中長期的な視点で資産を増やすための投資。将来を見据えて投資にチャレンジしたいと思っているものの、そもそも投資がどんなものなのか知らない、投資の始め方がわからないなど、多くの疑問を抱えて一歩踏み出せずにいる人も少なくないでしょう。
本記事では、大学生が投資を始めるために必要な4つのステップを解説します。投資の種類やメリット、注意点なども20代の投資初心者向けにわかりやすく解説するので、本記事を読み終わるころには、投資に必要な基礎知識が身についているはずです。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
まずは、投資初心者の大学生でもできる代表的な投資の種類を確認しましょう。
株式投資は、企業が発行する株式を購入し、値上がり後に売却することで差額を得るもの。株式によっては、保有しているだけで配当金や株主優待を受け取れることもあります。
投資先の企業が順調に成長すれば、大きな利益を得ることも可能。経済の流れや最新の動向を学べるのも、株式投資の魅力です。元本保証がないため資産が減ってしまう可能性はあるものの、投資方法次第でリスクを抑えながら資産運用ができます。
投資信託とは、投資家から集めたお金で資産運用会社が株取引などを行い、投資額に応じて運用益が分配される金融商品のこと。
手数料が必要ですが、プロに運用を委ねることができるので、投資初心者でも安心して資産形成をはじめられます。国内外の株式や債権など複数の投資先で構成されているので、リスク分散が自動的に行われるのも投資信託の特徴といえるでしょう。
投資信託では、損失が生じることももちろんあります。リスクの程度は銘柄によって異なりますが、長期間運用することで損失のリスクを抑えることは可能です。
国債は国が、社債は企業が資金調達のために発行する債券のこと。保有し続ける限り、基本的には預金よりも高い利率で利息を受け取ることが可能です。
債券は、金融商品のなかでも比較的安全性が高いといわれています。償還日には、額面どおりの金額が返ってくるので、企業が倒産するような事態にならない限りは元本が保証されます。
ETFは、特定の指数との連動を目指す上場投資信託のことをいいます。株式などと同様に、金融商品取引所でリアルタイムに取引できるのがETFの特徴です。
ETFは投資信託の1種なので、プロの手によって市場全体への分散投資が行われます。知識のない初心者でもリスクを抑えた投資を気軽にはじめられるのが、ETFの大きなメリットといえるでしょう。
REITは、投資家から集めたお金で不動産投資会社が不動産に投資し、家賃収入や売却益を出資額に応じて分配する投資信託のこと。正式には、不動産投資信託といいます。
資金の一部を出資するだけでいいので、通常まとまった資金が必要になる不動産投資を少額からはじめることが可能です。REITは投資信託と同じ仕組みなので、専門家に運用を任せられるのもメリットといえます。
次に、 投資初心者の大学生におすすめの便利なサービスを紹介します。
投資アプリは、スマートフォンのアプリを使って株式やFX、仮想通貨などの投資ができるサービスです。少額から投資をはじめられるアプリもたくさんあるので、資金の少ない大学生にもおすすめ。
AIやロボアドバイザーが搭載された投資アプリであれば、利用者の投資スタイルに適した運用方法を提案してくれます。理想的な投資先を自動で選定してくれるほか、アプリによっては資産のバランスが崩れないように調整する機能もあるので、投資の知識がなくても安心して投資にチャレンジできるでしょう。
口座を開設する金融機関によっては、ポイントで投資を行うことも可能です。普段の買い物や金融商品の取引などで貯めたポイントが利用できるので、元手になる資金がなくても投資をスタートできるのがメリットといえます。
ポイントだけで投資ができるため、現金を失う心配がない点も魅力の1つ。お試しで株式や投資信託などを購入してみたい人には、とくにおすすめです。
ここからは、大学生が投資をするメリットについて解説します。
投資をはじめると、お金や経済の仕組みを知ることができます。投資先によっては、日本だけでなく海外の市況や政策に関する情報にも詳しくなれるでしょう。
投資で身につけた金融知識は、将来設計にも役立てることが可能です。お金は生きていくうえで欠かせないものなので、社会に出て自立する前に投資で運用方法などを学んでおくのがおすすめです。
労働以外の方法でお金が手に入る貴重な経験を積めるのも、大学生が投資をするメリットといえるでしょう。
大学生は時給制のアルバイトで働くことが多いので、得られる収入にも限りがあります。投資であれば、時間をかけずに収益を生み出すことができるので、勉強や遊びなど自分の時間を確保することも可能です。
もちろん投資は必ず利益が出るものではないので、生活に支障が生じない余剰金で少額からはじめるようにしましょう。
投資で得た知識や経験は、就職活動に活かすことも可能です。とくに株式投資では、企業が展開しているサービスや業績、強みなどをリサーチする力が自然と身につきます。
就職活動の際には企業研究を行いますが、企業のサイトや就活サイトなどを閲覧するだけにとどまる人がほとんどです。投資で培ったノウハウで情報収集できることは、採用試験や面接などで有利に働く可能性が高いといえます。
長期間の投資ができるのも、大学生が投資をするメリットといえるでしょう。60歳以降の老後資金を貯めることを考えても、20歳前半の大学生であれば40年近くの時間を投資にあてることが可能です。
投資では、投資期間が長くなるほど収益が安定するといわれています。長期運用では、たとえ価格が暴落した場合でも再び値上がりするタイミングをじっくりと待てるので、一時的な価格変動に左右されない、リスクを抑えた資産運用ができることを覚えておきましょう。
投資の利益が年間20万円を超えた場合は、確定申告が必要です。確定申告とは、1年間で生じた所得を税務署に申告し、納税する手続きのこと。損失が出ている場合を含めて、利益が年間20万円以下であれば確定申告は不要です。
証券口座を開設する際に、源泉徴収ありの特定口座を選択していれば、証券会社が代わりに確定申告をしてくれるのでおすすめ。源泉徴収なしの特定口座や一般口座を選択すると、確定申告に必要な手続きを自分で行う必要があるので注意しておきましょう。
アルバイト収入や投資の利益が合計で年間103万円以上あると、親の扶養から外れてしまいます。扶養から外れると親が所得控除を受けられなくなり、税金の負担が大きくなることを覚えておきましょう。
学生には特別な税制優遇があるので、年収が130万円以下であれば稼いだ本人に課税されることはありません。
他人から「絶対に儲かるからお金を預けてほしい」などと勧誘された場合、安易に信用しないことが大切です。近年は、お金の知識に乏しい大学生を狙ったマルチ商法や詐欺なども増えているので注意しておきましょう。
投資をはじめる際には、自分の力で理解できる投資方法やインターネットなどで信頼できる専門家が解説している投資方法を実践することをおすすめします。
投資で資産が変動するのは当然のことなので、一時的に多くの収益が発生したり、元本割れが生じたときでも、一喜一憂しすぎないようにしましょう。なぜ儲けることができたのか、なぜ損失を出してしまったのかを冷静に分析することが大切です。
感情に左右されて売買を繰り返すのではなく、長期的な運用を基本にして、着実に利益を積み上げていくことを心がけましょう。
株式投資では、購入時よりも価格が上昇した株式を売却することで利益を出しますが、株価は上がるだけではなく下落することもあります。
比較的価格が安定している大手企業の株式でさえ1日で急落するケースもあるので、投資では損をする可能性があることを理解しておきましょう。
株価が下落したときは、すぐに売却するのではなく、保有し続けることも選択肢にいれることが大切です。株価が下落すると、損失が膨らむのを防ぐために売却を考えてしまいますが、下落直後にもとの価格まで戻ってくることも珍しくありません。
投資先企業の倒産や上場廃止などによって、保有する株式の価値がなくなってしまう可能性もゼロではありません。全国の倒産件数は2021年で5,916件にのぼり、大手企業でも倒産する場合があることを理解しておきましょう。
倒産のリスクが低い企業を見極めるためには、企業研究を行うことはもちろん、企業を取り巻く環境や市場全体の動向にも注意しておく必要があります。
株式の売買は、売り手と買い手の両方がいなければ成り立たないものです。株式を売ろうとしても、買い手が見つからなければ希望する売値よりも低い価格を設定したり、売れないまま保有し続けたりしなければならない可能性もあります。
株式を購入する際には、買い手をすぐに見つけられる銘柄を選ぶことが重要です。価格だけでなく取引量にも注目し、売買が盛んに行われているかをチェックするようにしましょう。
まずは、投資に使える資金を準備しましょう。
投資信託の積立投資であれば月々100円からでもはじめられるので、投資のためにまとまった金額を準備する必要はありません。少額だと得られるリターンも小さくなるため、ある程度のリターンを狙いたい人は数万円程度を準備しておくとよいでしょう。
投資は余剰資金で行うのが原則です。投資用の資金を捻出するために、生活費を削るのは控えるようにしましょう。
金融商品の取引を行うためには、証券口座を開設しなければなりません。証券会社によってサービス内容が異なるので、手数料や取引ツールなどをしっかりと比較検討することが大切です。
未成年の大学生は、未成年口座の開設に対応した証券会社を選びましょう。口座開設を申し込む際には、親権者の同意書類や続柄がわかる書類などの提出が必要です。書類の準備には時間を要することもあるので、口座開設に必要な書類は事前に確認しておくことをおすすめします。
証券口座を開設したあとは、銀行口座から資金を移動させる必要があります。投資で利用する証券口座は、預金などに利用する銀行口座とは役割が異なることを覚えておきましょう。
証券会社によっては、自動入金を設定できたり、提携しているネットバンキングから即時入金できたり、便利なサービスが提供されている場合があります。ATMや銀行振込よりも手軽に入金できるので、積極的に活用するのがおすすめです。
証券口座への入金が完了すれば、投資する金融商品を決めて取引をはじめましょう。株式投資などは売買のタイミングが重要なので、経済状況や市場の流れなどを参考にしながらタイミングを見極める必要があります。
大きな社会問題が生じたときや、一時的に価格が大きく動いているときなどにはとくに注意しておきましょう。取引できる金融商品も多岐にわたるため、自分の投資スタイルに適したものを選ぶことが大切です。
投資経験のない大学生には、取引手数料が安いネット証券がおすすめ。楽天証券やSBI証券などネット証券の数は多いので、どこで口座を開設すべきか迷ったときは、以下の記事をチェックしてみてください。ネット証券25社のサービス内容を比較検証しているので、口座開設の際に役立てられるはずです。
お得に投資をしたいなら、新NISAの活用を検討してみてください。
通常であれば、投資の利益には20.315%の税金が課せられますが、NISA口座で得た利益はすべて非課税になります。たとえば、10万円の利益が出た場合、約2万円の税金が差し引かれるため手元に残るのは8万円だけですが、新NISA口座であれば10万円をそのまま受け取ることが可能です。
新NISAは主に、成長投資枠とつみたて投資枠に分類されます。成長投資枠は、株式や投資信託などを年間240万円まで購入でき、運用益が無期限で非課税になる制度です。まとまった資金で投資をしたい人や、自由に投資先を選びたい人に適しているといえるでしょう。
つみたてNISAの場合は、購入できるのは投資信託のみで、年間投資可能額も120万円と低めの設定ですが、成長投資枠と同じく無期限の非課税期間があります。長期運用によって、少額から着実に資産を増やしていきたい人におすすめです。
本やSNSは投資関連の情報が豊富にあるので、情報収集に適しているといえます。今では良質な情報を無料で手に入れることもできるほか、SNSならスマートフォン1つで手軽に勉強することが可能です。
本やSNSのなかには、信ぴょう性に欠ける情報が含まれている可能性も否定できません。発信者の経歴や実績を確認したうえで参考にすることを心がけましょう。
本やSNSで投資の知識を身につけることも大切ですが、少額からでもまず実践してみるのが一番早い勉強方法といえるでしょう。100円から積立できる投資信託や1株から購入できる株式投資などであれば、資金が少ない人や投資初心者でも手軽に投資をはじめられます。
利用する金融機関によっては、クレジットカードのポイントで投資することも可能です。現金を失うリスクを負わずに、投資の実戦経験をつみたい人は利用してみてください。
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