Anker Soundcore A30iの口コミ・評判は？実際に使ってよい点・気になる点を徹底レビュー！

音質の評価は良好です。実際にJ-POPやロック・ジャズなど複数の音楽を試聴したところ、バランスがよく聴き取りやすいサウンドが印象的でした。

低音は、前に出るような厚みがありながらシャープさも備えており、強弱までよく表現されています。ベースの動きはクリアに、バスドラムのアタック感もしっかり捉えられました。ただ重低音の迫力が少々控えめなので、どちらかというと中高音寄りのサウンドという印象です。

中音には芯があり、楽器やボーカルは埋もれることなくしっかり聴こえました。比較したなかにはこもり感が気になる商品もありましたが、こちらは音にシャープさやまとまりもあります。ボーカルの鮮明さやコーラスの広がり・抑揚はやや捉えづらく、のっぺりとした平面的な鳴り方ですが、全体的なバランスは取れているといえるでしょう。

高音も、シャープでハリのあるサウンドでした。比較したなかには音数が増えるとひずみが出る商品もあったのに対し、こちらはしっかり各音が共存しています。中音と同じく響きや余韻がやや捉えづらいものの、クリアで伸びやかな雰囲気です。

のっぺりとしている分、音の位置のわかりやすさや立体感は控えめでした。YOASOBIのような、音を多く重ねた楽曲だと臨場感は期待しにくいかもしれません。とはいえまとまりのあるバランスのよい音質であるため、聴き疲れしにくい印象。長時間ながら聴きしたい人や、気軽に音楽を楽しみたい人には十分といえます。

コンパクトサイズで持ち運びや装着がしやすいのも魅力です。比較したなかでも珍しいリップスティック型のケースで、小さなカバンやポーチにもサッと収納できます。イヤホン本体も小さめで耳にフィットしやすいデザインなので、耳が小さめの人にも使いやすいでしょう。

防塵・防水性能はIP54と、多少の汗や小雨がかかって故障する心配は少ない設計です。屋外で気軽に使いたいときにも活躍しますよ。

マイク性能の高さも高評価。スピーカーから女性・男性の声を流して分析ソフトで測定すると、男女ともに100〜1,000Hzの周波数がしっかり出ており、芯の通ったクリアな音声でした。比較したなかにはあまり出ていない商品もあった2,000〜4,000Hzの周波数もしっかりブーストされており、明るくハキハキした音声で通話を楽しめるでしょう。

電車の走行音を流しても話し声にノイズが乗りにくく、周囲が騒がしい環境でも集中して通話できそうです。比較したところAnkerの製品はマイクの性能が高い傾向がありましたが、本商品はそのなかでもとくに優秀。通話品質にこだわる人にぴったりですよ。

日常使いしやすい基本的な機能もそろっていました。音量調整・曲送り・再生停止などの基本操作はイヤホンのタッチ操作で行え、専用アプリ「Soundcore」では操作方法の変更も可能。22種類のプリセット選択や細かなイコライザー調整もでき、好みの音にカスタマイズを楽しめます。

比較した商品には非搭載のものも多かったノイズキャンセリング・外音取り込み機能のほか、マルチポイント機能を搭載しているのも長所。2台のデバイスに同時に接続できるので、PCでの動画視聴中にスマホでの着信に応答するといった使い方もできますよ。

イヤーピースのサイズは3種類から選べ、イヤホンもケースから取り出しやすい構造なのでスムーズに装着できます。着脱検知や低遅延モード・ペアリングアシストはありませんが、使用するうえで大きな不便は感じないでしょう。

1. イヤホン本体による操作｜タッチのみ（音量・曲送り・再生停止）
2. 専用アプリ｜〇（Soundcore）
3. 着脱検知機能｜×
4. マルチポイント｜〇（2台）
5. ペアリングアシスト｜×
6. イコライザー機能｜〇
7. イヤホンの取り出しやすさ｜指を入れる隙間や引っかかりがあり、取りやすい
8. 低遅延モード｜×
9. イヤーピースのサイズ｜S・M・Lの3種類
10. ノイズキャンセリング｜〇
11. 外音取り込み｜〇

ノイズキャンセリング機能では、さまざまな音域の雑音をある程度抑えられました。イヤホンを装着したダミーヘッドマイクに複数のノイズを聞かせたところ、瞬発的なクラップ音は平均23.4dB・大勢の人が喋っている音は平均21.4dB低減。それぞれ全体平均の21.03dB・18.06dB（※2025年2月時点）を上回るカット力を発揮しました。

電車の低めの走行音は平均11.1dB低減と、全体平均の17.97dB（※2025年2月時点）には届かず。比較した同社製品は22.7～8dBもカットできていたなか、「若干ノイズキャンセリングが甘い」との口コミは払拭できませんでした。

とはいえ、電車の高めの走行音は平均33.9dB低減と、比較した多くの商品とほぼ同じレベル。音楽を流してしまえば、周囲の音はそれほど気にならないでしょう。救急車のサイレン音・電車のアナウンス音など、必要な情報は取り込みつつノイズを抑えられますよ。

バッテリー持ちはいまひとつ。比較したなかにはイヤホン単体で10時間以上持つ商品もあったのに対し、本商品はイヤホンのみで7時間と短めです。

ケース込みなら24時間使用でき、10分の充電で2時間再生できる短時間充電にも対応しているものの、長時間連続で使いたいときには物足りなさを感じる可能性があります。