運用益非課税のメリットを生かして、小額からコツコツ積立投資できる新NISA。定年が視野に入ってきた50代の中には、気になりながらも、今から始めてもメリットがあるのか疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、つみたて投資枠は50代からでも始めるべきかについて解説します。50代にもつみたて投資枠をおすすめする理由や、iDeCoや成長投資枠を利用したほうがいいのかについても解説するので、老後資金の準備を始める際にぜひチェックしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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つみたて投資枠を始めるのは、50代からでも決して遅くありません。その理由について解説します。
50代からでもつみたて投資枠を始めたほうがよい1つ目の理由は、インフレ対策ができること。つみたて投資枠の投資対象である投資信託は、物価上昇につれて資産価値が高くなる傾向にあり、インフレ対策として有効な手段です。
日本円の預金を続けているだけでは、数年後の物価上昇に伴って資産の価値が減少する可能性がありますが、資産運用をすることでインフレによる影響を最小限に抑えられます。
公的年金にも、物価の変動に応じて年金額を改定する物価スライド方式が導入されていますが、年金支給額の上昇率は物価の上昇率よりも小さく設定されています。老後の生活の柱となる公的年金だけでは、インフレのリスクを完全にカバーすることは難しいでしょう。
50代は投資に回せる資金を確保しやすく、資産を増やせる可能性がある年代。子育てがひと段落して支出が落ち着き、退職までは比較的貯蓄がしやすい時期だといえます。その意味では、つみたて投資枠の始めどきだと考えてもよいでしょう。
預金や公的年金のみでは老後資金として不十分だと感じている人も、つみたて投資枠で対策をするのはよい方法です。つみたてNISAは年齢による積立期間の制限がなく、 50代から始めても無期限の投資が可能。積極的に収入を投資に回して長期的に運用を続けていけば、元本の増額と複利効果によって、資産を大きく増やせる可能性があるでしょう。
運用益が非課税というメリットもあるので、預金で備えるだけではなく、つみたて投資枠の運用によって節税しながらお金を増やすといった選択をする意味は十分にあるでしょう。
つみたて投資枠は、50代から投資を始める人にとっても利用しやすい制度です。具体的に、詳しく解説します。
積立投資で商品を分割購入するつみたて投資枠は自動的に分散投資ができ、多くの資金を一括投資して損をするといった50代にありがちな失敗を防げます。
分散投資とは、商品の購入タイミングや投資対象を複数に分散させることにより、リスクを最小限に抑える手法のこと。商品を売買するタイミングや、どの銘柄に投資すべきかなどを難しく考える必要がないため、投資初心者でも安定した運用実績が期待できます。
つみたて投資枠の投資対象は、長期・積立・分散投資に適した投資信託やETFのみに絞り込まれているのが特徴。さまざまな地域や資産に投資できる商品で構成されているため、あらかじめ商品のリスクが分散されています。はじめに積立設定をしておけば、毎月、自動で商品を購入する仕組みになっているため、時間分散も効かせた投資が可能です。
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁の厳しい基準を満たす銘柄に限定されており、投資経験のない50代でも利用しやすい制度になっています。
金融庁が認定した銘柄は、信託報酬や販売手数料に一定水準以下の基準があるため、低いコストでリスクを抑えつつ運用できるでしょう。
投資対象として指定できる銘柄はあらかじめ200本程度に絞られているので、銘柄選びにも手間がかからず、投資初心者でも運用しやすいのが魅力。対象商品は金融庁の「つみたて投資枠対象商品届出一覧」で確認できます。
つみたて投資枠とよく比較される制度にiDeCoがあります。それぞれ異なる特徴を持つため、比較したうえで自分に合う手段を選ぶことが大切。それぞれの制度が持つメリットについて確認していきましょう。
より大きな節税効果を求める人は、iDeCoを選んだほうがよいでしょう。
つみたて投資枠と同様に運用益が非課税になるだけでなく、iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されます。
さらに、60歳以降にiDeCoの給付金を受け取る際にも、退職所得控除や公的年金等控除が適用されるので、節税効果を考慮すれば、iDeCoの実質的なリターンは高いものになる可能性があるでしょう。
必要なときにお金を受け取れることを重視するなら、つみたて投資枠での運用をおすすめします。
つみたて投資枠では資金の引き出しが自由なため、急にお金が必要になったときには運用資産を活用できます。この点は、原則として60歳まで引き出しができないiDeCoとの大きな違いです。
また、iDeCoで給付金を受け取るには10年間の加入期間が必要で、60歳時点での加入期間が10年未満の場合は、受給開始年齢が段階的に繰り下げられていく仕組みになっています。50代で始める場合は、この点をよく考えた方がよいでしょう。
資金に余裕がある場合は、つみたて投資枠とiDeCoの併用も選択肢のひとつです。併用することで、拠出できる金額の上限が大きくなるため、メリットは大きいでしょう。
また、併用すれば、つみたてNISAで自由に引き出せるお金を用意しつつ、iDeCoで老後に向けた資金を着実に貯蓄するといった準備の仕方もできます。2つの制度を併用することで、急に資金が必要になったときにも、柔軟に対応しやすくなるでしょう。
つみたて投資枠の非課税投資枠は年間120万円で、無期限で運用できます。iDeCoの拠出上限は、職業や企業年金の有無によって異なるため、iDeCo公式サイトで確認してください。
成長投資枠はややリスクが高く、50代の投資初心者にはおすすめできない制度といえます。成長投資枠は投資対象が幅広い分、リスクや手数料が高い商品を購入してしまい、損失が生じてしまう可能性があるためです。
50代からの資産運用は、リスクを抑えて安定した商品や手段を取り入れることを意識すると、失敗を防ぎやすいでしょう。
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