ベストな仕事を辞めるタイミングは？退職の手続きや注意点を紹介

スムーズに円満退社したいなら、会社や業務の閑散期がおすすめです。閑散期なら通常業務に支障をきたすことなく、引き継ぎや退職手続きを進めやすいでしょう。企業が欠員を補充するための人材を探したり、新しく採用した人材を教育したりする余裕も生まれると考えられます。

プロジェクトが終了した段階など、業務量が少ない時期を選ぶことが大切です。ただし、業界・企業・職種などによって繁忙期や閑散期は異なります。自社の例年の傾向を見極めて、適切なタイミングで退職したい旨を伝えましょう。

会社を辞めることを伝えるタイミングは、法的には退職する日の2週間前で問題ありません。民法627条では、無期雇用の社員は2週間前の申告で退職できると定められています。

契約期間が定められている契約社員や派遣社員は例外ですが、企業からの合意を得られれば契約期間に関係なく退職が可能です。ただし、企業によっては退職を申告する日が就業規則で定められているケースもあります。希望どおりのタイミングで退職できるよう、事前に就業規則を確認しましょう。

会社を辞めるタイミングは法的には2週間前までで問題ありませんが、スムーズに退社したいなら1～3か月前に伝えるといいでしょう。

会社を辞める前には、引き継ぎや次の人材探しのためにある程度の期間が必要です。直前に退職する旨を伝えると、業務に支障が出てほかの社員に迷惑がかかる可能性があるので、円満に退職したいなら余裕を持って辞めることを申し出ましょう。

また職場に配慮するだけでなく、転職活動に必要な期間や転職先の入社日を逆算し、ベストなタイミングを考えることも大切です。

まずは直属の上司に退職の意向を伝え、退職日程を話し合いましょう。直属の上司を飛び越えて別の上司に相談すると、会社からの印象が悪くなる可能性があります。トラブルを防ぐためにも、直属の上司に退職時期を相談しましょう。

自分が退職したい時期と、会社の都合に合うタイミングが違うケースもあります。双方の意向をすり合わせ、適切な退職日を決めましょう。

退職を相談すると引き留められるケースもあるため、明確な退職理由を用意しておくことも大切です。退職理由に会社への不満を挙げると、不満がある点を改善するからと引き留められてしまう可能性もあります。

会社への不満を退職理由にせず、自身のキャリアアップのため、すでに転職先を決めているなど、前向きで個人的な理由を用意しましょう。

会社を辞める日程が決まったら、退職までに引き継ぎと退職手続きを進めましょう。それぞれを余裕を持って丁寧に行っておけば、スムーズな退職が可能です。

直前に慌てて引き継ぎを進めると、自分だけでなくほかの社員の負担が増える可能性があります。マニュアルを作成する、別の社員や新入社員への指導を行うなど、通常業務や転職活動をしながら引き継ぎも進めましょう。

退職手続きとしては、退職届を作成したり、会社に返却するものを用意したりするのが一般的です。企業によっては退職届を提出する時期や書式のフォーマットなどが指定されているケースもあります。会社に返却するものは、健康保険証・社員証・入館証・会社支給の携帯電話などです。

就業規則や会社のルールに則って手続きを進めましょう。各手続きや返却するものを忘れないように、チェックしながら進めてみてください。

別の部署や取引先などのお世話になった人にあいさつ回りをしてから、有休消化に入りましょう。あいさつ回りは、お世話になった人に感謝の気持ちを伝えるためのものです。親しい人・お世話になった人・目上の人には直接出向くか、難しい場合は電話であいさつをすることを心がけましょう。

メールであいさつを済ませることも可能ですが、転職後も縁があって一緒に仕事をする可能性もあるため、失礼にならないよう注意することが大切です。

引き継ぎとあいさつ回りが済んでから有休の消化に入れば、トラブルなく円満に退職できるでしょう。有休が何日残っているかを確認し、いつまでに引き継ぎを済ますべきか逆算しておくことも大切です。

少しでも社会保険料の負担を軽減したいなら、月末での退社がおすすめです。社会保険料は会社を辞めるタイミングで日割りされず、いつ辞めても満額支払う必要があることを理解しておきましょう。

会社員の社会保険料は会社が半分負担し、残りは給料から天引きさます。ただし、退職後すぐに転職先に入社せず家族の扶養に入らない場合は、翌月から健康保険料と年金保険料を全額自己負担しなければなりません。

会社員の社会保険から国民健康保険と国民年金への切り替え手続きや、被扶養者になる場合はその手続きも必要です。国民年金への切り替えの手続きを行わないと、年金が未納扱いになって将来受け取る年金額が減ってしまいます。

社会保険料や手続きの負担を抑えるためには、月末に退職することを検討しましょう。月末に退職して翌日から別の会社に入社する場合は、転職先の企業が切り替えの手続きをしてくれるため、自分で手続きをする必要はありません。

退職前に有休消化を考えている人は、有給に入る前に引き継ぎが完了するように計画しておきましょう。引き継ぎが不十分なまま有休に入ると、後任者に迷惑がかかる可能性があります。

後任者が1人で業務をこなせるようになるまでどれくらいの期間が必要かを考え、計画的に引き継ぎを進めましょう。 自分がいなくても業務を進められるように、マニュアルを作成しておくこともおすすめです。

転職活動を始めるタイミングは退職前と後のどちらでも構いませんが、退職前に転職先を決めておくのがベターです。退職後すぐ次の会社に入社すれば、収入が途絶える心配を減らせます。前職からのブランクがないため、転職活動時にもよい印象を与えやすいでしょう。

在職中の転職活動はスケジュール調整が難しい点がデメリットです。ゆとりを持って転職活動を進めたいなら、退職後に転職活動を行うのも選択肢のひとつ。

ただし、退職後の転職活動期間は収入が途絶えてしまうリスクがあります。無職の期間が長くなりブランクができると、転職活動が不利になる可能性があることにも注意が必要です。

焦って妥協で転職先を決めて後悔することがないよう、在職中に余裕を持って転職活動を進めてみてください。