条件を満たせば金融機関の変更も可能な新NISA口座。しかし、変更したいと思いながらも具体的な手続き方法や注意点がわからなず、迷っている人もい多いのではないでしょうか。
本記事では、新NISA口座の開設先を変更する方法について徹底解説します。変更する際のメリット・注意点も紹介するので、納得したうえでスムーズに手続きを進めたい人は参考にしてください。
K&Bプランニング代表。保険会社の勤務経験を活かし2012年よりファイナンシャルプランナーとして活動を開始。Webや書籍などで記事執筆、セミナー講師、家計相談などを行う。得意分野は初心者向けの資産運用、保険の見直し、貯蓄。著書に「本物の節約・残念な節約」(河出書房新社)
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
NISA口座おすすめTOP5
新NISA口座を開設する金融機関は、1年ごとに変更できます。開設先を変えたい年の前年10月から、変更を希望する年の9月末までに申請が完了すれば、新たな金融機関で取引が可能です。利用中の金融機関と変更予定先の両方で手続きが必要なため、スケジュールに余裕を持って申請しましょう。
なお新NISA口座の開設は、原則1つの金融機関でしか認められません。開設時には税務署の審査があり、重複していないかどうかが確認されます。金融機関によっては税務署のチェック中でも取引できるため、金融商品を購入したあとに二重口座が発覚する可能性もあるでしょう。
取引後に重複がわかった場合、買付した金融商品が課税対象の一般口座に移されます。利益に対し税金がかかるうえに確定申告も必要なため、別の金融機関で新NISA口座を開設したい場合は適切な変更手続きをしましょう。
新NISA口座を開設する金融機関を変更すると、手数料の負担軽減や選択肢の増加、スムーズな運用管理などにつながります。変更時のメリットを理解すると自分の希望条件に合った金融機関選びにも役立つので、詳細を確認しておきましょう。
新NISA口座を開設する金融機関を変更すると、現状よりも取引手数料を抑えられる可能性があります。手数料は金融機関によって異なるため、お得な開設先を選べばより低コストで資産運用できるでしょう。
新NISA口座での取引には、口座管理料や売買に伴う手数料など、さまざまな手数料がかかる場合があります。手数料は金融機関ごとに設定されているので、変更先を選ぶ際にはじっくり比較することが大切です。
一般的には、対面証券会社よりもネット証券会社のほうが手数料が低い傾向があるため、今よりもコストを抑えたい人は注目してみてください。たとえば楽天証券やSBI証券では、国内株式の売買時に手数料がかかりません。
なお金融機関を選ぶときには、取り扱い金融商品の豊富さやサポート体制など、ほかの要素も合わせて総合的に判断しましょう。手数料だけでなく、重視したい条件も含めて金融機関を選べば、サービス全体の満足度アップにつながるでしょう。
新NISAの口座変更によって、選択できる金融商品が増える場合もあります。金融機関ごとに、NISA対象商品の取り扱い範囲が異なるためです。
新NISAの取引対象は、国内株式・外国株式・投資信託・REITやETFと決められていますが、このうちのどれを取引可能とするかは、各社の判断に任されています。
金融機関には大きく銀行と証券会社の2つがあり、より幅広い選択肢がほしい人には証券会社が向いています。銀行が投資信託中心の扱いであるのに対して、証券会社は株式・投資信託・ETF・REITなど幅広い金融商品から選択できることが多いためです。
ただし、証券会社とひとくちにいっても会社によって取り扱う商品は異なるので、取引したい商品の取り扱いがあるかを事前に調べておきましょう。具体的な商品までイメージできていない人や、現状よりも選択肢を広げたい人は、ラインアップが豊富な金融機関を選択するとよいでしょう。
開設先の金融機関を変更すれば、新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠の運用管理がよりスムーズになるケースも考えられます。運用しやすい環境が整っている金融機関を選ぶことで、効率よく運用できるでしょう。
たとえば、金融商品の注文や株価の確認をするための管理画面が見やすいと、運用状況を手軽に把握できます。アプリの操作性や分析ツールの充実度にも注目すれば、必要な情報を把握しながらよりスムーズな運用ができ、投資額に対する利益の向上にもつながるでしょう。
金融機関の公式サイトでは、新NISA商品の取引に役立つサポートツールが紹介されているので、事前にチェックしてみてください。各会社によって異なるものの、取引ツール・アプリの紹介ページで利用シーンに応じたサービスを確認できます。
たとえばSBI証券では、Vポイント・Pontaポイント・dポイントなどが貯められます。貯まったポイントは、投資信託や国内株式の購入に利用可能です。
そのほか、楽天証券では楽天ポイント、auカブコム証券ではPontaポイント、SMBC日興証券ではdポイントなど、さまざまな金融機関でポイントサービスを活用できます。
新NISA口座の開設先を変更する際には、口座変更できる条件や金融商品の取扱い、ロールオーバーの可否に注意が必要です。詳しくチェックして、希望のタイミングで口座変更ができるのか、開設先を変えて後悔しないかを確かめてみましょう。
変更前のNISA口座で購入した金融商品は、新たなNISA口座に移せません。買付した商品への主な対応方法は、持ち続けるか、売却するかの2つです。
金融機関を変更する際、旧口座の維持・廃止が選べます。維持する場合、買付した保有株や投資信託は、成長投資枠商品・つみたて投資枠商品ともに無期限で非課税のまま運用可能です。旧口座を廃止する場合、商品は課税口座に移ります。
旧口座を維持しても廃止しても売却はできるものの、課税口座に移管・売却して利益が出た場合、税金がかかることに注意が必要です。なお、旧NISA口座では非課税で金融商品を保有できますが、追加の買付は認められないことを覚えておきましょう。
新NISA口座を別の金融機関に切り替える手順は、大きく分けて3つあります。メリットや注意点を知ったうえで口座変更すると決めた人は、詳細をチェックしてスムーズな申請に役立ててみてください。なお本記事では、変更前の口座を維持するケースの手順を解説します。
口座変更の受付期間は、変更を希望する年の前年10月1日から、変更したい年の9月30日までと定められています。
新NISAが始まる2024年から証券会社・口座を変更したい場合は、2023年10月から手続きできます。忘れずに手続きをしましょう。
申請するタイミングが決まったら、利用中の金融機関で新NISA口座を変更するための手続きをしましょう。まずは金融機関に、金融商品取引業者等変更届出書を請求します。届出書の請求方法はweb・電話など金融機関によって異なるので、公式サイトや問い合わせ窓口で確認してみてください。
金融商品取引業者等変更届出書が手元に届いたら必要事項を記入のうえ、本人確認書類を添えて返送しましょう。金融機関で書類が確認できると勘定廃止通知書が届くので、手元に保管してください。金融商品取引業者等変更届出書の提出から勘定廃止通知書を受け取るまでには、1週間程度かかります。
利用中の金融機関で手続きしたあと、新たな開設先で新NISA口座の申請をします。変更したい金融機関の総合口座を持っていない場合は、変更先の手順に沿って新NISA口座と同時、あるいは先に総合口座を開設しましょう。
新NISA口座を開設するためには、変更先から郵送された非課税口座開設届出書とSTEP2で受け取った勘定廃止通知書のほか、本人確認書類、マイナンバーが確認できる書類が必要です。非課税口座開設届出書は、開設したい金融機関の公式サイトなどで請求できます。
上記を準備して金融機関へ送付すれば、あとは新NISA口座の開設を待つのみです。提出書類のチェックは開設先の金融機関だけでなく、税務署でも実施されます。税務署での確認作業には約1~2週間かかるため、逆算しながら変更手続きを進めましょう。
新NISA口座の金融機関を変更する場合は、金融機関の事前チェックも大切です。複数の証券会社・銀行のサービス内容を比較すると、希望条件に合った金融機関選びにつながります。
金融機関を選ぶ際にチェックしておきたいポイントは、商品の数やサポートの手厚さ、投資に必要なコストです。優先順位をつけながら、どんなサービスを使いたいかイメージしてみましょう。
以下の記事では、新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠におすすめの金融機関を紹介しています。より詳しい選び方のポイントもわかるので、新たな開設先を選ぶ際の参考にしてみてください。
NISA口座おすすめTOP5
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