もう働きたくないと感じたときは？理由と対処法を解説

仕事の内容ではなく、仕事自体が嫌になってしまうことがあります。仕事に疲れると毎日のんびり過ごしたいと感じ、働くこと自体が嫌になる人も多いでしょう。生活のために働く必要があると理解していても、割り切れずにストレスを感じてしまいます。

毎日の通勤に疲れた、接客やクレーム対応でストレスを感じる、仕事がメインの日々にうんざりするなど、仕事が嫌になる理由は業務内容によってさまざまです。苦痛に感じたまま仕事を続けると、ささいなミスをしたり作業が遅れたりして、周囲に迷惑をかけることもあります。

職場の人間関係に疲れて、働きたくないと感じる人もいます。業務自体は好きでも、上司・部下・同僚との関係が悪いとストレスを感じてしまうでしょう。

パワハラやセクハラがある、社内でいじめが横行している、飲み会が面倒など、人間関係の構築や維持のうとましさも働きたくないと感じる理由のひとつです。

人間関係のもつれから来るストレスは、働くモチベーションにも大きく影響を与えます。落ち込みやすくなったり、眠れなくなったりするなど、心身に悪影響を及ぼすこともあるでしょう。

仕事で大きなミスをしたことが原因で、働きたくないと感じるケースもあります。自分の能力に不安を感じ、会社に迷惑をかけてしまった罪悪感でいっぱいになっている人もいるでしょう。

発注ミスをした、取引先を怒らせたなど、業務内容によってミスの種類はさまざまです。小さなミスを繰り返したり、理不尽に怒られたりして自信をなくしてしまっているケースもあります。

ただし、人はどうしてもミスをしてしまうものです。特に20代などの若手や未経験職に転職したばかりであれば、ミスをしてもフォローしてもらえる可能性が高いでしょう。同じミスをしないよう注意しながら働くことで、失敗した経験を活かすことができます。

給料などの待遇が業務内容に見合っていないため、働きたくないと感じている人もいます。1人あたりの業務量が多い、労働時間が長い、休日が少ないなど、業務に対して待遇が悪いと働くことが嫌になってしまうでしょう。

厚生労働省の調査によると、退職理由に「賃金以外の労働条件がよくなかった」と答えた人が27.2％と最も高く、「賃金が低かったから」と回答した人も24.9％いました。この結果から、多くの人が給与などの待遇に不満を抱いていることがわかります。

ただし、企業が提示した条件を自分が勘違いしている可能性がないかの確認は必要です。待遇を改善してほしいことを伝えれば、今よりいい条件で働ける可能性もあります。労働条件通知書や就業規則などをよく読み、現状と違っている点がないか確認してみましょう。

自分がやりたい仕事をさせてもらえないため、働きたくないと思っているケースもあるでしょう。憧れていた仕事ができると思って入社したものの、違う仕事ばかりを任されると業務内容にギャップを感じ、働くことがつらくなってしまいます。

上記の調査では、退職理由に「満足のいく仕事内容でなかった」と回答した人が26.7％いました。これは調査のなかでも2番目に多い割合です。入社前と働き始めてからの業務内容の違いにストレスを感じている人は少なくありません。

ただし、働き始めたばかりのときに理想の仕事とは違うと思ったとしても、続けるうちにやりがいを感じられるようになることもあります。目の前の仕事を誠実にこなせば、将来やりたい仕事を任せてもらえるようになる可能性もあるでしょう。

働くうえでの目標がなく、モチベーションを維持できないケースもあるでしょう。目標がないとなぜ働いているのか、今後どう成長したいのかがわかりにくくなります。その状態が続くとモチベーションが低下して、働きたくないと感じることも珍しくありません。

毎日ルーティンワークばかりこなしている、キャリアアップのイメージができない状態で働いている人は、仕事をしたくないと感じやすいでしょう。業務内容に飽きてしまい、やる気がなくなることも考えられます。

モチベーションが下がると仕事に集中しにくくなり、ミスが増えて落ち込んでしまうことも。さらにモチベーションが下がる悪循環に陥る可能性もあるため、早めの対処を検討しましょう。

仕事のやる気が出ない、将来のビジョンを思い描けない人は、業務上の目標を設定してモチベーションを上げてみましょう。明確な目標があれば、やりがいやクリアする喜びを感じながら働くことが可能です。

例えば15時までに書類を提出する、契約件数を3件増やすなど、クリアできる範囲の小さくて具体的な目標を設定しましょう。

無理な目標を設定すると、クリアできなかったときに自信をなくし、かえってモチベーションが低下してしまいます。日々の業務内容からどれくらいの目標なら達成できそうか考えて、現状よりも少し上のハードルを設定して挑戦しましょう。

本業を続けながら副業にチャレンジすることもおすすめです。本業とは違う働き方ができて刺激を受けられたり、別の仕事に興味があるときに気軽にチャレンジできたりします。収入やスキルを得られる点も副業の大きなメリットです。

普段デスクワークが中心なら、飲食店などで体を動かす仕事を検討してみましょう。旅行や英会話などの趣味をYouTubeやブログで発信し、広告収入を得る方法もあります。webライティングやプログラミングなど、自分のスキルを活かして在宅で働ける業務委託の仕事を獲得することもおすすめです。

副業を始める前に、働いている企業が副業を禁止していないか確認しておきましょう。また本業を続けながら副業も行うのは、体力・精神面ともに負担が大きくなります。副業に力を入れすぎて本業がおろそかになることがないよう、上手に調整することも大切です。

ここまでの方法でも解決できず、本当に仕事をしたくないと感じる人は、仕事を辞めて失業手当を受け取りながら自分を見つめなおす方法もあります。

失業手当を受け取れば、すぐに転職しなくてもゆっくりと自分に合う次の仕事を見つけられます。自分が本当は何をしたいのか、どのように過ごしたいのかをじっくり考える時間も作ることができるでしょう。

自己都合で退職した場合の失業手当の給付条件は、退職前2年間で12か月以上の被保険者期間があることです。再就職の意思があることも条件に含まれます。該当する人は以下の書類を用意したうえで、住んでいる地域を管轄するハローワークで求職申込みをしましょう。

• マイナンバーカード・通知カード・個人番号が記載された住民票のいずれか
• 免許証やマイナンバーカードなどの身元が確認できる書類
• 直近3か月以内に撮影した縦3.0cm×横2.4cmの写真2枚
• 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード
• 離職票

離職票は、会社から退職後に発行される書類です。失業手当の給付には7日間の待期期間に加えた、2か月間の給付制限があります。少しでも早く失業手当を受け取るために、離職票が届き次第速やかにハローワークで手続きをしましょう。

1日あたりの給付金額は、退職時の年齢と1日あたりの賃金の額で変動します。退職時の年齢が29歳未満なら6,945円、30～44歳なら7,715円、45～59歳なら8,490円、60～64歳は7,294円まで受け取ることが可能です。

手続き後、失業手当を受け取るには4週間に一度指定された日にハローワークに足を運び、就職活動の状況を報告する必要があります。失業認定申告書を提出し、失業の認定を受けましょう。

失業手当の給付を申請してから約2か月間は手当が給付されません。約2か月間の生活費を用意しておくことも、忘れないようにしましょう。