そこで今回は、つみたてNISAが大学生におすすめな理由をわかりやすく解説します。つみたてNISAを大学生が始める際の条件や、実際に投資をする場合の注意点についても紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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つみたてNISAは職業による制約がないため、大学生でも利用できます。ただし、成人年齢に達していないと利用できない点には注意してください。
成人年齢は、2022年4月に行われた民法の改正により18歳に引き下げられました。つみたてNISAに入るタイミングによって、加入できる年齢の条件が変わります。
また、つみたてNISAの非課税期間は最長で20年ですが、早く積み立てを始めたからといってデメリットはありません。
非課税期間の20年は、つみたてNISAを始めた時点からカウントするわけではなく、毎年積み立てた40万円の枠それぞれにつき20年間の非課税期間が付与されます。例えば、2022年に付与された非課税枠は、20年後の2042年まで非課税です。翌年の2023年に付与された非課税枠は、20年後の2043年まで非課税に。
つみたてNISAでの積み立てを早く始めても、非課税枠が減ってしまうわけではありません。むしろつみたてNISAを早く始めた分だけトータルで投資できる金額が増えるため、より大きく資産形成を狙うことが可能です。
つみたてNISAで投資できる銘柄は国が選んだ一定の投資信託なので、投資の初心者でもリスクが低い状態で運用できますが、100%利益が出ると保証されているものではないと理解しておきましょう。
また、つみたてNISAで毎年付与される40万円の非課税枠は、使い切れなかった分を翌年に持ち越して使うことはできません。例えば、今年20万円の積み立てを行うと、上限40万円-20万円=20万円の枠が残りますが、残った20万円は持ち越せず来年の上限は再び40万円になります。
つみたてNISAを大学生が始める際は、つみたてNISA自体のメリットとデメリットをよく考慮してからスタートしましょう。
続いて、大学生には通常の投資よりもつみたてNISAがおすすめな4つの理由を解説します。
つみたてNISAで購入できる金融商品には、一般の投資よりも安全性が高い投資信託が揃っているため、大学生のように投資の初心者でも損するリスクが低く始めやすいといえます。
つみたてNISAの金融商品は、国の定めた基準をクリアした投資信託に限られているのが特徴です。手数料が少なかったり、投資家に還元される分配金が少なかったりするなどの条件を満たし、長期的な積み立てができてリスクを分散できるのがメリット。
つみたてNISAは最長20年間非課税で長期的に運用ができるので、損失のリスクを減らせます。
つみたてNISAは、事前に設定した金額の分だけ金融商品を毎月購入する仕組みです。金融商品が値下がりしたときは多くの数量を買い、反対に値上がりしたときは購入する量を抑えられます。
短期的には損をする取引でも、長期的には価格の変動が平均化され、本来期待できる利益を得やすくなるのがポイントです。
例えば、株式投資で30万円の利益が出た場合は、利益30万円×20.315%=6万945円が税金として引かれてしまいます。最終的には利益30万円-税金6万945円=23万9,055円しか利益が残りません。
つみたてNISAで投資できるのは年間40万円までと決まっているため、大学生のうちから金銭感覚が狂ってしまったり、大きな損失を出したりする危険性がほとんどありません。
つみたてNISAは、少額を長期的に積み立てて、分散投資することでリスクを押さえられる制度です。金融機関によっては、100円からつみたてNISAを始められるところもあるため、大きな損失を防ぎながら資産形成が狙えます。
ほかの方法で大きな金額を投資していると、大損害を被る危険性も。例えば株式投資をしていた場合、自然災害の影響を受けて株価が大暴落してしまい、一夜で大損してしまう場合も考えられます。
お金や株を借りて自己資金以上の投資ができる信用取引を行っていれば、さらに損失が拡大することにもなりかねません。
つみたてNISAでどれだけ利益が出ても、親の扶養から外れる心配はありません。つみたてNISAで得た利益は非課税なので、確定申告の必要がなく、大学生本人の所得金額にも影響がないからです。
大学生が親の扶養家族になっていると親の課税所得が減るので、親自身が納める税金が少なくなるのがメリット。反対に、投資で得た利益の影響で大学生が親の扶養から外れてしまうと、親と大学生本人の税負担が増えてしまいます。
大学生が親の扶養から外れてしまうのは、大学生本人の合計所得金額が年間48万円を越えた場合です。確定申告は、税金を納めるために行う手続きを指します。通常の投資では、得た利益に対して20.315%の税金がかかるため、確定申告を行い納税することが必要です。
一方で、つみたてNISAは専用のNISA口座を使って投資を行うので、そもそも利益が非課税になります。非課税なので確定申告をする必要がなく、合計所得金額にも影響が出ないので、親の扶養から外れる心配もありません。
大学生がつみたてNISAを運用するときに重要な、4つのポイントも確認しておきましょう。
余剰金のすべてをつみたてNISAでの投資に回さず、貯金をしておくことも大切です。余ったお金をすべて投資してしまうと、突発的な出費が発生したときにつみたてNISAで積み立てた分を取り崩すことになる場合も。
貯金がまったくない人は、無理してつみたてNISAを始めるまえに、緊急時に対応できるだけの貯金を用意しておきましょう。自分の生活にかかっている費用を計算し、数か月程度は問題なく生活ができるくらいの貯金があると安心です。
貯金ができたら、月々の家計から余裕を持って投資できる金額を積み立てていきましょう。つみたてNISAで投資できるのは年間40万円までなので、月額の上限は40万円÷12か月=3万3,333円です。
つみたてNISAを行う金融機関によっては、月額の積み立ての上限額が3万3,333円以下のところもあります。設定された枠内で、負担のない金額を積み立てていきましょう。
直近で値下がりした銘柄でも、長期的に保有すれば元本割れのリスクを回避できる可能性が高まります。短期的な値動きも長期的に見ると平均化され、期待していた利益が得やすくなるのがポイントです。
金融庁の調査では、金融商品の保有期間が5年以下だった場合と20年だった場合とで実績を比較すると、5年以下だと元本割れしたケースがあったものの、20年間運用を続けると年率2~6%を達成したケースが多数出ています。
つみたてNISAでは、途中で保有している銘柄を売ってしまうと長期保有で狙える効果が薄れてしまうため、できるだけ一度購入した銘柄は継続して積み立てていきましょう。
つみたてNISAで購入した金融商品が値下がりしたからといって、すぐに売ることもおすすめしません。
つみたてNISAで購入できる金融商品は、国が定めた基準をクリアした一定の投資信託に限られています。安全性は高いものの、投資である以上確実に利益が出るわけではありません。
毎月一定額を積み立てていれば、相場が暴落して保有している金融商品の価値が下がってしまうこともあります。2000年のITバブル崩壊や、2008年のリーマンショックなどが代表例です。
ただし、上記の出来事で暴落した相場は時間の経過とともに回復し、暴落まえの価格を超えて値上がりしています。相場が急激に変動しても焦って売らずに、長期的な視野で積み立てを継続することが大切です。
大学生がつみたてNISAを始めるには、証券会社や銀行などの金融機関で、専用のNISA口座を開設する必要があります。多くの金融機関でNISA口座が作れるため、どこでつみたてNISAをスタートすればいいのか迷ってしまう可能性も。
以下の記事では、つみたてNISAを始める際におすすめの金融機関17選を紹介しています。つみたてNISAを始める金融機関選びの参考にしてみてください。
クレカ積立は、毎月の積立額の支払いをクレジットカードに設定できるサービスです。積立金額に応じてポイント還元を受けられます。基本的にクレカ積立を提供する証券会社では、投資信託の保有残高に対するポイント還元も行っているので、二重でポイントを貯められてお得ですよ。
以下のコンテンツでは、NISAの積立ができるクレジットカードを比較できるので、ぜひチェックしてくださいね。
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