株をはじめてみたいけど失敗しそうで怖い、株をはじめるための資金が少ないなどの理由から株式投資に踏み切れない人も多いのではないでしょうか。そんな人におすすめな投資方法が、ミニ株・単元未満株による株式取引です。
この記事では、ミニ株・単元未満株について詳しく解説します。ミニ株・単元未満株のデメリット・メリットについても解説するため、これから投資をはじめようと思っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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ミニ株・単元未満株とは、通常よりも少ない株数による株式取引のこと。通常の株式取引は100株(1単元)ごとに行われますが、より少ない単位での取引が行えます。
ミニ株と単元未満株は同義語として用いられることも多いですが、厳密には意味が異なります。ミニ株とは通常の株式投資の10分の1の株数、つまり10株単位で売買できる取引方法です。ミニ株式投資の通称として、ミニ株と呼ばれています。
単元未満株とは1単元に満たない株数(1株~99株)で売買できる取引方法です。ミニ株よりも細かい単位で売買が可能です。
ミニ株・単元未満株は証券会社によって名称が異なり、S株・ワン株・プチ株といったサービスは、どれも100株以下で売買できるミニ株・単元未満株を指します。
ミニ株・単元未満株の対象となる銘柄は証券会社によって異なるため、購入したい銘柄が決まっている場合は投資を開始する前に確認しておくと安心です。なお基本的にミニ株・単元未満株では、議決権や株主優待は得られないため注意しましょう。
ここからは、ミニ株・単元未満株のデメリットを解説します。デメリットを把握したうえで、株取引をはじめるようにしましょう。
ミニ株・単元未満株は各証券会社が独自に展開しているサービスです。すべての証券会社が取り扱っているわけではないため、ミニ株・単元未満株を取引したい場合は、事前に扱いを確認してから口座を開設するようにしましょう。
2022年9月現在、ミニ株・単元未満株を取り合っている会社は、LINE証券(いちかぶ)・マネックス証券(ワン株)・SBI証券(S株)・auカブコム証券(プチ株)・日興フロッギー・大和証券CONNECT(ひな株)・PayPay証券・野村證券(まめ株)・SBIネオモバイル証券(S株)の9社です。
ただし、扱いがある証券会社は限られていますが、大手証券会社もミニ株・単元未満株を取り扱っているため、デメリットと感じない人も多いかもしれません。
ミニ株・単元未満株はリスクが小さい分、リターンも限定されるのがデメリットです。通常の株式より投資額を抑えられるため、株価が暴落した場合は損失を軽減可能できますが、投資においてリスクとリターンは比例するため、期待できるリターンも少なくなってしまいます。
ミニ株・単元未満株のリターンが限られる要因として、制限値幅も挙げられます。制限値幅とは、1日の売買における値動きの幅を一定に制限するものです。株価が急激に値上がりしないよう制限されているため、短期のミニ株・単元未満株投資では期待できる利益がさらに限定的になります。
ミニ株・単元未満株は少ない単位で株取引ができる代わりに、通常の株取引と比べて手数料が割高に設定されている場合がほとんどです。
通常の株取引では、一定の約定金額に達するまで手数料を無料としている証券会社も多くあります。しかしミニ株・単元未満株の場合、ほとんどの証券会社は売買の都度、約定代金の数%分の金額を手数料として設定しています。
通常の株取引より手数料が高いため、場合によっては手数料負けする可能性があるため注意しましょう。例えば野村証券のまめ株をオンラインで取引する場合、買付・売却ともに1.1%(最低550円)の手数料が必要です。そのため株価1,000円の株を1株購入した場合、手数料負けしないためには2,100円以上の金額で株式を売却する必要があることがわかります。
ミニ株・単元未満株は市場に発注するタイミングが限られているため、約定するまでに時間がかかる場合があります。証券会社によりますが前場と後場、もしくは後場の寄付きのタイミングのみ売買可能です。
例えばSBIネオモバイル証券のS株の場合、0:00~7:00の注文は当日前場始値、7:00~10:30の注文は当日後場始値、10:30~13:30は当日後場終値、13:30~24:00の注文は翌営業日前場始値で約定が反映されます。
上記のように約定のタイミングが限られているため、ミニ株・単元未満株では取引時間ないに大きな値動きがあったとしても対応できません。約定される頃には大きく株価が動いている可能性もあるため、市場の動向によっては損失を被る可能性があります。
なお、以下の記事では株式市場の取引時間について解説しています。前場・後場がどの時間帯を指すのか気になる人は、あわせてチェックしてみてください。
ミニ株・単元未満株の注文方法は、値段を指定せずに注文する成行注文のみです。売買価格を指定する指値注文ができないため、予想の株価から大きく外れた金額で約定される場合があります。
証券会社によって異なりますが、取引できる銘柄が制限されている点もデメリットです。自身が狙っている銘柄をミニ株・単元未満株で取引できない場合もあるため、あらかじめどの証券会社がどの銘柄を扱っているのか調べておくようにしましょう。
ミニ株・単元未満株は1単元(100株)未満で売買できるため、少額から投資可能です。通常の株取引のようなまとまった資金は不要なため、気軽に投資をはじめられます。
例えば1株1,000円の株の場合、通常の株式取引であれば最低でも10万円(1,000円×100株)の資金が必要。しかしミニ株では1万円(1,000円×10株)、単元未満株では1,000円からの投資ができます。
通常の株式投資よりリスクを抑えられる点も、ミニ株・単元未満株の大きなメリットです。先述したとおり、ミニ株・単元未満株では通常の株式投資に比べて投資金額を抑えられます。そのため投資した株の株価が暴落したとしても、通常の株式より少ない損失ですみます。
分散投資がしやすい点も、ミニ株・単元未満株のメリットです。分散投資とは投資する資産・タイミング・地域などを分散することで、リスク軽減を目指す投資方法を指します。
ミニ株・単元未満株は少額で投資できるため、通常の株式投資に比べて少ない資金で複数の銘柄に分散投資が可能です。複数銘柄に分散投資すると、1つの銘柄の株価が暴落して資産を損失するリスクを防げます。
少額の株を複数回にわたって購入することで、時間の分散も可能です。さらに同じ株を購入し続けることで、単元株(100株)へと株式を育てることもできます。単元株になると議決権の行使や株主優待を受け取れる場合があり、企業に対する大きな権利を得られます。
銘柄にもよりますが、ミニ株・単元未満株を保有することで配当金を受け取ることが可能です。配当金とは、株主に支払われる現金配当を指します。配当金を配布している銘柄であれば保有株数に応じて配当金が分配されるため、株式の売買以外でも利益を得ることが可能です。
ただし、すべての銘柄が配当金を出しているとは限らないうえ、配当金額は銘柄によって異なる点に注意しましょう。そのため配当金狙いの投資を行う場合は、あらかじめ情報収集をすることをおすすめします。
ミニ株・単元未満株は、投資初心者向きのサービスです。通常の投資に比べて少額で、リスクを抑えて投資をはじめられます。
投資に慣れていない初心者が、はじめから大きな金額の株式を売買することは危険。市場の状況や売買のタイミングによっては、資産を大幅に減らしてしまう可能性があります。
ミニ株・単元未満株では少ない金額で、リアルな投資経験が積めます。そのため投資初心者はミニ株・単元未満株で投資の学習をして、少しずつ投資額を増やしていくとよいでしょう。
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