また34歳以降の年収は60歳になるまで多少の上下を経ながら、男性に比べるとゆるやかなものの全体としては上昇することもわかりました。
34歳の平均年収は、業種・学歴・企業規模・雇用形態など条件別に異なります。ここからは各項目別の平均年収と、差が出る理由を確認しましょう。また以下で紹介する年収などの金額は、「令和3年賃金構造基本統計調査」を参考にしました。
業種別で平均年収が最も高いのは、電気・ガス・熱供給・水道業などのインフラ業界の約400万円です。次いで金融業・保険業と、学術研究・専門・技術サービス業が続きます。
上位は総じて、専門性の高さが特徴です。インフラ業界は景気に影響されにくいことから売上の安定している大企業が多く、福利厚生が充実して給与が高い傾向にあります。金融業・保険業は顧客のお金を扱うため、責任が重くなりやすいことが年収の高さの理由のひとつだと考えられるでしょう。
30~34歳の業種別の平均年収で、上位3位と下位3位はそれぞれ以下のとおりです。
【上位3位】
【下位3位】
複合サービス業には、郵便局や農業協同組合などが含まれます。サービス業(ほかに分類されないもの)は、廃棄物処理業や自動車整備業などが代表的です。年収アップを目指すなら、専門的なスキルや資格を取得して高待遇を受けられる業界に転職するのも方法のひとつだといえます。
学歴別の平均年収では、最も高いのは大学院卒の約414万円でした。
給与の高い大企業や専門職では大卒を採用基準にしているところが多いため、大卒以上の人が年収が高い傾向です。大学や大学院で専門的な知識を身につけた人は選択肢の幅が広がりやすく、高いレベルを求められる企業や業界にチャレンジして年収を高められるでしょう。
30~34歳の学歴別の平均年収は、以下のとおりです。
平均年収が最も高い大学院卒と高校卒の差額は、約120万円になりました。ただし、学歴による年収差は一生継続するわけではありません。ITや不動産などの業界は実力主義の傾向があり、学歴よりも結果やスキルを評価する企業が多数存在します。もし転職で年収アップを狙いたいなら、実績を出すことを主な評価基準にしている業種の企業を選ぶのも選択肢のひとつです。
企業規模別の平均年収では、大企業勤務が360万円と最も高い結果になりました。大企業は各種手当が充実していたり、ボーナスや昇給などの制度が整っていたりするため収入が高くなる傾向にあります。
30~34歳の中企業の平均年収は約320万円、小企業の約307万円です。最も平均年収が高い大企業と小企業の年収の差額は約53万円になりました。
ただし、大企業への転職が必ずしも年収アップにつながるわけではありません。企業規模が小さくなっても、前職での経験や実績次第では役職がついて収入が上がる場合も。現状の給与に満足していない場合は、現在のスキルや経験を評価してくれる企業に転職するのも方法のひとつだといえるでしょう。
雇用形態別の平均年収では、正規社員が最も高くて約340万円との結果が出ました。
正規社員は勤続年数・経験・スキルを積むと収入が上がる傾向にあるものの、非正規社員は昇給・昇格が少なくて給与が上がりにくいのが一般的です。加えて非正規社員は、ボーナスや退職金を期待できないケースが多いのも難点だといえます。
30~34歳の非正規社員の平均年収は約249万円と、正規社員と比べると約50万円の差になりました。国は雇用形態別の収入格差を是正しようとしているものの、厚生労働省の「正規雇用労働者・非正規雇用労働者の賃金の推移」によると、正規と非正規の賃金格差は縮まらずに足踏みしている状況です。
34歳の平均年収を理解したら、家賃・食費・貯金などの目安も把握しておきましょう。ここからは、各項目ごとの金額の目安とその理由を解説します。また以下で紹介する支出の平均額は、総務省統計局の「家計調査」を参考にしました。
34歳の家賃相場は手取り収入の33%を目安にしてみましょう。一般的に負担なく支払える家賃 の目安は、収入の3分の1までだといわれているからです。
先ほど紹介したように34歳の手取り月収の約30万円から想定すると、家賃相場の上限額は約10万円。ただし家賃の平均は約1万9,000円なので、家賃を10万円に設定するとほかの支出を圧迫する可能性があります。
実際の収入や住んでいる場所などによって適切な家賃は変わるため、手取りの33%はあくまでも目安程度に理解しておきましょう。家賃は毎月一定額を支払う必要があるので、家計に無理のない範囲で設定することが大切です。
手取り額が約30万円なら、食費は手取りの20%を目安にしてみましょう。支出のなかの食費の割合をエンゲル係数と呼び、これを20~20%前半に収めるのが理想とされているからです。
手取り額が30万円の場合は、食費の目安は6万円。一人暮らしの食費の平均は約3万9,000円、2人以上の世帯は約8万1,000円なので家族構成によって調整するといいでしょう。
食費が極端に高くなっているのなら、日々の出費をコントロールできていません。自炊をしたり弁当を作ったりと、設定した予算に収められるように意識しながら生活してみてください。
34歳の理想の貯金額は手取り額の20%です。貯金額は手取りの20~30%程度が理想とされており、34歳の平均手取り額から考えると20%ほどは貯金ができれば無難と考えられます。
34歳の平均手取り額は月30万円なので、理想の貯金額は6万円です。一人暮らしの平均支出は約16万円なので、十分貯金ができるでしょう。一方で2人以上の世帯の平均支出は約29万円なので、支出状況によっては節約を検討するか貯金額の見直しが必要になります。
ライフプランを作成して具体的な暮らし方を考えておき、出費が少なくて済む余裕のある時期に貯金をすることがおすすめです。例えば子どもがいる場合だと教育費がかかって貯金が難しくなりがちなので、事前に貯蓄をして学費に備えておくなどの対策をしておきましょう。
年収をアップするにはスキルを磨いて昇進や昇格を狙う、隙間時間で副業をする、よい条件の企業に転職するなどの方法があります。以下ではそれぞれの方法を詳しく解説するので、チェックしてみてください。
年収を今より上げるためには、スキルを磨いて昇進・昇格を目指してみましょう。今の職場で給与アップを狙うのが、大きなリスクを背負わずに収入を増やせる安全な手段だからです。
例えば営業成績をアップさせるなど実績を上げて会社に貢献し、査定の対象になることが考えられます。また経理系の仕事なら日商簿記を取得するなど、資格を取得して資格手当を狙うのも方法のひとつ。技能が向上したと評価されるため、会社の条件によっては給与アップにつながることもあります。
昇給や昇格を狙う前に、どうすれば給与が上がるのかの基準を上司に相談してみてください。また一度習得したスキルは同じ会社だけでなく、転職をする際にも役立つ可能性があります。
隙間時間を使って副業をするのも、年収アップを目指す方法のひとつです。パートタイムやアルバイトだけでなく、クラウドワークスなどのクラウドソーシングを利用してフリーランス向けの仕事に取り組めば、効率よく時間を使って収入を上げられます。
例えば、自分の持つスキルを提供するスキル販売が選択肢のひとつです。デザイン・動画制作・ライティングなどの制作系に加えて、美容やキャリア相談などの相談系まで多種多彩なサービスを販売できます。
会社の規定によっては副業を禁止している場合があるため、事前に就業規則などを確認しておくことが大切です。また、副業に時間をかけすぎると健康状態に影響を及ぼして本業に支障をきたす可能性もあるので、無理のない範囲で副業を行うようにしましょう。
現職よりもよい条件の企業に転職するのも、年収をアップさせる選択肢のひとつです。同じような仕事内容でも、選ぶ業界や会社の規模によって待遇が変わることは少なくありません。
給与アップを狙うなら、培ってきたスキル・経験・実績を活かせる企業への転職がおすすめです。例えば同じ業種の会社なら、すでに持っている技術を活かしやすいでしょう。また同じメーカーの営業職からIT系の営業職など、同じ職種のまま業界全体が活発化している業種に転職するのも方法のひとつ。
転職する際は、自分にあった転職サイトや転職エージェントを利用するのがおすすめです。転職サイトは給与や希望する業界など、条件ごとに求人を探すことができます。転職エージェントでは専門のキャリアアドバイザーから、年収をアップさせられる求人の紹介を受けられる可能性も高いでしょう。
以下の記事では、30代向けのおすすめの転職サイトと転職エージェントをランキング形式で比較検証しました。公開求人数や公式サイトの使い方で比べているので、転職で年収アップを狙いたい人はチェックしてみてください。
マイベストは有料職業紹介事業の許認可を受けています。(13-ユ-315911)
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