ホルン用マウスピースのおすすめ人気ランキング【2025年】

ホルン用のマウスピースを選ぶ時には、シャンク（ホルン本体へ差し込む細い部分）のタイプをチェックしましょう。シャンクはアメリカンとヨーロピアンの2種類に分けられ、楽器によって適合する種類が異なるので注意してください。合わないタイプを選んでしまうと、うまくはまらなかったり緩かったりと不具合が生じます。

アメリカンシャンクとヨーロピアンシャンクの違いは太さです。アメリカンシャンク適合のホルンは、差し込み口から100ミリのところで直径が5ミリ細くなる5/100と呼ばれるサイズを採用しており、マウスピースもそれに合わせた形状で作られています。同様の測り方で、ヨーロピアンシャンクのサイズは3/100です。

適合するシャンクの種類はメーカーによって異なるので、愛用のホルンがどれに当てはまるかチェックしましょう。アメリカンを採用しているメーカーの方が多く、ヤマハ・ホルトン・C.G.コーンなどが該当します。ヨーロピアンは、アレキサンダーやシュミットなどです。ヤマハなど一部メーカーからは、どちらも使用できるダブルシャンクと呼ばれるタイプのホルンも販売されていますよ。

ホルン用マウスピースの形状には、Uカップ・Vカップ・ダブルカップの3種類があります。出しやすい音など、それぞれの特徴を考慮してチョイスしましょう。Uカップは、内側が丸みを帯びた形状で高音域に強く、柔らかい滑らかな音が出しやすいのが特徴です。音の立ちあがりは緩やかですが、音と音を流れるようにつないで演奏するスラーと呼ばれる奏法などに向いています。

VカップはVの字のようにな構造で、勢いよく息を吹き込んで太く重厚感のある音を出しやすい形状です。Uカップとは反対に、安定した低音域の演奏に向きます。立ちあがりからはっきりとした音を出せるので、鋭いアタックをしたいときにぴったり。その反面、スラーなどの滑らかさを重視した奏法には向きません。

正反対の特徴をもつUカップとVカップですが、両方の特性を併せ持つダブルカップも製造されています。低音から高音までバランスよく音を出せる構造で、全音域をフルに活かす演奏をしたい場合や、広い音域をバランスよく使用する曲におすすめです。

カップの細かな形状によって出しやすい音域が変わるので、ぴったりのものを吟味しましょう。カップ上部の吹き口のことをリムといい、リムの内径が狭いほどニュアンスが豊かな高音域が出しやすく、広いほど迫力ある低音域が出せます。表現力を重視したい吹奏楽などでは狭めを、ジャズなどで重低音を重視するときは広めがおすすめです。

カップの深さにも違いがあるので、それぞれの得意な音をチェックしましょう。浅めのものは明るい高音域向き、深めのものは暗さを感じるものの柔らかい低音域を楽しめます。カップの深さが深くなるほど、音量が大きくなることも押さえておきたいポイントです。

なお、一般的なものとくらべてリムの内径や深さが極端に大きく深いものは、初心者には扱いづらさを感じる可能性があります。大きめのカップは小さめのものに比べて息が分散しやすくなるので、たくさん吹き込まなくてはなりません。まずは中間の大きさを選び、徐々に好みを探ると自分にぴったりのものに巡り会えます。

直接口に当たるリムは、厚みや形状にこだわって選びましょう。リムに厚みがあるものは唇をしっかりと当てられるため長時間の演奏に向き、薄めのものは細やかなコントロールが可能です。また、厚みのあるリムは高音域が出しやすく、薄めのリムは低高さまざまな音域が吹けることにも注目しましょう。

唇に当たる面（リムカンター）は、丸みを帯びた形状と平らな形状の2種類に分けられます。丸いリムカンターは曲面であるため唇に当たる面積が狭く、薄めのリムと同様にコントロールしやすいことが利点です。平らなリムカンターは、唇に密着させやすいため長く吹いても疲れにくいメリットがあります。

初心者は極端に厚いものや薄いものを避け、中間の厚さのものからはじめるのがおすすめです。ただし、吹きごこちは使用しないとわからないので、可能な場合は試奏ができる楽器店などで唇に触れた感覚がしっくりくるものを選びましょう。ネットで購入する際は、口コミなどを参考にするとよいでしょう。

マウスピースを選ぶ際には内部の構造にも注目しましょう。カップに吹き込まれた息が通るパイプ部分のパーツとして、スロート・バックボアがあります。見えない部分でありながら重要な役割を担っており、吹いたときの抵抗や音が変化するので慎重に選びましょう。

喉という意味を持つスロートはカップからパイプへと切り替わる入り口にあたり、キュッとくびれたような形状をしています。スロートが細く長いものは明るく立ちあがりの早い音を、スロートが太く短いものは大きく重厚感のある音を楽しめます。スロートが細くなるほど吹いたときの抵抗を感じることも留意しておきましょう。

バックボアはホルンの差し込み口につながり、息を送り込むパイプの役割を果たすパーツです。バックボアもスロートと同様に狭くなるほど抵抗が強まります。バックボアが狭いものは、はっきりとした音を作りやすく高音域のクリアな音が出るのが特徴。広いものは息がスムーズに流れやすくなるので、低音域の力強い音を吹きたい人におすすめです。