住宅ローンの審査の際に確認される勤続年数。転職をしたばかりだと勤続年数が短くても組めるのか、審査に通るためには何年必要なのかなど、気になる人もいるでしょう。
本記事では、住宅ローンの審査では勤続年数が何年必要なのかを解説します。勤続年数が重視されている理由や短い勤続年数でも審査に通りやすくする方法なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
住宅ローンの審査はいくつかの要素や審査項目をふまえたうえで総合的に判断されるため、勤続年数が短くても組める場合はあります。
「令和3年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、構成比で90%以上を占めるのは以下の審査項目です。
<審査項目/構成比(90%以上・上位順)>
上記を見ると、審査項目としてとくに重視しているのが「完済時年齢」や「健康状態」だとわかります。年収アップが見込める企業に転職して間もない場合や、業界内での転職の場合は短い勤続年数でも問題ないでしょう。
住宅ローンの審査基準は各金融機関で異なります。勤続年数は具体的に何年あれば審査に通りやすいのでしょうか。ここでは、ネット銀行・大手銀行でそれぞれどのような基準が設けられているのか解説します。
ネット銀行は勤続年数を問わない、もしくは求めるところでも6か月~2年以上と短い銀行がほとんどです。勤続年数を求めていないところでは、返済能力の指標となる年収を重視しています。ネット銀行のなかでも勤続年数が審査基準の場合と、申し込み基準ではない場合を比較してみました。
<イオン銀行>
<SBI新生銀行>
<auじぶん銀行>
<PayPay銀行>
<ソニー銀行>
このように、勤続年数に関わらず、前年度の年収が200万円以上であれば住宅ローンの申し込みが可能です。銀行によっては、300万円や400万円以上のところもあります。
<三菱UFJ銀行>
<りそな銀行>
<三菱UFJ信託銀行>
<ろうきん>
<JAバンク>
長期間の住宅ローンで、安定して返済できるかを勤続年数から判断していると考えられます。大手銀行を利用するなら、勤続年数が1年を超えてから申し込みましょう。
「令和3年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、住宅ローンの審査項目で勤続年数を挙げている金融機関のうち、1年以上・2年以上・3年以上を求める金融機関数が大半を占めていることがわかります。
<求める勤続年数/金融機関数(1,035件のうち)>
収入の安定性や高収入が期待できれば、長期間のローンを返済してもらえるかどうかの判断も可能です。
勤続年数を重視している金融機関が多いからといって、必ずしも勤続年数が審査に左右されるとは限りません。たとえ勤続年数が短くても、住宅ローンの審査に通過しやすい転職パターンがあります。
一方、まったく違う業界や職種に転職した場合、スキルがゼロの状況からのスタートとなり収入が不安定になると捉えられ、審査に不利になる可能性があるため注意してください。
ただし、転職先の規模が小さい場合や年収が著しく下がった場合、住宅ローンの審査では不利になるかもしれません。すべての異動がプラスで評価されるわけではないことは理解しておかなければなりません。
業績が良好な大手企業に転職した場合も、基本的には審査はマイナスになりません。ただし、年収が増加しても短期間での転職を繰り返した場合、収入の安定性に疑問を抱かれて審査で不利になってしまう可能性があります。
一方で、こうした士業で独立する場合には、安定した収入が得られるかどうかの見通しが立てにくく、収入が不安定と判断されやすくなってしまいます。経営者の場合は、事業年数や実績などの基準を満たすことが重要です。
フラット35は、独立行政法人住宅金融支援機構の全期間固定金利型住宅ローンで、全国の300以上の金融機関と提携。勤続年数や雇用形態などが申し込み要件に入っていないので、転職後1年未満の人であっても審査に通過する場合もあるでしょう。
また、ネット銀行なら勤続年数を必要としないところもあるため、ネット銀行を選択するというのも方法のひとつ。ネット銀行を検討している人は、以下の関連記事も参考にしてみてください。
合算できるかどうかは、金融機関との交渉が必要です。同業界や、士業など資格職への転職で年収が上がっている場合は、金融機関に勤続年数の合算をしてもよいか交渉してみてください。
返済負担率は30~35%が目安のため、最低でもこの金額になるまで頭金を準備しておきましょう。勤続年数が短くても返済負担率が低ければ、審査に通過できる可能性はあります。
転職直後は収入が安定しているかどうかも判断する必要があるため、追加の書類として、採用通知書もしくは雇用契約書・見込収入証明書・転職後の給与明細書・職歴書などが求められる場合があります。必要な書類は金融機関によって異なるため、どのような書類が必要なのか事前に確認して準備しておき、スムーズに審査が進むようにしましょう。
勤続年数の合算ができず転職したものとして判断される可能性が高いため、転職後1年以上勤務し、住宅ローンを返済するための自己資金を増やしておくなど、対策を取っておく必要があります。
赤字決算の年があると収入が不安定と判断されやすくなるので、3期連続で黒字決算になっている状態で申し込むのがよいでしょう。
単純な記入ミスでも、申込書に記載した入社年月と健康保険証の資格取得日が異なっていれば、不備とみなされるかもしれません。記入後は、入社年月と健康保険証の資格取得日が異なっていないか必ず確認してから提出しましょう。
勤続年数が短い場合は、勤続年数が短くても審査に通過しやすいパターンに該当するのか、申し込みのポイントもふまえたうえでの検討が重要です。しっかりと準備をして、スムーズに審査が進められるようにしておきましょう。
適した住宅ローンを選びたい人は、人気の住宅ローン商品をランキング形式に紹介しているこちらの記事も参考にしてみてください。
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