eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)は、日経平均に連動する日本株投資信託です。「コストが安い」「長期の積立に向いている」などの口コミを見かけますが、実際のところどうなのか気になりますよね。
今回はその実力を確かめるため、以下の3つの観点で検証を行いました。
さらに、TOPIX連動銘柄やアクティブ型の日本株投資信託とも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。日本株投資信託選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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目次
おすすめスコア
コストの安さ
リターンの高さ(実績)
暴落時の耐久度
運用スタイル | インデックス型 |
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信託報酬 | 0.143% |
トータルリターン(検証時) | 6.98%(2018年2月2日〜2025年4月3日) |
良い
気になる
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)は、高リターンを期待する人や運用コストを抑えたい人、国内の有名企業に投資したい人におすすめです。比較したなかでは信託報酬の安さ・過去の実績から算出したリターンの高さともにトップレベルでした。
2018年2月2日〜2024年10月4日のリターン率は9.92%と高水準を記録。今回検証した日本株投資信託の平均リターン率8.19%を大きく上回りました。あくまでシミュレーション上の数値ではありますが、この水準で20年間積立投資をすると、投資金額が約3.2倍に成長する計算です。
信託報酬も0.143%と、比較した日本株投資信託の平均0.75%よりも割安。運用コストを抑えつつ効率よく資産を増やせそうです。せっかく得たリターンを手数料で目減りさせたくないなら、まず検討してほしい商品といえます。
なお、コロナショック時には-16.79%と比較した各ファンドの平均(-15.38%)よりも大きな下落幅を記録しました。ただし、外国株よりは下落幅を抑えていたため、そこまで値動きが激しいファンドではないといえます。
本ファンドは国内の有名企業から構成される指数である日経平均に連動。トヨタ・ソニー・ユニクロといった日本の大企業に投資できる点も強みです。低いコストで安定したリターンを狙いたい人には、ぴったりの選択肢といえるでしょう。日本株投資信託選びで迷った際は、ぜひ購入を検討してください。
2024年6月20日時点の純資産総額は、11兆円を突破。運用コストの低さから多くの投資家に支持されているようです。
運用手法は市場全体の動きに連動するように運用するパッシブ運用。日経平均株価(日経225)の値動きに連動する投資成果を目指して運用されています。
日本株投資信託は日本株のみに投資するため、情報を新聞やニュースで簡単に収集できます。専門知識がなくとも値動きの理由を分析しやすく、投資の勉強にもなるでしょう。
対して、外国資産の情報は英文がメインとなるため、情報収集が難しい傾向が。初めての投資先が日本株投資信託だと、日常生活で手軽に投資を学べますよ。
さらに、日本株に加えて先進国株や債券を組み合わせることで、リスクを分散しながら自由に運用が可能。自分で細かく資産構成を決めたい場合、投資先が日本株のみである日本株投資信託は選択肢の1つになるでしょう。
米国株やバランス型ファンドと比較すると人気度が低いものの、最近の日本経済の改善や新NISA制度の導入により、将来的なリターンが期待できる状況が整いつつあります。日本株投資信託は、今後の成長を見込んだ投資先としても魅力的でしょう。
今回はeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)を含む人気の日本株投資信託を実際に調査して、検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
人気の日本株投資信託を比較検証したところ、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)には2つのよい点がありました。1つずつ解説していくので、購入を検討している人はぜひチェックしてみてください。
しっかりリターンが欲しい人におすすめのeMAXIS Slim 国内株式(日経平均)。2018年2月2日から2024年10月4日までの6年間のリターンは年率9.92%と、高パフォーマンスでした。比較した銘柄には利回りがマイナスのものもあったなか、高リターンを狙える点が魅力です。
仮に、この利回りを維持しながら20年間積立投資を続けた場合、シミュレーション上では資産が3.2倍に増える計算に。もちろんシミュレーションどおりになるとは限りませんが、長期投資で資産を増やしたい人にとっては有望な選択肢の1つといえるでしょう。
リスクを抑えつつ、資産形成を目指したい人にはぴったり。ただし、株式市場の動向によりリターンは変動するため、投資タイミングには注意が必要です。自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、幅広い商品の中から慎重に選ぶことをおすすめします。
コストの安さは謳い文句どおり。信託報酬は0.143%で、比較した各ファンドの平均コストである0.746%より大幅に安いとわかりました。毎月2万円で20年間積立投資した場合、コストを約6.9万円に抑えられます。
信託報酬とは投資信託の管理代のようなもので、保有中ずっと払い続けます。比較したなかには信託報酬が1.50%を超えるファンドもありましたが、せっかく儲かっても信託報酬が高いと利益が目減りします。高いリターンを得るためには、できるだけ信託報酬が安いファンドを選ぶことが賢明です。
目安として、信託報酬が0.20%以下なら低コストといえるでしょう。eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)は十分にローコスト。コストを抑えつつ、日経平均に連動した運用成果を期待できる魅力的な商品ですよ。
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)にはたくさんのメリットがある反面、気になった点もありました。購入を考えている人は、しっかりリサーチしておきましょう。
2020年2月3日と2020年3月31日の基準価格を比べてコロナショック時の下落率を算出したところ、-16.79%と大幅な下落を見せています。同じ日本株式でも、TOPIXに連動するeMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)のほうが下落率を抑えていました。
日経平均は日本の代表的な株価指数ですが、TOPIXと比べると構成銘柄数が少ないため、個別銘柄の影響を受けやすい傾向にあります。そのため、コロナショック時のような急落局面では、日経平均連動のファンドのほうが下落率が大きくなったと考えられます。
ただし、長期的に見れば、日経平均とTOPIXの値動きにそれほど大きな差はありません。コロナショック後の株価回復局面でも、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)は着実に基準価格を回復させています。コロナショックにおいても外国株よりは下落幅を抑えており、特別値動きが激しいとはいえません。
投資における株式の位置づけを考えれば、短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、長期的な資産形成の手段として活用していくことが肝要といえるでしょう。
運用スタイル | インデックス型 |
---|---|
信託報酬 | 0.143% |
トータルリターン(検証時) | 6.98%(2018年2月2日〜2025年4月3日) |
良い
気になる
主な取扱金融機関 | SBI証券、楽天証券、岡三オンライン、SMBC日興証券、マネックス証券、松井証券、GMOクリック証券、auカブコム証券、三菱UFJ銀行 |
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リターン(1年) | -10.26% |
リターン(3年) | 10.59% |
リターン(5年) | 15.44% |
標準偏差(1年) | 0.14% |
標準偏差(3年) | 15.28% |
標準偏差(5年) | 16.53% |
シャープレシオ(1年) | 1.31 |
シャープレシオ(3年) | 0.71 |
シャープレシオ(5年) | 0.83 |
信託財産留保額 | 0% |
純資産総額 | 1584.17億円(2025年4月3日) |
純資産推移 | +289.15億円 |
基準価額 | 16,072円(2025年4月3日) |
設定日 | 2018年2月2日 |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
ここからは、eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) 以外のおすすめの日本株投資信託をご紹介します。
さまざまな日本株に投資したいなら、eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)もおすすめ。TOPIX(東証株価指数)は東証に上場している銘柄を広く網羅した指数であり、約2,200もの銘柄が含まれています。1本でトヨタやソニーといった有名企業へ投資できますよ。
検証結果によれば、信託報酬は0.143%と非常に低コストでした。また、2018年2月2日~2024年10月4日までのリターンは年率8.18%と高く、この成績で20年間積立投資を行った場合、投資資金は約2.5倍に増加します。これはあくまでシミュレーションですが、高いリターンを期待しつつ低コストで運用できる銘柄といえるでしょう。
コロナショック時には-15.03%の下落を記録しましたが、日本株全体の下落幅とほぼ同様でした。日経平均に連動する銘柄よりは下落を抑えていた点も見逃せません。多様な日本株に分散投資しつつ低コストで高リターンを狙いたい人は、検討してみてください。
インデックスファンドは日経平均などの指数に連動するよう運用するため、指数を構成する大型株にしか投資できません。一方、アクティブファンドはファンドマネージャーの独自の判断によって、本来の価値が評価されていない優良な小型株にも投資できます。
本来、小型株への投資は自分で企業を探す必要がありますが、アクティブファンドであればプロにお任せできるため手間もかかりません。アクティブファンドは指数以上のリターンを目標に運用されるため、運がよければ指数を超える成績となる可能性もあります。
ただし、アクティブファンドはインデックスファンドの数倍の信託報酬がかかる点がデメリット。また、運用成績はマネージャーの腕次第のため、指数以下のリターンになる可能性もあります。購入前に必ず投資先や成績が書かれている目論見書、月次レポートを確認しましょう。
比較したアクティブファンドでは、「年金積立 Jグロース」が運用成績、手数料ともに優秀でした。TOPIXの成績を超えることを目標にしており、評価対象期間のリターンは年率8.38%とTOPIXを上回る結果に。信託報酬は0.902%で、アクティブファンドとしては低価格。低コストで指数以上のリターンを得たい人におすすめです。
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)は主にネット証券で取り扱われており、インターネット取引に限定されています。一部の銀行や証券会社でも取り扱いがありますが、窓口での販売は行われていません。
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)を取り扱っている主なネット証券を以下にまとめました。
<主なネット証券>
とくにおすすめできるのは、SBI証券とマネックス証券。この2社はクレジットカード積立に対応しており、特定のクレカを利用することでポイントが貯まります。
SBI証券は「三井住友カード」と「Olive」に対応しており、積立額やクレジットカードのランクによって最大5.00%(※)ものポイントが還元されます。
2024年11月より最大3.00%に変更
マネックス証券を使うなら、「dカード」もしくは「マネックスカード」で積立しましょう。積立額やランクに応じて最大1.10%のポイントが付与されます。
ハイクラスのカードを利用して業界トップクラスのポイント還元を得たい人にはSBI証券が、スタンダードなカードで手軽にポイントを貯めたい人にはマネックス証券がおすすめです。
eMAXIS Slimは、低コストで資産運用が行える投資信託のシリーズです。eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)以外にも多くの商品があり、その種類は全部で14本あります。ここからは、eMAXIS Slimの全商品14本を、おすすめしたい人と合わせて紹介していきます。
1本で複数の資産に投資したい人は、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)がおすすめです。
本ファンドは日本を含む世界各国の株式や債券、リートなど計8資産に分散投資する銘柄であり、以下のように8資産すべてに等しく投資を行っています。
市場は常に変動しており、各資産は経済状況によって異なるパフォーマンスを示します。特定の資産が好調である一方、成績が振るわない資産が出てくる場合もあり、複数の資産に分散投資することで、投資リスクを抑え収益の安定化が期待できます。
分散投資は長期的な投資戦略として非常に効果的なため、1本で手軽に複数の資産に投資したい人は、本ファンドが適しているでしょう。
投資する国・地域を分散したい人は、以下の3本のファンドがおすすめです。1本で複数の国・地域に分散投資できるため、自分で投資配分を考える手間を減らせますよ。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は日本を除く先進国と新興国の株式に投資するインデックスファンド。先進国であればアメリカやイギリスなど22の国と地域が、新興国は中国やインドなど24の国と地域が投資対象です。全世界株式ですが、投資先は先進国が89.4%と大部分を占めています。
日本を含む先進国と新興国の株式に投資したい人は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)がよいでしょう。本ファンドはインデックス型であり、アメリカや日本など23の先進国・地域と、中国やインドなど24の新興国・地域が投資先に含まれています。全世界株式ですが、こちらも投資先は先進国が90.0%と大部分を占めています。
先進国と新興国に等しく投資するなら、eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)がおすすめです。日本・日本を除く先進国・新興国の3地域の株式に均等に投資するため、他の全世界株式と比べて、より投資先を分散させやすいのが特徴です。
自分で個別資産を選びたい人は、投資先が限定された以下のファンドがおすすめ。投資する国や地域・投資割合・連動指数などをチェックし、希望に合うファンドを探してみてください。
<リート>
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