転職時の自己分析のやり方は？成功に欠かせないポイントを紹介

自己分析を行うためには、今までどのような経験をしてきたのかを振り返ることが重要です。自分がどんな仕事をしてきたのか改めて洗い出してみると、次のステップで行うキャリアやスキルの棚卸しもしやすくなります。

例えば前職の業界でどのような業務を担当したのかや、関わったプロジェクトの内容などを振り返りって書き出してみましょう。社内外の人たちとどんな関わりをもってきたのかや、成功体験・失敗体験などを洗い出してみることもおすすめです。

経験の内容はなるべく具体的かつ詳細に振り返ってみると、より深く自己分析ができます。転職を複数回している人は、前職だけでなくすべての仕事を洗い出してみましょう。

最初のステップで解説した経験をもとに、積み上げたキャリア・取得したスキル・自分の強みを棚卸しましょう。キャリア・スキル・強みなどは、自分が何をできるのかを具体的に分析できる有効な材料になります。また自己PRを考える際にも流用可能です。

具体的なキャリアや資格だけではなく、親しみやすさがある・忍耐力がある・論理的思考力があるなど、自分の長所も洗い出していきましょう。社会人経験が浅くて十分なキャリアやスキルがない場合でも、人間性や特技など多様な観点から考えてみると、アピールポイントが見つかることがあります。

自分が持っている特性・価値観・性格を分析することも、自己分析には重要です。自分の持っている価値観や性格の特徴などを把握しておけば、仕事に臨む姿勢をアピールする際の参考に使えます。

例えば自分は売上をあげたときにやる気を感じるなど、モチベーションが生じる動機を書き出すのもよいでしょう。また物事を筋道立てて論理的に考えるのか、それとも直感に従い感覚的に考えるほうなのかなど、性格のタイプを洗い出すのもおすすめです。

分析をする際はプライベートのことではなく、自分が仕事を進めるうえでどのような傾向があるのかを考えてみてください。仕事に寄せた特性・価値観・性格を考えることで、より転職に有効な自己分析ができます。

経験の振り返り・キャリアの棚卸し・性格分析などを終えたら、将来実現したいことを明確にしましょう。面接の際は会社に入って何がしたいか、何ができるのかが評価の対象になるため、自己分析のときに明確にしておくことがおすすめです。

将来実現したいことだけでなく、自分が働きたい企業や挑戦してみたい仕事などを具体的に洗い出したり、活かしたいスキルや伸ばしたいスキルを考えてみたりすることも自己分析に役立ちます。

現在の状態から将来どのようになりたいかを上手に表現できない場合は、実際に自分が転職して働いている姿をイメージしながら考えると具体的に書き出せるでしょう。

各ステップで書き出した要素をまとめるには「Will・Can・Must」を利用して整理してみましょう。Will・Can・Mustとは、やりたいこと・できること・すべきことからキャリアを言語化するためのフレームワークです。これまでの自己分析結果をわかりやすく的確にまとめることができます。

Willには将来的に自分は何をしたいのかや、キャリアを歩んでいきたいのかをイメージしましょう。転職先での未来を具体的に想像すれば、志望動機を作る際の軸に利用できます。

Canは自分のスキルや強みなど、何ができるのかや何に対して自信があるのかを書き出しましょう。Canでまとめた内容は、転職先への応募や面接の際に行う自己PRを作成する軸として役立ちます。

Mustは、Willを実現するためにやるべきスキル・資格・経験などを考えてみましょう。給与面や勤務地などの転職にあたって譲れない条件もMustで挙げておくと、志望する企業が絞りやすくなります。

Will・Can・Mustを適切に書き出せれば、自己分析だけでなく志望動機や自己PRを作る際にも大いに役立つでしょう。

自己分析を作るときは抽象的な言葉を使わず、できるだけ具体的な内容を書くことを意識しましょう。具体性のないエピソードを自己分析に盛り込むと分析も曖昧になりがちで、分析のあとに作成する志望動機や自己PRもぼやけた印象になってしまいます。

例えば将来実現したいヴィジョンを明確にしたい場合は、将来的にスキルを伸ばしたいとするよりも、資格を習得してスキルを伸ばしてキャリアも重ねていきたいなど、具体的に考えることが大切です。

ただし、いきなり具体的にすることが難しい場合もあります。その際は一度出したものをより深掘りして、具体的にできないかを念入りに検討してみるとよいでしょう。

自己分析を行う際には長所だけでなく短所も洗い出し、短所は長所にいい換えられるように工夫しましょう。志望動機や自己PRを作るときには、ネガティブな要素はポジティブにいい換えることが基本のため、自己分析もいい換えを徹底することが重要です。

短所を長所に変えることで、アピールできる幅も広がります。例えば視野が狭く周りに目を向けられない短所があるなら、集中力がある・探究心が強いなどといい換えが可能です。

心配性の場合は、慎重に物事を進められたり計画性があったりなどと伝えれば、面接時にポジティブな印象を与えられるでしょう。短所を確認することも自己分析では重要ですが、マイナス面にフォーカスするのではなくプラス面を意識することが大切です。

自己分析にはどうしても主観が入りがちですが、なるべく客観視できるようにしましょう。主観ではなく客観的に自分を捉えられれば、気づかなかった強みや挑戦したいことを見つけられる場合があります。

客観的になるためのポイントは、自己分析を行ったあとに結果を友人や家族に見せて意見をもらい、自分と他人の分析にズレはないかを確認してみることがおすすめです。また、他人に自分の強みやアピールできそうなポイントはあるかを聞いてみるのも有効だといえるでしょう。

自分が行った自己分析と他人の分析や評価が大きく違うなら、自分の認識がズレている可能性も。その場合は他人の分析も参考にして再度自己分析を行うと、自分でも気づかなかった強みを認識できるきっかけになります。

自己分析は一度きりではなく、複数回行うこともおすすめです。人は置かれている状況によって思考が左右されてしまい、的確に自己分析ができない可能性があります。

例えばネガティブな気持ちを抱えているときに自己分析をすると、短所ばかり思いついてしまうでしょう。短所に気をとられると長所を素直に受け取れなくなり、本来の自分と異なる分析結果が出てしまう場合も。

自己分析を複数回行えば、そのときの気持ちや状況に左右されても各結果を照らし合わせてブラッシュアップが可能です。分析精度を高めるためにも、複数回に渡って自己分析を行いましょう。

自己分析を行うときは、仕事・条件・環境の3つの軸を設定してみることもおすすめです。仕事はどのような仕事をしたいか、条件はどんな条件を叶えたいか、環境はどのような職場環境を求めているかを考え、各軸を掘り下げていきましょう。

仕事に対する自分の希望を掘り下げると、自分が何をやりたいかや将来的にどうなりたいかが明確になります。掘り下げる際には、できるだけ具体的に条件を設定することがポイントです。

例えばお金を稼ぎたいという条件を出した場合は、単純に給料を上げたいよりも月給40万円は欲しいとすると、分析精度が高まります。

それぞれの軸を設定したら、仕事・条件・環境のどれを重視するかを決めると、自分が仕事に対して何を重要視しているのかが理解できるでしょう。