転職回数は多いと不利？10回以上でも大丈夫？選考への影響を解説

転職回数が多い人は、採用してもまたすぐに辞めてしまうのではないかと懸念される傾向があります。1つの仕事を長く続けてきた人に比べて各会社での在職期間が短く、早期退職を繰り返してきた可能性が高いためです。

人材の採用・教育には多くの時間とコストがかかるのが一般的。しかし、せっかく時間とお金をかけても、会社に貢献するまえに辞めてしまうと、それまでにかけた時間とコストがすべて無駄になってしまいます。

面接では自分が転職を繰り返した意図や理由をしっかり説明して、懸念を払拭する必要があることを覚えておきましょう。

転職回数が多い人は、経験が浅く業務に必要なスキルが身についていない可能性があると懸念される傾向があります。

新しい会社に転職するたびに基礎的なことからやり直す必要があるため、転職回数が多いと経験値も少ないと判断されるのが理由です。

特に経験してきた職種がバラバラな場合は、どの経験・スキルも中途半端と見られる可能性が高いでしょう。反対に、同一職種で転職を繰り返してきた場合は、一貫性のある経験を積んでいるとみなされて高評価につながる場合もあります。

職種がバラバラで経験が浅い場合は、コミュニケーションスキルや問題解決能力など、さまざまな職種に活かせるポイントを探してアピールすると良いでしょう。

転職回数が多い人は、人間性になんらかの問題があり、ひとつの仕事を長く続けられないのではないかと懸念される場合もあります。

退職理由に職場での人間関係を挙げる人が多く、転職を繰り返す人のなかにはどの組織にもうまく馴染めずに職を転々としている人もいるためです。

転職回数が多い人は、仕事そのものに対する考え方が浅く、熱意に欠けるのではと疑問を持たれる場合もあります。

転職回数の多さは、どの仕事に対しても熱意がなく、途中ですぐに投げ出してしまう程度の意識しか持ち合わせていないと思われることがあるためです。職を転々とする人のなかには、単に生活するために給料がもらえれば仕事内容はなんでも良いと考えている人もいます。

特に職歴に一貫性がない場合や、早期退職を繰り返している場合は、仕事をどのように捉えているか、目標や向上心があるかを確認することが必要です。

このような懸念を払拭するためには、仕事をつうじてどうなっていきたいか、入社後はどのように活躍し、会社や顧客にどう貢献していきたいかの展望を伝えることが大切といえます。

転職回数が多い場合は、アピールする軸を決めて端的にまとめることが重要です。

転職回数が多ければ多いほど経験も豊富ですが、あれもこれもアピールしようとすると情報が渋滞してしまい、要点が伝わりにくくなる傾向があります。

たくさんあるアピールポイントのなかから、応募企業の募集要項や求める人物像にあったものを軸に、簡潔にアピールするようにしましょう。

ただし、応募企業が求める人物像を演じる行為は、逆効果になる可能性があるので要注意。事前に自分のキャリアを棚卸ししておき、応募先にあわせてカスタマイズすることが大切です。

転職回数が多い理由を、当時の上司・同僚・会社などのせいにしないよう心がけましょう。

多くの企業では、自分の考えや行動を省みて前向きに改善していける人を求めているため、他責の姿勢はマイナスの印象を与える可能性があります。

上司との人間関係がうまくいかなかった、業務内容に報酬が見合わなかったなど、たとえ事実であったとしてもストレートに伝えるのは考えものです。

自分で改善できることはなかったか、どのように今後に活かしていくかを自分なりに分析し、ポジティブに表現できれば好印象につながる可能性があります。

これまでの転職経験を将来的な目標に紐づけつつ、今回を最後の転職にしたい意向や覚悟を伝えることが大切です。

採用担当者は、採用してもまたすぐ辞めてしまうのではないかと考えているため、将来に対する意向や覚悟を伝えて懸念を払拭する必要があります。

これまでの経験をふまえて、これから先は何を目標にしていくのか、入社後はどのように貢献できるのかを具体的に伝えましょう。

あなたが応募先のどこに興味を持ち、きっかけは何だったのかを語れると、より好感を持たれる可能性があります。

転職活動は、求人が増える時期を狙って行うのが成功への近道です。求人が少ない時期よりも、多い時期に動いたほうが応募できる選択肢が広がるからです。

転職回数に対する重要度が低く、回数の多さが不利になりにくい業界や企業を選ぶのもひとつの方法です。

人材不足が深刻な業界では、転職回数やスキルを気にせず転職できる可能性があります。

需要が高く仕事はたくさんあるのに人手が足りない業界は、早急に人材を確保しないと事業そのものが成り立たなくなる可能性があるためです。

たとえば、新型コロナウイルスの影響を強く受けたホテル業界、需要が高く慢性的に人材不足が続いているIT業界や物流業界などは狙い目といえます。

これまでの職歴がバラバラの場合は、仕事内容や性質のなかから共通点を見つけて、キャリアに一貫性を持たせることが重要です。

キャリアに一貫性がないと、単に生活のために行き当たりばったりで仕事を選んできたのでは、と仕事に対する意識を疑われる可能性があります。

たとえば、営業職と販売職は一見異なる職種ですが、コミュニケーションスキルや傾聴力などの共通点があります。スキル以外にも、人の役に立って喜ぶ顔を見ることにやりがいを感じるともいえるでしょう。

共通点のほかに、仕事をするうえで大切にしている価値観も盛り込むと、好印象につながる可能性があります。

転職回数が多い場合の職務経歴書は、キャリア式で書くのがおすすめです。キャリア式とは、これまでの経験を職務や業務内容別に分ける書き方です。

転職回数が場合、時系列に職歴を並べると情報量が多くなり要点が伝わりにくくなるだけでなく、経験の浅い職歴が目立ってしまうデメリットがあります。

キャリア式では、営業・接客などの職務ごとに項目をつくり、該当する職歴を記載しましょう。応募先の仕事内容に関係性が深い項目を厚めに記載し、それ以外の職務経歴は後半でコンパクトにまとめられると理想的です。

採用担当者が知りたいのは、経歴そのものよりも、転職後に現在のスキルや経験が活かせるかどうかであることを理解しておく必要があります。

転職回数が多い人は、複数の企業を経験したからこそ学んだこと、身についたことを応募先の仕事内容に紐づけてアピールしましょう。

転職回数が多いことは必ずしもデメリットではなく、1社しか経験していない人に比べて豊富な経験と幅広い知見が身についているはずです。

これまでの職歴がバラバラだった場合、一貫して身につけようとしてきたこと、価値観があればそれを明記するのも有効です。

職務経歴がバラバラの人は、第三者から見てどこに強みがあるのかわかりづらく、飽きっぽい人、一貫性のない人なのではと懸念を抱かれやすいので要注意。

たとえば、自分の成果だけでなく後輩やチームの指導・育成に注力してきた、顧客・同僚問わず困っている人を積極的にサポートしてきた、対面する相手とじっくりと向き合い傾聴力を身につけてきた、などが挙げられます。

一歩引いて俯瞰してみると、複数の職種に当てはまる姿勢や価値観が見えてきます。応募企業が重視しているものと一致していれば、好評価につながるでしょう。

経験・スキル・実績は数字を入れて具体的に伝えることを心がけましょう。

数字や具体例がない曖昧な表現ではスケールや程度がわからず、客観的な評価・判断がしづらいためです。

営業職の場合は売上・予算対比・順位など、いろいろな角度で数字を盛り込むと第三者でも理解しやすくなります。数字で表現しにくい職種の場合は、使用できるツールや具体的な制作物、エピソードや工夫した点を伝えると良いでしょう。

さらに、その経験・スキル・実績が入社後のどの業務やシーンで活用できるかを結びつけることも大切です。

職務経歴書のなかに、転職理由や経緯を説明する欄を設けるのがおすすめです。

転職回数が多い人は、転職を繰り返してきた理由や経緯を聞かれる可能性が高いため、先に説明しておくことで書類選考の通過率が上がる可能性があります。

具体的な書き方は、1つの項目に時系列で転職理由や経緯をまとめる、一つひとつの職歴に転職理由や経緯を説明する欄を設けるなどの工夫をすると良いでしょう。

転職理由や経緯をあらかじめ言語化しておくことで、面接で聞かれる時間を短縮できるうえ、スムーズに受け答えできるメリットもあります。

転職回数が多くなった理由や意図を、具体的に説明できるよう準備しておくことが重要です。

採用担当者は、さまざまな懸念を払拭するために転職回数が多い理由と意図を確認しておきたいと考えています。転職回数が多い人は、避けて通れない質問だと思っておいて良いでしょう。

家族の介護による離職や、提示されていた労働条件と実態が大きく異なっていたなど、不可抗力な理由はそのまま伝えてOKです。

一方で、当時の上司・同僚・会社などの環境のせいにするのはNG。たとえ事実であっても、他責の姿勢はマイナスなイメージを与える可能性が高いといえます。

転職回数の多さには必然性があり、結果的に自分にとってプラスになっていることが伝われば、転職回数にかかわる懸念は払拭できるはずです。

ネガティブな情報は素直に伝えて良い場合もありますが、ポジティブな表現につながるよう心がけることが大切です。

うまくいかなかったことを隠そうとせず、そこから何を学び、今後にどう活かそうと考えているかを伝えましょう。

職務経歴書を書く場合も、面接で受け答えをする場合も、PREP法を意識すると主張がスマートに伝わります。PREP法とは、その話の結論・理由・具体例・再度結論という流れで文章を組み立てる方法です。

PREP法を活用することで話が簡潔にまとまり、要点が正確に伝わりやすくなります。話の道筋が明確になることで、コミュニケーションスキルがある、論理的な思考ができる人と評価されるでしょう。

話の要点が伝わらないことで適切な評価ができず、結果的に不採用になってしまうケースが多いため注意が必要です。