ソフトバンクユーザーが優遇される変動金利住宅ローン、PayPay銀行住宅ローン。口コミでは「低金利で団信が充実している」と評判です。しかし、本当に口コミどおりなのかわからず、利用するか迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の3つの観点で検証しました。
さらに、主要な変動金利住宅ローンとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。借入までの流れやつなぎ融資ができるかも調査したので、変動金利住宅ローン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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PayPay銀行住宅ローンはソフトバンクユーザーがお得に組める住宅ローンです。金利は年0.730%で、比較した各商品の平均(年0.811%)以下でした。加えて、ソフトバンクユーザーには金利の優遇が。ソフトバンクのスマホ利用者の金利は年0.66%に、さらにスマホ/ネット/でんき優遇割が適用されると年0.60%で借入可能です。
「低金利で団信が充実している」との口コミどおり、がん団信の保障内容が充実しています。上乗せ金利年0.15%で、がんはもちろん、全疾病保障や失業保障・自然災害保障などを追加可能。比較した銀行のがん団信上乗せ金利の平均も年0.15%だったため、平均的な金利でより多くの保障をプラスできます。一定の条件を満たせば、がん経験者もがん団信に加入できますよ。
銀行としてははじめて、ペアローン連生団信を取り扱ったことにも注目。従来のペアローンは、ペアの片方に万が一のことがあっても、もう1人のローン返済は免除されない仕組みでした。しかし、ペアローン連生団信は2人分のローン返済残高が0に。パートナーとローンを組む人も、ぜひ検討してください。
返済時の利便性も申し分ありません。一部繰り上げ手数料や、給与振込口座から返済口座への自動資金移動サービスの利用料が無料です。コストを気にしなくてよいため、余裕がある月は繰り上げ返済しやすいでしょう。
ソフトバンクユーザーやがん団信の保障を手厚くしたい人にとっては、金利の低さが魅力。ペアローンを組む人にも検討してほしい商品です。一方、5年ルール・125%ルールがないことは懸念。金利変動のリスクに備えたい人は、5年ルール・125%ルールがあるメガバンクや地銀の住宅ローンも検討しましょう。
<おすすめな人>
<おすすめではない人>
手続きはすべてオンラインで完結。借入期間は5年以上35年以内(1か月単位)、借入可能金額は500万円以上2億円以下(10万円単位)です。
資金使途は以下のとおり。本人が住む住宅にまつわる資金として借入できます。なお、借り換えと同時に借りる場合のみ、リフォーム資金としても利用可能です。
<資金使途>
今回は、PayPay銀行住宅ローンを含む各変動金利住宅ローンを実際に調査して、比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
各変動金利住宅ローンを比較検証したところ、PayPay銀行住宅ローンには3つのよい点がありました。1つずつ解説していくので、利用を検討している人はぜひチェックしてみてください。
PayPay銀行の住宅ローンを選ぶことで、返済負担を軽減できる可能性があります。通常の金利は年0.730%と、比較した全体平均の年0.811%より低い設定でした。
さらに、ソフトバンクのスマホユーザーは金利優遇を受けられます。以下の条件で金利が最大年0.130%引き下げられるため、返済負担を軽くできるでしょう。
<ソフトバンクユーザーの優遇金利>
事務手数料はほかの多くの銀行と同様に、借入金額に対して2.2%の金額がかかります。手数料は初回のみかかる費用なので、手数料より金利の低さを重視して選ぶのがおすすめです。ソフトバンクのスマホを使っているなら利息負担を軽減できるため、検討してはいかかでしょうか。
「低金利で団信が充実している」との口コミどおりであり、がん団信の保障を手厚くしたい人にもおすすめ。上乗せ金利のない一般団信には、死亡や高度障害・余命6か月と診断されたときのリビングニーズ保障が付帯しています。
金利を年0.15%上乗せすれば、がん診断保障・全疾病保障・失業保障・自然災害保障などを追加可能。比較した銀行のがん団信の上乗せ金利は平均で年0.15%だったため、平均程度の金利で保障の範囲を広げられますよ。一定の条件を満たせば、がん経験者も追加負担なく加入できるのもポイントです。
銀行としてはじめて、「ペアローン連生団信」を取り扱っていることも特徴。通常のペアローン団信は、どちらかに万が一のことが起こっても、もう1人の返済は継続されます。しかし、PayPay銀行が扱うペアローン連生団信は、団信が適用されると2人分の返済が免除に。ペアローンを組みたい人にも、より心強さのある選択肢でしょう。
返済時の利便性が高いこともよい点。一部繰り上げ返済手数料が無料なので、余裕がある月は積極的に繰り上げ返済しやすいでしょう。早めにローンを完済したい人は、ぜひ活用してください。
また、給与受取口座から、返済用口座(PayPay銀行の普通口座)への自動資金移動も無料。メインバンクをPayPay銀行に変更できなくても、振込作業の必要がなく便利です。
PayPay銀行住宅ローンにはよい点がある反面、気になる点も2つありました。契約後に後悔しないためにも、デメリットを確認しておきましょう。
5年ルール・125%ルールはありません。5年ルールとは、金利が変動しても5年間は返済額が一定になるルール。125%ルールは、それまでの返済額より1.25倍以上に上がることはないというルールです。
5年ルール・125%ルールがないと、将来金利が急に上がったときに、返済負担が増えるリスクがあります。
ネット銀行は5年ルール・125%ルールがないものが多かったのに対し、地銀・メガバンクはどこも対応していました。金利変動リスクが許容できない人は、5年・125%ルールがある地銀やメガバンクを選びましょう。
つなぎ融資や分割融資には非対応なので、注文住宅を建てる人は注意が必要です。つなぎ融資とは、必要な資金を住宅ローンとは別で銀行から前借りし、返済を住宅ローンと一本化する方法のこと。分割融資は、複数回に分けて融資を受ける方法です。
注文住宅の建設には、土地購入時や工事完了時など、複数回に分けて支払いが発生します。マイホームが注文住宅の人は、つなぎ融資や分割融資に対応する住宅ローンから検討したほうがよいでしょう。
適用金利 | 年0.730% |
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がん団信の上乗せ金利 | 年0.15% |
手数料 | 借入金額×2.2% |
良い
気になる
借換可能 | |
---|---|
自社ATM利用手数料(平日) | |
自社ATM利用手数料(土日) | |
コンビニATM利用手数料 | 無料(月1回まで・2回目以降は利用金額3万円以上で無料)、165円(月2回目以降で、利用金額3万円未満の場合) |
申込可能な最低年収 | 200万円 |
申込可能な最低勤続年数 | |
申込可能な最長年数 | 35年 |
返済用口座の開設手続きが必要 | |
借入できる地域 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
申し込みの対象は、以下の条件を満たす人です。
<申し込み対象者の条件>
申し込みから借り入れまでは以下の流れで進みます。借り入れまで1か月程度はかかるため、期間に余裕を持って申し込みをしましょう。
<申し込みから借り入れまでの流れ>
1.住宅ローン専用の申込ページから、事前審査の申し込み
2.当日~2営業日以内に審査結果を受け取る
3.本審査の申し込みを完了
3.引受保険会社からの案内メールが1~2営業日で届いたら、カーディフ団信オンラインから申し込み
4.必要書類をWEBでアップロードまたは郵送で提出
5.本審査開始(書類提出から3~10営業日後)
6.本審査完了通知メールを受け取り、契約手続前の準備へ(借り入れ日の8営業日前まで)
7.振込先の登録・契約手続(借り入れ日の5営業日前まで)
8.融資実行
変動金利と固定金利で審査の厳しさは変わりません。どちらも年収や勤続年数・信用情報などをもとに審査され、契約期間中に滞りなく返済できるかを判断されます。
ちなみに、最長35年間ずっと固定金利のフラット35は、申し込みに必要な年収を事前に把握可能。審査をクリアできるか心配な人は、チェックしてみてくださいね。
最後に、5年ルール・125%ルールがある変動金利住宅ローンをご紹介します。
がん団信の上乗せ金利が低いのは、みずほ銀行。上乗せ金利は年0.10%で、比較した各行の平均(年0.15%)よりも低めでした。金利も年0.525%と平均(0.811%)より低いものの、2025年7月からは上がるため注意。5年ルール・125%ルールを重視し、がん団信を追加するなら有力な選択肢です。
三菱UFJ銀行は、一般団信で十分という人におすすめ。金利は年0.595%と、比較の平均(年0.811%)より低水準です。がん団信の上乗せ金利は年0.30%なので、がん団信をつけると標準的な金利に。5年ルール・125%ルールで金利変動に備えつつ、一般団信で金利を抑えたい人は要チェックです。
適用金利 | 年0.525%(*1) |
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がん団信の上乗せ金利 | 年0.1% |
手数料 | 借入金額×2.2%、事務手数料 33,000円 |
良い
気になる
借換可能 | |
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自社ATM利用手数料(平日) | 無料(※みずほダイレクトの初回登録必要) |
自社ATM利用手数料(土日) | 無料(※みずほダイレクトの初回登録必要) |
コンビニATM利用手数料 | 平日:110円(8:45〜18:00)、220円(0:00〜8:45・18:00〜24:00)/土曜日:220円(0:00〜22:00)/日曜日:220円(8:00〜24:00)/祝日・振替休日:220円 |
申込可能な最低年収 | 不明 |
申込可能な最低勤続年数 | |
申込可能な最長年数 | 35年 |
返済用口座の開設手続きが必要 | |
借入できる地域 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
本注釈においては事業者からの情報提供を含みます
適用金利 | 年0.595%(*1) |
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がん団信の上乗せ金利 | 年0.3% |
手数料 | 借入金額×2.2%(*2) |
借換可能 | |
---|---|
自社ATM利用手数料(平日) | 無料 |
自社ATM利用手数料(土日) | 無料 |
コンビニATM利用手数料 | 月3回までは無料 |
申込可能な最低年収 | 不明 |
申込可能な最低勤続年数 | 不明 |
申込可能な最長年数 | 35年 |
返済用口座の開設手続きが必要 | |
借入できる地域 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
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