40代女性の転職は厳しいの？転職が厳しい理由と成功のコツを紹介

40代女性の転職が厳しいといわれる理由の1つに、求人数が少なく希望の転職が叶いづらいことが挙げられます。

そもそも40代向けの求人数は20代や30代に比べて少なく、かつ求人の多くが即戦力やマネジメント力を求める管理職クラス向けなので、選択肢がさらに減ってしまうことが要因です。

厚生労働省が発表している令和元年の年齢別有効求人倍率を見ても、30歳未満が2.32%、30〜44歳が1.44%、45歳以上が1.13%、55歳以上が1.07%と、年齢が上がるにつれて倍率が低くなることがわかります。有効求人倍率は求職者数に対する求人数の割合であるため、数値が小さいほど求人数も少なく、選択肢が狭いことを意味しますよ。

これまで積み上げてきたキャリアや特別な資格などがない40代女性の場合は、応募できる求人自体が少ない傾向にあります。限られた求人のなかから選ぶ必要があるため、なかなか希望どおりの仕事が見つからないと考えられるでしょう。

40代の求人は即戦力を求めていることが多いため、要件に見合った経験やスキルがない40代の転職は難しいといえます。40代は長い社会人経験が前提とされる年代なので、経験やスキルがあって当然と判断されるためです。

また、20代であれば、まだ柔軟性がある年代と判断されやすく、未経験でも1から教育する価値があると考える企業が少なくありません。

一般的に、30代になると柔軟性や順応性の観点から未経験での教育は難しいと判断されやすくなります。40代はその傾向がさらに強くなるため、なかなか未経験では採用してもらえないのが現実です。

仮に、キャリアを積んできた経験があっても、長期間ブランクがあると即戦力として活躍するのは難しいと判断され、企業から敬遠される傾向にあります。

40代女性が転職しやすい職業の1つに、介護職員があります。介護職員は、高齢化社会により数が不足しており、業界からの需要が高い職種です。柔らかなコミュニケーションを心がけられる女性に向いている点も、魅力といえます。

総務省の労働調査でも、医療・福祉分野の就業者が近年増加していることがわかっており、人材需要が高く採用数も増加傾向にあるといえるでしょう。

介護関係の資格取得は、国が支援に積極的であることもポイントです。教育訓練給付制度を活用すれば、介護業界における能力開発や、キャリア形成もしやすくなります。

40代女性が転職しやすい職種として、営業職も挙げられます。営業はどのような業界にも必要な職種であり、幅広い業界で求人が存在するためです。

厚生労働省の調べでも、営業職の求人数は業界全体のなかで上位にあることがわかっています。営業職の求人数は、介護サービス業・一般事務職・自動車運転業・商品販売職に次いで多いです。

ちなみに、未経験でも営業職にチャレンジしやすいおすすめの業界は、人材・広告・IT

・不動産・保険の5つです。

人材・広告・IT業界は営業職のなかでも求人数が多い傾向にあり、サービス内容に興味さえあれば、未経験者でも挑戦ハードルが低い業界といえます。

不動産業界は、研修やサポートが整っている会社が多いため、安心感を持って未経験の仕事に挑戦できる環境が魅力です。保険業界は競争が激しいためプレッシャーはあるものの、成果が出たときのやりがいは大きいといえます。

ITエンジニア・クリエイティブ職も、40代女性が転職しやすい職業の1つです。IT業界は人手不足が続いており、未経験者歓迎の募集も多くみられるためです。

経済産業省によると、2030年にはIT人材が最大で79万人必要といわれています。経済産業省がデジタルトランスフォーメーション（DX）を推進していることとも関係しているため、全世界的にIT人材が必要なことは確かだといえるでしょう。

ただし、専門的な知識が必要であるため、未経験からキャッチアップするのは簡単ではありません。1から根気強く学ぶ意欲と姿勢が必要です。

タクシードライバーも、40代女性が転職しやすい職業として挙げられます。タクシードライバーは、主に自動車を運転できれば誰でも就きやすい職業なので、運転に抵抗さえなければ未経験からでも挑戦が可能です。

近年では女性運転手も増加しており、職場と家庭生活が両立できるような勤務体制や、職場施設の環境改善にも力を入れています。仕事と家庭の両立などで、働き方に悩んでいる40代女性でも挑戦しやすい職業といえるでしょう。

ただし、タクシードライバーは人を乗せて運転することで対価を得る仕事なので、第二種運転免許が必要な点には注意が必要です。養成訓練を行うことで、入社後に第二種運転免許を取得できる会社もあります。

飲食や販売、接客などのサービス業も、40代女性が未経験で転職しやすい仕事です。基本的に資格が不要で、人との会話や人に喜んでもらうことが好きな人は挑戦しやすいといえます。

「日本の統計2022」では、女性の「飲食物給仕従事者」の平均年齢が40.4歳であることから、接客業では幅広い年齢層が活躍しているのが特徴です。

ただし、サービス業は立ち仕事が多いため、体力が必要な点には注意しましょう。人と接することが好きで、かつ体力に自信がある人にはうってつけの業界といえます。

40代女性が未経験でも転職しやすい職業として、清掃業もあります。清掃業は資格や経験不問での募集が比較的多く、経歴に自信がない40代女性も転職しやすい職業です。

正社員だけでなく、アルバイト・パート・契約社員の求人も多い傾向にあるため、生活スタイルに合わせた働き方を検討できることも大きなポイントといえます。

足腰へ負担がかかることがあったり、体力がある程度必要であったりする点には注意しましょう。

転職を成功させるには、アピールポイントを整理し、面接対策をしっかり行うことも重要です。面接対策はどの年代でも重要ですが、転職が難航しがちな40代だからこそ、より一層自分の魅力をアピールする必要があります。

40代女性向けの求人は母数が少ないため、選択肢を広げないとなかなか転職先が見つけられません。

40代女性の転職において、資格はあったほうが有利です。資格は、経験やスキルを証明でき、他者との差別化が図れます。

資格が必要な職業への応募も可能になり、選択肢が広がることも魅力です。そもそも資格を取るには努力が必要なので、資格取得自体が成功体験となり自信にも繋がります。

40代女性が転職するにはさまざまなハードルがあるため、資格保有のメリットは有利に働くでしょう。