投資の初心者が気になる株式投資の始め方。株取引の流れや証券会社の選び方、用意する資金の金額などを知りたいと思っている人も少なくありません。
そこで今回は、株式投資の始め方についてわかりやすく解説します。株式投資のメリットや株取引の具体的な流れ、証券口座を開設するおすすめの証券会社、初心者が株を始めるコツや注意点についても解説するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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株式投資とは、企業が発行する株を売買する投資方法のことです。まずは、株式投資で利益を得る仕組みを解説します。
株式投資をすると、株価の値上がり益が得られます。値上がり益とは、株を買ったときよりも高い金額で売ったときに生じる差額のことです。キャピタルゲインともいいます。
例えば、株価が5,000円の銘柄を100株で購入し、のちに7,000円まで株価が上昇した場合を考えてみましょう。購入したときの金額は、株価5,000円×100株=50万円です。株価が7,000円に値上がりすると、7,000円×100株=70万円に膨れ上がります。
7,000円に値上がりしたときに売却できれば、70万円-50万円=20万円の差額が生じることがわかるはず。この20万円が値上がり益です。株価は毎日変動しているので、購入した金額よりも高くなったタイミングで売ることができれば、利益を受け取れます。
権利確定日は企業が独自に設定しているため、各企業の公式ウェブサイトなどで確認してみましょう。
配当金の金額は企業によって異なるので、多くのリターンを求めるなら配当利回りを計算するのがおすすめです。配当利回りは、購入した株価に対して何%の配当金がもらえるのかを示した数値のこと。配当利回りは、配当金÷株価×100で算出できます。
次に、株式投資の始め方を投資初心者にもわかるように解説します。
株取引は、株を買いたい人と売りたい人の条件が合ったときに成立します。条件は、株の金額や数量、取引を成立させたい期間などです。無事に条件が合って取引が成立すれば、株が購入できます。
次の項目から、詳しい流れを確認してみましょう。
証券口座を開設するには、証券会社のウェブサイトや書類、店頭窓口で口座開設の申し込みをしましょう。スピーディに口座開設がしたいなら、ウェブサイトでの口座開設がおすすめです。以下では、ウェブサイトでの一般的な口座開設の流れを紹介します。
続いて、氏名・住所・メールアドレスなどの個人情報を、ウェブサイトのフォームに従って入力してください。無事に申し込みが終わったら、口座開設の手続きが完了した旨の通知が証券会社からメールや郵便で届きます。
証券会社のメールや郵便には、証券口座の番号やウェブサイトでの取引に必要なパスワードが書かれているので、紛失しないように保管しておきましょう。証券会社のウェブサイトにパスワードを打ち込んでログインすると、株取引が始められます。
2つ目は、銀行や郵便局の口座から証券口座に入金する方法です。手持ちの銀行や郵便局の口座が証券口座への入金に対応していれば、ネットバンキングを開設していなくても入金ができます。
できるだけ早く証券口座に入金したいなら、反映されるスピードが早いネットバンキングの利用がおすすめです。
証券口座に株取引の資金を入金したら、実際に株を購入してみましょう。以下では、実際に株を買う流れを紹介します。
ただし、株式市場に上場していて株を購入できる企業は約4,000社もあるため、選ぶのは大変です。リターンを狙える企業を見つけるには、まず情報収集をしてみてください。
ほかの情報源として、証券会社から投資家に配布される情報や、専用の取引ツールが分析した結果なども参考にしてみましょう。証券会社によっては、有名アナリストのレポートやウェブサイトでの情報公開、株価の分析ツールなどを提供しているところがあります。
株取引の注文方法にはいくつかの種類がありますが。株の初心者は、指値・成行・逆指値の3つを理解しておけば問題ありません。
指値とは、金額を指定して注文を出す方法です。例えば「2,000円で200株買いたい」のように、具体的な数字を指定します。欲しい銘柄が特定の金額よりも低くなったタイミングで買うために出す注文方法です。
成行は、金額を指定せずに注文する方法を指します。金額は何円でもかまわず、特定の銘柄が欲しいときに使う方法です。
逆指値は、名前のとおり指値の逆で、欲しい銘柄が指定した金額よりも高くなったときに買う注文方法のこと。欲しい銘柄の株価が上がっている場合に、買うタイミングを逃さず手に入れたいときに使います。
続いて、投資初心者が株を始めるときのコツを解説します。
1つ目は、取引手数料が安いこと。対面証券では手数料が1,000円ほどかかってしまう場合でも、ネット証券なら数十~数百円で取引できるためコストが少なく済みます。
2つ目は、少額から株式投資が可能なこと。国内株式は通常100株からしか購入できないため、株価の高い銘柄を購入するなら多くの資金を用意しないといけません。ネット証券には1株から購入できる単元未満株があるので、資金が豊富になくても少額から取引を始められます。
投資の予算とは別に、突発的な出費に対応するための貯金も用意しておきましょう。投資で損失を出してしまうと、取り返そうとして生活に必要なお金まで使ってしまう危険性もあることが理由です。
株の初心者が取引をするときは、分散投資でリスクを軽減することも大切です。分散投資とは、投資する銘柄や地域、時間を分散することでリスクを軽減しながら利益を狙う投資方法を指します。
分散投資の具体的な方法は、業種が異なる会社の株を選んだり、国内株式や海外株式に分けたり、購入する時期をずらしたりすることが代表的です。
例えば、不動産業界のA社、医薬品業界のB社、通信業界のC社に分散投資した場合を考えてみましょう。もし不動産業界が低迷してA社の株が暴落しても、医薬品業界のB社と通信業界のC社が安定していれば、損失をカバーできます。
1つの銘柄を1度に購入する集中投資は避けて、できるだけ分散投資をしてリスクを抑えられるようにしましょう。
株式投資はあくまでも投資なので、利益が出ることもあれば損することもあります。以下では、株式投資を行うときの注意点を解説するので、失敗しないようにチェックしておきましょう。
株式投資では、予想どおりに市場が動かず、株価が狙った金額にならないケースも少なくありません。保有している銘柄の株価が下がってしまい、含み損を抱えてしまう可能性もあります。
含み損とは、株価が買ったときよりの金額よりも下がってしまったときの損失額のことです。例えば、株価が500円の銘柄を200株注文し、10万円で購入したケースを考えてみましょう。この銘柄が100円値下がりして400円になると、400円×200株=8万円に下がり、購入した10万円から8万円を差し引いた2万円の含み損が発生してしまいます。
株価は元に戻る場合もありますが、さらに下落する可能性も考えられるため、含み損がより大きくなる危険性も。つまり、株価が400円に下落したら売却する、2万円の含み損が出たら売るなど、損切りルールを事前に設定しておけば損失を抑えられます。
株式投資を行うときは、信用取引には十分注意しましょう。信用取引とは、証券会社からお金を借りることで、持っている資金以上の株取引ができる方法のことです。
信用取引では、自己資金の3倍の金額で取引ができるため、10万円の資金があれば30万円の取引ができます。
例えば、10万円の自己資金で株を購入して株価が半分に値下がりした場合は、5万円の損失で済みます。
一方で、自己資金の3倍の30万円で信用取引をすると、株価が半分になったら15万円の損失が生じ、手元の10万円では足りないためさらに5万円(10万円-15万円)が赤字で残ることに。自己資金の10万円を失ったうえに、5万円を追加で証券口座に入金しないといけません。
株式投資には、主に価格変動リスク・信用リスク・流動性リスクの3つのリスクがあります。
価格変動リスクとは、株価が変動することで投資資産の価値も変動することをいいます。株を売却するときの価格はいくらになるかわからないため、利益が出るかどうか断言ができません。
購入したときよりも株価が低くなると、含み損を抱えることに。もし株価の上昇を期待できなかったり、現時点の株価よりも値下がりするのが怖かったりする場合は、売らざるを得ないこともあります。
株価は予想した金額に必ず変動するわけでないので、損失が出る可能性もあることを覚えておいてください。
信用リスクは、株式を発行している企業の理由により、株価が下落したり、株の価値がなくなってしまったりすることです。
企業が経営不振や業績悪化、財政難に陥ったり、不祥事を起こしてしまったりすると、株価が下がる可能性があります。
企業が倒産する最悪の事態になると、投資した金額がすべてなくなってしまうことも。利益が期待できる企業の株を買うのが株式投資ですが、信用リスクが高まると投資したお金を失う危険性があるため注意してください。
流動性リスクとは、株の売買がしたくても取引が成立しなくなることです。
株の取引は、株を売りたい人と買いたい人の条件が合致したときにはじめて成立します。売り手と買い手のどちらか、または両方が極端に少なくなれば、条件が合わなくなるため売買ができません。
最後に、株式投資を始める際によくある3つの質問を紹介します。
株式市場で売買ができる上場中の銘柄のうち、株価が3,000円以下の企業の割合は80%以上です。3,000円以下の株価の銘柄を単元未満株で1株だけ購入すると考えれば、8割の国内株式が購入できます。
納税手続きが不要なのは、特定口座(源泉徴収あり)です。株式投資で利益が出ても、証券会社が投資家の代わりに納税してくれるので、納税手続きは必要ありません。
納税手続きが求められるのは、一般口座と特定口座(源泉徴収なし)です。この2つの口座のいずれかを利用していると、利益が出たときに自ら確定申告をする必要があります。確定申告とは、1年間の収入をもとに支払うべき税金を計算して納税を行う手続きのことです。
ネット証券なら、1日の取引金額に制限があるものの、手数料無料で株を売買できるところも少なくありません。
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