資産形成の重要性が叫ばれるなか、投資に注目が集まりつつあります。ひとくちに投資といっても様々な手法がありますが、そのなかでも投資初心者におすすめなのが積立投資です。
この記事では積立投資とは何かや、そのメリットや仕組みについてわかりやすく解説します。積立投資のデメリットや注意点についても解説するため、これから投資をはじめたい人や積立投資に興味がある人は、ぜひ最後までご覧ください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
積立投資とは、同じ銘柄を一定のタイミングで一定ずつ購入する投資方法です。投資対象は株式や投資信託など多岐にわたり、定期的にコツコツ購入することができます。
積立投資のやり方は、定額購入と定量購入の2種類。定額購入とは金額を決めて定期購入する方法、定量購入とは購入する量を決めて定期購入する方法です。
特に定額購入は、ドルコスト平均法のメリットを享受しやすい方法。そのため、この後の説明では「積立投資=定額購入」として解説しますよ。また、ドルコスト平均法については、後ほど詳しく説明します。
様々な投資方法のなかで、積立投資がすすめられる理由は何でしょうか。ここでは、積立投資のメリットを紹介します。
積立投資の最大のメリットは、手間をかけずに少額ではじめられる点にあります。投資する銘柄を決めたら毎月決まった金額を入金するだけで投資が可能。相場状況に応じて銘柄を選定したり、売買のタイミングを見計らったりする必要がなく、手間がかかりません。
証券会社や金融商品にもよりますが毎月1万円以下の少額から、なかには毎月100円から積み立てられることもあります。多くの元手を用意できない人でも投資ができることは、積立投資の魅力です。
購入タイミングに悩まなくてもよいことも、積立投資のメリットです。最初に商品と金額を決めたあとは、指定口座に入金しておけば毎月決まった日に商品が自動購入されます。
一般的な投資で利益を上げるためには、安く買い高く売る必要があります。このタイミングを掴むことは難しく、投資初心者にとっては大きな負担となるでしょう。
積立投資ではマーケットの価格変動を気にする必要がないうえ、感情に流されて売買選択を誤る心配もありません。投資初心者や忙しくてマーケット状況を見れない人にとって、購入タイミングが固定されていることは大きなメリットといえるでしょう。
ドル・コスト平均法によってリスクを軽減できる点も、積立投資のメリットです。ドル・コスト平均法とは、価格が変動する金融商品を一定間隔で一定額購入し続ける手法を指します。
ドル・コスト平均法のポイントは、金融商品の価格が下がったときは口数(購入量)が多くなり、価格が上がったときは少なくなること。これを長期間続けると金融商品1口あたりの平均購入単価が抑えられ、価格変動のリスクを軽減できるというメリットがあります。
短期間で大きな利益を狙うことは難しいのが、積立投資のデメリット。1回あたりの投資額が少ないため、期待できるリターンも少なくなります。積立投資は長期間投資を続けることで徐々に利益が大きくなり、最終的にまとまった資産形成を目指すタイプの投資です。
短期間で大きな利益を狙うには、値動きの上下をみて大きな資金を一気に投資する必要がありますが、これは積立投資とは真逆の投資スタイル。このような投資には大きなリスクがあり、市場の状態によっては資産が大きく減る可能性があります。
購入するたびに手数料がかかる点も、積立投資のデメリットです。手数料の種類や金額は一律ではなく、選択する金融商品や証券会社によって異なります。例えば投資信託で積立投資をする場合、一般的に購入時手数料・信託報酬が必要です。
基本的には購入のたびに手数料がかかるため、手数料の高い商品や販売会社を選んでしまうと、得られる利益が減るだけでなく、手数料が利益を上回る場合もあります。できる限り手数料の低い商品や販売会社を選ぶことが資産形成のコツだといえるでしょう。
比較的安定的に資産運用が期待できる積立投資ですが、元本を割り込む可能性がある点には注意しましょう。積立投資でリスクを抑えることはできても、あくまでも投資のため元本割れを完全に防ぐことはできません。
元本割れのリスクをできる限り抑えたいなら、定期預金や保険商品といった元本確保型商品への積立投資がおすすめです。元本確保型商品とは原則として元本が確保されている運用商品で、元本に所定の利息が上乗せされます。ただし利息は低く期待できるリターンが少ないため、利息を手数料が上回る可能性がある点には注意しましょう。
相場展開によっては損失が発生する可能性があることも覚えておきましょう。積立投資の基本的な手法となるドル・コスト平均法は、価格が上下する局面において有効な方法のためです。
たとえば、金融商品の価格上昇が続く相場では、ドル・コスト平均は不利になります。1口あたりの平均購入単価が上がってしまうため、価格が下落する局面が訪れると資産価値が一気に減ってしまうためです。金融商品の価格の上昇が続く相場では、一括投資のほうが利益を得られます。
価格の下落が続く相場では、金融商品を多く買えますが資産全体の価値が下がる懸念があります。また、値上がりしたタイミングで売却しなければ、損失が発生してしまう可能性もありますよ。
積立投資を効果的に活用するコツを紹介します。積立投資をはじめる際の参考にしてみてください。
積立投資前に、最終的な積み立て金額の目標を設定しておくようにしましょう。どんな目的で資産形成しているのか、最終的にいくらまで資産を大きくしたいのか、具体的な目標を持つことが重要です。
目標に応じて、毎月の投資金額や目指すべき利回り、運用期間などを検討していくと、どのような商品をどのような戦略で運用するかを適切に判断できます。むやみやたらに投資をはじめるよりも、資産形成しやすくなります。
金融庁は毎月の積立金額・想定利回り・積立期間から積立金額と運用成績を算出する、資産運用シミュレーションを提供しています。このようなツールも活用しつつ、目標を設定してみてください。
積立投資をする場合は、できる限り長い時間をかけましょう。投資期間が長期にわたればわたるほど複利効果が大きくなり、得られる利益も増えるためです。複利効果とは、運用で得た投資を再投資することでより大きな利益を期待する仕組みを指します。
例えば毎月の積立金額を3万円、想定利回り(年率)を3%としてシミュレーションしてみましょう。10年運用すると最終積立金額は約420万円になります。同じ条件で20年運用すると最終積立金額は約980万円、30年運用すると最終積立金額は約1,750万円です。
上記のシミュレーションからわかるとおり、利回りによる最終積立金額の差は時間の経過とともに大きくなっていきます。今回は毎月の積立金額を3万円で利回りを3%と設定しましたが、元手資金が大きく利回りが高いほどさらに差が開きます。
積立投資をうまく活用するためには、つみたて投資枠の利用がおすすめです。つみたて投資枠とは、年間120万円までの投資の利益が無期限で非課税になる制度です。
つみたて投資枠では、投資信託を保有している間に得た分配金と、値上がりしたあとに売却して得た譲渡益に対して税金がかかりません。一般的な投資であれば利益に対して20.315%の税金がかかるため、つみたて投資枠の節税効果の高さが伺えます。非課税になるぶん、手元に残る利益が大きくなり効率的に資産形成が可能です。
運用対象が金融庁が厳選したものに限定されているのも、つみたて投資枠の注目ポイント。信託報酬が一定水準以下や販売手数料が抑えられているため、手数料負担を軽減することも可能です。つみたて投資枠の具体的な商品を知りたい人は、金融庁の公式サイトをご覧ください。
積立投資は投資初心者や若い世代の人におすすめです。最初にまとまった資金を用意する必要がなく、日々の価格変動をさほど気にしなくてもいいので、初心者でも投資しやすい環境が整っています。
また先述したとおり、積立投資は時間をかければかけるほど利益が増える可能性が高まります。そのため若いうちからはじめて、複利効果を最大限享受することには大きなメリットがあります。
例えば毎月15万円を想定利回り(年率)3%で10年間運用した場合、最終積立金額は約2,100万円になります。一方毎月5万円を想定利回り(年率)3%で30年間運用した場合、最終積立金額は約2,910万円です。
上記のシミュレーションではどちらも合計150万円を投資しているにも関わらず、5万円を30年間運用したほうが800万円以上最終積立金額が高くなっています。このように、積立投資では時間をかけることがとても重要です。
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