中学生向け詩集のおすすめ人気ランキング【2025年】

いい詩とは、ひとの心を解き放つ力をそなえているばかりか、生きとし生けるものへのいとおしみの感情をも誘いだしてくれます。詩人である著者が、その心を豊かにしてきた詩の宝箱の中から忘れがたい詩の数々を選びだし、情熱をこめて語った作品です。ことばの花々にふれて、きっと詩の魅力にとらえられるでしょう。

生きていること いま生きていること…とさまざまな人生の瞬間の情景を連ねる、谷川俊太郎の詩「生きる」が絵本に。小学生のきょうだいと家族が過ごすある夏の1日を描き、私たちが生きるいまをとらえた1冊です。子どもたちがすごす何気ない日常のなかにこそ、生きていることのすべてがある、その事実がたちあがってきます。

明治36年、山口県に生まれた童謡詩人金子みすゞ。彼女の残した作品には、小さな動植物に対する深い愛情や悲しみ、そして子どもの持つ独特の感性などが、みずみずしい言葉で綴られています。本書は、金子みすゞの名詩を93編収録した作品です。

詩集「よいひかり」（小社）に続く、三角みづ紀の第8詩集は、詩人の記憶を重ねた13歳を描く33篇の書き下ろしです。誰もが感じてきた変わっていく心と身体と家族との関係性、教室の疎外感や世界の美しさを、失った記憶が蘇るように描きだします。しばらく詩から離れていたなという人にも、親しみやすい1冊です。

生きているということ、いま、生きているということ。詩人、谷川俊太郎の目と言葉で切りとった、鮮やかな時代の残像が描かれています。谷川俊太郎の原風景です。

藤富保男・松井啓子・石原吉郎・辻征夫・高階杞一をはじめとした18人の詩を合計20篇の掲載しています。小学校中学年以降の子どもが読みやすい内容で、漢字にはルビが振ってありますよ。20篇の詩を通して、詩について、言葉について楽しみましょう。

中原を理解することは私を理解することだと編者はいい、飽くなき詩人への追求が三十余年にわたって続きます。その成果を総決算すべく、中也自選の「山羊の歌」「在りし日の歌」の全篇と、未刊詩篇から六十余篇を選んで一書に編集。読者はさまざまな詩に出会い、その底にある生の悲しみに心うたれるでしょう。

海をそして人間を愛した詩人、川崎洋（2004年没）の選詩集。「海で」「こちら側と向こう側」「ジョギングの唄」など全38編が収録されています。今成敏夫氏によるイラスト入りです。

『金子みすゞ全集』から表題作ほか「大漁」「こだまでしょうか」「星とたんぽぽ」など60編を矢崎節夫氏が選出。旧仮名づかい・旧漢字を改めて、美しい装丁の小型本にまとめています。初めて金子みすゞに出会う人にも大人にもおすすめの1冊です。

病める妻を生涯かけて愛しぬき、魂の永遠性と奇跡を謳いあげて心をうつ「智恵子抄」。強烈な美意識につらぬかれた「道程」など、高村光太郎の代表作が収録されています。解説は粟津則雄氏、鑑賞は残間里江子氏です。

冒頭を飾るのは宮沢賢治の「雨ニモマケズ」、しめくくりは茨木のり子さんの「自分の感受性くらい」。「雨ニモマケズ」に谷川徹三氏が「精神の高さにおいてこれに比べうる詩を私は知らない」と述べたことに感銘を受け、田中和雄氏はこの書籍の編集を決心しました。精神の高さに焦点を当てた詩集です。

思春期の子どもたちと今いっしょに詩に触れてみたい、そんな思いをこめて編集された詩集です。作家1人につき1篇の詩を紹介。「学ぶということ」「不安を見つめて」「人を見つめる」「ことばをみつめて」「うたを読む」「恋する心」「生きるということ」という7つのテーマで構成されています。

「ぞうさん」や「やぎさん ゆうびん」で知られる詩人まど・みちおがつむぐ言葉の世界。「さびしかったら」「生きるのがつらくなってしまったら」「笑いたかったら」など、こころのシーン10章に合わせて、70篇の詩を収録しています。人生に疲れたときや迷ったときによく効くこころの処方箋です。

街のざわめきが、人の吐息が、旅の孤独が、コトバに凝固していく。スロヴェニアから、イタリア、ドイツへ～28日間の旅が刻む、28の詩と写真が収録されています。第22回萩原朔太郎賞受賞作品で、全篇書き下ろしによる待望の第5詩集です。

宮沢賢治の詩は、人々に新鮮な驚異を与えてきました。常に自己の内奥に修羅を見据え、その熱いモノロオグは、山野を跋渉し森羅万象と交響して生起した心象のスケッチから生命を得、たゆまぬ推敲・改作をへて眼前の形に昇華されたのです。賢治の詩の世界のエッセンスとして抽出された132篇を収録しています。

誰もが知ってる、ぞうさん・やぎさん ゆうびん・ドロップスの うた。生まれてはじめて世界をみたような驚きをもってうたいつづけた詩人、まど・みちお。エッセイをふくめた172篇を精選されているので、気になる人はぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

金子みすゞの詩をそれぞれに15～18篇、合計50篇収録した豆文庫サイズの詩集です。手のひらにのるようなかわいい小型本の3冊セットで、小さくても布張りのハードカバーがポイント。思わず宝物にしたくなるような作品です。

青春のはかなさを叙情豊かにうたったヘッセ、恋愛のロマンチシズムにただよう寂しさをつづったハイネ、人間の卑小さをわらい、社会に怒りをむけたケストナー。ほかゲーテやカフカ、ブレヒトなどの記憶にのこる名詩45編を収録しています。美しいカラー挿画と解説付きです。

みずみずしい詩情、美しいことば。今に生きる望郷の詩人、室生犀星の美しくせつない抒情詩の珠玉。限りないやさしさをこめた動物詩集、故郷への熱い想いと愛をうたう抒情小曲集、愛の詩を収載しています。

日常の何げない一瞬を、新鮮な感覚と溢れる感性で綴った、俵万智の短歌集。従来の短歌のイメージを見事に一変させた傑作です。書籍タイトルは、（「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日）から取っています。

あらゆるものに手が届きそうなのに、何だってできそうなのに、私たちの現実は行き詰まっている。私たちの、僕たちの世界を、塗り替える言葉たち、見たことのない景色、知らなかった感情、新しい自分がここから始まります。中原中也賞に輝いた鮮烈なる第一詩集です。

作者がのはらを散歩している時に聞こえる虫の声や風の音を書きとめて、1冊にまとめた詩集です。今では小学校や中学校の国語の教科書にも掲載。同シリーズはⅠ〜Ⅴまで発売されているため、気に入ったものを選んでみるのもいいでしょう。

詩には不思議な力があり、一篇の詩を読むだけで、胸に迫る切なさや哀しさが込み上げてきたり、またときには全身が奮い立つような思いに駆られることもあります。優れた詩というものは情緒・感情・風景・記憶などが閉じ込められた宝石箱のようなものかもしれません。本書にはそんな日本の名詩が100篇収録されています。