さまざまなやり方がある夫婦のお金の管理方法。どんなやり方を導入すれば、できるだけ円満に続けられるのか悩む人も多いでしょう。
今回は、貯蓄のコツも含めて夫婦のお金をうまくやりくりする方法を紹介します。まだ上手にお金を管理できていない夫婦はぜひ最後まで読んで、自分たちに合ったやり方を見つけてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
夫婦のお金の管理方法には、主に5つのパターンがあります。共働き・片働きなど、世帯のスタイルによって合うものが異なるため、どれが自分たちに最適かを考えながら読んでみてください。
毎月お互いが収入を得たら、まずどちらかの口座に収入をすべてまとめましょう。まとめた金額から、お互いが自由に使えるお小遣いを引いた残額を生活費や貯蓄にあてます。お小遣いを定額で設定することにより、決まったお金のなかでやりくりする意識を高められるでしょう。
お互いの収入をオープンにすることに対して抵抗がない夫婦や、きちんと使えるお金を定めたうえで貯蓄を優先したい夫婦などには向いている方法だといえます。
ただしふたりの収入をひとつの口座にまとめる方法は、独身時代と比較するとお金の使い方が制限されやすいやり方です。どちらかが不満に感じる場合などは、別の管理方法を話し合ってみてください。
例えば、住宅費用や保険料などの固定費は夫、食費や光熱費などの変動費は妻など支払いを担当する項目を話し合って決めましょう。収入が多いほうが金額が大きい項目を担当する、家事を多く行うほうが食費や光熱費を担当するなどの工夫をすれば、不満が発生しにくいといえます。
どちらかが節約上手な場合は、節約できる項目を軸に分担を決めると家計をうまくやりくりできるでしょう。収入の差や得意分野を考慮したうえで、できるだけシンプルにお金を管理したい夫婦には向いている方法だといえます。
ただし、負担額に公平性を持たせるためにきちんと話し合いをする必要がある点や、貯蓄計画を別に立てなければいけない点には注意してください。
例えば、収入の6割を家計として出し合うなどの決まりを定め、出し合ったお金のなかで生活費や家庭にとって必要なものを賄います。万が一どちらかに収入の増減があったとしても、割合を定めていれば常に公平性を保つことが可能です。
共働きでお互い一定の収入がある夫婦や、それぞれでお財布の管理を行いたい夫婦などには向いている方法といえます。ただし、それぞれ自由に使えるお金の支出が不透明になりやすいため、家計以外のお金に干渉しすぎないことや、お互いが無駄遣いをしない意識を持つことが大切です。
出産などによる一時的な休職や退職の可能性から、夫の収入を生活費にあて、妻の収入を貯蓄する場合が多い傾向です。一方の収入が一時的に減少したとしても、生活費が担保しやすい方法といえます。生活費の上限が明確だと、生活コストを金額内におさえる意識も自然と芽生えるでしょう。
ただし、収入に大きく差がある場合は、貯蓄の目標額に対して貯蓄額が不足することがあるため、ふたりの収入のバランスが重要です。同じくらいの収入がある夫婦にとっては支出と貯蓄の金額がわかりやすく、お金が貯まりやすい管理方法だといえます。
どちらかが家計を管理する方法は、片働き世帯が多かった時代から取り入れられてきた方法です。お互いの収入はひとつにまとめ、お金を管理するほうは管理しない側にお小遣いとして毎月定額を渡します。
夫婦のどちらかが家計管理が得意な場合や、家計を管理する時間の余裕がある場合に適した方法です。万が一どちらかに浪費癖があったとしても、管理する側がきちんと管理すれば、家計が圧迫することを防げるでしょう。
ただし、管理する側のお小遣いが不透明になりやすい点には注意が必要です。管理する側は家計の状況を定期的にパートナーへ共有するなどし、夫婦間のトラブルが起こらないよう工夫しましょう。
不満が募る前に、収入の差や未来のライフイベントを見据えた管理方法、お金を使う優先順位を話し合っておきましょう。以降で具体的に解説するので、内容を把握したうえでぜひ夫婦で話し合ってみてください。
収入差のある夫婦は、家計に入れるお金を収入の割合で決めるなど、できるだけ公平性を重んじるやり方を話し合いましょう。妊娠・出産などのライフイベントによって、一時的に収入が減少する可能性を見越しておくことも大切です。事前に管理方法を話し合えば、あとになって揉めることを防げます。
夫婦円満で過ごすためには、家事や子育てなど、お金を稼ぐ以外の役割分担にも目を向けて、支え合っている意識を持ちましょう。
子どもを公立・私立どちらの学校に行かせたいかや、マイホーム・車など大きな買いものにどのくらいのお金をかけたいかなど、お互いが優先・重視したい項目を共有しておきましょう。家族旅行や外食の頻度も決めておけば、生活の質を担保しながら計画的な家計のやりくりが可能です。
ライフイベント表を作成することで、いつどんなお金を使いたいか話し合いやすくなるので、マイホーム購入など比較的大きな出費に備えた話し合いをするときはぜひ活用してみましょう。
うまく夫婦のお金の管理を続けるには、家計の収支を定期的に見直したり、夫婦で家計を把握したりしておくことが大切です。円満な夫婦関係の継続や家計のやりくりにとって重要な内容なので、家庭に取り入れてみましょう。
住宅費・光熱費・通信費・定額サービス料などある程度固定でかかる費用が大きく変動していないかや、食費・娯楽費・交際費・養育費など月によって変動しやすいお金を使いすぎていないかチェックするようにしましょう。
定期的に収支を確認すると、不要になった定額サービスの支払いを続けている、これまでより外食が増えているなど、見直すべきポイントが見えてくる可能性があります。お互いの自由なお金の確保や家計に余裕を持つためにも、収支は定期的に確認するようにしましょう。
子どもの成長や収入の減少などによって支出項目や金額を見直さなければならないときは、家計の収支計画を立て直し夫婦で共有し合うことも大切です。
家計を共有できる家計簿アプリなどを活用すれば、お互いが家計の情報を常に把握しておくことが可能です。万が一どちらかが急に入院することになったり、何かのトラブルでまとまったお金が必要になったりした場合でも、お金の有無が把握できていれば対応を考えられます。
夫婦で家計を共有できる家計簿アプリを探したい人は、以下のランキングを参考に気になるサービスを見つけてみてください。
趣味や友人との交際などは、人によってお金をかける度合いが異なります。特に趣味は多様な分、なぜお金をかけるのか理解できない場合があるかもしれませんが、家計に影響させないこと、お互いを尊重し合うことなどを決まり事にしておくと揉めずに済むでしょう。
たとえパートナーであっても、人は人、自分は自分であることを認識しておくことが大切です。ただし、収入に見合わないような高額な出費が続く場合などは指摘し合い、お金の使い方を見直す必要があります。気になることが発生すれば、冷静に話し合いを行う意識を持ちましょう。
うまく貯蓄もするためには、ライフイベントに沿った目標金額を設定する、貯蓄分は先に収入から抜いておくなどが重要です。どれもお金を貯めるために欠かせない内容なので、実践できていない夫婦は取り入れてみましょう。
うまく貯蓄もするには、ライフイベントに沿った目標金額を設定することが大切です。具体的なライフイベントを想定すれば、いつまでにどのくらいのお金が必要かイメージしやすくなります。
子どもの誕生、マイホームや車の購入などが結婚後のライフイベントの一例です。例えば注文住宅を建てる場合、住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(2022年度)」によると、建物だけで平均3,715万2,000円、土地も含めると平均4,694万1,000円がかかります。
ライフイベントにかかる平均費用や必要になる時期を把握しておけば、今からどのくらい貯蓄しなければいけないかシミュレーションすることが可能です。
ただし、収入に対してあまりにも負担が大きい金額を貯蓄用に設定すると、生活の質が下がり不満が募る原因になるため、夫婦で現実的な金額を相談して決めるようにしましょう。
給与受取や生活費用の口座と、貯蓄用の口座が一緒だと管理が煩雑になりやすいため、口座は目的ごとに分けておきましょう。貯蓄の目的から逆算した金額をあらかじめ給与受取口座から抜いて貯蓄用口座に振り込んでおけば、毎月自動的に必要な金額を貯められます。
適宜訪れるライフイベントなどに合わせて先取りする貯蓄額を減らしたり、収入の増加に合わせて上乗せしたりすることで、できるだけ家計を圧迫せずにうまく貯蓄を行えるでしょう。
自分が使いやすい家計簿アプリや手書きの家計簿を活用して、毎日使ったお金を食費・日用品・娯楽などの支出項目ごとに記録しましょう。こまめに記録するなかでいつもよりお金がかかった項目を見つけた場合、レシートを見直すなどして無駄遣いがないか見直してみてください。
以下の記事では、手書きの家計簿のおすすめランキングを紹介しています。手書きが好みの人は、収支の記録用に気になる家計簿をチェックしてみましょう。ペーパーレスで管理したい人は、先ほど紹介した家計簿アプリのおすすめランキングを参考にしてみてください。
毎月固定でかかる住宅費用・光熱費・通信費やほかの生活費をすべてクレジットカードで支払えば明細を見るだけで支出が把握できるので、クレジットカードは家計管理に便利です。毎月明細で使いすぎた項目をチェックして改善すれば、余裕をもって貯蓄することにも繋がります。
加えて、生活費をクレジットカードで支払うことで毎月ポイントが貯まるので、ポイントを家計の足しにすることが可能です。ポイントによって家計に余裕ができれば、貯蓄に回すお金を増やせるでしょう。
クレジットカードは、いざというときに備えてキャッシング機能がついたものを選んでおくと安心です。クレジットカードにはさまざまな種類があるので、以下のランキングを参考に、夫婦のお金の使い方に合ったものを見つけてみてください。
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