度重なる地震に備えて、内閣府や消防庁が連携して普及を推奨している感震ブレーカー。家庭やオフィスの安全を守るため、適切な感震ブレーカーを選び、設置することが求められます。しかし、製品タイプや搭載されている機能はさまざまなので、どれを選べばいいか判断に迷ってしまうこともあるでしょう。
防犯・防災の総合危機管理専門家として活動しており、護身術や防災グッズなど防災・防犯対策や危機管理業務について、企業・自治体・大学向けに実技指導・講演会・セミナー・監修を行うほか、TVや雑誌などメディアにも出演。43歳で硬式空手のチャンピオンとなっており、引退後に危機管理のアドバイス活動を開始。防犯・防災対策を実技と知識両方で広めるべく、活動している。
地震時に感震ブレーカーが必要な理由は、通電による火災を自動で防ぐ手段であるためです。火災は地震の揺れそのものよりも深刻な二次被害をもたらすことがあるので、火災対策をするなら感震ブレーカーの設置を検討しましょう。
大きな地震が発生すると、倒れた電気ストーブや断線した配線が、通電状態のまま発火するケースも。「通電火災」と呼ばれる現象で、阪神淡路大震災では火災死の約6割が通電火災に起因しており、東日本大震災でも同様の被害が確認されています(参照:内閣府)。火災が発生すれば、避難経路が塞がれてしまい危険です。
感震ブレーカーは、揺れを感知すると自動で電気を遮断するため、人がいなくても火災の引き金を断つことが可能。とくに高齢者や小さな子どもがいる家庭では、ほかの防災対策と比べて導入コストを抑えながらより安全性の高い選択肢といえますよ。
感震ブレーカーを選ぶ際に必ずチェックしておきたい「5つのポイント」をご紹介します。
感震ブレーカーは、分電盤タイプ・コンセントタイプ・簡易タイプの3種類に分かれます。設置環境や目的によって選ぶべきタイプが異なるので、自分にぴったり合ったものを選びましょう。
住宅全体をカバーしたい人には、分電盤タイプの感震ブレーカーがおすすめです。地震時にセンサーが揺れを検知し自動で全回路の電源を遮断できるため、通電火災のリスクを根本から断つことが可能。とくに戸建て住宅で高い安心感を得られるでしょう。
分電盤タイプは、分電盤に直接組み込まれた「内蔵型」と、既存の分電盤に後付けで設置する「後付け型」に分かれます。新築やリフォーム時に導入したいなら内蔵型、現在使っている分電盤を活用するなら後付け型がおすすめです。いずれも、電気工事士による設置工事が必要となる点には注意しましょう。
内蔵型の価格は分電盤の交換費込みで10万円前後、後付け型は約2〜5万円が相場です。初期費用の高さや設置工事のハードルがある点はデメリットといえますが、安全性を最優先したい人はぜひ注目してください。
家を建てる際に取り付けると、いざというときに「冷蔵庫は電源をつけておきたい」「クーラーをつけておきたい」といった融通が効くのがメリット。また、最近では時間経過で電源が落ちる遅延型のタイプが主流になりつつあり、停電前に人がそろっているか点検できますよ。
感震保護を特定の部屋や機器ごとに行いたい人には、コンセントタイプが適しています。リビングの暖房機器やキッチンの家電など、火災リスクの高い場所をピンポイントで対策をしたい場合に便利で、住宅の構造や使い方に応じて柔軟に導入できる点が魅力。
対象コンセントの通電を感震センサーが制御し、地震時に自動で遮断する仕組みです。既存のコンセントにそのまま挿して使いたいなら差し込み型、壁面に設置しすっきりとさせたいなら埋め込み型をチェックしてください。ただし、埋め込み型は一部電気工事が必要な製品もあるため注意が必要です。
価格は差し込み型で3,000〜8,000円程度、埋め込み型で1万円前後が目安。いずれもコストの低さが魅力ですが、家全体をカバーする機能はないため、住宅全体の通電火災を防ぎたい人には不向きであることも。補助的な位置づけとして、分電盤タイプとの併用することも検討してみてくださいね。
工事ができない賃貸住宅に住んでいる人や、感震ブレーカーをはじめて導入する人には、簡易タイプ(プラグ式)がぴったりです。電気工事や専門的な知識が不要で、地震対策をすぐに始められるのが魅力です。
感震センサーが内蔵されたタップやアダプターをコンセントに差し込むだけで、揺れを感知するとそのコンセントへの通電を自動的に遮断します。設置は非常に簡単で、引っ越しが多い人や工事ができない賃貸住宅でも利用しやすいでしょう。
価格帯は2,000〜5,000円程度と非常に導入しやすいのも魅力。一方、遮断範囲は差し込んだ1機器のみに限定されるため、通電火災の根本的な防止にはつながりません。あくまで最低限の備えとして捉え、将来的により広範囲をカバーするタイプへの移行を検討するのが現実的といえます。
誤作動を防ぎたい人は、感知する精度が高くかつ感度調整機能が搭載された感震ブレーカーがおすすめです。普段の生活で発生する揺れによる誤作動を抑えることで、不用意な電気の遮断を避けられます。
なかには、メーカー独自の技術により、ドアの開閉や大型車の通過などによる反応を抑えられる商品も。また、感知する揺れを震度5強・震度6弱などから設定できれば、地域の地盤特性や住宅の構造に応じた対策もできますよ。
また、一定時間の揺れが続いた場合にのみ遮断する機能が搭載されたものや、遮断範囲を限定して制御できる高機能モデルもあります。安全面だけでなく、日常のストレスや不安を減らすという点にも注目してみてくださいね。
復旧のしやすさを重視するなら、停電後の復旧作業が簡単でわかりやすい感震ブレーカーを選びましょう。いざというときに家族全員が迷わず操作できれば、災害後の混乱を最小限に抑えることにつながります。
とくに操作盤の文字が大きく、ブレーカーのスイッチが色分けされているものがおすすめ。なかには、操作手順が操作盤に細かく記載されており、感知する震度や状況を都度説明書で確認する手間を省ける商品もありますよ。
長く使いたい人は、定期点検や部品交換がしやすい感震ブレーカーを要チェック。防災機器は設置して終わるのではなく、メンテナンスのしやすさまで含めて検討することが重要です。
感震ブレーカーは基本的に長期使用を前提としていますが、年数が経つとセンサーの感度が変化したり、電池式の場合は電源が切れて機能しなくなったりするリスクも。メーカーによっては、点検方法の動画提供やサポート窓口での相談受付など、ユーザー支援が充実しているところもあるため、ぜひ注目してください。
また、電池交換が工具なしでできたり、センサーの異常がランプ表示で分かったりする機能があると、専門知識がなくても安心です。設置後の維持管理まで見据えて、長く安全に使用できるものを選んでくださいね。
安全性を最優先するなら、JIS規格やPSEマークなどの認証を取得している感震ブレーカーに注目してください。製品の信頼性と法令順守を裏付ける明確な基準といえます。
JIS(日本産業規格)は国に登録された機関から認証を受けた製品だけが取得可能(参照:日本産業標準調査会)。PSEマークは電気用品安全法に適合していることを示し、日本国内で販売される電気製品には原則として表示が義務付けられています(参照:日本品質保証機構)。
認証の有無は、製品本体・取扱説明書・パッケージなどに明記されています。また、自治体によっては、JIS規格やPSE認証を満たした製品を対象とした補助金制度を設けているところありますよ。
助成金により、木造建築である場合や一部の対象地域には無料で配られることもあるので、購入前にぜひ確認してみてくださいね。
商品 | 画像 | 最安価格 | ポイント | 詳細情報 | |||||||||
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種類 | 幅 | 奥行 | 高さ | 警報機能 | テスト機能 | リセット機能 | 電気工事不要 | 即時遮断設定可能 | |||||
1 | 大和電器 感震ブレーカー 震太郎|X5029 | ![]() | コンセントに差し込むだけの簡単設置 | コンセントタイプ | 62mm | 32mm | 90mm | ||||||
2 | エヌ・アイ・ピー スイッチ断ボールIII | ![]() | シンプル設計で通電遮断。通電火災を予防できる | 簡易タイプ | 不明 | 不明 | 不明 | ||||||
3 | パナソニック コンパクト21専用感震ブレーカー|BQX702 | ![]() | 揺れ感知から設定時間の経過をもって自動でブレーカを遮断 | 分電盤タイプ後付け型 | 15.8mm | 38mm | 88mm | ||||||
4 | 寺田電機製作所 まもれーる・感震くん|RDJ10000W | ![]() | どんな揺れにも対応!ブレーカーの種類を選ばず設置可能 | コンセントタイプ | 66mm | 55mm | 145mm | 不明 | |||||
5 | 多摩岡産業 通電火災防止感電ブレーカー 一発遮断 | ![]() | 電気工事なしで設置可能!主幹漏電ブレーカーを落として一発遮断 | コンセントタイプ | 56mm | 36mm | 74mm | 不明 | 不明 | ||||
6 | リンテック21 感震ブレーカーアダプターYAMORI|GV-SB1 | ![]() | 地震の揺れを感じると瞬時にブレーカーをOFF できる | 簡易タイプ | 66mm | 55mm | 145mm | ||||||
7 | 生方製作所 Pioma|ピオマ 感震ブレーカー | ![]() | ブレーカー遮断のタイミングを選べる!ライト点灯機能付き | 簡易タイプ | 62mm | 47mm | 87mm |
感震ブレーカーは基本的に分電盤に1台設置すれば全体の通電を遮断できるため、戸建住宅でも集合住宅でも1台の設置が基本です。コンセントタイプやプラグ式の簡易タイプもありますが、遮断範囲を考えると分電盤一体型の内蔵タイプが最も信頼性の高い選択肢といえるでしょう。
ただし、2階建て以上の住宅や延床面積が広い家の場合、1台の遮断では対応しきれないリスクも。このようなケースでは、サブ分電盤や個別回路に対応する補助的な感震ブレーカーを併用することで、より安全性を高められます。
ペット・子ども・高齢者がいる家庭では、地震発生時にブレーカーを落とすことが本当に適切かどうか、事前に確認することが重要です。とくに夏場に地震でブレーカーが作動すると、復旧まで時間がかかるとエアコンが停止し、熱中症など深刻なリスクを引き起こすおそれもあります。
安全確保のためにブレーカーを落とすことが推奨される一方、完全に電力が止まることによるデメリットもあるので、各家庭の状況に合わせて事前に判断することが大切です。
電気が遮断されたあとは、揺れが収まり建物の安全を確認したうえで、設置場所に行ってスイッチを戻す必要があります。とくに分電盤に設置している場合、場所が分かりづらかったり高所にあったりすることもあるため、家族全員で分電盤の位置と操作手順を共有しておくことが重要です。
地震直後は冷静な判断が難しくなるため、日頃から感震ブレーカーの復旧手順を確認し、防災訓練の一環として実際に操作しておくとよいでしょう。また、操作に不安がある人は、取扱説明書を確認したり、設置業者に相談したりしておくのがおすすめです。
感震ブレーカーは強い揺れを感知して動作する設計ですが、まれに大型トラックの通過や重機の振動などで誤作動するケースがあります。復旧操作を行えば再通電が可能ですが、機種ごとに復旧方法が異なるため注意が必要です。設置時にマニュアルを確認し、分電盤の近くに復旧手順を記載したメモを貼っておくとよいでしょう。
誤作動を防ぐには、設置場所の見直しや、機器の緩みがないか定期的に点検することをおすすめします。また、経年劣化によって感知精度が変化することもあるため、定期的なメンテナンスや専門業者による点検も検討してみてください。
古い分電盤に後付けタイプを設置した際、火災が起こった事例もあります。設置前に、分電盤の状態もあわせて確認しましょう。
1位: 大和電器|感震ブレーカー 震太郎|X5029
2位: エヌ・アイ・ピー|スイッチ断ボールIII
3位: パナソニック|コンパクト21専用感震ブレーカー|BQX702
4位: 寺田電機製作所|まもれーる・感震くん|RDJ10000W
5位: 多摩岡産業|通電火災防止感電ブレーカー 一発遮断
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