旅行や流行りの家電など、高額な支払いをする際に心配になるクレジットカードの利用限度額。上限を超えてしまったときの引き上げ方法が分からず、困った経験がある人もいるのではないでしょうか。
本コンテンツでは、クレジットカードの利用限度額について、決められる仕組みや引き上げ方法などを詳しく解説していきます。記事後半では、各カード会社の限度額引き上げ対応についてもまとめているので、ぜひ参考にしてくださいね。

大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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クレジットカードの利用限度額とは、月に使える額ではなく、カード会社に立て替えてもらえる総額のことを指します。また、クレジットカード会社に立て替えてもらっている額のことを「残高」といいます。
一括払いだけを利用している場合、引き落とし日に残高はゼロになりますが、分割払いなどを利用している場合は残高が残っているため注意が必要です。たとえば、10万円のスマホを10回払いで購入した場合、翌月には約9万円の残高が残るため、限度額20万円のカードなら翌月の利用可能枠は11万円になります。
限度額に達した場合、そのクレジットカードは決済に利用できません。スマホやPCなどの高額な家電を購入したり、会食で食事代を立て替えたりした場合、限度額に達する可能性もあるでしょう。普段から家賃や光熱費をクレジットカードで支払っている場合、支払えなくなるケースが発生するためとくに注意が必要です。
クレジットカードの利用限度額には、以下の3種類が存在します。
たとえば、ショッピング枠100万円・カード割賦枠90万円・キャッシング枠50万円のカードの場合、最大で150万円利用できることになります。カード割賦枠はショッピング枠に含まれる分割払いなどに使える総額なため、合算はしないことを覚えておきましょう。
ショッピング枠とカード割賦枠の割合や仕組みは、カード会社によって異なります。この機会にぜひ、会員ページなどで自分のカードがいくらに設定されているのか確認してみてください。
社会人のクレジットカードの利用限度額は、50〜100万円が平均といわれています。
また、一般カード・ゴールドカード・プラチナカードと、カードのランクが上がるにつれて、利用限度額もアップする傾向があります。ゴールドカードの場合は初めから150〜300万円。プラチナカードには、一律の限度額を設けていないカードも存在します。限度額が足りないと感じている人なら、ランクの高いカードを選ぶのも1つの手です。
なお、学生カードは審査が緩い代わりに、限度額は30万円以下と低く設定されています。高額な商品を分割払いで複数購入してしまうと、かなり早い段階で上限を超えてカードが使えなくなる可能性が高いため、残高には注意してください。
クレジットカードの利用限度額が決まる方法は、各枠によって異なります。
ショッピング枠の利用限度額は、職業・年収などの属性情報やクレジットカード・ローンの利用実績を、カード会社が確認して決定。安定した収入がある状態でカードを使い続ければ、自然と限度額はアップしますが、返済が滞ると減額する可能性もあるため注意が必要です。
一方で、カード割賦枠とキャッシング枠は、割賦販売法と貸金業法という法律に基づいて決められます。
分割払いの利用限度額であるカード割賦枠は年収から生活維持費と現状の借入額を差し引いた支払可能見込額の90%が上限と法律で定められています。なお生活維持費は、東京で賃貸に住む一人暮らしの場合は116万円など、法律により世帯の人数・住宅所有の有無・居住地などによって、一律で決められています。(参照:経済産業省|割賦販売法施行規則の一部を改正する省令の概要)
キャッシング枠は、貸金業法で禁止されている年収の3分の1以上の借入を超えない範囲で設定されます。なお、キャッシングの総額は所有するすべてのカードの総額で計算されているため、複数のカードを持っていてもキャッシングの限度額は増えないということも覚えておきましょう。
旅行や経費の立て替えなど、大きな出費がある場合は、各カード会社のユーザーページにログインして、限度額を確認しましょう。なお、限度額をオーバーする可能性がある場合は、そのままユーザーページ内で引き上げ申請を行ってください。
ここからは、限度額の引き上げ方法について詳しく解説していきます。各カード会社の対応に違いもまとめたので、この機会にぜひ確認してみてください。
限度額の引き上げの方法は大きく分けて以下の2種類です。
通常の引き上げ申請は、10万円単位で限度額を永続的に拡大する申請方法です。カードを申し込んだときと同じように年収や会社などの情報を再度カード会社に送り、審査が通れば限度額が引き上げられます。なお、一度上がった限度額は、返済が滞ったり利用が極端に少なかったりしない限り、基本的に減額されることはありません。
一方、一時引き上げ申請は、一時的に限度額を引き上げる申請方法です。カード会社によっては1万円単位で引き上げるうえに、電話申し込みであれば即時対応を受け付けている場合もあります。なお、引き上げの期間は長くても3か月程度。それ以上長い期間限度額を増額したい場合は、通常の引き上げ申請が必要です。
通常の引き上げ申請は、審査に1週間程度かかります。利用する直前になって限度額が足りないということが起きないよう、申し込むのであれば1か月から1週間前までに申請しておくことをおすすめします。
人気のクレジットカード会社14社の限度額引き上げ方法について調査したところ、基本的に通常引き上げ・一時引き上げの両方に対応していることがわかりました。
ただし、以下のカード会社では対応が少し異なるため注意が必要です。
エポスカード:ショッピング枠は一時引き上げのみ対応
三井住友カード:一時引き上げであれば即時対応も可能
MUFGカード:カード割賦枠の引き上げも申請可能
また、複数のカードを持っていて、キャッシング枠を増額しようとしている場合、まとめて申請するのではなく1枚ずつ申請してください。キャッシング枠は貸金業法により、持っているカードすべてのキャッシング枠の総額が年収の3分の1以下に設定するよう定られています。まとめて申請すると年収に対するキャッシング枠の総額がわからず、すべての審査に通らない可能性があるでしょう。
<参照>
最後に、クレジットカードの限度額に関するよくある疑問をまとめました。
利用限度額はカードの利用実績によって自動的に増額されます。使いすぎが不安な場合は限度額の引き下げも申請可能です。設定できる最低限度額はカード会社によって異なりますが、10万円が一般的です。
ただし、一度引き下げた限度額を元に戻すためには、再度審査が必要になります。いざという時のためにも、低く設定しすぎることはあまりおすすめしません。
使いすぎが心配なら、銀行口座から直接引き落とされるデビットカードの発行も検討してみましょう。銀行口座に入金されている金額が利用できる上限になるので、使いすぎを防げますよ。気になる人は以下のデビットカードの人気ランキングコンテンツも参考にしてみてください。
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