2018年にスタートしたつみたてNISA。2024年からは新NISAが開始するため、つみたてNISAとして新規で投資できるのは2023年までとなりました。とはいえ、つみたてNISAは20年と、長きにわたり非課税口座の中で運用ができるため、既に利用している方は、20年後にどうしたらよいのか、迷うこともあるでしょう。
本コンテンツでは、つみたてNISAの非課税期間が終了したあとの運用方法を詳しく解説します。つみたてNISAが暴落する可能性や、元本割れのリスクを抑えるための方法もあわせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
K&Bプランニング代表。保険会社の勤務経験を活かし2012年よりファイナンシャルプランナーとして活動を開始。Webや書籍などで記事執筆、セミナー講師、家計相談などを行う。得意分野は初心者向けの資産運用、保険の見直し、貯蓄。著書に「本物の節約・残念な節約」(河出書房新社)
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
積立NISA口座おすすめTOP5
つみたてNISAは、最大20年間非課税で投資信託を運用できる制度です。少額からの長期・積立・分散投資を支援するため、2018年にスタートしました。
対象商品を購入することを条件に、分配金や譲渡益が最大20年非課税になります。投資額の上限は毎年40万円、20年間で最大800万円の積み立てが可能です。
なお、2024年から新しいNISA制度が開始するため、つみたてNISAとして新規で投資できる期間は2023年末までである点には気をつけてください。新たな積み立てはできませんが、2023年末までに購入した商品は、2042年まで非課税枠で運用できます。
新制度にはつみたて投資枠と成長投資枠があり、いずれか、あるいは併用する形で積み立てが可能。つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円までと非課税枠も拡大します。成長投資枠では、スポットと積み立ての両方で商品を購入できるため、希望する積み立て額に合わせて上手に運用しましょう。
なお、2023年までのつみたてNISAで積み立てた商品は2024年以降も保持できますが、新しいNISAの非課税枠には含まれないので注意してください。積み立てを継続したい人は、新しいNISAの枠で行いましょう。
つみたてNISAを20年続けたあとは、課税口座で再度運用を行うなどの方法があります。以下では、非課税期間が終わったあとの対処法をチェックしましょう。
つみたてNISAの非課税期間が終わったあとは、資産を課税口座に移して引き続き運用を行うことができます。非課税期間が終わった投資商品は、課税口座へ自動的に移管される仕組みです。
課税口座で再投資を行う際は、非課税期間中の運用益を含めた金額が購入金額になります。非課税期間中に発生した利益に課税されることはないため、つみたてNISAの運用時に資産が増えていた場合はお得だといえるでしょう。
ただし、課税口座への移管後に利益が発生すると課税対象になる点には注意が必要です。非課税期間が終わった時点の価格が基準になるので、元本割れが発生したあとに資産を移した人は売却のタイミングを慎重に見極めましょう。
つみたてNISAで運用している投資商品を売却し、現金化する方法もあります。課税口座へ移管する前であれば課税対象にならないため、資金を確保したい人は検討してみましょう。
2023年までのつみたてNISAには非課税期間が20年という制限はありますが、売りたいときにいつでも売却可能です。保有商品の価格が上がり、売り時だと判断できたときに現金化するとよいでしょう。
ただし、つみたてNISAは長く保有するほど高いリターンが見込みやすくなるため、長期で運用することをおすすめします。高値で売るタイミングを逃さないように値動きを見極めながら、余裕をもって運用を行いましょう。
運用利回り3%で、月1万円・2万円・3万円それぞれを積み立てると仮定します。月1万円を20年間積み立てる場合の投資元本は240万なのに対し、運用益を含めた総資産額は328.3万円。同様に月2万円ずつ積み立てると総資産額は656.6万円、3万円ずつ積み立てると984.9万円になり、効率的に資産を増やせることがわかります。
金融庁の資産運用シミュレーションを使うと、積立投資の試算を行えます。また、多くの金融機関の公式サイトでは、投資したい商品ごとに積み立てのシミュレーションが可能です。気になる銘柄がある人や、満期まで運用した場合の成果をあらかじめイメージしておきたい人はぜひ活用しましょう。
つみたてNISAが20年後に暴落するリスクはゼロではありません。投資商品の価値は国内外の経済状況などさまざまな影響を受けて変動するため、元本割れに注意しながら運用を行いましょう。
非課税期間が終わる頃に市場が暴落し、投資額に対して元本割れを起こすケースもあるといえます。金融商品の価値が変動するタイミングはあらかじめ決まっているわけではないので、満期まで運用していれば必ずリターンを得られるわけではない点に注意が必要です。
つみたてNISAは少額長期投資を前提とし、銘柄も厳選されているため元本割れのリスクは比較的低いといわれていますが、投資である以上確実ではありません。その点は、理解したうえで投資を行いましょう。
元本割れのリスクを低く抑えるには、長期的に運用することが重要です。
投資信託では運用実績に応じて分配金が支払われますが、これを元本に組み入れて再投資すれば、「利益が利益を生む」状態、つまり複利効果を得ることも可能です。
つみたてNISAは短期間で大きなリターンを得にくい反面、長期的にはリスクを抑えて利益を得やすい投資方法なので、初心者にも向いているといえるでしょう。
つみたてNISAは投資である以上、非課税期間終了ギリギリで金融危機などが起こり、資産が目減りすることもあるでしょう。そもそも投資をするうえでは、そういったリスクを受け入れる覚悟も必要です。
各証券会社が取り扱っているしている商品には違いがあり、NISA対象商品の数も異なります。これからNISA口座を開設するなら、対象商品の取り扱いが多い証券会社がおすすめです。
以下のコンテンツでは、NISA・つみたてNISAを行う際におすすめの証券会社や、詳しい選び方を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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