本記事ではUターン転職で後悔するシーンやデメリットを紹介するとともに、メリットや失敗しないためのポイントを解説します。納得できる理想のUターン就職をしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
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例えば香川県出身の人が進学のタイミングで上京し、そのまま東京都で就職してから10年後に香川県で転職するケースがUターン転職です。慣れ親しんだ地元で働きたい、都心の喧騒から離れてゆっくり生活しながら働きたいなどの理由から、Uターン転職を検討する人も少なくありません。
Uターン転職と似た言葉に、Iターン転職とJターン転職があるのでそれぞれの違いを理解しておきましょう。Iターン転職は都心で生まれ育った人がそのまま都心で就職し、その後地方の企業に転職すること。Jターン転職は地方で生まれ育った人が都心へ移住して働き、その後故郷とは別の地方で転職することです。
Uターン転職をすると、収入面・求人数・業務内容・生活面で後悔するケースがあります。実際にUターン転職をする前に確認しておきたいデメリットを確認しましょう。
都心部に比べると地方の企業は、物価の安さや人口の少なさなどから給与が安く設定されやすい点が特徴です。これまでと似た仕事内容でも収入が下がる可能性があり、都心部に住んでいたころの生活水準を維持できず、生活面や貯蓄の面で後悔する人もいます。
厚生労働省の「都道府県別賃金」によると、2021年の平均月収は東京都36万4,200円・神奈川県33万6,200円・大阪府32万6,900円と都心部とその周辺が高い傾向です。反対に宮崎県24万4,600円・青森県24万5,000円・秋田県24万7,500円など、地方の月収は低い傾向にありました。
地方の企業は都心の企業に比べると給料が低めに設定されているだけでなく、家賃補助などの福利厚生も充実していない可能性があります。給与に加えて各種手当や福利厚生も、求人情報などをよく読んで事前に確認しておくことが大切です。
大手企業は都心部にあることが多く、Uターン転職では将来性が高い企業への転職が難しい点もデメリットです。地方で好条件の求人が出ると応募が殺到しやすく、採用倍率が高くなってしまう可能性もあります。
例えば厚生労働省の「一般職業紹介状況」で2022年の有効求人数を比較してみましょう。求人数が多いのは東京174万5,579件・大阪118万5,975件・愛知80万9,941件と三大都市圏に集中しています。反対に高知8万1,277件・鳥取8万1,811件・和歌山8万5,174件と地方の求人数は少ない傾向にあるのが特徴です。
地方はそもそも求人数が少ない傾向にあるため、給与や福利厚生などの待遇で条件を絞り込みすぎるとさらに転職先を見つけにくくなってしまいます。Uターン転職では、譲れない条件以外は妥協したほうがいい場合が多いことも理解しておきましょう。
都心部の大手企業と比べると地方の中小企業は業務の規模が小さい傾向にあり、事業に投資できる資金も用意しにくいため、大きな仕事にチャレンジしていきたい人は仕事にやりがいを感じにくい可能性があります。
例えば地元の企業以外の付き合いが少なくて今以上に事業を拡大できる可能性が低い、複数の企業とのやり取りができず学びを得にくい、営業先の企業・店舗・個人の数が少なくて自分の成績を高めにくいなどのケースがあるでしょう。
新規開拓やチャレンジの機会が少ないと、取引実績やキャリアアップに必要なスキルなどを得にくくなってしまいます。今後も仕事面で成長し続けたいと考えている人は、Uターン転職をすることで将来の可能性が狭まってしまうケースがあることを理解しておきましょう。
例えば地方では車での移動がメインになりやすく、燃料費や維持費などの出費が増えるケースがあるでしょう。都心に住んでいたころより娯楽の選択肢が減って、リフレッシュしにくいと感じることも。地方は近隣との人間関係が密接になりやすく、やりとりをわずらわしく感じる人もいます。
家族がいる人がUターン転職をする場合は、自分だけでなく家族の生活も大きく変えてしまう点にも注意しましょう。パートナーの転職や子どもの転校手続きなどが必要になるため、Uターン転職を決意する前に今後の生活について家族とよく話し合うことが大切です。
Uターン転職はデメリットだけでなく、両親の近くで暮らせる・生活費が安くなる・自治体から転職をサポートしてもらえるなどのメリットもあります。ここからは、Uターン転職のメリットを見ていきましょう。
両親が暮らす家の近くに住んでいると、万が一両親が病気になったり介護が必要になったりした際に面倒を見やすく、自分だけでなく両親も安心できるでしょう。小さい子どもがいる場合は両親に一時的に預かってもらい、仕事や買い物に出かけるなどと助けてもらえることも。
Uターン転職では両親が住む場所の近くで暮らせること以外にも、慣れ親しんだ地元で付き合いの長い友人や親戚に囲まれて過ごせるメリットがあります。仕事帰りや休日などに、いつでも身近な人と会えることに喜びを感じる人も多いでしょう。
総務統計局の「家計調査」によると、生鮮野菜の物価が最も高いのは横浜市で9万1,110円、次いで東京都区部が9万0,035円。反対に高松市の5万8,225円や和歌山市の5万8,617円など、地方の物価は低い傾向にあります。外食にかかる費用は東京が最も高く18万4,327円、青森市が最も安く8万3,658円と、10万円ほどの開きが出ました。
ただし地方では車での移動がメインになるため、車の維持費がかかるケースがあります。寒冷地に移住する場合、暖房の利用による電気代にも注意しましょう。生活費がどれくらい浮いてほかの部分でどの程度お金がかかる可能性があるのかを確認し、内訳を把握することが大切です。
働き手や若い人口の不足を解消したい、地方の経済を活性化させたいなどの理由からUターン転職のサポートに力を入れている地方自治体は少なくありません。自治体によるUターン転職のサポート内容は、転職先のあっせん・移住先の紹介・移住に必要な資金の補助などがあります。
例えば岩手県の「大槌町UIターン就業支援事業助成金」・北海道の「浦河町UターンIターン補助金」など、各自治体でさまざまなサポートが用意されているので、Uターン転職を考えている地域でサポートを行っていないか調べてみましょう。
すべての自治体がUターン転職のサポートを行っているわけではなく、支援制度があったとしても内容・補助金額・対象条件は違います。事前に自分が条件に当てはまるか、当てはまる場合どのようなサポートを受けられるのかを確認しておくことが大切です。
Uターン転職で後悔しないためには目的を明確にして、仕事に加えて今後の生活についてもよく考えておくことが大切です。ここからは、Uターン転職で後悔しないために意識したい3つの注意点を解説します。
上記で紹介したように、Uターン転職では求人が少ないことが多くて収入が下がりやすいことに加えて、新しい仕事や生活に慣れる必要があったり、引っ越しや住所変更などの手続きをしたりしないといけません。Uターン転職をする理由が明確で、仕事や生活の変化に対して前向きに捉えることができればこれらの負担も乗り越えやすくなるでしょう。
例えば地元に転職して生まれ育った土地の活性化に貢献する仕事がしたい、子どもを豊かな自然のなかでのびのびと育ててあげたいなど、少し大変なことがあっても乗り切れるほどの大きくて具体的な目標を設定してみてください。
一度Uターン転職に失敗すると求人数の少なさから転職活動が長引いたり、再度都心部へ引っ越して仕事を探さなければならなかったりする可能性があります。後悔しないUターン転職をするためにも、ぶれない明確な理由を見つけて転職活動の軸にしましょう。
例えば引っ越し費用のような一時的な出費のほか、車の維持費、冷暖房をはじめとした電気代など都心部での生活よりも高くなりやすい費用があります。反対に食費や娯楽費などはいくら抑えられるのか、毎月安定して貯蓄を続けられるかなどの確認も大切です。
一般的に地方は生鮮食品などの物価が安い傾向にありますが、買い物できる場所が少なく交通費がかさむ可能性があります。生活するうえでのさまざまなシーンを想定し、お金の使い方を具体的に考えて転職後に困らないようにしておくことが大切です。
Uターン転職は自分の人生だけでなく家族の人生にも大きく影響を与えるため、具体的なライフプランの設計は重要です。移住後にその土地で長く生活を続ける可能性があることを考慮して、将来のことを考えましょう。
例えば生活しやすい周辺環境は整っているか、老後も安心して暮らせる自治体のサポートが充実しているか、子どもが通える学校が近くにあるか、高校や大学は自宅から通える距離にあるかなどを確認しましょう。
移住先の地域自体が衰退する可能性がある場合、老後に適切なサポートを受けられない、買い物できる場所や通える病院がなくなってしまうなどの心配があります。自分がその土地に生涯住み続けることになった状況を、具体的にイメージしてライフプランを立てましょう。
家族がいる場合は自分のライフプランだけでなく、パートナーや子どもの将来もしっかり考えていく必要があります。自分だけで決めず、家族の意見も取り入れながらよく話し合って理想のライフプランを作り上げることが大切です。
Uターン転職で後悔しないためには、移住前に転職先を決めておくことや転職を希望する企業の特徴をよく理解しておくことが大切です。ここからは、Uターン転職を成功させるためのポイントと利用しておきたいサービスを紹介します。
転職先を見つけてから移住すれば無収入の期間の心配がなくなり、金銭的にも精神的にも余裕を持って行動できます。反対に現職を辞めてUターン移住してから転職先を探そうとすると、希望する条件の求人が見つからずに転職活動が長引いたり、焦って条件がよくない企業に転職してしまう可能性もあるでしょう。
具体的なUターン転職のステップは、まず都心部で在職中に1~3か月程度かけて転職活動を行います。希望する企業から内定をもらってから現職の退職日と転職先の入社日を決めて、実際に移住するまで日程を1~2か月間ほどで調整することがおすすめです。
ブランク期間が長引くと転職する意欲が低いのではないか、スキルや知識がアップデートされていないのではなどと懸念されて、転職活動で不利になる可能性が高くなります。スムーズに転職先を見つけてUターン転職を成功させるためにも、在職期間中に転職活動は済ませておきましょう。
求人に応募する前に、その求人を出している企業の業務内容だけでなく労働条件や福利厚生も確認しておきましょう。都心の大手企業と比較すると、地方の中小企業は労働条件や福利厚生が充実していない可能性が高く、転職後に意外な後悔につながる可能性があるためです。
例えば家賃補助や交通費支給などの各種手当、賞与の支給回数や条件、育児や介護の必要がある人は時短勤務やフレックス勤務の有無などを確認しておきましょう。
ただし地方は求人数自体が少ない傾向にあり、良好な労働条件や福利厚生を求めて求人を絞り込みすぎると選択肢が減ってしまう可能性があります。妥協できる点とできない点を明確に決めたうえで、希望に沿った働き方ができる企業を探してみてください。
公開求人数が多い転職サイトなら、地方の求人も見つけやすくて条件も絞り込みやすいため、応募したい企業を見つけやすいのがポイント。転職エージェントは忙しい在職期間中の転職活動をサポートしてくれるので、地方への転職を検討していてスケジュールが組みにくいと感じている人にもおすすめです。
詳細な地域を絞り込んで検索できる転職サイトや、地方の転職市場を自分の代わりにリサーチしてくれる転職エージェントなどを活用し、Uターン転職をより効率的に行いましょう。
以下の記事では、人気の転職サイトと転職エージェントを公開求人数やサイトの使いやすさで比較検証しています。それぞれの特徴も解説しているので、Uターン転職に役立つサービスを探している人はぜひ参考にしてみてください。
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