税金がかからず利益を全額受け取ることができるお得な投資制度、NISA。資産形成の一環として口座開設を検討しているものの、いつから始めるのがいいのか分からないと悩む人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、NISAやつみたてNISAを始めるタイミングについて詳しく解説します。NISAを始めるのに適した時期のほか、相場が悪くても始めるべきかについても解説するので、NISAに興味がある人はぜひ最後までチェックしてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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つみたてNISAを始めるタイミングは、できるだけ早いほうが有利です。その理由について、解説します。
つみたてNISAは、ドルコスト平均法を活用し、投資のリスクを抑えながら資産形成できるため、早く始めたほうがよいでしょう。
ドルコスト平均法とは、長期的に毎月一定額を投資することで、購入価格を平準化する投資方法です。つみたてNISAでは、自動的にドルコスト平均法を実践できるため、値動きがあっても損をしにくい仕組みになっています。
投資で利益を得るためのポイントは、安く売って高く売ることですが、20年の運用期間のなかで価格がどのように変動していくかは、予想しにくいのが事実です。予想ができないなかで一括投資をすると、価格変動のリスクを被る可能性も高くなります。
一方、ドルコスト平均法を自然に実践できるつみたてNISAは、運用期間を長くとることで積立金額や利益を増やしつつ、価格変動のリスクを極力抑えることが可能です。
運用期間が長くなるほど複利効果の恩恵を受けやすくなることも、つみたてNISAを早く始めたほうがよい理由です。
複利効果とは、投資で得た利息を再投資することで得られる、利息が利息を生み資産を大きく膨らませる効果のこと。つみたてNISAのように一定額を投資する積立投資では、運用期間が長くなればなるほど得られる複利効果も大きくなります。
つみたてNISAの新規投資が可能な期間は2042年まで。始める時期が遅くなるにつれ運用期間は短くなり、得られる複利効果は少なくなるので注意しましょう。
NISAは2023年で新規投資ができなくなり、2024年からは新制度がスタート。現行NISAと新NISAの違いを比較しつつ、今から始めるべき理由について解説します。
新NISAでは投資できる銘柄の幅が狭くなるため、新制度への移行前に始めたほうがより幅広い商品に投資できます。
新NISA移行後は、現行の一般NISAから高レバレッジ投資信託など安定的な資産形成に不向きな一部商品が除かれます。より大きなリターンが狙えるこのような商品に投資したい場合は、移行前に早めに始めることをおすすめします。
新NISAでは、投資信託以外の上場株式やREITに投資できる枠が減るため、新制度への移行前に一般NISAを始めることをおすすめします。
新NISA制度で上場株式・REIT・ETF・ETNなどに投資できる枠は、年間102万円までです。新NISAは非課税投資枠が2階建てになり、1階部分は年間20万円、2階部分は年間102万円までの投資が可能ですが、1階部分の投資対象は投資信託に限定されています。
現行のNISAは年間120万円分の非課税投資枠があるので、2022年に始めれば2年間で240万円を比較的自由に投資できます。一般的に上場株式やREITは、投資信託と比較するとより多くのリターンを得られる可能性があるため、高い収益性を求める人ほど早めに始めたほうがよいでしょう。
次に、NISAを始めるのに適した時期について詳しく解説します。
つみたてNISAを始めるなら1月がベストです。1月にスタートすれば、自動的に非課税枠を使い切れます。
つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円。一般的な証券会社では、毎月の積立金額の上限は33,333円までと定めていることが多く、それを利用すれば12か月で約40万円となります。
使いきれなかった非課税投資枠は、翌年以降に繰り越せないため、つみたてNISAは計画的に非課税投資枠を使い切れる1月にスタートするのがおすすめです。
年度途中からつみたてNISAを始める場合は、増額設定を活用しましょう。
一般的な証券会社では、毎月の積立金額の上限を33,333円までと定めているため、つみたてNISAを年度途中で始めると非課税投資枠を使い切れない場合があります。特定の月に限り積立金額を増額するボーナス積立などの増額設定を活用すれば、非課税投資枠を残すことなく効率的に使えるでしょう。
つみたてNISAの非課税投資枠は年間40万円までですが、使い切れなかった枠は翌年以降に繰り越せないので気をつけましょう。
一般NISAはスポット購入ができるため、何月に始めても問題ありません。一括で商品を購入できるため、年末に始めても非課税投資枠を最大限に活用することが可能です。
ただし、年内の非課税枠を利用する場合には、購入タイミングに注意する必要があります。非課税枠の利用は受渡日が基準になり、受け渡しが年を跨ぐと翌年の非課税枠を利用することになってしまうので気をつけてください。年末間近に枠を使い切ろうとして購入しても、受渡日によっては年内に間に合わない可能性があります。
商品によって、約定日(買い注文が執行され売買が成立した日)から受け渡し完了までにななる日数は異なるため、タイミングに注意して購入しましょう。
投資に回せる金額が少なくても、余剰資金があるならNISAを始めたほうがよいでしょう。投資は運用期間が長くなるほどリスクを抑えられるうえに、複利効果によってリターンを得やすくなるからです。
NISAは、途中で新規の投資をストップすることや、生活に余裕が出てきたタイミングで増額することも可能。現在の生活やこれからのライフプランに応じて、柔軟に投資額を変更できる点も魅力です。
少なくとも投資した分については運用益が非課税となるメリットがあるため、少額の投資であっても早く始めて恩恵を受けるとよいでしょう。
NISAは、相場の状況が悪いときに始めても問題ありません。相場は常に上げ下げを繰り返しているため、一時的に状況が悪かったとしても、のちに回復するタイミングがあるからです。
一般NISAを利用する場合は、株価が下がっているときに買い、株価が回復したタイミングで売ることで、利益を得られる可能性が高くなります。投資の基本である、安く買い高く売るを実現できるため、買い付けの好機とも捉えられるでしょう。
つみたてNISAの場合は、ドルコスト平均法を活用した投資方法のため、そもそも値動きを気にする必要がありません。長期にわたって一定額を定期的に買い付け続けることで購入価格が平準化されていき、一時的な相場下落の影響が薄まるため、リスクを軽減しつつ資産形成することが可能です。
これからNISA口座を開設するなら、各NISAの対象商品数が多い証券会社がおすすめです。各証券会社が用意している商品には違いがあり、NISA・つみたてNISAの対象商品の数も異なります。
NISA・つみたてNISAにおすすめの証券会社・銘柄や選び方は下記の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
NISA口座おすすめTOP5
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