転職をするうえで譲れない条件を決める転職の軸。実際に軸を作るにはどうすればいいのか、どのような条件を設定すればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか。
今回は転職の軸の作り方を5つのステップで解説するとともに、軸を決めるときの希望条件の例や、面接などの実際の転職活動で活用する方法を紹介します。転職の軸を作って転職活動を成功に導きたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
脱毛・病院クリニック・サブスクリプション・レンタル・買取業者などのサービス分野において、幅広いジャンルのコンテンツ制作に5,000本以上携わる。自身のモットーとして「選ぶのが難しいジャンルだからこそ、実際の検証や調査でしかわからない情報を届けること」を心掛け、情報発信を行っている。
転職の軸とは転職するうえで譲れない条件のことで、転職活動を始めるときには必ず設定したほうがよいものです。
転職の軸をはっきり決めないまま転職活動をすると、ミスマッチが発生して理想の転職が叶わない可能性があります。転職後に後悔しないためには、譲れない条件や会社選びで何を大切にするかを明確にしておくことが必要です。
どのような条件を選ぶかは人によって違いますが、例えば働き方・年収・福利厚生などから条件を設定します。各条件に優先順位をつけると、会社選びで何を重要視するのかの基準(軸)が定まるでしょう。
転職の軸は転職先を選ぶ明確な指標になるので、志望先の会社を選んだ理由にあたる志望動機に直結します。履歴書作成・面接時の回答・自己分析にも転職の軸は役立つため、事前にしっかり決めておくとよいでしょう。
転職の軸を作るときは、転職したい理由・これまでの経験やスキル・キャリアプランを具体化し、そこから希望する条件を明確にして優先順位をつけて決めるのが一般的です。ここからは、転職の軸をスムーズに作ることができる5つのステップを詳しく解説します。
転職の軸を作るときは、まず自分が転職したいと思った理由を書き出してみましょう。実際に手を動かして文章化することで、自分がなぜ転職したいのかを明確にすることができます。
例えば現職に不満を感じていたときは、何に不満があるのか具体的に洗い出しましょう。十分にスキルを身につけられなかった、労働に見合った給料がもらえなかった、時間外労働や残業が多くて体力的に疲弊したなど詳しく書き出してみてください。
現職を退職する前に転職活動を進めている場合は、書き出した理由を上司に伝えることで、職場環境の改善が行われて辞めずに済む可能性もあります。
次にこれまでの仕事の経験や身につけたスキル、自分の強みなども具体的に書き出してみましょう。これらを文章化することで自分の現時点での能力を客観的に把握できて、転職先の企業選びの基準を作りやすくなります。
例えばこれまでの職務経歴や具体的な業務内容、職場でのポジションや実際に取得した資格などを文章化してみましょう。仕事をするうえで成功したことや自分が大切にしている信念、得意だと感じている業務なども詳しく挙げてみてください。
このステップと同時に提出する履歴書や職務経歴書も作成すると、転職活動を効率よく進められるのでおすすめです。
キャリアプランとは、将来どのような仕事や働き方をしたいか計画することです。キャリアプランを明確にできていないと、どの職場でどのような経験を積んでいけばいいのかがわかりにくくなってしまいます。
今後の計画を立てるときはキャリアプランのような仕事の計画だけでなく、結婚や出産などのライフステージの変化もあわせて具体化すると、人生をトータルで計画しやすくなると理解しておきましょう。
ここまで整理してきた内容を元に、転職先に求める条件を具体的に書き出してみましょう。ぼんやりと想像していた希望が文章化することで可視化されて、自分が転職に何を求めているかがわかりやすくなります。
自分の経験が活かせるなどの仕事内容、雇用形態や休暇などの働き方、収入や福利厚生などの待遇などが挙げられるでしょう。ただ単に「休みはできるだけ多いほうがいい」と大まかな内容にするのではなく、「完全週休2日制で土日と祝日は確実に休める」と詳細な条件を出すのがポイントです。
それぞれの条件の詳しい内容は後述するので、あわせてチェックして転職先に求める条件を書く際の参考にしてみてください。
最後のステップでは、書き出した希望条件を整理して優先順位をつけましょう。希望する条件に優先順位を設定することで、自分が強く求めている条件を導き出すことが可能です。
優先順位をつけるには、「MUST」と「WANT」を活用するとよいでしょう。MUSTは絶対に譲れない条件で、WANTは譲歩できる条件です。各条件をMUSTとWANTに分類したら、MUSTから優先順位をつけて、続いてWANTにも順位づけをしてみてください。
MUSTに設定されている条件のなかで現職では叶えられないものを、転職することで手に入れるのだとしっかり認識しておくとよいでしょう。
転職先に求める希望条件には、大別すると仕事内容・働き方・待遇・組織に関するものがあります。以下で、転職の軸を決めるときの参考にしたい各希望条件の詳細を確認しましょう。
仕事内容に関する希望条件では、これまでの経験やスキルが活かせるか、応募する求人がどのような業種・職種なのかなどが挙げられます。仕事内容は日々の仕事に直結するため、条件を明確にできれば応募したい会社を選ぶときの方向性も明瞭になるでしょう。条件の詳細は以下のとおりです。
【仕事内容の条件の具体例】
条件を決めるときは上記をそのまま使うのではなく、資格なら日商簿記2級の資格を活かせるなど具体的にカスタマイズするとより明確になります。
ちなみに厚生労働省が発表している「令和2年転職者実態調査の概況」では、現在の勤め先を選んだ一番の理由は「仕事の内容・職種に満足がいくから」と答えた人が18.8%を占めていました。多くの人が重要視していることからも、仕事内容に関する条件は明確しておくことがおすすめです。
【就業環境・雇用形態の条件の具体例】
【ワークライフバランスの条件の具体例】
【昇進の条件の具体例】
【勤務地の条件の具体例】
【収入の条件の具体例】
【福利厚生の条件の具体例】
仕事内容に重きを置くなら、待遇にはこだわりすぎずに転職先を選ぶのも方法のひとつといえます。また今の自分が求めているものだけでなく、将来的にどの程度の収入や福利厚生が必要になるかを考慮しながら条件を考えるのもよいでしょう。
【組織の内情・経営方針の条件の具体例】
【職場の雰囲気の条件の具体例】
ちなみに厚生労働省が発表している「令和2年転職者実態調査の概況」では、会社の将来性に魅力を感じて転職した人の割合は12.2%に及びます。また同省の「令和3年雇用動向調査結果」によると、転職入職者が前職を辞めた理由は職場の人間関係が好ましくなかったが8.1%を占めていました。
つまり会社の将来性を軸に転職した人が多く、職場の雰囲気がよいと離職の可能性が低いことから、組織に関する条件も具体的に決めておくとよいことがわかります。
設定した転職の軸は、求人への応募・面接・内定獲得後などに役立てることが可能です。ここからは、転職の軸を実際の転職活動に活用するシチュエーションごとの方法を解説します。
転職サイトやハローワークなどに掲載された求人から、自分が設定した譲れない条件を満たしていると考えられる企業を選んで実際に応募してみてください。譲れない条件を検索条件に設定して探すことで、自分の希望する条件を満たした企業が見つけやすくなります。
ただし、MUSTの条件を完全に満たしている企業はまず存在しないと理解しておきましょう。優先順位の高い条件のいくつかに合致していれば、とりあえずエントリーしてみる程度の判断基準でかまいません。
例えばなぜこの企業を選んだのかに対して、就業環境の改善をMUSTにしているなら、働きやすくなったことでどのように企業に貢献できるかをセットでアピールするとよいでしょう。具体的な例文は以下を参考にしてみてください。
【例文】
御社に魅力を感じた理由のひとつは、リモートワークができる環境が整っていることです。通勤・退勤時間を勉強の時間に変えることで、資格取得を目指したいと考えています。時間を有効に使いスキルアップをして、御社の業務に貢献していきたいです。
ほかにも収入がMUSTの場合で年収アップを狙いたいなら、単純に年収の高さのみで応募をしてきたと評価されないようにしましょう。具体的な例文は以下を参考にしてみてください。
【例文】
御社を志望した動機は、実力で評価される制度が整っていることです。前職では結果を出しても評価や収入に反映されず、モチベーションの低下にもつながっていました。御社の明確な評価制度や実力主義の面に魅力を感じたことが応募の決め手です。入職後は自分の実力を100%発揮して、高い評価を得られるよう努力いたします。
転職の軸をしっかり設定できていれば、質問の答えも明確にしやすくなるでしょう。企業によっては転職の軸をそのまま聞かれることもあるので、用意しておいて損はありません。
内定した企業の労働条件通知書・雇用契約書や面接時に確認した条件と、応募する際に満たしていると判断した転職の軸(MUST条件)を丁寧にひとつずつチェックしましょう。もし満たしていない条件があれば、企業に連絡して確認してもらうなどで対処してみてください。
ただしMUST条件を満たしている企業なら、譲歩できるWANT条件にはこだわりすぎなくてもよいでしょう。WANT条件は、今後の会社の成長にともなって満たされることもあるからです。
転職の軸ができれば、自分の希望条件が理解できます。4つのステップで転職の軸を決めることで、転職先の候補も効率的に絞り込むことができるでしょう。転職先の絞り込みには、転職サイトや転職エージェントの活用がおすすめです。
転職サイトは多くの企業が求人を出していて、転職の軸に設定した条件で検索することができます。複数の求人を比較して検討することもできるため、企業のWebサイトなどから求人を見つけるよりも遥かに効率的に転職活動を進められるでしょう。
転職エージェントは、専属のキャリアアドバイザーが条件や希望に応じた求人を提案してくれるので、自分で探しただけでは見つからない求人が発見できることも。またスキルやキャリアの棚卸しなども手伝ってくれるため、転職軸が定まらなかったり、自分では決めらなかったりする人にもおすすめです。
以下では、転職サイトと転職エージェントのサービスを求人数の多さや検索のしやすさなどから比較検証しています。効率的に転職先を探したい人や、転職軸の作成を手助けして欲しい人は、ぜひ参考にしてみてください。
マイベストは有料職業紹介事業の許認可を受けています。(13-ユ-315911)
会社を退職する際に提出する退職届・退職願。書く機会が少ないため、いざ書こうとしても書き方が分からない場合が多いのではないでしょうか。そこで今回は、退職届・退職願の違いや書き方、準備するものや提出時のマナーなどを徹底解説します。退職届・退職願の書き方を知りたい人、一連の手続きについて知りたい人は...
転職サイト・エージェント
38歳は大卒の人であれば社会人になってから15年が経過しており、20代や30代前半と比べると年収が大きく上がる年齢です。30代後半にもなると同年代がどれくらい稼いでいるのか気になる人もいるでしょう。そこで今回は、38歳の具体的な平均年収を解説します。ほかにも38歳の年収の中央値や、男女別や学歴...
転職サイト・エージェント
転職サイトに登録にすると転職活動を必ずしなければいけないと勘違いしている人が多いようです。転職の情報収集として、とりあえず転職サイトに登録だけしたいという人もいるでしょう。そこで今回は、転職サイトは登録だけしておいても問題がないか解説します。登録することでできることや登録時の注意点も解説するの...
転職サイト・エージェント
新卒時だけでなく、転職の際にも適性検査として利用されるSPI。転職時のSPIで落ちるのかどうか不安な人や、中途採用時の具体的なSPI対策方法を知りたい人も多いのではないでしょうか。今回は転職時のSPIが合否に影響するかや、新卒向けSPIと転職者用SPIの違い、具体的な対策方法などを詳しく解説し...
転職サイト・エージェント
現職ではやりたい仕事ができない、別の仕事にチャレンジしてみたいと思っても、すぐに転職するのではなく事前に重要な注意点を理解することが大切です。ただしどのような点に気をつければいいのかわからずに、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、転職時に意識したい注意点15選と転職を成功させる...
転職サイト・エージェント
35歳は、社会人経験が10年を超える人も多い年齢です。今後のキャリアを考えるなかで、35歳の平均年収を知りたいと思っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、35歳の平均年収を紹介します。35歳から年収をアップする方法も紹介しているので、今後のキャリアプランを考える際の参考にしてみてく...
転職サイト・エージェント
会社を退職した際に利用できるのが、健康保険の任意継続制度。国民健康保険とどちらの保険料が安いかは、退職時の収入や世帯人数によって異なります。どちらを選ぶべきかわからず、悩んでしまう人も多いでしょう。そこで今回は、国民健康保険と任意継続ではどちらが安いのかを条件別に解説します。それぞれの特徴や手...
転職サイト・エージェント
健康保険と年金の切り替え、失業保険の申請、住民税の支払い方法の変更など、退職後には多くの手続きが必要です。具体的な手続きの内容や順番がわからず、困っている人も多いのではないでしょうか。本記事では退職後の公的な手続きの内容や順番、必要書類などの準備するものを解説します。退職後の手続きを期日までに...
転職サイト・エージェント
派遣会社を利用する際、複数の派遣会社に登録してよいか気になるところでしょう。興味のある派遣会社が複数あっても、念のため1社だけの登録にとどめている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、派遣会社に複数登録しても問題ないか解説します。派遣会社に複数登録するメリットも紹介しているので、派遣会社...
転職サイト・エージェント
医療系の国家資格である薬剤師。薬剤師の資格を持つ人のなかには、免許の更新が必要なのかわからない人もいるのではないでしょうか。今回は薬剤師免許の更新の有無を解説します。免許保有者の義務である届け出のやり方や、届け出を忘れたときの対処法も紹介するので、薬剤師免許を保有する人は参考にしてみてください。
薬剤師向け転職サイト・エージェント
日本で働く正社員の平均年収に近い年収400万円。年収400万の手取り額はいくらになるのか、一人暮らしではどれくらいの生活レベルを送れるのか、と不安を抱えている人も数多くいるのではないでしょうか。ここでは、年収400万円の手取り額や引かれる税金、年収アップを目指す方法を詳しく解説します。具体的な...
転職サイト・エージェント
収入アップを考えるとき、チェックすべき手取り額。月給24万円もらった場合は、手取り額がいくらになるか気になる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、月給24万円の手取り額や生活レベルについて解説します。月給24万円から収入を増やす方法も紹介するので、参考にしてくださいね。
転職サイト・エージェント
就職や転職を考えるときに、気になるのが給料。手取り15万円だと生活レベルはどのくらいなのか、一人暮らしや貯金はできるのかなど、気になる人もいるのではないでしょうかそこで今回は、手取り15万円での生活について詳しく解説します。一人暮らしが可能かや適切な家賃の目安のほか、理想的な貯金額も紹介するの...
転職サイト・エージェント
責任あるポジションに就くことも多い44歳は、20~30代に比べて高い年収にも期待できる年齢。同世代の平均年収と比べて、自分の年収が低いのか高いのかが気になる人もいるでしょう。本コンテンツでは、44歳の平均年収を男女別・学歴別・業種別などの項目に分けて解説します。収入アップを目指す方法も紹介する...
転職サイト
「派遣はやめたほうがいい」と人からいわれたり、ネットで見たりした経験がある人もいるでしょう。しかし、何をもって「やめたほうがいい」といわれているのか、わからない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、派遣のメリット・デメリットを紹介します。派遣で働くことを検討している人は参考にしてみてください。
転職サイト・エージェント