【祝!ノイキャン搭載】AirPods 4発売日レビュー!iPhone 16よりも進化の幅が大きかった!?【音もいいよ】
2024年9月20日に発売された「AirPods 4」。Appleが販売する完全ワイヤレスイヤホン「AirPods」の第4世代にあたります。従来のモデルと大きく違う点は、上位モデルのAirPods Proのみに搭載されていたノイズキャンセリング機能が搭載されたこと。すごい。
AirPods Proと違い、イヤーピースがついていない「インナーイヤー型」を採用しているAirPods 4ですが、果たしてノイキャン性能はどうなのか?また、気になる音質は?
マイベストのオーディオ担当が発売日当日にApple Sotreで入手!200万円の検証マシンでノイキャンを測定、歴代のAirPodsたちの音質と比較し徹底レビューしました。ぜひ、参考にしてくださいね。

オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ・ビジュアル機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
こんにちは
みなさんこんにちは。原です。銀座から失礼します。今はApple 銀座の前にいます。
商品比較サービス「マイベスト」でオーディオ関連のコンテンツを担当しています。もともとはオーディオ専門店で働いていて、イヤホンやヘッドホンの販売に携わっていました。
銀座にやってきたのは何を隠そう「AirPods 4」の発売日だからです!前々から予約していたAirPodsを受け取りにやってきました。人がいっぱいいますね。
あ、iPhone 16ではありません。ごめんなさい。

今は朝の7:30。もう顔が疲れている。かわいそう。
イヤホンマニアの原がAirPods 4を買った理由
音質を理由になんとなくAirPodsを敬遠してきた原が、なぜ今回AirPods 4を購入するに至ったか。理由は以下の通りです。
- インナーイヤー型のイヤホンでノイズキャンセリング機能が搭載されたから
- イヤーピースのことで悩みたくない
- インナーイヤー型の音が好きだから

イヤーピースつきだと、イヤーピースを変えて音の変化を楽しみたいという強迫観念に囚われてしまうので、あえてそれを避けるという選択をしました。大人になりましたね。
ちなみに、インナーイヤー型って?
さっきからインナーイヤー型とか言ってますが一体なんなの?という人に簡単にお伝えすると、インナーイヤー型は先端にイヤーピース(イヤーチップ)がついていないイヤホンを指します。イヤーピースがついているタイプは「カナル型」と呼ばれています。
一般的に多く採用されているのはカナル型です。カナル型のほうが、イヤホンがイヤーピースのおかげで耳にしっかり固定されるのがメリット。遮音性を求める人や、イヤホンの音をしっかり聴きたい人におすすめです。一方、インナーイヤー型は先端にイヤーピースがついていないイヤホン。イヤーピースがついていない分、耳につけたときの圧迫感が少なく自然なつけ心地なのがメリット。イヤーピースをつけていると耳が痒くなってしまう人にもおすすめです。
AirPods 4はインナーイヤー型なので、イヤーピースをつける必要なし。イヤーピースがあると夏場に耳がむれたり、長時間つけていると痛くなったりする場合があるので無いに越したことはありません。
原の好みはどちらかというとインナーイヤー型のイヤホン。インナーイヤー型のイヤホンはイヤーピースがない分、音がまっすぐ耳に届くのでハリのあるサウンドが特徴です。低域の厚みや迫力の点ではカナル型に劣りますが、音の響きの再現力はインナーイヤー型の方が高いと原は考えています。

イヤーピースとは、イヤホンの先っちょについているゴムのこと。先っちょのゴムとかイヤホンのゴムと呼ばれていますね。
前職の頃は、スタッフもお客さんもイヤーピースのことを「イヤピ」と呼称していました。「このイヤピありますか?」とか、「イヤピ変えたら高音伸びた!」みたいなことを言っていたらそれがオーオタです。イヤホンのことを聞くとたぶん喜びます。
いざ入店!なんやかんやあって…
銀座に燦然と輝くリンゴマーク。でかい。
店内にはでかでかとAirPods 4の展示が!
新型AirPodsを受け取りました!!!よっしゃ〜〜〜〜
今回はAirPods 4のANC(アクティブノイズキャンセリング)搭載モデルを購入しました!ノイズキャンセリング機能非搭載のモデルもあるのでご注意ください。早速オフィスに戻って開封していきましょう!

Apple 銀座に7:30から並んで、なんと列は前から2番目。上機嫌でハイタッチをした後にみんながApple WatchやiPhone 16を受け取るなか、店員のお姉さんに「AirPodsすか!?」みたいな顔を一瞬されつつ受け取りました。
開封の儀
ということで、銀座から汗だくになりながら築地のオフィスまで戻ってきました。近くてよかった。
早速開封していきましょう。
箱の中身はこんな感じ
- AirPods 4本体
- 説明書
Apple 銀座でもお姉さんに言われましたが、充電ケーブルが付属していません。非常にシンプルで、パッケージすらもミニマルで洗練されています。
外観はこんな感じ
ぱっと見はほぼ変わっていません。AirPodsらしいAirPodsです。白い餅みたいなツルッとした筐体です。
変わった点はサイズ。AirPods 3と比べるとケースのサイズが4mm小さくなっています。前作もまあまあ小さいほうですが、もっと小さくなっています。

どんどん小さくなるAirPods。最終的には消しゴムぐらいのサイズになるのかな…。
地味にかっこいいと思った点はケースのインジケーターが埋め込んである点。従来のモデルは「ここ光ります」みたいなライトが視認できるデザインだったのですが、AirPods 4はぱっと見ライトがついていないように見えるデザインです。蓋を開けるとインジケーター部がじわっと光る感じが、Appleのデザインの美学を感じるポイントです。
イヤホン本体は、ハウジング上部にマイク、真ん中には脱着を判断するセンサー、そしてスピーカー部となっています。至ってシンプルなデザイン。
AirPods 3と比べると、マイクやセンサーの位置が若干変わり、AirPods Pro 2に近い見た目になりました。
スペックはこんな感じ!
先ほども説明した通り、今回はノイキャン搭載モデルを購入。ノイキャン非搭載のモデルとの違いは、ノイキャン・外音取り込み機能の有無とケース周りの機能差ぐらいです。
搭載しているチップがH1からH2になり、オーディオ通話音声が向上されたと謳っています。すごい。
なんといってもノイズキャンセリングを新たに搭載し、充電端子もUSB Type-cに。防水性能に加え防塵性能も搭載しIP54に。イヤホン単体の連続再生時間のみ、6時間から5時間に落ちています。ノイキャンON時は4時間。少し短めですが、通勤通学時の使用程度であれば過不足なく使える性能です。

ノイズキャンセリング性能以外劇的な進化がない印象。USB Type-c化やチップなどマイナーチェンジが多めです。でもいいんです。Appleなんで。
実機レビュー!!
さて、肝心の音質やノイキャン性能、使い心地をレビューします。ワクワク。
音質
まずは音質を確認していきましょう。確認した環境・楽曲は以下の通りです。
(普段原が音楽を聴く時に使用している環境です。)
- 再生機器:iPhone SE 2(原の私物)
- 再生ツール:Spotify
- 試聴した楽曲
- ドナルド・フェイゲン|I.G.Y.
- レッド・ホット・チリ・ペッパーズ|Dani California
- 相対性理論|LOVEずっきゅん
インナーイヤー型とは思えない迫力のある低音!クリアな中高域も特徴的
一聴して感じるのは、ぐっとくる低音のクオリティです。ノイキャンでより音に集中できることもあり、ウーファーのように厚みのある低音が楽しめます。ただ、低音自体も他の帯域を邪魔するような鳴り方ではなく、重心が低めでバランスよく鳴ってくれている印象。中音・高音もハキハキとしていて、低音に埋もれることなくクリアにまっすぐ伸びます。とくに中音は輪郭もありつつふくよかで、ボーカルの抑揚や息継ぎもしっかりと再現できるクオリティでした。
全世代のAirPods 3と比べると、低音の厚みが増え、全体的に輪郭がはっきりとした印象です。また、AirPods Pro 2と比べると、低音の厚みは劣りますが、ドラムのハイハットやギターのカッティングといった楽器の表現がよりクリアになった印象を受けました。
全体を通してバランスのとれたクオリティの高いサウンドでした。Appleらしいフラット寄りのサウンドはそのままに、全体的にクリアさが増した印象です。

めちゃくちゃ好みの音で安心しました。インナーイヤー型らしいまっすぐ伸びるサウンドがたまりません。めちゃくちゃよい。よっしゃ〜
音を聴いてみよう
なお、皆様に音質の違いを比較してほしいので、音源を録音しました。
原が作ったオリジナル音源です。AirPods 4が発売された喜びを曲にしました。
今回は、AirPods 4と、前モデルのAirPods 3、上位モデルのAirPods Pro 2の音も録音しました。基本的には似ている音ですが、ちょっとずつ違います。
以下のリンクから音源を聴けますのでぜひ。
※あくまでダミーヘッドマイクで録音した音になるので、実際の聴こえ方とは異なります。あらかじめご了承ください。

AirPods 4へのワクワクを止められず休みの日に曲を作ってしまいました。ぜひ聴いてくださいね。
ノイキャン性能
次にダミーヘッドマイクでノイズキャンセリング性能を測定していきます。
ダミーヘッドマイクにノイキャン機能をONにしたワイヤレスイヤホンを装着し、電車の走行音をスピーカーで流して聴かせます。ダミーヘッドマイクに何もつけない状態で電車の走行音を聴かせた際の録音データと比較し、どれだけdB数(ノイズの大きさ)が落ちたかを確認します。画期的。

上記の方法でノイキャン性能を比較しまくったコンテンツが以下の「ノイズキャンセリングイヤホン」です。毎月、新商品が出るたびに気が遠くなるような検証を行って、実際に気が遠くなっています。社会人って大変ですね。
ノイキャン性能は割としっかり!インナーイヤー型にしては高め!
ダミーヘッドマイクで測ったノイキャン性能はこんな感じ。
インナーイヤー型にしては高く、電車の騒音を19.7dBカットできる性能でした。電車内の騒音がおよそ80dBと言われているので、そこから約20dBカットすると60dB。60dBは乗用車の車内ぐらいの大きさと言われています。まあまあ静か。
なんと、初代AirPods Proに匹敵するノイキャン性能でした。さすがにAirPods Pro 2 ほどではないですが、しっかりノイズをカットしてくれます。
同じインナーイヤー型でノイキャンつきの人気モデルと比べるとその差は歴然。Appleの本気が伺えます。
実際に外で使ったところ、しっかり車の走行音をカットし音楽を楽しむことができました。人の声や金属が響くような音は若干聴こえますが、音楽を流してしまえばそこまで気になりません。外音を全てカットするぞ!という感じではなく、あくまで自然なノイキャンといった印象です。しっかり遮音したい!と言う人はAirPods Pro 2のほうがおすすめです。
従来のインナーイヤー型に搭載されていたノイキャン性能とは一線を画していました。すごい。

電車でも、走行音をしっかりカットしてくれました。AirPods 3のときに悩みだった、ノイズに音楽を遮られてしまう現象も如実に感じることはなく、割としっかり楽しめました。すげ〜〜〜
そのほかの良かったところ!
そのほか、使っていて便利だと思った性能や機能もレビューしていきます!
その①:前モデルよりも耳にピタッとハマる装着感!
Apple公式でも謳っていましたが、やはり装着感がとてもよく、ノイキャン性能の高さも装着感により担保されている印象を受けました。
前世代のAirPods 3と比べると耳にスッと入るようなスムーズな装着感で、実際に走っても耳から落ちるようなことがありません。すげ〜
ちなみに、音漏れの少なさは?
上述のとおり、旧モデルのAirPods 3よりも装着感がいいので音漏れも少ないのでは?と思い立ち、ダミーヘッドマイクの横で実際に音楽を聴いてみました。結果、旧モデルとそこまで変わりませんでした。
ただ、ノイキャン機能がついたことにより電車や人混みなどうるさい場所でも音量を上げる必要が減り、音漏れのリスク自体も下がっているのはメリットといえます。耳への負担が減るのもよいですね。
その②:うっかりどこかに置いてきても安心!無印AirPods初の音でわかる「探す」機能
紛失時にAppleのデバイスを探せる機能、「探す」。AirPods 4のノイキャン搭載モデルからはケースにスピーカーが内蔵されたため、紛失時に音を出して居場所を特定することが可能。家の中のさまざまな場所に適当に置いちゃう原にとってはかなりありがたい機能です。
その③:上位モデルよりも空間オーディオとの親和性が高い!
ほかのAirPodsでも使える機能の「空間オーディオ」。AirPods 4はインナーイヤー型で、音抜けがよくスーッと伸びる自然なサウンドが特徴的なので、音に広がりを持たせてくれる空間オーディオとの親和性の高さを感じました。ノイキャンをONにするとより没入感の向上した空間オーディオを楽しめるのもよいですね。
その④:レジでの会話で地味に便利な会話認識機能!
会話を認識して、再生中の音楽の音量を下げてくれるという機能。上位モデルのAirPods Pro 2にも搭載されている機能です。実際に試してみると正確に会話を聞き取り、相手の声が聞こえるレベルに音量を落としてくれました。カフェやコンビニのレジでのつけ外しって結構ストレスなので、かなり便利だなと感じました。

いちいち耳から外すストレスから解放される便利な機能。ただ、店員側の「なんでコイツイヤホンつけてんの?会話する気あるの?」のような心理状態は拭えないかなと。
前職ではイヤホンをつけているお客さんが多めだったので慣れましたが、そういうときは大声で接客していました。
結論:イヤーピースは苦手だけど、しっかりしたノイキャン性能がほしい人におすすめ!
いかがでしたでしょうか。音質が向上し、ノイキャン機能が搭載され、諸機能がアップデートされたAirPods 4。結論、以下の人におすすめです
- イヤーピースが苦手だけど、しっかりしたノイキャン性能がほしい人
- AirPods Proを我慢して使ってきた人におすすめ
- AirPodsユーザーで、買い替えを検討している人
- AirPods 2、AirPods 3、初代AirPods Proユーザーにおすすめ
- AirPods Proがほしいけど4万弱は高い…と感じる人
- はじめてのAirPodsにもおすすめ
こんな感じでしょうか。イヤーピースをつけていると耳が痒くなる!という人や蒸れる!という人で、ちゃんとしたノイキャン性能はほしいという人に大手を振っておすすめしたいイヤホンでした。
AirPodsユーザーでちょうどバッテリーがもたなくなっているな〜とか、音出にくくなってきたな〜という人はぜひ。AirPods Pro 2で満足の人は、正直そこまでアップデートにはならないかも。Androidユーザーも、互換性がいまいちでポテンシャルを活かしきれないので正直微妙です。
価格はノイキャン機能搭載で29,800円、ノイキャンなしで21,800円。自然かつしっかりしたノイキャン性能なので、8,000円を多く払う価値は十分あると思います。家で使う人や外出といっても散歩程度の人はノイキャンなしでもいいかも。AirPods Pro 2が39,800円で高すぎる!と感じる人もAirPods 4のノイキャン搭載モデルを検討しましょう。
ちなみに、普段の原はマイベストで検証コンテンツを制作しています。原が関わったコンテンツは以下のリンクから。AirPods以外のワイヤレスイヤホンも見た〜いという人はぜひチェックしてみてくださいね。ほかにも、格安イヤホンを集めて比較したコンテンツもあります。
ということで、こっからめちゃくちゃ使い倒していきたいと思います。ほかのAirPodsと差別化を図るためにたまたま持っていた「今が旬」シールを貼っておきました。旬なのはiPhone 16だけじゃないぞ!
それではまた!
(執筆/マイべマガジン編集部・原豪士)
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