住宅ローン専門の金融機関として有名なARUHI(アルヒ)が提供する、ARUHIの「フラット35(買取型)」。インターネット上では「お得なローンが組めた」という評判のよい口コミを見かけますが、実際のところどうなのか気になる人も多いのではないでしょうか。
今回はその実力を確かめるため、以下の3つの観点で検証しました。
さらに、主要なフラット35とも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。保証型との違いやつなぎ融資についても説明しているので、フラット35選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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目次
良い
気になる
ARUHIの「フラット35(買取型)」は頭金なしで申し込むなら有力候補ですが、がん団信の上乗せ金利は高めです。基本保障は死亡・高度障害のみ。がん診断時に返済が免除される「3大疾病付機構団信」に加入するには、年0.24%の金利を上乗せする必要があります。なかには、がん団信の上乗せ金利が年0~0.15%と低いフラット35もあったため、がん団信に入るならほかを検討しましょう。
一方、同社のスーパーフラット(保証型)とは異なり、頭金なしで契約できる点は魅力的。金利は年1.95%と、比較した頭金不要で申し込めるほかの商品と同率です。なお、頭金を1割入れる場合の金利は年1.84%(平均:年1.98%)・2割時は年1.84%(平均:年1.97%)と、いずれも全体平均以下でした。
手続きはネットで完結。また、返済用に新たに口座を開く必要がない点も便利です。例えば、住信SBIネット銀行のフラット35では、引き落とし口座として指定できるのは同行の普通口座のみでした。対するARUHIは全国1,000以上の提携金融機関から選択できるため、メインバンクをそのまま使えます。
頭金を入れなくても低金利で借入できますが、がん団信の上乗せ金利が高い点はネックです。頭金を1割でも用意できるなら、よりがん団信の上乗せ金利が低いほかの商品も検討してくださいね。
<おすすめできない人>
実際にARUHIの「フラット35(買取型)」と比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストなフラット35と、各検証でNo.1を獲得したフラット35をピックアップしました。
ARUHIの「フラット35(買取型)」のデメリットが気になる人は、ぜひこちらも検討してみてくださいね!
ARUHI(アルヒ)は15年連続フラット35のシェアNo.1(※)を獲得している、国内最大級の住宅ローン専門金融機関。検証したARUHIの「フラット35(買取型)」は、住宅金融支援機構とARUHIが提携して提供する全期間固定金利の住宅ローンです。
2010年度〜2024年度統計、取扱金融機関のうち借り換えを含むフラット35実行件数(2025年現在SBIアルヒ調べ)
なお、ARUHIではフラット35のほかにも、利用者の要望に応えられるようにフラット20・フラット50も用意しています。フラット20は返済期間を短くすることで、金利を抑えられる点がメリット。フラット50は月々の返済額の負担を軽減できるため、物件の選択肢を広げたい若年世代にも向いています。
フラット35とは、住宅金融支援機構が提供する35年固定金利の住宅ローンです。金利が変動しないため、早い段階で返済計画を立てたい人に向いています。
民間の固定金利住宅ローンの申し込み条件には、年収・勤続年数が含まれていることが一般的です。一方、フラット35は、原則として70歳以下で日本国籍(永住許可を受けている人または特別永住者も可)であれば申し込み可能。年収の少なさや、勤続年数の短さが心配な人にもおすすめです。
また、持病があり団信に加入できない場合も、フラット35は有力候補になります。団信(団体信用生命保険)とは住宅ローン専用の生命保険で、民間の住宅ローンでは加入が必須。対するフラット35は、団信なしでも申し込みが可能です。
金利・手数料は、提携している金融機関ごとに設定しています。どの金融機関で契約するべきかは、どれくらい頭金を入れる予定か、団信に入るかどうかを基準に判断するとよいでしょう。適用される金利は、頭金の額によって変わります。団信に入る場合は、上乗せ金利に注目して選んでくださいね。
民間の固定金利住宅ローンのほうがお得になることもあるため、まずは民間の固定金利住宅ローンをチェック。その後、フラット35の割引後の金利と比較するのが得策です。民間の固定金利住宅ローンは以下のコンテンツで紹介しているので、あわせて読んでくださいね。
今回はARUHIの「フラット35(買取型)」を含む人気のフラット35を調査して、比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
主要なフラット35を比較検証したところ、ARUHIの「フラット35(買取型)」には2つのよい点がありました。1つずつ解説していくので、利用を検討している人はぜひチェックしてください。
頭金を用意する予定がないなら筆頭候補になります。同じくARUHIが提供しているスーパーフラットとは異なり、ARUHIの「フラット35(買取型)」は頭金なしで契約できるのが特徴です。
頭金なしの金利は年1.95%。同じく頭金不要で申し込める、三井住友信託銀行や楽天銀行、イオン銀行のフラット35と同率の金利が適用されます。
また、頭金を1割入れる場合の金利は年1.84%(平均:年1.98%)・頭金2割時は年1.84%(平均:年1.97%)で、どのパターンでも比較したフラット35の金利の平均以下でした。
<金利の低さの検証結果>
また、若年夫婦世帯や子どもがいる世帯・長く安心して暮らせる優良住宅といった条件を満たすと、金利の引き下げが適用されます。各割引制度は組み合わせも可能。当てはまる割引条件があれば、より返済総額を抑えられますよ。
ARUHI ダイレクト(ネット)で申し込みが完結するため、24時間いつでも好きなときに手続きができます。用紙に記入・捺印といった手間も省けるのはもちろん、必要書類もアップロード提出で郵送は原則不要。店舗に行く時間がない人にも重宝するでしょう。
また、新たに銀行口座を作らなくてよい点も魅力的。ARUHIは銀行ではないので、返済口座に口座を開く必要はありません。
例えば、上位の住信SBIネット銀行のフラット35は、返済口座に指定できるのは住信SBIネット銀行の代表口座円普通預金のみ。もともと口座を持っていない場合は、新たに口座を開設して毎月返済額を振り込んだり、メインバンクを変えたりする手間がかかります。
対するARUHIの「フラット35(買取型)」は、全国1,000以上の提携金融機関から自由に返済口座を指定可能。些細な点ではありますが、メインバンクをそのまま使えるのは長い目で見て利便性が高いといえるでしょう。
ARUHIの「フラット35(買取型)」にはたくさんのよい点がある反面、気になった点もありました。利用を考えている人は、しっかりリサーチしておきましょう。
返済負担を軽くしたい人にはあまり向いていません。比較した買取型のフラット35の団信はいずれも同様に、基本保障は死亡・高度障害のみ。がんと診断されたときに返済を免除してほしいなら、3大疾病付機構団信への加入が必要です。
しかし、3大疾病付機構団信に加入する場合の上乗せ金利は年0.24%と高め。ちなみにARUHI住宅ローンのスーパーフラット(保証型)の場合、年0.15%の上乗せで、がんと診断されたあとの返済を免除にできます。
毎月の返済額は、住宅ローン金利とがん団信の上乗せ金利を足した合計金利で決まります。頭金なしで利用できるフラット35の上乗せ金は、どれも年0.24%と横並び。頭金を1〜2割用意できるのであれば、がん団信の上乗せ金利がより低い商品も検討しましょう。
適用金利(頭金1割) | 年1.89%(*1) |
---|---|
適用金利(頭金2割) | 年1.89% |
適用金利(頭金なし) | 年2.00% |
良い
気になる
ネット申込可能 | |
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ネット契約可能 | |
分割融資可能 | |
団信の基本保障 | 死亡保障・身体障害保障 |
団信の特約 | 死亡保障、身体障害保障、3大疾病保障、介護保障 |
繰り上げ返済の手数料 | 無料 |
自社ATM利用手数料(平日) | |
自社ATM利用手数料(土日) | |
コンビニATM利用手数料. | |
返済用口座の開設手続きが必要 |
本注釈においては事業者からの情報提供を含みます
店舗で契約する場合は融資まで約1か月と、ネット契約より早く手続きが終わる可能性が。急いでいる人は、店舗契約も検討してくださいね。
ARUHIの「フラット35(買取型)」は、全額繰上返済・一部繰上返済ともに手数料がかかりません。全額繰上返済は初回返済が完了していなくても可能、一部繰上返済は初回返済が完了していることが条件。繰上げ返済を希望する場合は、完済希望日または口座振替日の1か月前までに連絡しましょう。
なお、ARUHI住宅ローンのスーパーフラットをはじめ、ARUHIの「フラット35(買取型)」以外の商品は繰上げ返済手数料が発生するので注意してください。
フラット35にはつなぎ融資がありませんが、ARUHIでは「フラットつなぎ」を用意しています。申し込みに必要な書類は、申込書と現場写真のみ。申し込みから融資までは最短5営業日と謳っています。
つなぎ融資とは、土地の購入費や着工金など住宅の引き渡し前に必要な資金を一時的に立て替えるためのローンのこと。とくに、注文住宅を建てる場合は何度か支払いのタイミングがあるため、つなぎ融資を受けられると安心でしょう。
つなぎ融資のみの申し込みはできないため、通常、フラット35とつなぎ融資は同じ金融機関で申し込みます。必要な人は、検討している金融機関がつなぎ融資に対応しているか確認しておきましょう。
フラット35には買取型と保証型の2タイプがありますが、利用者側にとって大きな差はありません。
買取型は、住宅金融支援機構が金融機関から住宅ローンの債権を買い取る仕組みです。一方、保証型は金融機関の住宅ローンに保険をつけて保証するという違いはあるものの、どちらも手続きの流れは同じです。
買取型・保証型という名称の違いはあまり気にせず、金利やがん団信の上乗せ金利を基準に商品を選ぶとよいでしょう。
最後に、がん団信の上乗せ金利が低いフラット35をご紹介します。
住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)なら、がん団信の上乗せ金利が年0%。多くのフラット35とは異なり、基本保障にがん100%保障が含まれている点が魅力です。金利は頭金を1割入れるケースで年1.81%、頭金2割なら年1.76%といずれも低めです。ただし、頭金なしでの契約はできません。
ARUHI住宅ローンのスーパーフラット(保証型)は、団信のラインナップが豊富。がん団信の上乗せ金利も、年0.15%と低めでした。金利は頭金1割時は年1.82%・頭金2割時は年1.72%と、比較したなかでは最低水準。頭金なしでは申し込めませんが、物件価格の1〜2割を用意できるなら候補になるでしょう。
適用金利(頭金1割) | 年1.86% |
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適用金利(頭金2割) | 年1.81% |
適用金利(頭金なし) |
良い
気になる
ネット申込可能 | |
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ネット契約可能 | |
分割融資可能 | |
団信の基本保障 | 死亡・高度障害保障、リビング・ニーズ特約、がん保障(無担保住宅ローンの場合)、先進医療、全疾病 |
団信の特約 | |
繰り上げ返済の手数料 | 一部繰上返済:無料、全額繰上返済:33,000円 |
自社ATM利用手数料(平日) | |
自社ATM利用手数料(土日) | |
コンビニATM利用手数料. | 無料(月10回まで)※スマートフォンアプリにてスマート認証NEOの登録が必要 |
返済用口座の開設手続きが必要 |
住信SBIネット銀行 フラット35(保証型)を検証レビュー!フラット35の選び方も紹介
適用金利(頭金1割) | 年1.87%(*1) |
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適用金利(頭金2割) | 年1.77% |
適用金利(頭金なし) |
良い
気になる
ネット申込可能 | |
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ネット契約可能 | |
分割融資可能 | |
団信の基本保障 | 死亡・高度障害保障,リビングニーズ(余命宣告) |
団信の特約 | 一般団信:死亡・高度障害保障、リビング・ニーズ保障/がん団信:死亡・高度障害保障、リビング・ニーズ保障、がん保障(ローン残高50%保障)/がん団信プラス:死亡・高度障害保障、リビング・ニーズ保障、がん保障(ローン残高100%保障、診断給付金)/生活習慣団信:死亡・高度障害保障、リビング・ニーズ保障、がん保障(ローン残高100%保障、診断給付金)、病気・ケガによる入院 |
繰り上げ返済の手数料 | 一部繰上返済:無料(オンライン)、11,000円(電話・期間短縮型) 全額繰上返済:55,000円(窓口) |
自社ATM利用手数料(平日) | |
自社ATM利用手数料(土日) | |
コンビニATM利用手数料. | |
返済用口座の開設手続きが必要 |
ARUHI住宅ローンのスーパーフラット(保証型)を検証レビュー!フラット35の選び方も紹介
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